shutdown コマンド

目的

システム操作を終了します。

構文

shutdown [ -d ] [ -F ] [ -h ] [ -i ] [ -k ] [ -l ] [ -m ] [ -p ] [ -r ] [ -t mmddHHMM [ yy ] ] [ -u ] [ -v ] [ + Time [ Message ] ]

説明

shutdown コマンドはオペレーティング・システムを停止します。 root ユーザー権限を持ったユーザーだけが、このコマンドを実行できます。 デフォルトのシャットダウンの間にはメッセージが表示され、システムのシャットダウンがまもなく起こることが (wall コマンドによって) ユーザーに通知されます。 ただし、ユーザーがシャットダウン完了メッセージを受け取るまでは、シャットダウンは完了しません。 シャットダウン完了メッセージが表示される前に、システムを再始動したり電源を切ったりしないでください。 ファイルシステムが破壊される恐れがあります。

注: シャットダウンを起動する tty が、マルチポート・アダプターを通してシステムに接続されている場合、その tty には halt completed メッセージは表示されません。

シャットダウン時間が近づくと、システム上のすべてのユーザーの端末に警告メッセージが表示されます。

指定された秒数の後 (デフォルトでは 60 秒)、システムはアカウンティング・プロセスおよびエラー・ログ・プロセスを停止し、エラー・ログにエントリーを書き込みます。 次に shutdown コマンドは、残りのプロセスを終了するために killall コマンドを実行し、さらにメモリー常駐のディスク・ブロックをフラッシュするために sync コマンドを実行します。最後にファイルシステムをアンマウントして、 halt コマンドを呼び出します。

注: shutdown コマンドを実行中のノードでファイルをオープンしていても、そのノードにログインしていないユーザーには、シャットダウンに関する通知が行われません。

ユーザーがオペレーティング・システムに完全に停止するように要求すると、 shutdown コマンドはすべてのプロセスを停止し、 すべてのファイルシステムをアンマウントして、 halt コマンドを呼び出します。

システム管理者は、/etc/rc.shutdown という名前のシェル・スクリプトにローカル用にカスタマイズされたシャットダウン手順を配置できます。 このスクリプトは、存在する場合はシャットダウンの開始時に実行します。 スクリプトが実行してもゼロ以外の戻りコードで失敗した場合は、シャットダウンは停止します。

注意: システムを終了させて保守モードにする場合は、 ファイルシステムが完全にアンマウントされるように、 / (ルート) ディレクトリーから shutdown コマンドを実行する必要があります。

注: デフォルトでは、ソフトウェア制御が可能な電源装置を備えたモデルで shutdown コマンドを発行すると、システムの電源がオフにされます。

フラグ

項目 説明
-d システムを終了させ、分散モードからマルチユーザー・モードにします。
-F ほかのユーザーに対するメッセージをバイパスして、システム・ダウンをできるだけ迅速に行い、 高速でシャットダウンを行います。 +Time [ Message ] オプションは、-F フラグが指定されている場合は無視されます。
-h オペレーティング・システムを完全に停止します。 -v フラグと同じです。
-i 対話式モードを指定します。 対話式メッセージが表示され、シャットダウン中にユーザーに指示を出します。
-k 管理者は、システムをシャットダウンしなくてもshutdown 警告メッセージをブロードキャストできます。-k フラグを使用すると、メッセー ジの送信を除いて、その他のシャットダウン・アクティビティーは発生しま せん。例えば、どのプロセスも終了せず、-l フラグが指定されていても、 どのアクティビティーも /etc/shutdown.log に ログされず、/etc/rc.shutdown スクリプトが存在していても、実行することもありません。
-l シャットダウンされるファイルシステム、デーモン、ユーザー・ログイン、 ライセンス交付サービス、ネットワーク・インターフェースについての情報が含まれた、 /etc/shutdown.log ファイルを作成/付加します。 このファイルは、シャットダウン失敗のイベントが発生したときに、診断やデバッグの目的に使用されます。

注: このフラグを使用するときは、 shutdown コマンドがログを記録するのに十分なディスク・スペースがあることを確認してください。

-m システムをダウンさせ、保守 (シングル・ユーザー) モードにします。
-p パワーダウンせずにシステムを停止します。 これは無停電電源装置 (UPS) によって使用されます。

注: 永久停止を必要としないフラグと組み合わせて使用される場合、 -p フラグは無効です。 他のオペランドが遅延パワーオンおよびリブートを要求した場合でも、電源はオフにされます。

-r reboot コマンドでシャットダウンした後、システムを再始動します。
-t mmddHHMM [ yy ] システムを、即時シャットダウンしてから、mmddHHMM [ yy ] で指定された日付で再始動します。それぞれの意味は以下のとおりです。
mm
月を指定します。
dd
日を指定します。
HH
時間を指定します。
MM
分を指定します。
yy
年を指定します。

shutdown -t フラグは、 -v オプションや -h オプションと一緒には使用できません。

注: このオプションは、シャットダウン時に自動的にパワーオフする電源装置と、後からのリブートを可能にするアラームを備えたシステムでのみサポートされます。 この機能を備えていないシステムは、シャットダウン直後に、停止したりリブートしたりすることがあります。

-u このフラグは、診断において、フラッシュ・メモリーの更新とリブートに使用されます。
-v オペレーティング・システムを完全に停止します。

パラメーター

項目 説明
+Time shutdown コマンドがシステムを停止する時を指定します。 即時シャットダウンは画面に表示された now という語で指示されます。 将来の時間は、+ 数字かまたは時間 : 分という 2 つのフォーマットのいずれかで指定されます。 前者の形式では、指定された時間 (分) の後にシステムが停止され、後者では指定された時刻 (24 時間制) に停止されます。 Message パラメーターが指定される場合は、Time パラメーターも指定されなければなりません。
Message メッセージを指定します。

セキュリティー

RBAC ユーザーおよび Trusted AIX ユーザーへの注意: このコマンドは特権命令を実行できます。 特権命令を実行できるのは特権ユーザーのみです。 権限および特権についての詳細情報は、「セキュリティー 」の『特権コマンド・データベース』を参照してください。 このコマンドに関連した特権および権限のリストについては、lssecattr コマンドまたは getcmdattr サブコマンドの項を参照してください。

  1. コンピューターの電源を切るには、以下のように入力します。
    shutdown
    これによってシステムがシャットダウンされます。 ユーザー・プロセスおよび init プロセスが停止するまで 1 分間待機します。
  2. ユーザーが実行中の処理を終えるためにさらに猶予時間を与えてからシステムを保守モードにするには、以下のように入力します。
    shutdown  -m +2
    これによって、2 分間待った後にシステムはマルチユーザー・モードから保守モードになります。

ファイル

項目 説明
/usr/sbin/shutdown shutdown コマンドが入っています。