ユーザー資格を提供する IBM システム・モデルへの IBM i のライセンス交付

一部のシステム・モデルでは、IBM® i のライセンス交付は、ユーザー資格とプロセッサー資格という 2 つのタイプの資格の付与で構成されています。 この情報を検討して、ユーザー資格およびプロセッサー資格に関連する概念、要件、および手順を理解してください。

すべてのシステム・モデルにおいて、IBM i オペレーティング・システムを稼働するプロセッサーごとに 1 つの資格が必要です。 ユーザー資格を提供するシステム・モデルは、IBM i ユーザー資格と IBM i プロセッサー資格の両方を備えている必要があります。

IBM i ユーザー資格

IBM i ユーザーとは、1 つ以上の接続を介して IBM i オペレーティング・システムにアクセスする人のことです。 このようなユーザーは、資格情報 (ユーザー識別) をオペレーティング・システムと直接的に交換するか、あるいはオペレーティング・システムがサポートするアプリケーションまたはミドルウェア・ソフトウェアを介して間接的に交換します。 ユーザー資格を提供するシステム・モデルでは、システムで同時に認証される IBM i ユーザーの最大数 (同時 IBM i ユーザー数) に必要なライセンスを獲得する必要があります。

IBM i ユーザー資格に関する詳細については、Offering InformationInformation Center の外部へのリンク Web サイトにアクセスしてクイック・サーチ・プロファイルを作成し、拡張検索機能を使用して「ユーザーによる IBM i ライセンス交付」に関する発表レターを検索してください。 「タイトル」フィールドで、「ユーザーによるライセンス交付」を指定します。

IBM i プロセッサー資格

オペレーティング・システムは、IBM i のユーザー数によるライセンス交付の他に、 プロセッサーによってもライセンス交付されます。 ユーザー資格を提供する IBM i モデルはそれぞれ少なくとも 1 つの IBM i プロセッサー資格を持ちます。 追加プロセッサーでオペレーティング・システムを構成し、稼働させるために、追加のプロセッサー資格の購入が必要になる場合があります。

ユーザー資格を提供するシステム・モデルの IBM i ソフトウェア・ライセンス・キー

IBM i ユーザー資格を提供するシステムでは、3 つのソフトウェア・ライセンス・キーを受け取ります。
5770-SS1 フィーチャー 5050
オペレーティング・システム用の 70 日間試用期間のソフトウェア・ライセンス・キー
5770-SS1 フィーチャー 5051
オペレーティング・システムが使用するプロセッサーの数を示すプロセッサー資格キー
5770-SS1 フィーチャー 5052
オペレーティング・システムの使用が許可されるユーザーの数を示すユーザー資格キー

IBM i オペレーティング・システムが事前にインストールされている場合、フィーチャー 5050、フィーチャー 5052、および フィーチャー 5051 の シングル・プロセッサー資格のソフトウェア・ライセンス・キーは既にシステムに組み込まれています。 複数のプロセッサーをオーダーした場合、追加のソフトウェア・ライセンス・キーにアクセスする方法については、オーダーに含まれている「お客様へのお知らせ (Customer Notice)」を参照してください。

IBM i ユーザー資格を持つシステムのライセンス文書および保証書

どの IBM i オーダーについても、オンラインあるいは印刷可能ないくつかのソフトウェア・ライセンス文書を受け取ります。 これらの文書には、ライセンス・プログラムの使用、管理、および移管に関する重要な情報が収められています。
  • ライセンス・プログラムを使用する前には必ず、すべてのソフトウェア・ライセンスの文書を読んで理解してください。
  • 機密保護機能のある場所に印刷した文書を保管してください。
  • プログラムを転送する場合は、新規所有者にオンラインおよび印刷可能文書の両方で受け渡してください。

論理区画および IBM i ユーザー資格

複数の論理区画で構成されているシステムでは、個々の区画に異なるバージョンの IBM i オペレーティング・システムをインストールすることができます。 そのようなシステムでは、IBM i ユーザー資格フィーチャー 5052 の区画間使用カウントは、異なるバージョンの IBM i オペレーティング・システムの異なるプロダクト ID に関わらず、すべての論理区画にまたがるすべてのバージョンの IBM i オペレーティング・システムの結合使用カウントを含みます。

例えば、以下の 3 つの論理区画が同じ物理システム上に構成されています。
表 1. 複数の論理区画と異なるバージョンの IBM i で構成されているシステム
論理区画 インストールされた IBM i のバージョン プロダクト ID
論理区画 A バージョン 6 リリース 1 5761-SS1
論理区画 B バージョン 7 リリース 1 5770-SS1
論理区画 C バージョン 5 リリース 4 5722-SS1
このシステムでは、IBM i ユーザー資格フィーチャー 5052 の区画間使用カウントは、論理区画 A、B、および C の総使用カウントを含みます。フィーチャー 5052 は、3 つの論理区画上の異なるプロダクト ID に関連付けられます。
  • 論理区画 A では、フィーチャー 5052 はプロダクト ID 5761-SS1 に関連付けられます。
  • 論理区画 B では、フィーチャー 5052 はプロダクト ID 5770-SS1 に関連付けられます。
  • 論理区画 C では、フィーチャー 5052 はプロダクト ID 5722–SS1 に関連付けられます。
区画間使用カウントは、3 つすべての論理区画で同じ数値になりますが、個々の論理区画のローカル使用カウントは各区画の使用量のみを反映するため、区画ごとに異なる場合があります。

