形式
cksum [–ciprtT]
[file …file …]
説明
cksum は、各入力 file のチェックサムを
計算し、表示します。チェックサム は、ファイルを 1 つの場所から
別の場所へ移動した場合にデータが失われていないかを確認するための簡単な方法として、多くのプログラムで使用されるエラー・チェック手法です。
各 file 内の 8 ビット・バイトの数も表示します。
コマンド行上で何もファイルを指定しなかった場合、またはファイル名と
して – を指定した場合、cksum は標準入力 (stdin) を読み取ります。
_UNIX03 が YES の場合、
cksum 出力はスペースで分離されたフォームを使用します。
checksum bytecount filename
_UNIX03 が未設定であるか YES でない場合、
cksum 出力はタブで分離されたフォームを使用します。
checksum bytecount filename
file オペランドが指定されない場合、パス名およびその先導空白スペースは省略されます。
読み取りエラー・メッセージは _UNIX03 変数によって制御されます。
- cksum が読み取りエラーで失敗し、_UNIX03 が YES の場合は、診断メッセージを標準エラーに送信し、
そのファイルのチェックサムは表示しません。
- _UNIX03 が未設定であるか YES でない場合、cksum は、
そのポイントまでのチェックサムを表示し、
出力行に FSUM6199 [read error] とマークを付けます。
cksum はどちらの場合もファイルの処理を続行します。
他のエラー・メッセージはすべて標準エラー出力 (stderr) に送信されます。
オプション
cksum は、種々の方法でチェックサムを計算することが
できます。デフォルトでは、POSIX 標準と互換です。他のアルゴリズムは、以下のオプションで指定することができます。POSIX 標準は、これらのアルゴリズムを認識しません。これらは、
UNIX sum コマンドとの互換性のために提供されています。
- –c
- 標準 16 ビット巡回冗長検査 (CRC-16) を使用します。
- –i
- CCITT 標準巡回冗長検査 (CRC-CCITT) を使用します。データ通信ネットワーク・プロトコルは、正しく伝送されたことを確認するために、しばしば巡回冗長検査を使用します。このアルゴリズムは、バイトの順序の違いしかない入力に対しても、ほとんどの場合に異なったチェックサムを作成します。
- –p
- POSIXchecksum アルゴリズムを使用します。これはデフォルトです。
- –r
- バイト順序に敏感に反応するという利点を持つ
代替チェックサム・アルゴリズムの使用を可能にします。
- –t
- 入力ファイルの連結のチェックサムのほかに、読み取ったデータの合計バイト数を含む行を作成します。
- –T
- タグ付きファイルの自動変換を使用可能にします。
ローカライズ
cksum は、以下のローカライズ環境変数を使用します。
- LANG
- LC_ALL
- LC_CTYPE
- LC_MESSAGES
- LC_TYPE
- NLSPATH
詳しくは、ローカライズを参照してください。
終了値
- 0
- 正常終了
- 1
- 以下のいずれかによる失敗。
- 入力ファイルを開くことができない
- 入力ファイル読み取り中のエラー
- 入力ファイルの自動変換をオフにする際にエラー
- 2
- 無効なコマンド行オプション
移植性
POSIX.2, X/Open 移植性ガイド.
リストされたオプションは、すべて POSIX 標準の拡張です。