無応答のネーム・サーバーのオートノミック静止

UNRESPONSIVETHRESHOLD リゾルバー・セットアップ・ステートメントには、失敗率のしきい値の指定に加えて、AUTOQUIESCE オペランドも指定できます。AUTOQUIESCE オペランドを指定すると、リゾルバーはネットワーク・オペレーター通知だけでなく、アプリケーションによって生成された DNS 照会の無応答のネーム・サーバーへの送信を停止します。 ネーム・サーバーが無応答と見なされている間は、リゾルバーは、6 秒ごとに、DNS ポーリング照会をネーム・サーバーに送信します。ネーム・サーバーが、リゾルバーの DNS ポーリング照会に応答可能になると、リゾルバーは、アプリケーションによって生成された DNS 照会のネーム・サーバーへの送信を再開します。無応答のネーム・サーバーのオートノミック静止機能は、name-server 統計を 30 秒のインターバルで収集しますが、決定は 2 回以内のモニター・インターバルに基づいて行われます。

ガイドライン: TCPIP.DATA NSINTERADDR ステートメントに指定されたすべてのネーム・サーバーが無応答の場合、リゾルバーは、アプリケーションによって生成された DNS 照会を、それらのネーム・サーバーに送信し、アプリケーション照会を即時に失敗させることはしません。
制約事項: AUTOQUIESCE オペランドを UNRESPONSIVETHRESHOLD ステートメントに指定した場合は、GLOBALTCPIPDATA ステートメントも指定する必要があります。GLOBALTCPIPDATA ステートメントを指定しなかった場合、リゾルバーはメッセージ EZD2036I を発行し、AUTOQUIESCE オペランドを無視します。リゾルバーは、ユーザーがネットワーク・オペレーター通知機能を要求した場合と同じように動作します。UNRESPONSIVETHRESHOLD ステートメントについての詳細は、「 z/OS Communications Server: IP 構成解説書」を参照してください。

共通 INET (CINET) 環境で、複数の TCP/IP スタックを使用する場合、グローバル TCPIP.DATA ファイルに指定されたネーム・サーバーの IP アドレスにすべての TCP/IP スタックからアクセス可能になるようにする必要があります。 ネーム・サーバーの IP アドレスに特定の TCP/IP スタックからしかアクセスできない場合、オートノミック静止機能は、ネーム・サーバーが DNS 照会に無応答であると、誤ってみなす可能性があります。例えば、TCPIP1 と TCPIP2 という 2 つの TCP/IP スタックがあり、TCPIP1 を使用した場合のみ DNS1 の IP アドレスにアクセスでき、TCPIP2 を使用した場合のみ DNS2 の IP アドレスにアクセスできるとします。 グローバル TCPIP.DATA 内の NSINTERADDR ステートメントで、DNS1 と DNS2 がその順序で指定されている場合、TCPIP2 とのスタック・アフィニティーを持つあらゆるアプリケーション DNS 照会は、DNS1 に対しての DNS 照会の失敗をもたらします。これは、DNS1 の IP アドレスに、TCPIP2 を使用してアクセスできないためです。TCPIP2 とのスタック・アフィニティーを持つこれらの照会が相当量あるか、または UNRESPONSIVETHRESHOLD 値が非常に小さい場合、リゾルバーは DNS1 が無応答であると判別し、一時的に使用を停止します。その結果、TCPIP1 を使用するアプリケーション DNS 照会が不必要に失敗します。

ガイドライン: すべての DNS IP アドレスが、ご使用のすべての TCP/IP スタックからアクセス可能になるようにできない場合、グローバル TCPIP.DATA ファイルは使用しないでください。また、リゾルバー・セットアップ・ファイル内の UNRESPONSIVETHRESHOLD セットアップ・ステートメントに、AUTOQUIESCE をコーディングしないでください。