IBM i ライセンス交付および論理区画の詳細は、IBM Systems Hardware Information Center論理区画上の IBM ライセンス・プログラムのソフトウェア・ライセンス交付 を検索してください。

ユーザー・プロファイルおよび IBM i ユーザー資格

ユーザー・プロファイル とは、IBM i 区画上の固有の名前を持つオブジェクトであり、 そこにはユーザー・パスワード、ユーザーに割り当てられた特殊権限のリスト、 およびユーザーが所有するオブジェクトが含まれています。ライセンス情報の処理 (WRKLICINF) コマンドを使用して、IBM i 区画上の使用可能なユーザー・プロファイルの数を追跡し、ユーザー資格を提供するシステム・モデルにおける IBM i ライセンス交付の整合性の維持に役立たせることができます。オプション 8 (ライセンス・ユーザーの処理) を選択して、 論理区画部分に関するユーザー・プロファイルを「使用カウント情報」フィールドに表示します。 ライセンス準拠を達成できるようにするために、システムで使用可能なユーザー資格数に対してこの使用カウントをチェックします。

使用可能なプロファイル数を、ユーザー資格数より多く有効にできる場合があります。 例えば、IBM i 区画に認証されていないユーザーが同時に数多く存在する場合があります。 より正確な使用カウントを提供するには、IBM 提供のシステム・プロファイルを使用カウントから除外します。

IBM i には、ユーザー・プロファイルの作成 (CRTUSRPRF) コマンド、ユーザー・プロファイルの変更 (CHGUSRPRF) コマンド、およびユーザー・プロファイルの復元 (RSTUSRPRF) コマンドの 3 つの共通ユーザー・プロファイル・コマンドがあります。 これらのコマンドの状況パラメーターは使用可能 (*ENABLED) か使用不可 (*DISABLED) のいずれかです。
表 2. ユーザー資格を持つシステム・モデルのユーザー・プロファイルの状況
状況 コマンド・パラメーター 説明
使用可能 *ENABLED 使用可能状況のユーザー・プロファイルは、必要な IBM i ユーザー資格の数を管理するのに役立つツールとして使用カウントに含まれます。
使用不可 *DISABLED 使用不可状況は、ユーザーにオペレーティング・システムへのアクセス権がなく、ユーザー・プロファイルが使用カウントに含まれていないことを意味します。
注:
  • 共通 IBM i ユーザー・プロファイルを処理する制御言語 (CL) コマンドについての詳細は、CL コマンド・ファインダー を使用してください。
  • IBM i 区画に新しいユーザー・プロファイルを作成するためには、機密保護担当者 (QSECOFR) 権限が必要です。ユーザー・プロファイルの詳細については、ユーザー・プロファイルを参照してください。

システム上のユーザー資格数に基づくさまざまな状況は、ユーザー・プロファイルの状況に影響を与える可能性があります。 例えば、ユーザーがサインオンを試行したときに試行の最大数を超えると、ユーザー・プロファイルの状況は使用不可に変更され、 使用カウントが減らされます。

ユーザー資格属性の変更 (QLZACUEA) API を使用して、IBM i ユーザー資格要件からユーザー・プロファイルを除外することができます。 この API は、プロファイルの状況を使用不可に変更するインターフェースも提供します。 これによって、IBM i ユーザー資格フィーチャー 5052 の使用カウントが変更される可能性があります。

例えば、使用可能なユーザー・プロファイル EXAMPLE をユーザー資格の保留から除外する場合、次のコマンドを指定します。
QSYS/CALL PGM(QSYS/QLZACUEA) 
  PARM('EXAMPLE   0*SAME     '  X'00000015'  'CEAI0100'  X'00000000')
QLZACUEA API の詳細については、ユーザー資格属性の変更 (QLZACUEA) API を参照してください。

IBM i ユーザー資格を持つシステムのハードウェア・アップグレード

プロセッサー・ベースのライセンス交付が行われているシステムから IBM i ユーザー資格をサポートするシステム・モデルにアップグレードする場合は、IBM i ユーザー資格用に購入した使用限界が、使用可能なユーザー・プロファイルの数に一致している必要があります。ハードウェアを受動システムにアップグレードする場合は、事前に、ライセンス資格を含む新規ライセンス・キーをソース・システムに追加します。 受動システムまたは論理区画の最初の初期プログラム・ロード (IPL) 時に、ユーザー・プロファイルがスキャンされ、使用可能状況のユーザー・プロファイルについてライセンスが検査されます。

ハードウェア・アップグレードの詳細については、IBM Systems Hardware Information CenterCapacity Upgrade on Demand (CUoD) を参照してください。

関連情報

  • オファリング情報 (英語)IBM Knowledge
Center の外部へのリンク
    (http://www.ibm.com/common/ssi/index.wss)

    この Web サイトにアクセスして検索機能を使用し、「ユーザーによる IBM i ライセンス交付」に関する発表レターを検索してください。 「タイトル」フィールドで、「ユーザーによるライセンス交付」を指定します。

  • IBM Knowledge Center

    ライセンス交付および論理区画 (licensing and logical partitions) を「検索 (Search for)」機能を使用して検索し、IBM i ライセンス交付および論理区画に関する情報を参照します。

    PowerVM® エディションを「検索 (Search for)」機能を使用して検索し、PowerVM エディション・テクノロジーのインストール、構成、管理、および使用に関する情報を参照します。