ステップ 3: SMTPNOTE CLIST のカスタマイズと parmlib データ・セットの変更

ユーザーが SMTPNOTE コマンドによってメールを送信できる各システムではすべて、SMTPNOTE CLIST をコピーし、カスタマイズする必要があります。 これには、TCP/IP ノードと、リモート・ゲートウェイ・ノード上の SMTP を介してメールを送信する各 NJE ノードが含まれます。SMTPNOTE は TSO 送信 (XMIT) コマンドを使用して、SMTP とのインターフェースを取ります。

SEZAINST(SMTPNOTE) をシステム CLIST データ・セットにコピーします。 SEZAINST データ・セットは固定フォーマットであるため、システム CLIST ライブラリーが固定フォーマットでない場合には SMTPNOTE メンバーが切り捨てられる場合があります。

SMTPNOTE CLIST 内の以下の変数はカスタマイズする必要があります。
DDNAME
SMTPNOTE が入力データ・セットを割り振るために使用する DDNAME。 割り振りは、データ・セットへのすべての共用アクセスに行われます。デフォルト値は EZBSMTPN に設定され、この値がシステム上に競合をもたらす場合にのみ変更します。
HOSTNAME
この CLIST がインストールされるシステムの名前。普通、この名前は、そのシステムの NJE ノード名です。システムの NJE ノード名は、parmlib の JES2PARM メンバー内にある NODE(nn) ステートメントの NAME パラメーターの値です。
SMTPNODE
SMTP サーバーが稼働する NJE ノード。通常、HOSTNAME と SMTPNODE の値は同じです。SMTPNODE が、TCP と NJE 間のゲートウェイと一緒に NJE ネットワークで使用されると、このパラメーターの値はそのゲートウェイの NJE ノード名となります。
SMTPJOB
SMTP が SMTPNODE で稼働するアドレス・スペースの名前。通常、これは SMTP です。 SMTPNOTE は TSO XMIT を使用して、注釈を SMTP アドレス・スペースに伝送するので、SMTPJOB 名は、ノード名として JES に定義してはならず、R、RM、または RMT の文字から始めることはできません。
TEMPDSN
作成されるメモの内容を格納するために使用する一時データ・セットの名前。 これは、TEXT という低位修飾子で終了する、任意のデータ・セット名にすることができます。 完全修飾名は使用しないでください。この名前を完全修飾にしない (引用符を使用しない) 場合、このデータ・セット名には userid という接頭部が付きます。 この名前を単一引用符で囲むと、複数のユーザーがこの一時データ・セットを使用することができます。
TIMEZONE
使用しているシステムの時間帯。これは、SMTPNOTE によって生成される RFC 822 ヘッダーの "Date:" スタンプに表示されます。有効な時間帯のフォーマットについては、RFC 822 を参照してください。SMTPNOTE は、構成される文字ストリングの妥当性を検査しません。SYSTZ が構成される場合、SMTPNOTE は、SMTPNOTE に関連したコミュニケーション・ベクトル・テーブル (CVT) 内のローカル TIME/DATE オフセットを使用して、MVS™ システムから TIMEZONE 値を取得します。 次に、この値は、正符号 (+) または負符号 (-) の後に 4 桁が続くストリング・フォーマット (例えば、-HHMM) に変換されます。MVS システムの time/date および timezone パラメーターを設定するローカル TIME/DATE オフセットは、システム管理者によって制御されます。CLOCKxx parmlib メンバーについて詳しくは、「z/OS MVS 初期設定およびチューニング 解説書」を参照してください。MVS SET CLOCK=hh.mm.ss または SET TIMEZONE={W|E}.hh.mm コマンドについて詳しくは、「z/OS MVS システム・コマンド」を参照してください。 RFC のアクセスについては、関連プロトコル仕様を参照してください。
注: SMTPNOTE は、メール内の既存の date/time および timezone ヘッダーを変更しません。
ATSIGN
一部の外国語では、@ 記号を表すのに別の文字を使用する必要があります。この入力記号は、 各国語コード・ページでの @ 記号の単一バイト表記です。
DOMAIN
一部の SMTP メッセージ転送エージェント (MTA) は、メール発信元の E メール・アドレスとして完全修飾名を必要とします。DOMAIN が設定されている場合、このストリングは、この CLIST で提供される HOSTNAME 変数ストリングに追加されます。また、結果としてもたらされる完全修飾名ストリングは、hostname.domain となります。結果としてもたらされるストリングは、後でメール・メッセージ内の SMTP MAIL FROM: コマンドおよび RFC 822 From: ヘッダーを作成するために CLIST によって使用されます。CLIST はストリングの内容の妥当性を検査しません。この変数は、メールを CSSMTP に送信する場合に設定する必要があります。
また、以下の parmlib メンバーも変更する必要があります。
IEFSSNxx
SMTP サーバーを同じホスト (またはシステム) で SMTPNOTE CLIST として 実行する場合、IEFSSNxx メンバーは、 以下の 2 つの方法のいずれかで変更できます。
  • 以下のような行を組み込みます。
       TNF,MVPTSSI
       VMCF,MVPXSSI, nodename
    ここで、nodename は NJE ノード名です。NJE ノード名の nodename は、SMTPNOTE CLIST で定義された hostname および smtpnode と同じでなければなりません。
  • 再始動可能 VMCF を使用している場合、SYS1.PARMLIB データ・セット内の IEFSSxx メンバーを変更する必要があります。

    再始動可能 VMCF については、ステップ 3: VMCF および TNF の構成を参照してください。再始動可能 VMCF に必要な MVS システムの変更内容については、TCP/IP for MVS のプログラム・ディレクトリーを参照してください。VMCF コマンドについては、「z/OS Communications Server: IP Diagnosis Guide」を参照してください。

    注: IEFSSNxx parmlib メンバーの SystemName を、JES2 または JES3 (NJE) ノード名と同じものになるように定義する必要があります。 これは SMTP メールを正しくデリバリーするために必須です。例えば、SMTPNOTE CLIST に次の行がコーディングされている場合、
    SMTPNODE P390
    IEFSSNxx parmlib メンバーに NAME=P390 とコーディングする必要があります。 あるいは、IEFSSNxx parmlib メンバーを使用して JES ノードを指定する代わりに、SMTP 構成の中でキーワード NJENODENAME を使用して有効な NJE ノードを指定することもできます。詳しくは、NJENODENAME を参照してください。
IKJTSOxx
TRANSREC ステートメントには、正しいノード名が含まれていることが必要です。あるいは、NODESMF パラメーターを NODESMF((*,*)) とコーディングすることができます。TRANSREC ステートメントについて詳しくは、「z/OS MVS 初期設定およびチューニング 解説書」を参照してください。