シスプレックス内の各 TCP/IP プロファイルは、z/OS® Load Balancing Advisor に適合するように更新する必要があります。
以下に示すのは、システム SYSB のスタック S1 用の PROFILE.TCPIP の更新された部分です。
VIPADYNAMIC
;Address LB & Agents use to reach Advisor fall into this subnet
VIPARANGE DEFINE 255.255.255.0 10.1.5.0
ENDVIPADYNAMIC
DEVICE VIPA41 VIRTUAL 0 ; Static VIPA for Agent's source address
LINK LVIPA41 VIRTUAL 0 VIPA41
HOME 10.1.1.1 LVIPA41
PORT
3860 TCP LBADV ; SASP Workload Advisor (LB connections)
8100 TCP LBADV ; SASP Workload Advisor (Agent connections)
8000 TCP LBAGENT ; SASP Workload Agent (Advisor connection)この例では、アドレス 10.1.5.1 は、VIPARANGE ステートメントで動的 VIPA 用に予約されているサブネットワークの中にあります。ロード・バランサーおよび Agent はこのアドレスを使用して、Advisor に到達します。動的 VIPA (DVIPA) を使用すると、障害発生時に他 TCP/IP スタックへの Advisor の移動が容易になります。このアドレスは次の 3 箇所に定義されます。すなわち、Advisor の構成ファイル内の lb_connection_v4 ステートメント内、Advisor (総称的に SASP グローバル・ワークロード・マネージャー (GWM) と呼ばれる) のロケーションとしてロード・バランサー内、および Agent の各構成ファイル内の advisor_id ステートメント上です。
アドレス 10.1.1.1 は静的 VIPA です。このシステムの Agent は、このアドレスをソース IP アドレスとして使用します。SYSB は単一スタック・システム (INET) なので、静的 VIPA で十分です。 これが SYSA のような CINET システムの場合には、DVIPA が最適です。このアドレスは、Advisor の構成ファイル内の agent_id_list ステートメントで指定されるほか、SYSB の Agent の構成ファイル内の agent_connection ステートメントにも指定されています。
Advisor および Agent 用のポートは、Advisor の指定に従い予約されています。ポート 3860 は Advisor 用に予約されており、ロード・バランサーとの通信に使用されます。このポートは、Advisor の構成ファイル内の lb_connection_v4 ステートメントで指定されています。ポート 8100 も Advisor 用として予約されており、Agent は Advisor に接続するためにこのポートを使用します。このポートは、Advisor の構成ファイル内の agent_connection_port ステートメントで指定されるほか、Agent の各構成ファイル内の advisor_id ステートメントでも指定されます。ポート 8000 はこのシステム上の Agent 用として予約されており、Advisor に接続するためのソース・ポートとして使用されます。このポートは、Advisor の構成ファイル内の agent_id_list ステートメントで指定されるほか、このシステム上の Agent の構成ファイル内の agent_connection ステートメントにも指定されます。
以下に示すのは、システム SYSA のスタック S1 用の PROFILE.TCPIP の更新された部分です。
VIPADYNAMIC
;Address Agent uses as source will fall into this subnet
VIPARANGE DEFINE 255.255.255.0 10.1.5.0
ENDVIPADYNAMIC
PORT
3860 TCP LBADV ; SASP Workload Advisor LB connections,
; in case Advisor is moved to this stack
8100 TCP LBADV ; SASP Workload Advisor Agent connections,
; in case Advisor is moved to this stack
8000 TCP LBAGENT ; SASP Workload Agent Advisor connection図 1 では、Agent がこのシステムでソース IP アドレスとして使用する DVIPA は、スタック S1 に属するものとして示されています。 もちろんこの DVIPA はスタック S2 に属していても構いませんが、この例の目的上スタック S1 に属するものとしています。
この PROFILE.TCPIP の更新された部分では、Agent が Advisor への接続時にソース・アドレスとして使用するアドレス (10.1.5.22) は、VIPARANGE ステートメントで動的 VIPA として確保済みのサブネットワーク内にあります。動的 VIPA (DVIPA) を使用すると、障害発生時に同一システム上の他 TCP/IP スタックへの Agent の移動が容易になります。このアドレスは、この Agent の構成ファイル内の host_connection ステートメントで定義されるほか、Advisor の構成ファイル内の agent_id_list ステートメントでも定義されます。Advisor がこのスタックに移動した場合に、Advisor が使用する DVIPA も、このサブネットワーク内に含まれます。
Agent 用に使用されるポートは、Advisor の指定に従って予約されています。 さらに、Advisor がこの TCP/IP スタックに移動した場合に使用するポートも予約されています。
以下に示すのは、システム SYSA のスタック S2 用の PROFILE.TCPIP の更新された部分です。
VIPADYNAMIC
;Address Agent uses as source will fall into this subnet
VIPARANGE DEFINE 255.255.255.0 10.1.5.0
ENDVIPADYNAMIC
PORT
3860 TCP LBADV ; SASP Workload Advisor LB connections,
; in case Advisor is moved to this stack
8100 TCP LBADV ; SASP Workload Advisor Agent connections,
; in case Advisor is moved to this stack
8000 TCP LBAGENT ; SASP Workload Agent Advisor connectionこの TCP/IP プロファイルの更新された部分は、SYSA のスタック S1 の場合と同じです。この TCP/IP スタックは、Advisor またはこの z/OS システムで実行されている Agent をこの TCP/IP スタックに移動することが必要になった場合に、それをサポートすることができます。