複製オブジェクト作成 (CRTDUPOBJ)

オブジェクト複製(CRTDUPOBJ)コマンドは,単一または1グループのオブジェクトをコピーします。ファイルをそっくりそのまま複製するわけではありません。新しいオブジェクトを元のオブジェクトが入っているライブラリーに保管する場合には,その名前を変更しなければなりません。元のオブジェクトが入っているライブラリー以外のライブラリーに作成する場合には,新しく作成するオブジェクトは元のオブジェクトの名前を保存することができます。総称オブジェクト名,または*ALL,または複数のオブジェクト・タイプを指定すれば,関連オブジェクトのグループをコピーすることができます。関連オブジェクトのグループをコピーする場合には,新しいオブジェクトが作成されるライブラリーに別のライブラリーを指定しなければなりません。物理ファイル内のデータまたは保存ファイル内のデータがコピーされるかどうかを指定することもできます。また,既存のデータベース・ファイルに関連付けられた制約,トリガー,行アクセス制御,または列アクセス制御を新しく作成されるファイルに関連付けるかどうか,および既存のデータベース・ファイルのファイル・レベルIDおよびメンバー・レベルIDを新しく作成されるデータベース・ファイルにコピーするかどうかを指定することもできます。

注: ライブラリー作成(CRTLIB)コマンドの作成権限(CRTAUT)パラメーターでコピー先ライブラリーについて指定された値は,重複オブジェクトには使用されません。重複オブジェクトの共通および専用権限は,以下の例外を除き,元のオブジェクトと同じになります。INSTEAD OFトリガーの重複処理によらない場合には,新しいデータベース・ファイルは,旧ファイルに対する挿入,更新,または削除機能を失い,旧ファイルの対応する挿入,更新,または削除権限は新規ファイルに認可されません。重複オブジェクトの所有者は,コマンドを出すユーザーのユーザー・プロファイルであるか,コマンドを出すユーザーのユーザー・プロファイルが所有者としてグループ・プロファイルを指定しているメンバー・ユーザー・プロファイルである場合には,グループ・プロファイルです。

CRTDUPOBJコマンドを使用してファイルを複写する時には,オブジェクト(OBJ)パラメーターに指定された既存のファイルの形式は,新しいオブジェクト(NEWOBJ)パラメーターに指定された新しく作成されるファイルと共用されます。同じ形式を共用するファイル・オブジェクトの最大数(およそ32K)に達した場合には,FROMファイルの形式を共用する代わりに,新規作成ファイルによって新しい形式が作成されます。

注: 同じ形式を共用するすべてのファイルは関連していると見なされ,保存操作が実行された時には,同じ保存リストにまとめてグループ化されます。

論理ファイルが別のライブラリーにコピーされる時には,そのファイルの基礎を決めるのに次の2つの場合があります。

  1. 論理ファイルとその基礎になっている物理ファイルの両方がもともと同じライブラリーに入っている場合には,論理ファイルの複製が作成される前に,物理ファイルの複製が新しいライブラリーに作成されていなければなりません。この2つの複製が作成された後,新しい物理ファイルが新しい論理ファイルの基礎になります。
  2. 論理ファイルとその基礎になっている物理ファイルがもともと別のライブラリーに入っている場合には,論理ファイルを複製する前に物理ファイルを複製する必要はありません。この場合には,元の論理ファイルの基礎になっていた同じ物理ファイルが複製論理ファイルの基礎になります。第1の場合と異なり,論理ファイルが複写される前に物理ファイルが新しいライブラリーに複写された場合でも,複製物理ファイルではなく元の物理ファイルが複製論理ファイルの基礎になります。

CRTDUPOBJコマンドによってデータベース・ファイルを作成する時には,重複制約 (CST)パラメーターを使用して,既存のファイルと関連した制約を新規作成のファイルと関連付けるかどうかを指定することができます。同様に,重複トリガー (TRG)パラメーターを使用して,既存のファイルと関連したトリガーを新規作成のファイルと関連付けるかどうかも指定できます。トリガーの複写に関しては,特別な考慮事項があることに注意してください。例えば,複写では,既存のファイルと関連したトリガー・プログラムが既存のファイルと同じライブラリー中にあったかどうかによって異なります。また,重複ファイルID (FILEID)パラメーターを使用して,既存のファイルのファイル・レベルIDおよびメンバー・レベルIDを新しく作成されるファイルに使用するかどうかも指定できます。重複アクセス制御 (ACCCTL)パラメーターを使用して,既存のファイルに関連付けられた行アクセス制御または列アクセス制御を新しく作成されるファイルに関連付けるかどうかを指定できます。注:行アクセス制御または列アクセス制御の複写に関して注意すべき考慮事項があります。例えば,コマンドがファイルを別のライブラリーに複写する場合,アクセス制御があるファイルを複写すると,行アクセス制御または列アクセス制御によって参照されるファイルのライブラリー名は変更されません。

