DB2 10.5 for Linux, UNIX, and Windows

SQLExtendedProcedureColumns 関数 (CLI) - プロシージャーの入出力パラメーター情報の取得

ストアード・プロシージャーに関連する入出力パラメーターのリストを戻します。 この情報は SQL 結果セットで返されます。この結果セットは、照会によって生成される結果セットを処理するため使用するのと同じ関数を使用して取得することができます。

仕様:

  • CLI 9.7
Unicode 環境での同等機能: この関数は Unicode 文字セットとともに使用することもできます。これに対応する Unicode 関数は SQLExtendedProcedureColumnsW() です。 ANSI 関数から Unicode 関数へのマッピングの詳細は、 Unicode 関数 (CLI) を参照してください。

モジュールとは、スキーマの概念を拡張したものです。 DB2® バージョン 9.7 以降のデータ・サーバーに接続するアプリケーションを使用して、スキーマ内にモジュールを作成し、そのモジュール内にプロシージャーを作成することができます。 モジュール内のプロシージャーの完全修飾名は、 <SCHEMA NAME>.<MODULE NAME>.<PROCEDURE NAME> です。SQLExtendedProcedures() 関数および SQLExtendedProcedureColumns() 関数は、 モジュールに関する情報を戻します。これらの関数は、 現在の ODBC 仕様に定義されているものではありません。詳しくは、SQL プロシージャー言語: アプリケーションのイネーブルメントおよびサポート」のモジュール を参照してください。

構文

SQLRETURN SQLExtendedProcedureColumns(
             SQLHSTMT          StatementHandle,   /* hstmt */
             SQLCHAR           *CatalogName,      /* szProcCatalog */
             SQLSMALLINT       NameLength1,       /* cbProcCatalog */
             SQLCHAR           *SchemaName,       /* szProcSchema */
             SQLSMALLINT       NameLength2,       /* cbProcSchema */
             SQLCHAR           *ProcName,         /* szProcName */
             SQLSMALLINT       NameLength3,       /* cbProcName */
             SQLCHAR           *ColumnName,       /* szColumnName */
             SQLSMALLINT       NameLength4),      /* cbColumnName */
             SQLCHAR           *ProcModule,       /* szProcModule */
             SQLSMALLINT       NameLength5;       /* cbProcModule */

関数引数

表 1. SQLExtendedProcedureColumns 引数
データ・タイプ 引数 使用法 説明
SQLHSTMT StatementHandle 入力 ステートメント・ハンドル。
SQLCHAR * CatalogName 入力 3 つの部分から成る表名のカタログ修飾子。ターゲットの DBMS が 3 つの部分から成る名前をサポートしておらず、かつ CatalogName が NULL ポインターでなく、長さ 0 のストリングを指していない場合は、空の結果セットと SQL_SUCCESS が戻されます。それ以外の場合、これは、3 パート・ネーミングをサポートする DBMS の有効なフィルターです。
SQLSMALLINT NameLength1 入力 CatalogName を格納するのに必要な SQLCHAR エレメント (またはこの関数の Unicode 版の場合は SQLWCHAR エレメント) の数、または CatalogName がヌル終了ストリングの場合は SQL_NTS。
SQLCHAR * SchemaName 入力 スキーマ名で結果セットを修飾するための パターン値 が入れられるバッファー。

DB2 for Linux, UNIX, and Windows の場合、SchemaName には有効なパターン値を入れることができます。 有効な検索パターンの詳細は、カタログ関数の入力引数の項を参照してください。

SQLSMALLINT NameLength2 入力 SchemaName を格納するのに必要な SQLCHAR エレメント (またはこの関数の Unicode 版の場合は SQLWCHAR エレメント) の数、または SchemaName がヌル終了ストリングの場合は SQL_NTS。
SQLCHAR * ProcName 入力 プロシージャー名で結果セットを修飾するための パターン値 が入れられるバッファー。
SQLSMALLINT NameLength3 入力 ProcName を格納するのに必要な SQLCHAR エレメント (またはこの関数の Unicode 版の場合は SQLWCHAR エレメント) の数、または ProcName がヌル終了ストリングの場合は SQL_NTS。
SQLCHAR * ColumnName 入力 パラメーター名で結果セットを修飾するための パターン値 が入れられるバッファー。この引数を使用するのは、 ProcName、SchemaName、またはその両方に空でない値を指定することによって既に限定されている結果セットをさらに修飾する場合です。
SQLSMALLINT NameLength4 入力 ColumnName を格納するのに必要な SQLCHAR エレメント (またはこの関数の Unicode 版の場合は SQLWCHAR エレメント) の数、または ColumnName がヌル終了ストリングの場合は SQL_NTS。
SQLCHAR * ProcModule 入力 パラメーター名で結果セットを修飾するための パターン値 が入れられるバッファー。この引数を使用するのは、 ProcName、SchemaName、または ColumnName に空でない値を指定することによって既に限定されている結果セットをさらに修飾する場合です。
SQLSMALLINT NameLength5 入力 ProcModule を格納するのに必要な SQLCHAR エレメント (またはこの関数の Unicode 版の場合は SQLWCHAR エレメント) の数、または ProcModule がヌル終了ストリングの場合は SQL_NTS。

