ホーム Topics フラッシュ・ストレージおよびオールフラッシュ・ストレージとは フラッシュ・ストレージ / オールフラッシュ・ストレージとは
データの書き込み・保管先にフラッシュ・メモリーを用いたストレージ技術および製品で、高速な読み書きと省スペース・省電力を実現します。
IBMのオールフラッシュ・ストレージ 企業におけるデータ保護の新たな課題
ストレージ/サーバーのインフラストラクチャーと従業員のイラスト
フラッシュ・ストレージ / オールフラッシュ・ストレージの定義

フラッシュ・ストレージとは、データの書き込みと保存を電子的に行うフラッシュ・メモリー・チップを使用するSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)を採用するストレージです。オールフラッシュ・ストレージは、SSDに代表されるフラッシュ・メモリー・チップを使用するドライブのみで構成されるストレージを指します。

フラッシュ・ストレージのメリット

フラッシュ・ストレージは、磁気ヘッドと磁気ディスクの機械駆動によってデータの書き込みや読み出しを行うHDD(ハードディスク・ドライブ)と比べて、ランダムアクセス性能が高く、極めて高いIOPS(毎秒入出力操作)が可能で、高速な応答時間(マイクロ秒の待ち時間)を実現できます。また電力消費量や設置スペースが少なく、不揮発性メモリーを使用しているため、電源をオフにしてもデータが失われません。またHDDには経年劣化による物理的損傷に起因する脆弱性もあることから、HDDを補強する観点でSSDを使用することで、アプリケーションの信頼性と動作速度の向上が実現します。

新しいエントリーレベルのオールフラッシュ・ストレージ「IBM FlashSystem 5300」を発表
関連情報

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フラッシュ・ストレージの種類
フラッシュ・ストレージ

データを記録するストレージにSSDを利用します。近年、ほとんどのSSDがフラッシュ・メモリー・ベースなので、フラッシュ・ストレージはSSDとほぼ同義です。機械部品が必要ないことから、HDDよりも高速で信頼性の高いデータアクセスを実現します。

オールフラッシュ・ストレージ

HDDを含まないフラッシュ・メモリー・チップを使用するドライブのみで構成されるストレージです。極めて短い待ち時間と高可用性を実現するとともに、ストレージ容量を最大化し、優れたストレージ性能を備えています。

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ハイブリッド・フラッシュ・ストレージ

ハイブリッド・フラッシュ・ストレージは、SSDとHDDを組み合わせた構成のストレージ・システムです。大容量ファイルの保管や、データのバックアップ用途に最適なストレージは、SSDとの比較において安価かつ大容量を実現しているHDDです。同一筐体内にSSDとHDDを混在させることで、高いスループットと短い待ち時間が必要な場合はSSD、バックアップはHDDと、データを移動させながら利用できます。

IBMのハイブリッド・フラッシュ・ストレージを見る
NVMeストレージ

NVMe(Non-Volatile Memory Express)は、PCIe接続を使用してSSDにアクセスするためのインターフェースです。HDDと同じSATA接続を用いるSSDが単一接続・単一要求であるのと異なり、NVMe対応のSSDは、単一の接続で多数の並列要求を処理できるため、アプリケーションとの間のオーバーヘッドを排除し、高速なパフォーマンスを実現します。

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ストレージ・アレイ

ディスク・アレイは、複数のディスク・ドライブを組み合わせて単一の大容量ディスクのように扱うとともに、データをブロックという単位で保存するストレージを実現します。個々のディスク・ドライブは、ネットワークに接続および通信する必要はありません。また、複数のファイル・サーバーが実現するよりも大きなストレージ容量を提供します。ディスク・アレイでは、企業や組織が運用する複数のサーバーが、保管されているデータに効率的にアクセスできます。

データ保護の新たな課題

ITの複雑化にともないデータ保護の要件が高まっています。 企業や組織は、あらゆるシステム環境において、サイバー攻撃、人為的ミス、自然災害からデータを保護する必要があります。 シンプルなバックアップ/リカバリー・ソリューションでは、もはや十分ではありません。

計画外のイベント発生時にデータの回復力とアクセス性を維持するには、自動化された保護と迅速な復旧の2つのアプローチが必要であり、セキュリティーとレジリエンス機能を備えたストレージが必要です。IBMのフラッシュ・ストレージ・ソリューションは、1分未満でランサムウェアなどのサイバー攻撃を検知し、万が一、データが損傷した場合にも数時間で復旧が可能です。

サイバー・レジリエンスをさらに強化したIBMフラッシュ・ストレージを見る
フラッシュ・ストレージの活用事例

フラッシュ・ストレージは、インフラストラクチャーの最新化に重要な役割を果たし、データ保管の経済性の変革に貢献します。新規または既存のストレージに適用することで、アプリケーションのパフォーマンスを大幅に向上し、使用可能な容量を増やすことができます。フラッシュ・ストレージがさまざまな要件に対応できることを、以下の事例でご確認ください。

オールフラッシュ・ストレージの事例

ハイパフォーマンス・アプリケーションをサポートするために、企業はデータを素早く効率的に提供する必要があります。オールフラッシュ・ストレージ・システムは、高い安全性、極めて短い待ち時間、基幹業務を支える信頼性を備え、今日のビジネス需要に応えます。