注: 詳細については,IBM i Information Center(http://www.ibm.com/systems/i/infocenter/)の「データベース」カテゴリーを参照してください。

複写されるオブジェクトがジャーナル処理される資格属性のあるオブジェクト・タイプの場合には,オブジェクトが作成された後にジャーナル記録を自動的に開始する方法が2つあります。

  1. ターゲット・ライブラリーがジャーナル処理されている場合は,ライブラリーのジャーナル継承規則は,オブジェクトに対してジャーナル処理を開始するかどうかを決定します。
  2. ターゲット・ライブラリーがQDFTJRNという名前のデータ域を持っている場合は,そのQDFTJRNデータ域の値に基づいて,オブジェクトが自動的にジャーナル処理を開始します。

    注: QDFTJRNデータ域は,ターゲット・ライブラリーのジャーナル処理状態およびジャーナル継承規則に優先します。

    注: QDFTJRNデータ域は将来のリリースではサポートしません。

ライブラリー記述の表示(DSPLIBD)コマンドを使用して,ライブラリーのジャーナル情報を表示してください。ライブラリーのジャーナル処理の詳細については,ライブラリーのジャーナル開始(STRJRNLIB)コマンドを参照してください。

注: ジャーナル処理に関する詳細は,IBM i Information Center(http://www.ibm.com/systems/i/infocenter/)の「ジャーナル管理」トピック・コレクションを参照してください。

制約事項:

  1. 既存のオブジェクトに対する使用(*USE)およびオブジェクト管理(*OBJMGT)権限が必要です。
  2. 新しいオブジェクトのライブラリーに対する使用(*USE)および追加(*ADD)権限が必要です。
  3. オブジェクトが権限リストである場合には,権限リスト管理(*AUTLMGT)権限が必要です。
  4. 重複した保存ファイルを作成するためには,保存ファイル作成(CRTSAVF)コマンドに対するオブジェクト操作(*OBJOPR)権限が必要です。データの複写(DATA)パラメーターに*YESが指定されていると,保存ファイルの内容が複製されます。
  5. オブジェクトが複製される場合には,その複製は作成先ライブラリーと同じ補助記憶域プール(ASP)に作成されます。
  6. CRTDUPOBJコマンドを使用してファイルのコピーを作成する時に,データの複写(DATA)パラメーターに*YESを指定した場合には,アクセスを不可能にするために,データ・コピー中には新しい重複ファイル・オブジェクトが占有されます(タイムアウトなしの*EXCLロックと類似したもの)。データ・コピーが進行中に新しい重複ファイル・オブジェクトを参照する機能を使用しようとすると,そのデータ・コピーが完了するまで,そのワークステーションをロックする結果となります。データ・コピーが完了するまで,新しい重複ファイル・オブジェクトで使用してはいけない機能の例は次の通りです。
    • WRKACTJOB (オプション11-ロック; オプション8-WRKOBJLCK)
    • DSPDBR
    • DSPFD
    • DSPFFD
    • DSPJOB(オプション12-ロック; F10-ジョブ・レコード・ロック;オプション14-ファイルのオープン)
    • DSPLIB (新しい重複ファイルが入っているライブラリー)
    • DSPOBJD
    • WRKOBJLCK
    • DSPRCDLCK
    • 新しい重複ファイルを参照するその他のすべての機能
  7. データベース・ファイルまたは保存ファイルを複製する時に,複製元ライブラリーの記憶域が1次または2次補助記憶域プール(ASP)から割り振られる場合には,複製先ライブラリーの記憶域は,複製元ライブラリーの記憶域と同じASPグループ内のASPから割り振られるか,またはシステムASP (ASP 1)あるいは基本ユーザーASP (ASP 2から32)から割り振られなければなりません。データベース・ファイルまたは保存ファイルをあるASPグループから別のASPグループに重複することは,サポートされていません。
  8. *GSS, *FNTRSC, *FORMDF, *OVL, *CSI, *PAGDFN,または*PAGSEGのタイプの重複オブジェクトの作成時には,新しいオブジェクトの名前の長さは8桁を超えてはいけません。
  9. ユーザー空間(*USRSPC)およびユーザー見出し(*USRIDX)のユーザー定義域オブジェクトをコピーできるのは,システム値QALWUSRDMN(ライブラリーでユーザー定義域オブジェクトが使用できる)で使用できるライブラリーに対してだけです。しかし,ユーザー・オブジェクトがシステム・ドメイン・オブジェクトとして作成された場合には,制約はありません。