使用法

SQLExtendedProcedureColumns() 関数は、 PROCEDURE_CAT、 ROCEDURE_SCHEM、 PROCEDURE_NAME、 COLUMN_TYPE、および PROCEDURE_MODULE の順序で結果セット内の情報を戻します。SQLExtendedProcedureColumns で戻される列は、 結果セット内の列をリストしています。 将来のリリースで最終列以降の列が定義される可能性があります。

多くの場合に SQLExtendedProcedureColumns() 関数の呼び出しはシステム・カタログに対する複雑な (したがってコストのかかる) 照会にマッピングされるため、それらの呼び出しの使用回数を少なくし、呼び出しを繰り返すのではなく結果を保存するようにしてください。

SQL_MAX_CATALOG_NAME_LEN、SQL_MAX_SCHEMA_NAME_LEN、および SQL_MAX_COLUMN_NAME_LEN を指定した SQLGetInfo() 関数を呼び出して、接続先の DBMS でサポートされている TABLE_CAT、TABLE_SCHEM、および COLUMN_NAME 列の実際の長さを判別することができます。

SQL_ATTR_LONGDATA_COMPAT 接続属性が設定されている場合、LOB 列タイプは LONG VARCHAR、LONG VARBINARY、または LONG VARGRAPHIC タイプとして報告されます。

将来のリリースでは、列が新たに追加されたり、 既存の列の名前が変更されたりする可能性はありますが、 現行の列の位置が変更されることはありません。

ストアード・プロシージャー・カタログの機能を提供しない他の DB2 サーバーのバージョンでは、空の結果セットが戻されます。

CLI は、ストアード・プロシージャーに関連した入力、入出力および出力パラメーターに関する情報を戻しますが、ストアード・プロシージャーから戻される可能性のある結果セットに関する記述子情報を戻すことはできません。

SchemaName に値として *ALL を指定することで、非修飾ストアード・プロシージャー呼び出しの解決、およびカタログ API 呼び出しによるライブラリー検索が可能になります。CLI は接続されたデータベースですべての既存のスキーマを検索します。この動作は、CLI のデフォルトであるため、*ALL を指定する必要はありません。 また、SchemaFilter IBM® Data Server Driver 構成キーワードまたは Schema List CLI/ODBC 構成キーワードを *ALL に設定することもできます。

SQLExtendedProcedureColumns で戻される列
列 1 PROCEDURE_CAT (VARCHAR(128))
プロシージャー・カタログの名前。このプロシージャーにカタログがない場合、この値は NULL になります。
列 2 PROCEDURE_SCHEM (VARCHAR(128))
PROCEDURE_NAME を含むスキーマの名前。
列 3 PROCEDURE_NAME (VARCHAR(128))
プロシージャーの名前。
列 4 COLUMN_NAME (VARCHAR(128))
パラメーターの名前。
列 5 COLUMN_TYPE (SMALLINT 非 NULL)
この行に関連した情報のタイプを識別します。値は次のとおりです。
  • SQL_PARAM_TYPE_UNKNOWN : パラメーター・タイプが不明です。
    注: これは戻されません。
  • SQL_PARAM_INPUT : このパラメーターは入力パラメーターです。
  • SQL_PARAM_INPUT_OUTPUT : このパラメーターは入出力パラメーターです。
  • SQL_PARAM_OUTPUT : このパラメーターは出力パラメーターです。
  • SQL_RETURN_VALUE : プロシージャー列はプロシージャーの戻り値です。
    注: これは戻されません。
  • SQL_RESULT_COL : このパラメーターは実際には、結果セット内の列です。
    注: これは戻されません。
列 6 DATA_TYPE (SMALLINT 非 NULL)
SQL データ・タイプ。
列 7 TYPE_NAME (VARCHAR(128) 非 NULL)
DATA_TYPE に対応するデータ・タイプの名前を表す文字ストリング。
列 8 COLUMN_SIZE (INTEGER)
SQL ルーチン内の XML 引数の場合、(XML 引数には長さがないため) ゼロが戻されます。 しかし、カタログ式外部ルーチンの場合、XML パラメーターは XML AS CLOB(n) として宣言されます。この場合、COLUMN_SIZE はカタログされた長さ、n です。

