OPUT - MVS データ・セット・メンバーを z/OS UNIX ファイルにコピーする

形式

OPUT  mvs_data_set_name | mvs_data_set_name(member_name)
      'pathname'
      BINARY | TEXT
      CONVERT(character_conversion_table | YES | NO)

説明

OPUT コマンドを使用すると、以下を行うことができます。
  • MVS™ 区分データ・セット (PDS または PDSE) のメンバーをファイルにコピーする。
  • MVS 順次データ・セットをファイルにコピーする。
また、データをコード・ページ IBM-037 または ASCII から、コード・ページ IBM-1047 へ変換することができます。

2 バイト・データが入っているファイルをコピーする場合 は、CONVERT オプションを使用しないでください。このオプションは 1 バイト・データ専用で 、2 バイト・データには使用できません。

パラメーター

mvs_data_set_name | mvs_data_set_name(member_name)
コピーされる MVS 順次データ・セットまた は MVS 区分データ・セットのメンバーの名前を指定します。
  • 単一引用符に囲まれた完全修飾名、または非修飾名です (非修飾名は単一引用符で囲みません)。
  • 長さは 44 文字まで、メンバー名用として追加の 8 文字です。
  • システムが大文字に変換します。
pathname
コピー中のデータ・セット・メンバーを受け取るファイルのパス名を指定します。ターゲット・ファイルはディレクトリーにはなりません。ファイル名ディレクトリーに先行するパス名の中のすべてのディレクトリーは、すでに存在している必要があります。パス名は、
  • 相対または絶対パス名です。相対パス名は、TSO/E セッションの作業ディレクトリー (通常は ホーム・ディレクトリー) を基準にしています。したがって、通常は絶対パス名を指定する必要があります。
  • 長さは 1023 文字までです。
  • 単一引用符で囲みます。
  • 大文字または小文字で、システムによる変更はありません。
BINARY | TEXT
コピーするデータ・セットがバイナリー・データまたは テキストのいずれを含んでいるか、指定します。
BINARY
コピーするデータ・セットにバイナリー・データが含まれていることを指定します。これは、未定義レコード・フォーマットのデータ・セットに対するデフォルトです。
TEXT
コピーするデータ・セットにテキストが含まれていることを指定します。これは、固定長レコード・フォーマットまたは可変長レコード・フォーマットの データ・セットに対するデフォルトです。
CONVERT(character_conversion_table | YES | NO)
コピーされるデータが、IBM-037 または ASCII か ら EBCDIC ラテン 1/ オープン・システム間相互接続コード・ページ 01047 へ変換されます。つまり、指定された文字変換テーブルの TO1047 部分を使用することを指定します。このオペランドはオプショナルです。このオペランドを省略した場合、システムはデータを変換しないでコピーします。

このオプションは 1 バイト・データ専用で、2 バイト・データには使用できません。

CONVERT 値には以下のいずれかを指定します。
character_conversion_table
以下の内の 1 つを指定してください。
  • data_set_name(member_name)。文字変換テーブルが入っている区分データ・セット (PDS) の名前と メンバー名を指定します。
  • data_set_name。文字変換テーブルが入っている区分データ・セット (PDS) の名前を指定します。テーブルは、メンバー BPXFX000 の FROM1047 の部分です。(これは別名であり、IBM® 出荷時には BPXFX111 を指しています。)
  • (member_name)。使用する変換テーブルの名前を指定します。これは PDS のメンバーです。data_set_name が省略されているため、テーブルは標準ライブラリー連結から検索されます。(デフォルトのライブラリーは SYS1.LINKLIB です。)
    以下に、単一バイト・データをコピーするときに、データを異なる コード・ページへ変換するために指定できるテーブルを要約します。
    • BPXFX100。ヌル文字変換テーブル。ワークステーションの大括弧が、コード・ページ 1047 の大括弧と同じコード・ポイントである場合は、このテーブルを使用してください (これは、デフォルトです)。DBCS 端末を使用している場合もこれを使用してください。
    • BPXFX111。コード・ページ IBM-037 と IBM-1047 との間の変換を行う ための非 APL 変換テーブルです。
    • BPXFX211。コード・ページ IBM-037 と IBM-1047 との間の変換を行う ための APL 変換テーブルです。
    • BPXFX311。コード・ページ ISO8859-1 と IBM-1047 との間の変換を行う ための ASCII-EBCDIC 変換テーブルです。
YES
システムは変換を実行し、システム・ライブラリー連結の中の デフォルト変換テーブル (BPXFX000) を使用します。(BPXFX000 は別名であり、IBM 出荷時には BPXFX111 を指しています。)
NO
変換なしを指定します。NO は CONVERT オペランド省略と同じことです。