パラメーター

キーワード 記述 選択項目 ノーツ
OBJ オブジェクト 総称名, 名前, *ALL 必須, 定位置 1
FROMLIB FROMライブラリー 名前, *LIBL, *CURLIB 必須, 定位置 2
OBJTYPE オブジェクト・タイプ 単一値: *ALL
その他の値 (最大 57 回の繰り返し): *ALRTBL, *AUTL, *BNDDIR, *CHTFMT, *CLD, *CLS, *CMD, *CRQD, *CSI, *CSPMAP, *CSPTBL, *DTAARA, *FCT, *FILE, *FNTRSC, *FNTTBL, *FORMDF, *FTR, *GSS, *IGCDCT, *IGCSRT, *JOBD, *JOBQ, *LOCALE, *MEDDFN, *MENU, *MGTCOL, *MODULE, *MSGF, *MSGQ, *M36CFG, *NODGRP, *NODL, *OUTQ, *OVL, *PAGDFN, *PAGSEG, *PDFMAP, *PDG, *PGM, *PNLGRP, *PRDAVL, *PRDDFN, *PRDLOD, *PSFCFG, *QMFORM, *QMQRY, *QRYDFN, *SBSD, *SCHIDX, *SRVPGM, *SSND, *TBL, *USRIDX, *USRSPC, *VLDL, *WSCST
必須, 定位置 3
TOLIB TOライブラリー 名前, *FROMLIB, *SAME, *CURLIB オプショナル, 定位置 4
NEWOBJ 新しいオブジェクト 名前, *OBJ, *SAME オプショナル, 定位置 5
ASPDEV 複写元ASP装置 名前, *, *CURASPGRP, *SYSBAS オプショナル
TOASPDEV 宛先ASP装置 名前, *ASPDEV, *, *CURASPGRP, *SYSBAS オプショナル
DATA データの複写 *NO, *YES オプショナル
CST 重複制約 *YES, *NO オプショナル
TRG 重複トリガー *YES, *NO オプショナル
FILEID 重複ファイルID *NO, *YES オプショナル
ACCCTL 重複アクセス制御 *ALL, *ROW, *COL, *NONE オプショナル

オブジェクト (OBJ)

複製される1つまたは複数のオブジェクトを指定します。

これは必須パラメーターです。

*ALL
指定されたライブラリー中で,権限があり,オブジェクト・タイプ(OBJTYPE)パラメーターに指定されたオブジェクト・タイプのすべてのオブジェクトが複製されます。
総称名
指定されたライブラリー内で複製されるオブジェクトのグループを指定してください。総称オブジェクト名は1つまたは複数の文字とその後にアスタリスク(*) が続いた文字ストリングとして指定します。例えば,ABC*です。総称名は,総称オブジェクト名と同じ接頭部で始まり,適切な権限のあるすべてのオブジェクトを指定します。
名前
複写の対象となる特定のオブジェクトの名前を指定してください。

FROMライブラリー (FROMLIB)

複製されるオブジェクトが入っているライブラリーを指定します。

これは必須パラメーターです。

*LIBL
最初に一致するものが見つかるまで,現行スレッドのライブラリー・リスト内のすべてのライブラリーが検索されます。

注: *LIBLは,特定オブジェクトおよび単一の特定オブジェクト・タイプのみに指定することができます。

*CURLIB
複製されるオブジェクトを見つけるためにスレッドの現行ライブラリーが検索されます。スレッドの現行ライブラリーとして指定されているライブラリーがない場合は,QGPLライブラリーが使用されます。
名前
複製されるオブジェクトを見つけるために検索されるライブラリーの名前を指定してください。