DATA_TYPE 列の値が文字ストリングまたはバイナリー・ストリングを示す場合、この列には SQLCHAR または SQLWCHAR エレメント数で表記した最大長が入れられます。DATA_TYPE 列の値が GRAPHIC (DBCS) ストリングの場合、COLUMN_SIZE はパラメーターの 2 バイトの SQLCHAR エレメントまたは SQLWCHAR エレメントの数になります。

日付、時刻、およびタイム・スタンプのデータ・タイプの場合、COLUMN_SIZE は文字データ・タイプに変換された場合に値を表示するために必要な SQLCHAR エレメントまたは SQLWCHAR エレメントの数の合計です。

CODEUNITS32 単位で定義された列では、列のコード単位の数が返されます。

数値データ・タイプの場合、これは結果セット内の NUM_PREC_RADIX 列の値に基づいて、列に許可されている総桁数または合計ビット数のいずれかです。

データ・タイプ精度の表を参照してください。

列 9 BUFFER_LENGTH (INTEGER)
SQL_C_DEFAULT が SQLBindCol()SQLGetData() および SQLBindParameter() 呼び出しで指定された場合に、このパラメーターからのデータを保管するための関連する C バッファーの最大バイト。この長さには、NULL 終止符は含まれません。 厳密な数データ・タイプを出すには、長さとして小数部や符号も考慮されます。

SQL ルーチン内の XML 引数の場合、(XML 引数には長さがないため) ゼロが戻されます。 しかし、カタログ式外部ルーチンの場合、XML パラメーターは XML AS CLOB(n) として宣言されます。この場合、BUFFER_LENGTH はカタログされた長さ、n です。

データ・タイプ長の表を参照してください。

列 10 DECIMAL_DIGITS (SMALLINT)
パラメーターのスケール。 スケールが適用できないデータ・タイプの場合は NULL が戻されます。

データ・タイプ・スケールの表を参照してください。

列 11 NUM_PREC_RADIX (SMALLINT)
10、2、または NULL のいずれか。DATA_TYPE が近似値データ・タイプである場合、この列には値 2 が含まれており、COLUMN_SIZE 列にはそのパラメーターに入れられるビット数が含まれています。

DATA_TYPE が高精度数値データ・タイプの場合、この列には値 10 が含まれており、COLUMN_SIZE 列と DECIMAL_DIGITS 列にはそのパラメーターに入れられる小数桁数が含まれています。

数値データ・タイプの場合、DBMS は 10 または 2 の NUM_PREC_RADIX を戻すことができます。

基数が適用できないデータ・タイプの場合は NULL が戻されます。

列 12 NULLABLE (SMALLINT 非 NULL)
パラメーターが NULL を受け入れない場合は SQL_NO_NULLS。

パラメーターが NULL 値を受け入れる場合は SQL_NULLABLE。

列 13 REMARKS (VARCHAR(254))
パラメーターに関する記述情報を入れられます。
列 14 COLUMN_DEF (VARCHAR)
列のデフォルト値。

NULL をデフォルト値として指定した場合、この列は引用符で囲まれていない語 NULL です。切り捨てを行わないとデフォルト値を表すことができない場合、この列には単一引用符で囲まれていない TRUNCATED が入ります。デフォルト値を指定しなかった場合、この列は NULL です。

COLUMN_DEF の値は、TRUNCATED 以外の値であれば新しい列定義を生成するために使用できます。

列 15 SQL_DATA_TYPE (SMALLINT 非 NULL)
SQL_DESC_TYPE 記述子のフィールドに表示される SQL データ・タイプの値。日時データ・タイプは除いて、 この列は DATA_TYPE 列と同じです (CLI はインターバル・データ・タイプをサポートしていません)。

日時データ・タイプの場合、結果セットの SQL_DATA_TYPE フィールドは SQL_DATETIME になり、SQL_DATETIME_SUB フィールドは特定の日時データ・タイプ (SQL_CODE_DATE、SQL_CODE_TIME、または SQL_CODE_TIMESTAMP) のサブコードを戻します。

列 16 SQL_DATETIME_SUB (SMALLINT)
日時データ・タイプのサブタイプ・コード。 他のすべてのデータ・タイプの場合、この列は NULL を戻します (CLI がサポートしていないインターバル・データ・タイプを含む)。
列 17 CHAR_OCTET_LENGTH (INTEGER)
文字データ・タイプ列のバイト単位の最大長。 CODEUNITS32 単位で定義された列では、列のバイト数が返されます。 他のすべてのデータ・タイプの場合、この列は NULL を戻します。
列 18 ORDINAL_POSITION (INTEGER NOT NULL)
この結果セットの COLUMN_NAME で指定されているパラメーターの序数部が入れられます。ORDINAL_POSITION は、CALL ステートメント上で提供される引数の元の位置です。左端の引数の元の位置は、1 です。
列 19 IS_NULLABLE (Varchar)
  • 列に NULL が含まれない場合は、NO。
  • 列に NULL が含まれる場合は、YES。
  • NULL 可能かどうか不明の場合は、ゼロ長ストリング。
NULL 可能かどうかを判別する際には、ISO 規則に従います。

