データ・タイプのプロモーション

データ・タイプは、関連したデータ・タイプに分類することができます。そのようなグループ内では、あるデータ・タイプが別のデータ・タイプに優先すると考えられるような優先順位が存在します。この優先順位によって、データベース・マネージャーは、1 つのデータ・タイプの、優先順位の低い別のデータ・タイプへのプロモーション をサポートできます。例えば、データ・タイプ CHAR は VARCHAR へのプロモーションが可能であり、 INTEGER は DOUBLE PRECISION へのプロモーションが可能ですが、 CLOB は VARCHAR へのプロモーションができません。

データベース・マネージャーは、以下のようなときにプロモーションを検討します。

関数解決を実行するとき (関数解決を参照)
特殊タイプをキャストするとき (データ・タイプ間のキャストを参照)
特殊タイプを組み込みデータ・タイプに割り当てるとき (特殊タイプの比較を参照)

表 1 は、データベース・マネージャーが各データ・タイプをプロモートできるデータ・タイプを判定するために使用するデータ・タイプごとの優先順位リストを示しています。この表は、最良の選択は同一データ・タイプであり、別のデータ・タイプにプロモーションしないことであることを示しています。また、この表は、プロモーション・プロセスでは同等であると考えられるデータ・タイプも示していることに注意してください。例えば、CHARACTER と GRAPHIC は同等のデータ・タイプであると考えられます。

表 1. データ・タイプの優先順位表
データ・タイプ	データ・タイプ優先順位リスト (高いものから低いものへの順)
SMALLINT	SMALLINT、INTEGER、BIGINT、decimal、real、double、DECFLOAT
INTEGER	INTEGER、BIGINT、decimal、real、double、DECFLOAT
BIGINT	BIGINT、decimal、real、double、DECFLOAT
10 進数	decimal、real、double、DECFLOAT
real	real、double、DECFLOAT
double	double、DECFLOAT
DECFLOAT	DECFLOAT
CHAR または GRAPHIC	CHAR または GRAPHIC、VARCHAR または VARGRAPHIC、CLOB または DBCLOB
VARCHAR または VARGRAPHIC	VARCHAR または VARGRAPHIC、CLOB または DBCLOB
CLOB または DBCLOB	CLOB または DBCLOB
CHAR FOR BIT DATA	CHAR、VARCHAR、CLOB、BINARY、VARBINARY、BLOB
VARCHAR FOR BIT DATA	VARCHAR、CLOB、VARBINARY、BLOB
BINARY	BINARY、VARBINARY、BLOB、CHAR FOR BIT DATA、VARCHAR FOR BIT DATA
VARBINARY	VARBINARY、BLOB、VARCHAR FOR BIT DATA
BLOB	BLOB
DATE	DATE、TIMESTAMP
TIME	TIME
TIMESTAMP	TIMESTAMP
DATALINK	DATALINK
ROWID	ROWID
XML	XML
ARRAY	ARRAY
udt	同じ udt
注: 小文字で示したタイプの定義は、以下のとおりです。 10 進数 = DECIMAL(p,s) または NUMERIC(p,s) real = REAL または FLOAT(n)。この場合の n は短精度浮動小数点数の指定 double = DOUBLE、DOUBLE PRECISION、FLOAT または FLOAT(n)。この場合の n は倍精度浮動小数点数の指定 udt = ユーザー定義タイプリストされているデータ・タイプの短形式と長形式の同義語は、リストされている同義語と同じと見なされます。文字ストリングとグラフィック・ストリングは、Unicode データの場合にのみ互換性があります。