オブジェクト・タイプ (OBJTYPE)

複製されるオブジェクトのタイプを指定します。このパラメーターは,単一値として指定することも,1つまたは複数のオブジェクト・タイプのリストとして指定することもできます。

このコマンドについてプロンプトを出す時にオブジェクト・タイプの完全なリストを表示するには,このパラメーターのフィールドにカーソルを位置付け,F4(プロンプト)を押します。オブジェクト・タイプの記述については,IBM i Information Center(http://www.ibm.com/systems/i/infocenter/)の「プログラミング」カテゴリーの「制御言語(CL)」トピック・コレクションの「オブジェクト・タイプ」を参照してください。

これは必須パラメーターです。

単一値

*ALL
指定されたライブラリー内にあって指定された名前をもつオブジェクト・タイプのうち,権限のあるものがすべて複製されます。オブジェクト(OBJ)パラメーターに*ALLも指定された場合には,指定されたライブラリー内にあるもののうち,権限があり,しかも複製可能なタイプであるすべてのオブジェクトが複製されます。

その他の値

オブジェクト・タイプ
複製されるオブジェクトのタイプに対する1つまたは複数の値を指定してください。

TOライブラリー (TOLIB)

重複オブジェクトが作成されるライブラリーを指定します。

注: ライブラリーが補助記憶域プール(ASP)内にある場合には,複製するオブジェクトは,ASP内に存在できる有効なオブジェクト・タイプでなければなりません。このオブジェクト・タイプがASPに存在できる有効なタイプでない場合には,エラー・メッセージが送られます。

*FROMLIB
新しいオブジェクトを含むライブラリーは,元のライブラリーを含むライブラリーと同じ名前を持つことになります。これは必ずしも元のオブジェクトを含むライブラリーと同じライブラリーとは限らないので,注意してください。複写元ASP装置(ASPDEV)パラメーターと宛先ASP装置(TOASPDEV)パラメーターが同じ補助記憶域プール(ASP)装置を記述している場合には,これは同じライブラリーです。同じライブラリーである場合には,新しいオブジェクト(NEWOBJ)パラメーターを使用して,元のオブジェクトの名前と異なる名前を新しいオブジェクトに割り当てなければなりません。ASPDEVパラメーターとTOASPDEVパラメーターが異なるASP装置を記述している場合には,異なるASP装置上にある異なるライブラリー(ライブラリー名は同じ)です。
*SAME
上記の*FROMLIBを参照してください。*SAMEと*FROMLIBは同じ意味を持っています。
*CURLIB
新しいオブジェクトはスレッドの現行ライブラリーに入れられます。スレッドの現行ライブラリーとして指定されているライブラリーがない場合,QGPLライブラリーが使用されます。このパラメーターに*CURLIBを指定した場合には,宛先ASP装置(TOASPDEV)パラメーターが*でなければならないか,TOASPDEVパラメーターが*ASPDEVで,複写元ASP装置(ASPDEV)パラメーターが*でなければなりません。
名前
新しいオブジェクトを入れるライブラリーの名前を指定してください。

新しいオブジェクト (NEWOBJ)

新しいオブジェクトの名前を指定します。 TOライブラリー(TOLIB)パラメーターに*SAMEまたは*FROMLIBを指定し,複写元ASP装置(ASPDEV)パラメーターと宛先ASP装置(TOASPDEV)パラメーターの両方に同じ補助記憶域プール装置を指定した場合には,名前をここに指定しなければなりません。複製されるデータベース・ファイル中のメンバーの名前は,新しいファイルでも同じままです。

*OBJ
新しいオブジェクトは,元のオブジェクトと同じ名前をもちます。これを指定する場合には,新しいオブジェクトと元のオブジェクトが異なるライブラリーになければなりません。
*SAME
上記の*OBJを参照してください。*SAMEと*OBJは同じ意味を持っています。
名前
新しいオブジェクトの名前を指定してください。

複写元ASP装置 (ASPDEV)

