何もしなければ、代償は膨らみ続ける
- ジェンダー平等とインクルージョンの実現がビジネスの継続的な成長に不可欠であることを真に理解し、行動している企業の数は多くはない。
- 調査の結果、ジェンダー平等への取り組みのリーダーとして認識されている企業は、その他の企業と比べ、19%高い収益成長率を記録していた。
- 女性の実に3分の1近くが今年中に仕事を辞めるかもしれないと答えており、優秀な女性人財を獲得し、維持するのはますます難しくなってきている。
「新しい価値を生むために、色々な視点、そして経験が大事である」
ANAホールディングス株式会社
グループCDO(Chief Diversity, Equity & Inclusion Officer)、グループDEI推進部長
種家純氏
公平性(パリティー)の実現は近いと「感じられる」が、現実は今なお遠い
- 2019年時点で、リーダーシップにおけるジェンダーの公平性(パリティー)が達成されるまでには54年かかるだろうと言われていた。
- 現在では、その平均期間の予測はわずか10年にまで短縮された。
- この楽観的な見方には、企業が最近、女性に焦点を当てたプログラムやダイバーシティーのトレーニングを強化したことが反映されている。
- 現実は、トップに上り詰める女性リーダーが増えている一方、中間管理職層における女性の割合は非常に低い水準に留まっており、将来の女性リーダーを育成するためのパイプラインは空洞化している。*
- このままのペースではジェンダー・パリティーは危機的状況を迎え、その実現は何十年も先になる見込みだ(詳しくはレポートをお読みください)。
*参考:女性が管理職を目指すことを躊躇してしまう背景について(【ヒント集】リーダーを目指す女性は、どんな“モヤモヤ”に直面するのか」(IBM外のサイトへ))
最も厄介な構造的障壁は目に見えない
- 無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)が職場に蔓延し続けている。
- 男性管理職で、「自社の経営層は、子供を持つ女性も他の従業員と同じくらい仕事に献身的に取り組んでいる」と回答した者は、わずか41%にとどまった。
「管理職の中には、子供がいる女性の部下は仕事に十分な力をそそげない、と考える者もいるようだ」
Vice Chief Engineer, China Academy of Information and Communications Technology Qi Shu Guang氏
- リーダーシップに不可欠とされる資質は、男性の場合は「結果重視」、女性の場合は「人間関係重視」と、依然としてそれぞれの性別のステレオタイプにとらわれたままである。
待ったなしの具体的なアクションが問われている
- 意識を変えるだけでは、現実に女性のキャリア・アップに大きな変化をもたらすのは難しい。
- 障壁となる偏見を打破するためには、企業はジェンダー・パリティーを実現させるためのアプローチを成熟させ、女性にも男性にも有効な構造や仕組み(企業システム)を作る必要がある。
- ジェンダーの公平性を実現するための4つのステップ:
- 優秀な人財に合った役職をデザインする:従来の価値観に基づいて築かれてきた役職の枠を打ち破る。
- ジェンダーをめぐる対話のあり方を変える:ダイバーシティーとインクルージョンがビジネスの財務的成果において不可欠であることを示す。
- 戦略を立てるだけでなく、具体化し、実践する:成長のために「波風を立てる」ことを恐れず、バックラッシュのリスクを避ける。
- 中間管理職のもつれを解きほぐす:キャリアの初期や中間のステージにおいて、女性にとって何が必要かを聞く。
詳しくはレポートをお読みください。
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発行日 2023年3月7日
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