ユーザーが SMTPNOTE コマンドによってメールを送信できる各システムではすべて、SMTPNOTE CLIST をコピーし、カスタマイズする必要があります。
これには、TCP/IP ノードと、リモート・ゲートウェイ・ノード上の SMTP を介してメールを送信する各 NJE ノードが含まれます。SMTPNOTE は TSO 送信 (XMIT) コマンドを使用して、SMTP とのインターフェースを取ります。
SEZAINST(SMTPNOTE) をシステム CLIST データ・セットにコピーします。
SEZAINST データ・セットは固定フォーマットであるため、システム CLIST ライブラリーが固定フォーマットでない場合には SMTPNOTE メンバーが切り捨てられる場合があります。
SMTPNOTE CLIST 内の以下の変数はカスタマイズする必要があります。
- DDNAME
- SMTPNOTE が入力データ・セットを割り振るために使用する DDNAME。
割り振りは、データ・セットへのすべての共用アクセスに行われます。デフォルト値は
EZBSMTPN に設定され、この値がシステム上に競合をもたらす場合にのみ変更します。
- HOSTNAME
- この CLIST がインストールされるシステムの名前。普通、この名前は、そのシステムの NJE ノード名です。システムの NJE ノード名は、parmlib の JES2PARM メンバー内にある NODE(nn) ステートメントの NAME パラメーターの値です。
- SMTPNODE
- SMTP サーバーが稼働する NJE ノード。通常、HOSTNAME と SMTPNODE の値は同じです。SMTPNODE が、TCP と NJE 間のゲートウェイと一緒に NJE ネットワークで使用されると、このパラメーターの値はそのゲートウェイの NJE ノード名となります。
- SMTPJOB
- SMTP が SMTPNODE で稼働するアドレス・スペースの名前。通常、これは SMTP です。
SMTPNOTE は TSO XMIT を使用して、注釈を SMTP アドレス・スペースに伝送するので、SMTPJOB 名は、ノード名として JES に定義してはならず、R、RM、または RMT の文字から始めることはできません。
- TEMPDSN
- 作成されるメモの内容を格納するために使用する一時データ・セットの名前。
これは、TEXT という低位修飾子で終了する、任意のデータ・セット名にすることができます。
完全修飾名は使用しないでください。この名前を完全修飾にしない (引用符を使用しない) 場合、このデータ・セット名には userid という接頭部が付きます。
この名前を単一引用符で囲むと、複数のユーザーがこの一時データ・セットを使用することができます。
- TIMEZONE
- 使用しているシステムの時間帯。これは、SMTPNOTE によって生成される RFC 822 ヘッダーの "Date:" スタンプに表示されます。有効な時間帯のフォーマットについては、RFC 822 を参照してください。SMTPNOTE は、構成される文字ストリングの妥当性を検査しません。SYSTZ が構成される場合、SMTPNOTE は、SMTPNOTE に関連したコミュニケーション・ベクトル・テーブル (CVT) 内のローカル TIME/DATE オフセットを使用して、MVS™ システムから TIMEZONE 値を取得します。
次に、この値は、正符号 (+) または負符号 (-) の後に 4 桁が続くストリング・フォーマット (例えば、-HHMM) に変換されます。MVS システムの time/date および timezone パラメーターを設定するローカル TIME/DATE オフセットは、システム管理者によって制御されます。CLOCKxx parmlib メンバーについて詳しくは、「z/OS MVS 初期設定およびチューニング 解説書」を参照してください。MVS SET CLOCK=hh.mm.ss または SET TIMEZONE={W|E}.hh.mm コマンドについて詳しくは、「z/OS MVS システム・コマンド」を参照してください。
RFC のアクセスについては、関連プロトコル仕様を参照してください。
注: SMTPNOTE は、メール内の既存の date/time および timezone ヘッダーを変更しません。
- ATSIGN
- 一部の外国語では、@ 記号を表すのに別の文字を使用する必要があります。この入力記号は、
各国語コード・ページでの @ 記号の単一バイト表記です。
- DOMAIN
- 一部の SMTP メッセージ転送エージェント (MTA) は、メール発信元の E メール・アドレスとして完全修飾名を必要とします。DOMAIN が設定されている場合、このストリングは、この CLIST で提供される HOSTNAME 変数ストリングに追加されます。また、結果としてもたらされる完全修飾名ストリングは、hostname.domain となります。結果としてもたらされるストリングは、後でメール・メッセージ内の SMTP MAIL FROM: コマンドおよび RFC 822 From: ヘッダーを作成するために CLIST によって使用されます。CLIST はストリングの内容の妥当性を検査しません。この変数は、メールを CSSMTP に送信する場合に設定する必要があります。
また、以下の parmlib メンバーも変更する必要があります。
- IEFSSNxx
- SMTP サーバーを同じホスト (またはシステム) で SMTPNOTE CLIST として
実行する場合、IEFSSNxx メンバーは、
以下の 2 つの方法のいずれかで変更できます。
- 以下のような行を組み込みます。
TNF,MVPTSSI
VMCF,MVPXSSI, nodename
ここで、nodename は NJE ノード名です。NJE ノード名の nodename は、SMTPNOTE CLIST で定義された hostname および smtpnode と同じでなければなりません。
- 再始動可能 VMCF を使用している場合、SYS1.PARMLIB データ・セット内の IEFSSxx メンバーを変更する必要があります。
再始動可能 VMCF については、ステップ 3: VMCF および TNF の構成を参照してください。再始動可能 VMCF に必要な MVS システムの変更内容については、TCP/IP for MVS のプログラム・ディレクトリーを参照してください。VMCF コマンドについては、「z/OS Communications Server: IP Diagnosis Guide」を参照してください。
注: IEFSSNxx parmlib メンバーの SystemName を、JES2 または JES3 (NJE) ノード名と同じものになるように定義する必要があります。
これは SMTP メールを正しくデリバリーするために必須です。例えば、SMTPNOTE
CLIST に次の行がコーディングされている場合、
SMTPNODE P390
IEFSSNxx parmlib メンバーに NAME=P390 とコーディングする必要があります。
あるいは、IEFSSNxx parmlib メンバーを使用して JES ノードを指定する代わりに、SMTP 構成の中でキーワード NJENODENAME を使用して有効な NJE ノードを指定することもできます。詳しくは、NJENODENAME を参照してください。
- IKJTSOxx
- TRANSREC ステートメントには、正しいノード名が含まれていることが必要です。あるいは、NODESMF パラメーターを NODESMF((*,*)) とコーディングすることができます。TRANSREC ステートメントについて詳しくは、「z/OS MVS 初期設定およびチューニング 解説書」を参照してください。