複製されるオブジェクトが入っているライブラリー( FROMライブラリー(FROMLIB)パラメーター)に対して記憶域が割り振られる補助記憶域プール(ASP)装置の名前を指定します。このライブラリーがスレッドのライブラリー名スペースの一部でないASPにある場合には,必ず正しいオブジェクトが複製されるようにするために,このパラメーターを指定しなければなりません。FROMLIBパラメーターに*LIBLまたは*CURLIBを指定した時にこのパラメーターを使用する場合には,*が唯一の有効な値です。

*
現在,スレッドのライブラリー名スペースの一部であるASPが,ライブラリーを見つけるために検索されます。これには,システムASP (ASP 1),すべての定義済み基本ユーザーASP (ASP 2から32)が含まれ,スレッドにASPグループがある場合には,スレッドのASPグループの中の1次および2次ASPが含まれます。
*CURASPGRP
スレッドにASPグループがある場合には,スレッドのASPグループ中の1次および2次ASPがライブラリーを見つけるために検索されます。システムASP (ASP 1)および定義済みの基本ユーザーASP (ASP 2から32)は検索されません。スレッドと関連したASPグループがない場合には,エラーが出されます。
*SYSBAS
システムASP (ASP 1)とすべての定義済み基本ユーザーASP (ASP 2から32)が,ライブラリーを見つけるために検索されます。スレッドにASPグループがあっても,1次または2次ASPは検索されません。
名前
ライブラリーを見つけるために検索される1次または2次ASP装置の名前を指定してください。この1次または2次ASPは(ASP装置をオンに構成変更することによって)活動化されていなければならず,状況は「使用可能」でなければなりません。システムASP (ASP 1)と定義済み基本ユーザーASP (ASP 2から32)は検索されません。

注: 特定の補助記憶域プール(ASP)装置名を指定するには,ASPグループ中の各ASP装置に対する使用(*USE)権限が必要です。

宛先ASP装置 (TOASPDEV)

新しいオブジェクトが入るライブラリー( TOライブラリー(TOLIB)パラメーター)に対して記憶域が割り振られる補助記憶域プール(ASP)装置の名前を指定します。このライブラリーがスレッドのライブラリー名スペースの一部でないASPにある場合には,必ずそのオブジェクトが正しいライブラリーに複製されるようにするために,このパラメーターを指定しなければなりません。TOLIBパラメーターに*CURLIBを指定した時に,このパラメーターを使用する場合には,TOASPDEV(*)を指定しなければならないか,TOASPDEV(*ASPDEV)を指定して,複写元ASP装置(ASPDEV)パラメーターを*にしなければなりません。

*ASPDEV
ASPDEVパラメーターに指定されたASP装置がライブラリーを見つけるために検索されます。
*
現在,スレッドのライブラリー名スペースの一部であるASPが,ライブラリーを見つけるために検索されます。これには,システムASP (ASP 1),すべての定義済み基本ユーザーASP (ASP 2から32)が含まれ,スレッドにASPグループがある場合には,スレッドのASPグループ内の1次および2次ASPが含まれます。
*CURASPGRP
スレッドにASPグループがある場合には,スレッドのASPグループ中の1次および2次ASPがライブラリーを見つけるために検索されます。システムASP (ASP 1)および定義済みの基本ユーザーASP (ASP 2から32)は検索されません。スレッドと関連したASPグループがない場合には,エラーが出されます。
*SYSBAS
システムASP (ASP 1)とすべての定義済み基本ユーザーASP (ASP 2から32)が,ライブラリーを見つけるために検索されます。スレッドにASPグループがあっても,1次または2次ASPは検索されません。
名前
ライブラリーを見つけるために検索される1次または2次ASP装置の名前。この1次または2次ASPは(ASP装置をオンに構成変更することによって)活動化されていなければならず,状況は「使用可能」でなければなりません。システムASP (ASP 1)と定義済み基本ユーザーASP (ASP 2から32)は検索されません。

注: 特定の補助記憶域プール(ASP)装置名を指定するには,ASPグループ中の各ASP装置に対する使用(*USE)権限が必要です。

データの複写 (DATA)

データベース物理ファイルまたは保存ファイル内のデータ・レコードを,新しいオブジェクトにコピーするかどうかを指定します。中に入っているデータがコピーされるかどうかにかかわらず,データベース物理ファイルのメンバーがコピーされます。

