niminit コマンド

目的

ネットワーク・インストール管理 (NIM) クライアント・パッケージを構成します。

構文

NIM クライアント・パッケージを構成する

niminit{ -a name=Name -a pif_name=Pif -a master= Hostname} [ -a master_port=PortNumber ] [ -a registration_port= PortNumber ] [ -a cable_type= Type | -a ring_speed=Speed] [-a iplrom_emu= Device ] [ -a platform=PlatformType ] [ -a netboot_kernel=NetbootKernelType ] [-a adpt_add=AdapterAddress] [ -a is_alternate= yes | no ] [ -a connect=value ] [ -a vlan_tag=value] [-a vlan_pri=value]

/etc/niminfo ファイルを再作成する

niminit {-a name=Name -a master= Hostname -a master_port=PortNumber}

説明

niminit コマンドは、NIM クライアント・パッケージを構成します。 この作業をしておかないと、nimclient コマンドは使用できません。 niminit コマンドの必須属性を指定すると、 niminit コマンドを実行しているマシンを表す新しいマシン・オブジェクトが作成されます。 niminit コマンドが正常に終了すると、 マシンは NIM 環境に入れるようになります。

NIM クライアント・パッケージを正常に構成した後、 niminit コマンドを再び実行して、クライアント上で /etc/niminfo を再作成できます。 /etc/niminfo ファイルは nimclient コマンドで使用するので、 ユーザーが誤って除去してしまった場合は再作成しなければなりません。

このコマンドは、is_alternate 属性 が yes に設定されているときに、alternate_master を構成します。 alternate_master を構成する前に、bos.sysmgt.nim.master ファイルセットが インストールされている必要があります。 alternate_master の構成が正常に行われれば、登録されたマスターは alternate_master 操作を このマシン上で実行できるようになります。

フラグ

項目 説明 属性の説明
-a niminit コマンドに 5 つまでの属性を指定します。 次の属性 = 値の組は、いずれも前に -a フラグが付いています。  
  name=Name NIM がワークステーションの識別に使用する名前を指定します。 この値は必須です。
  pif_name=Pif すべての NIM コミュニケーションのネットワーク・インターフェースの名前を定義します。 この値は必須です。
  master=Hostname NIM マスターのホスト名を指定します。 クライアントは、このホスト名をインターネット・プロトコル (IP) アドレスに対して解決できなければなりません。 この値は必須です。
  master_port=PortNumber NIM コミュニケーションに使用する nimesis デーモンのポート番号を指定します。
  cable_type=CableType イーサネット・ケーブル・タイプを指定します。 pif_name がイーサネット・ネットワークを参照する場合は、この値が必要です。 受け入れ可能な値は、bncdix、 および N/A です。
  ring_speed=Speed Mbps 単位のスピード。 pif_name がトークンリング・ネットワークを参照する場合は、この値が必要です。 受け入れ可能な値は、 4 および 16 です。
  iplrom_emu=Device ROM エミュレーション・イメージが入っているデバイスを指定します。 ネットワーク・インターフェース経由のブートが内部でサポートされないモデルには、このイメージが必須です。
  platform=PlatformType クライアントのマシン・タイプに対応するプラットフォームを指定します。 この属性を指定しないと、デフォルトの chrp が使用されます。 サポートされているプラットフォームは次のとおりです。
chrp
PowerPC® Common Hardware Reference Platform (CHRP) アーキテクチャー・ベースのマシン
rs6k
AIX® 5.1 およびそれ以前用のマイクロチャネル・ベースのユニプロセッサー・モデル
rs6ksmp
AIX 5.1 およびそれ以前用のマイクロチャネル・ベースの対称型マルチプロセッサー・モデル
rspc
AIX 5.1 およびそれ以前用の PowerPC PCI バス・ベースのユニプロセッサー・マシン
rspcsmp
AIX 5.1 およびそれ以前用の PowerPC PCI バス・ベースの対称型マルチプロセッサー・マシン
  adpt_add=AdapterAddress ネットワーク・アダプターに対応するハードウェア・アドレスを指定します。
  registration_port=PortNumber NIM クライアント登録に使用するポート番号を指定します。
注:
  1. コマンド・ラインでポート番号を指定しない場合は、NIM の /etc/services ファイルのポート番号が使用されます。 /etc/services ファイルに NIM ポート nim および nimreg のエントリーがない場合、 master_port では 1058、registration_port では 1059 のデフォルト値が使用されます。
  2. master_port および registration_port に使用する値は、NIM マスターが使用する値と同じものでなければなりません。 NIM マスターが使用する値を表示するには、NIM マスター上でコマンド lsnim -l master を実行します。
  netboot_kernel=NetbootKernelType ネットワーク上でクライアントをブートする際に使用するカーネルのタイプを指定します。 netboot_kernel の値は次のとおりです。
up
ユニプロセッサー・マシンのカーネル。
mp
マルチプロセッサー・マシンのカーネル。

