グレゴリオ暦以外のカレンダーに従っているシステムを IBM® i V6R1 以降にアップグレードする場合は、年オフセット値を設定してから、システムを新規リリースにアップグレードする必要があります。
アップグレードの完了後に、この年オフセットを使用して正しい時間帯がすぐに設定されますので、この方法を使用することをお勧めします。
アップグレードの前に、次のステップを実行してください。
- システムで現在使用されている時間帯に基づいて、ユーザー定義の時間帯オブジェクトを作成する。
- IBM Navigator
for i で、と展開する。
- 「時間帯 (Time Zones)」を右クリックし、「開く」をクリックする。
- 「既存のものを基にした新規作成」をクリックする。
- 必要に応じてフィールドに記入する。
- QSYS ライブラリーに QWCYEAROFS データ域を作成する。
QWCYEAROFS データ域は、最小長 14 文字の文字データ域にしてください。
- 5250 エミュレーター・セッションを使用してご使用のシステムサーバーにサインオンする。
- 次のコマンドを入力して、F4 (プロンプト) を押す。
CRTDTAARA
- データ域の名前に QWCYEAROFS を指定する。
- データ域のライブラリーに QSYS を指定する。
- ype パラメーターに *CHAR を指定して、Enter キーを押す。
- Length パラメーターに 14 を指定する。
- 「初期値 (Initial Value)」には、以下のフォーマットを使用して、Enter キーを押す。
バイト 1: |
現行の年オフセットの符号 (「+」または「-」のいずれか) |
バイト 2 から 4: |
グレゴリオ年からの年オフセット (000 から 140 まで) |
バイト 5 から 14: |
時間帯の記述名 (左寄せで、右側にはブランクを入れる) |
時間帯 (QTIMZON) システム値に指定された現行時間帯オブジェクトを変更するよう指示するために、*SYSVAL という特殊値を使用できます。
この特殊値を使用する場合は、アップグレード前に (ステップ 1 で) 作成した時間帯オブジェクトを使用して QTIMZON システム値を設定するという、追加のステップを実行する必要があります。
指定する時間帯が存在しない場合は、現行の QTIMZON 値が使用されます。
オペレーティング・システムのアップグレード中に、システムは次の規則に従って、QTIMZON システム値を設定します。
表 1. QTIMZON システム値の設定前提条件 |
結果 |
QWCTIMZON データ域が存在する。 |
このデータ域を使用して、システムは QTIMZON システム値を設定します。 |
QWCYEAROFS データ域が存在する。 |
- このデータ域に指定された時間帯値によって、QWCTIMZON データ域で決定された時間帯値がすべてオーバーライドされます。
- デフォルトの年オフセット値を決定する際に、システムが QWCYEAROFS データ域を探します。
QWCYEAROFS データ域によって決定される時間帯オブジェクトで、年オフセット値が設定されます。
- この時間帯記述を使用して、QTIMZON システム値が設定されます。
|
QWCTIMZON データ域について詳しくは、時間帯を設定してから IBM i V5R3 以降にアップグレードするを参照してください。
データ域の内容のサンプル
以下は、データ域の内容のサンプルです。
1...5....0....
-057QP0400UTC2 Example 1 (Thai Buddhist)
+012QP0900JST Example 2 (Japan)
-057*SYSVAL Example 3 (Thai Buddhist with *SYSVAL)