*NO
データベース物理ファイルまたは保存ファイルのメンバー内のデータ・レコードは,新しいオブジェクトにコピーされません。
*YES
データベース物理ファイルまたは保存ファイルのメンバー内のデータ・レコードが新しいオブジェクトにコピーされます。

:

  1. 別のジョブが更新のために使用中であるファイルは複製できません。
  2. 新しいファイルの相対レコード番号は元のファイルと同じです。

重複制約 (CST)

既存のデータベース物理ファイルと関連した制約を,新規作成のファイルにコピーするかどうかを指定します。データベース物理ファイルではないオブジェクトでは,指定された値は使用されません。

*YES
既存のデータベース物理ファイルと関連した制約が新規作成のファイルにコピーされます。
*NO
既存のデータベース物理ファイルと関連した制約が新規作成のファイルにコピーされません。

重複トリガー (TRG)

既存のデータベース・ファイルと関連したトリガーを,新規作成のファイルにコピーするかどうかを指定します。データベース・ファイルではないオブジェクトでは,指定された値は使用されません。

注: トリガーの複写に関して注意する必要がある特別な考慮事項があります。例えば,複写では,既存のファイルと関連したトリガー・プログラムが既存のファイルと同じライブラリー中にあったかどうかによって異なります。詳細については,IBM i Information Center(http://www.ibm.com/systems/i/infocenter/)の「データベース」カテゴリーを参照してください。

*YES
既存のデータベース・ファイルと関連したトリガーが新規作成のファイルにコピーされます。
*NO
既存のデータベース・ファイルと関連したトリガーが新規作成のファイルにコピーされません。

重複ファイルID (FILEID)

既存のデータベース・ファイルのファイル・レベルおよびメンバー・レベルIDが新しく作成するファイルで使用されるかどうかを指定します。データベース・ファイルではないオブジェクトでは,指定された値は使用されません。

*NO
既存のデータベース・ファイルのファイル・レベルおよびメンバー・レベルIDは新しく作成するファイルで使用されません。新しく作成するファイルのメンバー・レベルおよびファイル・レベル IDは,システムよって生成されます。例えば,1070224092922などです。
*YES
既存のデータベース・ファイルのファイル・レベルおよびメンバー・レベルIDは新しく作成するファイルで使用されます。同じファイル・レベルおよびメンバー・レベル IDを持つ2つのデータベース・ファイルを持つと,データベースの操作に影響する場合があります。この値は,まったく同じデータベース・ファイルが必要な場合にのみ使用すべきです。

重複アクセス制御 (ACCCTL)

既存のデータベース物理ファイルに関連付けられた行アクセス制御または列アクセス制御を新規作成ファイルにコピーするかどうかを指定します。データベース物理ファイルではないオブジェクトでは,指定された値は使用されません。

*ALL
既存のデータベース物理ファイルに関連付けられたすべての行アクセス制御および列アクセス制御を新規作成ファイルにコピーするかどうかを指定します。コピーされるデータベース・ファイルにアクティブな権限またはマスクがある場合,かつデータ・パラメーターDATA(*YES)が指定されている場合は,列アクセス制御および行アクセス制御がコピーされる必要があります。
*ROW
既存のデータベース物理ファイルに関連付けられた行アクセス制御が,新規作成ファイルにコピーされます。コピーされるデータベース・ファイルにアクティブなマスクがあり,かつ,データ・パラメーターDATA(*YES)が指定されている場合は,行アクセス制御がコピーされる必要があります。
*COL
既存のデータベース物理ファイルに関連付けられた列アクセス制御が新規作成ファイルにコピーされます。コピーされるデータベース・ファイルにアクティブな権限があり,データ・パラメーターDATA(*YES)が指定されている場合は,列アクセス制御がコピーされる必要があります。
*NONE
既存のデータベース物理ファイルに関連付けられた行アクセス制御または列アクセス制御のいずれも新規作成ファイルにコピーされません。コピーされるデータベース・ファイルにアクティブな権限またはマスクがある場合は,データ・パラメーターDATA(*NO)が指定される必要があります。

1: データ・レコード,制約,およびトリガーを含むデータベース・ファイルの複写

CRTDUPOBJ   OBJ(FILEA)  FROMLIB(LIB1)  OBJTYPE(*FILE)
            TOLIB(LIB2)  DATA(*YES)

