GLOBALTCPIPDATA ステートメントおよびその他のステートメントによって提供される機能を使用するためには、リゾルバー・アドレス・スペースを定義する必要があります。
始める前に
リゾルバー・セットアップ・ファイルを使用する場合は、既にこれを作成済みである必要があります。
手順
リゾルバー・アドレス・スペースを定義するには、以下のステップを実行します。
- 開始プロシージャーを作成します。 開始プロシージャーには以下の要件があります。
- SYSOUT=* を指定する DD カードがプロシージャーに含まれていてはなりません。
- プロシージャーは、MSTJCLxx PARMLIB メンバーの IEFPDSI DD カード仕様で指定されているデータ・セット内になければなりません。プロシージャーがこの場所にない場合、リゾルバーは開始されません。MSTJCL については、「z/OS MVS 初期設定およびチューニング 解説書」を参照してください。
このセットアップ情報の定義を処理するには、リゾルバーはデータ・セットまたはファイルを割り振ることが必要な場合があります。
これらの情報の定義 (GLOBALTCPIPDATA、 DEFAULTTCPIPDATA、 /etc/hosts、 HOSTS.SITEINFO、 HOSTS.ADDRINFO など) に対しては、JES ジョブ・ログに割り振りメッセージ表示されます。IBM® Tivoli® NetView® for z/OS® などのように、リゾルバー・サービスを大量に使用する長時間実行アプリケーションについては、MSGLEVEL=(1,0) を指定した開始済みジョブを使用して、すべての割り振りメッセージを除去することを検討してください。この指定は、問題分析に役立つ可能性がある割り振りメッセージも除去されてしまう場合があります。開始済みジョブと MSGLEVEL パラメーターについては、「z/OS MVS JCL 解説書」を参照してください。
リゾルバー開始プロシージャーの例を参照してください。
- SETUP DD JCL ステートメントで、セットアップ・ファイルの場所を指定します。
- リゾルバー・アドレス・スペースに割り当てられているユーザー ID に、以下のファイルの読み取りアクセス (RACF® またはその他のセキュリティー・プログラムを使用して) を付与してください。
- SYS1.PARMLIB
- リゾルバー・セットアップ・ファイル
- GLOBALTCPIPDATA ステートメントによって指定されたファイル (使用する場合)
- DEFAULTTCPIPDATA ステートメントによって指定されたファイル (使用する場合)
- GLOBALIPNODES ステートメントによって指定されたファイル (使用する場合)
- DEFAULTIPNODES ステートメントによって指定されたファイル (使用する場合)
- 次のいずれかのファイルを使用する場合、TCP/IP 機能を使用するユーザー ID またはジョブにこれらのファイルの読み取りアクセスを付与してください。
- GLOBALTCPIPDATA ステートメントによって指定されたファイル
- DEFAULTTCPIPDATA ステートメントによって指定されたファイル
- GLOBALIPNODES ステートメントによって指定されたファイル
- DEFAULTIPNODES ステートメントによって指定されたファイル
- /etc/hosts
- /etc/ipnodes
- /etc/services
- HOSTS.SITEINFO
- HOSTS.ADDRINFO
- ETC.IPNODES
ファイルの読み取りを許可するため、そのファイルに対して適切な許可ビット設定が指定されていないと、エラー・メッセージ IEC141I 013-C0 が出されます。ファイルを読み取ることのできないことを示すその他のエラー・メッセージも出される場合があります。
- (オプション) z/OS UNIX によってリゾルバーを開始したい場合は (オートメーションを使用し MVS™ START オペレーター・コマンドを指定してリゾルバーを開始するのではなく)、BPXPRMxx parmlib メンバーの RESOLVER_PROC(procname) ステートメントの procname の値にリゾルバー開始プロシージャー名を指定します。 リゾルバー開始について詳しくは、リゾルバーの開始を参照してください。
ガイドライン: デフォルトのプロシージャー名は RESOLVER です。RESOLVER という名前を使用するプロシージャーを指定したい場合は、procname 値に RESOLVER を指定します。
RESOLVER_PROC ステートメントを指定しないか、または DEFAULT を指定する場合、z/OS UNIX はシステム・デフォルト・プロシージャー IEESYSAS を使用し、割り当てられた名前 RESOLVER でリゾルバーのアドレス・スペースを開始します。リゾルバーを開始するのに z/OS UNIX を使用したくない場合には、MVS の START コマンドを使用してリゾルバー・アドレス・スペースを開始する必要があります。
- 自動化を使用してリゾルバーを開始する場合は、メッセージ EZD2038I を探して、リゾルバーによって生成された警告メッセージに基づいて修正アクションを実行することを考慮します。 リゾルバーは、リゾルバー・アドレス・スペースの初期設定時に、リゾルバー・セットアップ・ファイル内に存在するエラーを示すメッセージを出します。
リゾルバーが、リゾルバー・アドレス・スペースの初期設定の終了時にメッセージ EZD2038I を出す場合は、構文エラーがあるセットアップ・ステートメント、またはセットアップ・ファイル内で認識されなかったセットアップ・ステートメントが存在しています。
このエラーには、GLOBALTCPIPDATA ステートメントなどのリゾルバー・セットアップ・ステートメントに指定された、1 つ以上のファイルにアクセスしたり、それを開いたりする際のエラーが含まれる場合があります。
タスクの結果
以下のリゾルバー開始プロシージャーの例は SEZAINST のメンバー EZBREPRC (別名 RESOPROC) にあります。
//RESOLVER PROC PARMS='CTRACE(CTIRES00)'
//*
//* IBM Communications Server for z/OS
//* SMP/E distribution name: EZBREPRC
//*
//* 5694-A01 Copyright IBM Corp. 2001, 2010.
//* Licensed Materials - Property of IBM
//*
//* Function: Start Resolver
//*
//EZBREINI EXEC PGM=EZBREINI,REGION=0M,TIME=1440,PARM=&PARMS
//*
//* When the Resolver is started by UNIX System Services it is
//* started with SUB=MSTR.
//* This means that JES services are not available to the Resolver
//* address space. Therefore, no DD cards with SYSOUT can be used.
//* See the MVS JCL Reference manual for SUB=MSTR considerations in
//* section "Running a Started Task Under the Master Subsystem".
//* This Resolver start procedure will need to reside in a data
//* set that is specified by the MSTJCLxx PARMLIB member's
//* IEFPDSI DD card specification. If not, the procedure will
//* not be found and the Resolver will not start.
//* See the MVS Initialization and Tuning Reference manual for
//* MSTJCL considerations in section "Understanding the Master
//* Scheduler Job Control Language"
//*
//* SETUP contains Resolver setup parameters.
//* See the chapter "The resolver" in the
//* IP Configuration Guide for more information. A sample of
//* Resolver setup parameters is included in member RESSETUP
//* of the SEZAINST data set.
//*
//*SETUP DD DSN=TCPIP.TCPPARMS(SETUPRES),DISP=SHR,FREE=CLOSE
//*SETUP DD DSN=TCPIP.SETUP.RESOLVER,DISP=SHR,FREE=CLOSE
//*SETUP DD PATH='/etc/setup.resolver',PATHOPTS=(ORDONLY)