デフォルト値は up です。

  is_alternate=[yes|no] このマシンを alternate_master として 構成する必要がある場合は、「yes」に設定します。
  connect=value NIM コマンドをリモート実行する場合に、NIM が使用する通信サービスを指定します。 値のオプションは、shell (rsh の場合) および nimsh です。 デフォルト設定は connect=shell です。この属性はオプションです。is_alternate 属性が yes に設定される場合、nimsh はデフォルトの設定であり、唯一の有効な値です。is_alternate 属性の使用はオプションです。
  vlan_tag=value VLAN タグ付けに使用する仮想論理エリア・ネットワーク (VLAN) の ID を指定します。ID はイーサネット・フレームが属する必要のある VLAN を識別するために使用されます。この ID により、ネットワーク管理者はネットワークをサブネットに割り当てるのではなく、論理的にクライアントの通信を編成することができます。VLAN タグ付けの値は NIM によって、クライアントのネットワーク・ブートを実行するために使用されます。VLAN タグ通信の構成は、値を使用する前に NIM の外部で処理する必要があります。有効な値は 0 から 4094 です。
  vlan_pri=value VLAN タグ付けに使用する仮想論理エリア・ネットワーク (VLAN) の優先順位を指定します。優先順位の値は、VLAN タグとともに、イーサネット・フレームが属する必要のある VLAN を識別するために使用されます。この優先順位により、ネットワーク管理者はネットワークをサブネットに割り当てるのではなく、論理的にクライアントの通信を編成することができます。VLAN タグ付けの値は NIM によって、クライアントのネットワーク・ブートを実行するために使用されます。VLAN タグ通信の構成は、値を使用する前に NIM の外部で処理する必要があります。有効な値は 0 から 7 です。

セキュリティー

アクセス制御: niminit コマンドを実行するには、root 権限が必要です。

RBAC ユーザーおよび Trusted AIX ユーザーへの注意: このコマンドは特権操作を実行できます。特権命令を実行できるのは特権ユーザーのみです。 権限および特権について詳しくは、「セキュリティー」の『特権コマンド・データベース』を参照してください。このコマンドに関連した特権および権限のリストについては、lssecattr コマンドまたは getcmdattr サブコマンドの項を参照してください。

  1. BOOTP が使用可能になっている IPL ROM を持ち、NIM 環境では scuba として認識され、 1 次インターフェースとして en0 を使用し、 イーサネット・ケーブル・タイプとして bnc を指定し、 マスターのホスト名 manta およびネットワーク・インストール・コミュニケーションの /etc/services にあるデフォルト NIM ポートを使用するようなマシン上で、NIM クライアント・パッケージを構成するには、次のように入力します。
    niminit -a name=scuba -a pif_name=en0 -a cable_type=bnc ¥
    -a master=manta
  2. /etc/niminfo ファイルがユーザーによって誤って除去された場合に、マスターのホスト名として superman のホスト名、ポート番号として 1058 を指定して /etc/niminfo ファイルを再作成するには、次のように入力します。
    
    niminit -a name=robin -a master=superman -a master_port=1058
  3. BOOTP 対応 IPL ROM を持つ PowerPC PCI バス・ベースのユニプロセッサー・システムであるマシン上で、AIX 5.1 およびそれ以前用の NIM クライアント・パッケージを、NIM 環境で starfish として認識されるように構成するには、次のように入力します。ただし、1 次インターフェースとして en0 を使用し、イーサネット・ケーブル・タイプは dix であり、マスターのホスト名 whale およびポート番号 1058 を使用して NIM マスターと通信するように指定します。
    niminit -a name=starfish -a pif_name=en0 -a cable_type=dix ¥
    -a master=whale -a master_port=1058 -a platform=rspc
  4. あるマシン上で NIM クライアントを構成するには、次のように入 力します。その場合に、1 次インターフェースとしての at0 を使用し、マスターのホスト名 redfish およびポート番号 1058 を使用する NIM マスターと通信することを指 定して、NIM 環境で bluefish として認識されるよ うにします。
    niminit -a name=bluefish -a pif_name=at0 -a master=redfish ¥
    -a master_port=1058
    注: ATM ネットワークへのインターフェースは、現在ネットワーク上のブートをサポートしていないので、 この操作では、クライアントのサブネットに対応する汎用ネットワーク・オブジェクトが既に定義されている場合に NIM マスターのマシン・オブジェクトを定義します。
  5. BOOTP 対応 IPL ROM を持つ PowerPC PCI バス・ベースの対称型マルチプロセッサー・システム・システムであるマシン上で、AIX 5.1 およびそれ以前用の NIM クライアント・パッケージを、NIM 環境で jellyfish として認識されるように構成するには、次のように入力します。ただし、1 次インターフェースとして en0 を使用し、イーサネット・ケーブル・タイプは dix であり、マスターのホスト名 whale およびポート番号 1058 を使用して NIM マスターと通信するように指定します。
    
    niminit -a name=jellyfish -a pif_name=en0 -a cable_type=dix ¥
    -a master=whale -a master_port=1058 -a platform=rspcsmp
  6. デバイス /dev/fd0 で IPL ROM エミュレーションを使用するあるマシン上で、NIM クライアント・パッケージを構成するには 次のように入力します。その場合に、 NIM 環境では octopus として認識され、1 次インターフェースとして tr0、リング・スピードとして 16 を使用し、 マスターのホスト名 dolphin とクライアント・ コミュニケーションにはポート番号 1700、 クライアント登録には 1701 を使用する NIM マス ターと通信するようにします。
    niminit -a iplrom_emu=/dev/fd0 -a name=octopus -a pif_name=tr0 ¥
    -a ring_speed=16 -a master=dolphin -a master_port=1700 ¥
    -a registration_port=1701
  7. このマシンを、NIM マスターが dolphin である alternate_master として構成し、 インターフェース en0 を介して通信するようにするには、次のように入力します。
    niminit -a is_alternate=yes -a name=octopus -a pif_name=en0 ¥ 
    -a cable_type=bnc -a master=dolphin

ファイル

項目 説明
/etc/niminfo NIM が使用する変数が入っています。