Micro Strategies社

IBMのオールフラッシュ・ストレージを導入してマネージド・セキュリティー・サービスを立ち上げ、サイバー攻撃の迅速な特定と回復でクライアントを支援しています。

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Trident Services社

IBMのオールフラッシュ・ストレージで、事業継続性を確保しながらOSEMソフトウェアの開発を加速しています。

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Genus Power社

インドの大手スマート・メーターのメーカーは、IBMのオールフラッシュ・ストレージでインフラストラクチャーを最新化し、エンタープライズ・ワークロードの応答時間を改善しました。

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ハイブリッド・フラッシュ・ストレージの事例

企業は、コスト管理をしながら自社のデータ資産からより多くの価値を引き出すためのストレージ・ソリューションを求めています。可用性の高いハイブリッド・システムは、既存と最新のテクノロジーの両方を最大限に活用できます。

Höganäs Borgestad AB社

強力な一元管理型のITインフラストラクチャーを構築し、コスト削減とコラボレーションの促進を行っています

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フラッシュ・ストレージの過去と未来
フラッシュ・ストレージの歴史

フラッシュは、1984年に東芝社の舛岡富士雄氏によって発明されたフローティング・ゲート・メモリーの一種です。1986年、東芝社は最初のNANDフラッシュ・チップを発表し、Intel社はNORチップを発表しました。フラッシュ・メモリーは画期的な性能を発揮し、スピニング・ディスクやメモリー・カードを凌駕するデータ・ストレージの世界を急速に刷新しました。データの使用量が増え、デバイスが軽量化、小型化するに伴い、フラッシュ・システムはデジタル情報の保管、書き込み、再プログラム、転送をする際の最速の手段であることが証明されました。

現在の動向

2000年、ファイルの保管や転送用にUSBメモリー・スティックが開発されました。このポータブル・デバイスはコンパクトでありながら、それまでのシステムを大幅に上回る容量を備えていました。2005年、Apple社がフラッシュ・メモリーを搭載した初のiPodを発売しました。今日では、スマートフォン、モバイル・デバイス、デジタル・カメラから自動車に至るまで、あらゆるものにフラッシュ・メモリーが搭載されています。フラッシュは、その速度と密度からストレージ・テクノロジーとして大企業に好んで採用され、データセンターにおける主要な記憶媒体として大半のハード・ディスクから置き換わりました。

フラッシュ・ストレージの未来

トレンドと進歩が以下の分野で起きています:

HDDとSSD

SSDやフラッシュは、HDDよりも高いスループットを提供しますが、より高価になる場合があります。多くの組織では、フラッシュのスピードとハード・ディスクの容量、この両方のメリットを組み合わせたハイブリッド・アプローチを採用しています。バランスの取れたインフラストラクチャーを備えることで、企業は、さまざまなストレージ・ニーズに適切なテクノロジーを適用でき、完全にフラッシュに切り替えることなく、既存のHDDから経済的に移行することができます。

SAS/SATA

Serial Attached SCSI(SAS)とSerial Advanced Technology Attachment(SATA)は、HDDとの間のデータ転送に使用されるフラッシュ・ストレージ・インターフェースです。これらはレガシー・システムの寿命を延ばすことができ、高速の入出力を必要とするアプリケーションをサポートするためにSSDでも使用されます。SASとSATAはHDDの仕組みを考慮して設計されており、従来の制約がいくつかあります。多くの企業はこれらのインターフェースからNVMeへと移行しています。

NVMeとマルチクラウド

NVMeは人工知能(AI)やリアルタイム・アプリケーションに適した非常に高速なプロトコルです。CPUとストレージ間のI/Oオーバーヘッドを削減し、スループットを大幅に向上させます。クラウドへの移行に伴い、NVMeはパフォーマンス、データ保護、回復力、高可用性の機能を備えているため、ハイブリッド・マルチクラウド環境やメインフレーム・ストレージ環境のサポートにも最適です。

NVMe over Fabric

NVMe over Fabricは、ホスト・コンピューターとSSD間で、イーサネット、ファイバー・チャネル、インターネットなどのネットワークを経由したデータ転送を可能にします。ファブリック接続のメリットには、アクセスの共有、容量の拡大、データ保護の強化などがあります。また、ファブリックを使用することで、単一故障点をなくし、管理を簡素化できます。

関連ソリューション
オールフラッシュ・ストレージ

マルチクラウド環境の最適化と、高いパフォーマンスを要求するアプリケーションの要件を、オールフラッシュ・ストレージが実現します。

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ハイブリッド・フラッシュ・ストレージ

SSDとHDDを組み合わせることで、パフォーマンスを犠牲にすることなく総所有コストを削減します。

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ストレージの仮想化

仮想ストレージを使用して、データ管理と書き込み速度を改善し、安全性、簡素化を実現します。

ストレージの仮想化の詳細を見る
フラッシュ・ストレージの参考情報 Gartner社によるPrimary Storage部門のリーダーに16年連続で選出

IBM FlashSystemのシングル・コード・ベース、ハイブリッドクラウド・ストレージ・インフラストラクチャー、魅力的なラックの価格と性能、その他の要素によって、IBMが2023年のGartner Magic Quadrant for Primary Storage Arraysのリーダーに選出されました。その詳細をご覧ください。

IBM FlashSystemでストレージ・コストを40~90%削減

IBMのお客様は、従来使用していた環境と比較してストレージにかかるコストを40~90%削減しながら、競合システムと比較して平均でパフォーマンス・レベルが840%向上したとESGに報告しました。

次のステップ

オンプレミス環境、ハイブリッド・クラウド環境、仮想化環境、コンテナ化環境における管理と運用の複雑さを合理化する、高性能なオールフラッシュ・ストレージ・ソリューションをご覧ください。

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