使用上の注意

  1. 指定されたファイルが存在しない場合、OPUT は新しいファイルを作成します。新しいテキスト・ファイルに対しては、モード (許可ビット) は 600 です。モードが 600 の場合、ユーザーは読み取りおよび書き込みアクセスを持ち、その他のユーザーはアクセス権を一切持ちません。新しいバイナリー・ファイルに対しては、モード (許可ビット) は 700 です。モードが 700 の場合、ユーザーは読み取り、書き込み、および実行アクセスを持ち、その他のユーザーはアクセス権を一切持ちません。
  2. 指定されたファイルが存在する場合、既存のデータは新しいデータで上書きされます。ファイルのモードは変更されません。
  3. OPUT を使用して、プログラム・オブジェクトを PDSE から ファイル・システムにコピーすることができ、プログラム・オブジェクトはそこで 実行可能になります。区分データ・セット内にロード・モジュールがある場合でも、最初に IEBCOPY プログラムを使用してロード・モジュールを 区分データ・セットから PDSE にコピーし、次に OPUT を使用して モジュールをファイル・システムにコピーする必要があります。IEBCOPY は、ロード・モジュールをプログラム・オブジェクトに変換します。実行可能ファイルのコピーについては、「z/OS V2R2.0 UNIX System Services ユーザーズ・ガイド」を参照してください。
  4. スパン・レコード長をもつデータ・セットは認められません。
  5. MVS データ・セットを z/OS® UNIX ファイル・システムのテキスト・ファイルにコピーすると、 <改行> 文字が各レコードの終わりに追加されます。レコードに末尾ブランクがある場合、<newline> 文字は末尾ブランクの後に追加されます。MVS 固定ブロック・データ・セットは固定レコード長です。これは、各レコードの末尾まで、ブランクが存在することを意味します。
  6. MVS データ・セットを z/OS UNIX ファイル・システムのバイナリー・ファイルにコピーする場合、 <改行> 文字はレコードに付加されません。

戻りコード

0
処理は正常終了しました。
12
処理は失敗しました。エラー・メッセージが出ています。

  1. このコマンドは、MVS 順次データ・セットをファイルにコピーし、コード・ページを IBM-037 から 1047 に変換します。
    • 順次データ・セットの非修飾名は EMPLOYEE.DATA です。
    • ファイルのパス名は、/u/admin/employee/data です。
    OPUT EMPLOYEE.DATA '/u/admin/employee/data' TEXT CONVERT(YES)
  2. このコマンドは、MVS 順次データ・セットをファイルにコピーし、ユーザーのライブラリー・データ・セットの中の変換テーブル BPXFX000 を使用して、コード・ページ 1047 に変換します。
    • 順次データ・セットの完全修飾名は IBMUSR.EMPLOYEE.DATA です。
    • ファイルのパス名は、/u/admin/employee/data です。
    OPUT 'IBMUSR.EMPLOYEE.DATA' '/u/admin/employee/data'
           TEXT CONVERT(MY.LOADLIB(BPXFX000))
  3. このコマンドは、バイナリー・ファイルを PDSE からファイル・システムのファイルにコピーします。
    • APPL.LOADLIB(PAYROLL) は、PDSE のメンバーの完全修飾名です。
    • bin/payroll は、ファイルのパス名です。ディレクトリー bin は作業ディレクトリーにあります。
    • コード・ページ変換はありません。
    OPUT 'APPL.LOADLIB(PAYROLL)' '/bin/payroll' binary