CSCOの視点:変革が創る未来 - データの力でサプライチェーンを革新する

発行日 2023年1月20日

今日のビジネスは、以前とは様相を異にするようになりました。例えばサプライチェーンにおいては、混乱は起こることが前提で、いつ起こるのかが重要となっています。だからこそ最高サプライチェーン責任者(CSCO)は、将来に備えるべきなのです。


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発行日 2023年1月20日

86%

今後2、3年の間にマクロ経済の影響力が増すと回答したCSCOは86%であった

95%

デジタル化やAIによる自動化を採用することで業績が向上したと回答したCSCOは95%であった

36%

サプライチェーンの混乱を最大の課題の1つに挙げたCEOは36%であった

時代の転換点を迎えて

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企業と利害関係者の間ではここ数年、「サステナビリティーの取り組みにおいて、ビジネスはどういう役割を果たすべきか」を巡って関心が徐々に高まっていた。しかしながらこの一年で、事態は一変した。CSCOは、サステナビリティーに対して「関心がある」というだけでは済まなくなり、具体的なアクションを迫られている。パンデミックをはじめ、社会・経済の混乱が次々と押し寄せる中、経済活動をどう進めるのか、ビジネスでは何を優先するのか。これらの問いに対して、これまでにない新しいアプローチを社会全体が求めている。

86%

今後2、3年の間にマクロ経済の影響力が増すと回答したCSCOは86%であった

95%

デジタル化やAIによる自動化を採用することで業績が向上したと回答したCSCOは95%であった

36%

サプライチェーンの混乱を最大の課題の1つに挙げたCEOは36%であった

IBM経営層スタディ・シリーズのCSCOスタディ最新版では、世界で活躍するCSCO 3,000人を対象にインタビューを行った。その結果、サステナビリティーが企業の主要な経営課題に急浮上していることが明らかになった。その重要性にいち早く着目し、計画づくりに取り組んできたCSCOは意を強くするだろう。一方で、ほとんどのCSCOはアクションを急ごうとして現実の壁に突き当たる。サステナビリティーを推進しようとする強い意欲があっても、目に見える成果を出すのは口で言うほど簡単ではないからだ。

綱渡り状態のCSCO
「時間」「集中力」「経営資源」には限界があり、CSCOは事業を再編・再構築する中でトレードオフと妥協を刻々と判断していく。
「データ」が命運を握る
サプライチェーンの重点を、効率性とレジリエンスの向上という現在の課題に置くのか、将来を見据えてデータ主導のインサイトとイノベーションに置くのか。いずれの場合でも成果を生み出せる基本アプローチを今日のCSCOは創出している。
革新的テクノロジーが道を切り拓く
同業他社よりも高業績を上げているCSCOは、インフラやハイブリッドクラウドの拡張、AIを活用したワークフロー、サステナビリティー、サイバーセキュリティーに積極的な投資を行っている。
「新たにCSCOになったら足場をしっかり固め、日々のマネージメントを徹底する。その上で自らに問いかけてほしい。テクノロジーはどう進化していくのか」
Mike Corbo氏
コルゲート・パルモリーブ(Colgate Palmolive)社、最高サプライチェーン責任者
Mike Corbo氏による新任CSCOへのアドバイスをお聞きください
混沌の中の秩序

至るところで混乱が広がる中、CSCOは社内動向に常に目を凝らし、バランス感覚を大事にして業務に当たることが必要だ。AIとインテリジェント・ワークフローを活用すれば、360度のインサイトと影響分析が可能となり、相互接続性と予測可能性がもたらされる。不測の事態が起きても、ワークフローの力でデジタルと人間双方のワークフォースが自己学習と自己調整を重ねて俊敏に状況に適応することができる。その際に不可欠なのが、チャットボットからロボットに至る自動化全般である。

実際、CSCOがいかにテクノロジーを重視しているかは、モニタリングと対策のための短・中期的なインテリジェント・ワークフローへの力の入れ具合に見て取れる。

大きな期待
大半のCSCOは、今後3年間で著しい発展を遂げると予想される技術の筆頭にAIを挙げるが、他のエクスポネンシャル・テクノロジーもその後に続くと思われる。
IBMInstitute for Business Value
「労働力と人材こそが、本気で取り組まなければならない問題です。ところが、現実はそうはなっていないようです。実際には突如2割もの労働力が喪失したような状態です」
Sophie Bechu氏
フィリップス社、COO
Sophie Bechu氏の考える人材の必要性についてお聞きください
「現在」から「次のステージ」へ

共通した課題に対しては共通した対応が取られることがある。CSCOも例外ではなく、全体として横並びで、これまでの取り組みの重点は自動化や、AI対応のインテリジェント・ワークフロー、エコシステム、さらにサステナビリティーに置かれている。

しかし冷静な眼差しで将来を見据え、変革的テクノロジーへの投資を確実に進める一部のCSCOは、同業他社をしのぐ存在として際立っている。このグループはこうした戦略を一段と強化しており、データ・ドリブンなアプローチを採用し、テクノロジーによって実現できる次の4分野に重点を置いている。

ハイブリッドクラウド

CSCOはハイブリッドクラウドを利用して、社内のレガシー(旧来型)アプリケーションやデータの価値を高めたり、利用範囲を広げたりしている。その際、イノベーションの推進に必要なエクスポネンシャル・テクノロジーを取り込んだ、柔軟性の高いインフラを活用する。

AI対応のワークフロー

トップレベルの実績を上げるCSCOは、意思決定が及ぼす影響に関してシミュレーションを行い、オペレーションの課題を予測し先手を打って新たな戦略をモデル化している。さらに重要な点としては、過去のデータが利用できない場合に複数の選択肢を比較評価することが挙げられる。

サステナビリティー

高い業績を上げているCSCOの58%は、サステナビリティーの重要性に関して顧客との絆を深め、その共通の使命をもって顧客との信頼関係と満足度の向上を目指している。

サイバーセキュリティー

IBMの調査による(英語)と、こうした攻撃の47%は、攻撃対象となった脆弱性を被害企業が修正する能力がなかった、もしくは修正を怠ったことに起因している。トップクラスのCSCOは、自社のサイバーセキュリティーの効果が競合他社に比べて16%以上高いと考えている。

アクション・ガイドを参考に、データの力で革新を実現しましょう。
アクション・ガイドを参考に、データの力で革新を実現しましょう。
自動化
  • 拡張ワークフローで自動化を加速する
  • AIを増強してワークフローをよりスマートにする
  • 協働的なエコシステムをつくり上げる
サステナビリティー
  • 環境と社会に関する取り組みをビジネス・ソリューションに結びつける
  • AIを用いてワークフローを最適化し炭素や廃棄物、エネルギー、水使用量を管理する
  • サステナブルな新製品・サービスと競う
モダナイゼーション
  • 最新のインフラストラクチャーを構築する
  • ハイブリッドクラウド・プラットフォームを最適な規模で展開する
  • サイバーセキュリティーの脆弱性と対応策について意識を高める
自動化
  • 拡張ワークフローで自動化を加速する
  • AIを増強してワークフローをよりスマートにする
  • 協働的なエコシステムをつくり上げる
サステナビリティー
  • 環境と社会に関する取り組みをビジネス・ソリューションに結びつける
  • AIを用いてワークフローを最適化し炭素や廃棄物、エネルギー、水使用量を管理する
  • サステナブルな新製品・サービスと競う
モダナイゼーション
  • 最新のインフラストラクチャーを構築する
  • ハイブリッドクラウド・プラットフォームを最適な規模で展開する
  • サイバーセキュリティーの脆弱性と対応策について意識を高める

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