ライブラリーLIB1中のFILEAという名前のファイルは,ライブラリーLIB2に複製されます。ライブラリーLIB1のFILEAに認可されていた権限は,ライブラリーLIB2に作成されたFILEAに認可されます。ライブラリーLIB1中のFILEAと関連したデータ・レコード,制約,およびトリガーがライブラリーLIB2に作成されたFILEAにコピーされます。新しいファイル・レベルおよびメンバー・レベルIDが,ライブラリーLIB2に作成されたFILEA用に生成されます。これは,ライブラリーLIB2のFILEAのファイル・レベルおよびメンバー・レベルIDが,ライブラリーLIB1のFILEAのファイル・レベルおよびメンバー・レベルIDと違うことを意味します。

2: データ・レコード,制約,およびトリガーを含まず,同じファイル・レベルおよびメンバー・レベルIDを保持しないデータベース・ファイルの複写

CRTDUPOBJ   OBJ(FILEB)  FROMLIB(LIB3)  OBJTYPE(*FILE)  NEWOBJ(FILEDUP)
            DATA(*NO)  CST(*NO)  TRG(*NO)  FILEID(*YES)

ライブラリーLIB3中のFILEBの名前のファイルがライブラリーLIB3中にFILEDUPとして複写されます。ライブラリーLIB3中のFILEBと関連したデータ・レコード,制約,およびトリガーはライブラリーLIB3に作成されたFILEDUPにコピーされません。ライブラリーLIB3に作成されたFILEDUPのファイル・レベルおよびメンバー・レベルIDは,ライブラリーLIB3のFILEBのファイル・レベルおよびメンバー・レベルIDと同じになります。FILEBで認可されていた権限が,以下の例外を除いてライブラリーLIB3に作成された新しいFILEDUPに対して認可されます。INSTEAD OFトリガーの重複処理によらない場合には,新しいデータベース・ファイルFILEDUPは,旧データベース・ファイルFILEBに対する挿入,更新,または削除機能を失い,旧データベース・ファイルFILEBの対応する挿入,更新,または削除権限は新規データベース・ファイルFILEDUPに認可されません。

エラー・メッセージ

*ESCAPE メッセージ

CPFB8ED
装置記述&1はこの操作には正しくありません。
CPF2105
&2に,タイプ*&3のオブジェクト&1が見つからない。
CPF2109
OBJパラメーターが*ALLまたは総称名の場合は,NEWOBJの値は*SAMEでなければならない。
CPF2110
ライブラリー&1が見つかりません。
CPF2113
ライブラリー&1を割り振ることができない。
CPF2116
DATA (*YES)が指定されたが,*ALLまたは*FILEがOBJTYPEリストにない。
CPF2122
ユーザー・プロファイル&1の記憶域限界を超えた。
CPF2123
指定した名前またはタイプのオブジェクトはライブラリー&2に存在していない。
CPF2130
&1個のオブジェクトが複製された。&2個のオブジェクトが複製されていません。
CPF2151
&1のタイプ*&3の&2に対する操作が正常に行われなかった。
CPF2152
タイプ*&1のオブジェクトをQTEMPの中に作成することはできない。
CPF2155
FROMLIBには*LIBLを指定することはできない。
CPF216C
TOLIB(*CURLIB)にはTOASPDEV値は無効である。
CPF216D
TOLIB, NEWOBJ,またはTOASPDEVパラメーターが正しくない。
CPF2160
オブジェクト・タイプ*&1は,要求された機能に適切でない。
CPF2162
ライブラリー&1のすべてのオブジェクトを複製することはできない。
CPF2173
ライブラリーの特殊値にはASPDEVの値は無効である。
CPF2176
ライブラリー&1に損傷がある。
CPF218C
&1は1次または2次ASPではない。
CPF2182
ライブラリー&1は認可されていない。
CPF2185
TOLIB, TOASPDEV,またはNEWOBJパラメーターが正しくない。
CPF2186
オブジェクト&1をライブラリー&2に作成することができない。
CPF9806
ライブラリー&3のオブジェクト&2に対して機能を実行することはできない。
CPF9814
装置&1が見つかりません。
CPF9825
装置&1は認可されていない。
CPF9827
オブジェクト&1を作成したり&2に移動することはできない。
CPF9833
*CURASPGRPまたは*ASPGRPPRIが指定されていて,スレッドにASPグループがない。