ISO SQL 準拠の DBMS は、空ストリングを戻すことができません。

この列に戻される値は、NULLABLE 列に戻される値とは異なります。NULLABLE 列の説明を参照してください。

列 20 SPECIFIC_NAME (VARCHAR(128))
PROCEDURE_NAME を固有に特定する名前。
列 21 PROCEDURE_MODULE (VARCHAR(128))
スキーマ内の PROCEDURE_NAME を含むモジュールの名前。
注:
  • CLI が使用する列名は、X/Open CLI CAE 仕様のスタイルに準拠しています。列の名前、内容、および順序は、ODBC の SQLExtendedProcedureColumns() 結果セットで定義されているものと同じです。
  • 2 つのモジュールに同じ名前のプロシージャーが組み込まれている場合、SQLExtendedProcedureColumns() 関数は両方のプロシージャーに関する詳細を戻します。

戻りコード

  • SQL_SUCCESS
  • SQL_SUCCESS_WITH_INFO
  • SQL_STILL_EXECUTING
  • SQL_ERROR
  • SQL_INVALID_HANDLE

診断

表 2. SQLExtendedProcedureColumns の SQLSTATE
SQLSTATE 説明 解説
24000 カーソル状態が無効です。 カーソルはすでに、ステートメント・ハンドル上にオープンされています。
40003 08S01 通信リンクに障害が起きました。 アプリケーションとデータ・ソースとの間の通信リンクが、関数の完了する前に失敗しました。
42601 PARMLIST 構文エラーです。 ストアード・プロシージャー・カタログ表の PARMLIST 値に、構文エラーがあります。
HY001 メモリーの割り振りが失敗しました。 DB2 CLI は、この関数の実行または完了をサポートするのに必要なメモリーを割り当てられません。プロセス・レベルのメモリーがアプリケーション・プロセスに使い尽くされた可能性があります。 プロセス・レベルのメモリー制限については、オペレーティング・システムの構成を調べてください。
HY008 操作が取り消されました。 StatementHandle で非同期処理が使用できるようになりました。 関数が呼び出され、その実行が完了する前に、SQLCancel() がマルチスレッド・アプリケーション内の別のスレッドから、StatementHandle で呼び出されました。その関数が再び StatementHandle で呼び出されました。
HY010 関数のシーケンス・エラーです。

実行時データ (SQLParamData()SQLPutData()) 操作中に、 関数が呼び出されました。

BEGIN COMPOUND と END COMPOUND の SQL 操作中に、関数が呼び出されました。

非同期で実行中の関数 (この関数ではない) が StatementHandle で呼び出されましたが、 この関数の呼び出し時にはまだ実行中でした。

ステートメント・ハンドル上のステートメントが準備される前にこの関数が呼び出されました。

HY014 これ以上ハンドルがありません。 DB2 CLI は、リソースの制約のため、ハンドルを割り当てられません。
HY090 ストリングまたはバッファーの長さが無効です。 名前の長さ引数のうちの 1 つの値は 0 より小さい値でしたが、SQL_NTS と等しくありませんでした。
HYT00 タイムアウトになりました。 データ・ソースが結果セットを戻す前に、タイムアウト期間が満了しました。 タイムアウト期間は、 SQLSetStmtAttr() の SQL_ATTR_QUERY_TIMEOUT 属性を使用して設定できます。

制限

SQLExtendedProcedureColumns() は、 ストアード・プロシージャーから戻された可能性のある結果セットの属性についての情報を戻しません。

ストアード・プロシージャー・カタログのサポートや、 ストアード・プロシージャーのサポートを提供していない DB2 サーバーにアプリケーションを接続すると、 SQLExtendedProcedureColumns() は空の結果セットを戻します。

SQLExtendedProcedureColumns() は、 現在のところ、 DB2 バージョン 9.7 以降でのみサポートされています。

次のコード例では、プロシージャーに関するパラメーター情報を取得します。
/* get input/output parameter information for a procedure including 
extended information */
cliRC = SQLExtendedProcedureColumns(hstmt, 
	"CatalogName", 
	SQL_NTS, 
	"SchemaName", 
	SQL_NTS, 
	"ProcName",
	SQL_NTS,
	"ColumnName",
	SQL_NTS,
	"ModuleName",
	SQL_NTS );