IPv6 アドレス・タイプ

ここでは、各種 IPv6 アドレス・タイプのカテゴリーを示し、それぞれについて使用方法を説明します。

IPv6 アドレスは、以下の基本タイプに分類されます。

ユニキャスト・アドレス
ユニキャスト・アドレスは、1 つのインターフェースを指定します。 ユニキャスト・アドレスの宛先に送信されるパケットは、 1 つのホストから宛先ホストに送達されます。
正規タイプのユニキャスト・アドレスには、以下の 2 種類があります。
リンク・ローカル・アドレス
リンク・ローカル・アドレスは、 1 つのローカル・リンク (ローカル・ネットワーク) 上で使用するように設計されています。 リンク・ローカル・アドレスは、すべてのインターフェース上で自動的に構成されます。 リンク・ローカル・アドレスの接頭部には、fe80::/10 が使用されます。 ルーターは、 リンク・ローカル・アドレスを含む宛先アドレスやソース・アドレスが指定されたパケットは転送しません。
グローバル・アドレス
グローバル・アドレスは、どのネットワーク上でも使用できるように設計されています。 グローバル・アドレスで使用される接頭部の先頭は、2 進数 001 です。
定義済みの特殊ユニキャスト・アドレスには、以下の 2 つの種類があります。
未指定アドレス
未指定のアドレスは 0:0:0:0:0:0:0:0 です。 アドレスは、2 つのコロン (::) で省略できます。未指定アドレスは、アドレスの不在を示し、ホストに割り当てられることはありません。 このアドレスは、まだアドレスが割り当てられていない IPv6 ホストで使用できます。例えば、ホストで別のノードでアドレスが使用されているかどうかを発見するためにパケットが送信される際には、そのホストで未指定アドレスがソース・アドレスとして使用されます。
ループバック・アドレス
ループバック・アドレスは 0:0:0:0:0:0:0:1 です。アドレスは ::1 と省略できます。ループバック・アドレスは、ノードからパケットがそのノード自体に送信される際に使用されます。
エニーキャスト・アドレス
エニーキャスト・アドレスは、 1 つのアドレスを共用するインターフェースの集合 (別々の場所にある場合もある) をすべて指定します。エニーキャスト・アドレスに送信されるパケットは、エニーキャスト・グループ中の最寄りのメンバーだけに送達されます。 IBM® iをエニーキャスト・アドレスに送信することはできますが、エニーキャスト・グループのメンバーにすることはできません。
マルチキャスト・アドレス
マルチキャスト・アドレスは、インターフェースの集合 (複数の場所にある場合もある) を指定します。 マルチキャスト・アドレスの接頭部には、ff が使用されます。 パケットがマルチキャスト・アドレスに送信される場合には、 1 つのパケットのコピーがグループの個々のメンバーに送達されます。 現在のところ、IBM i オペレーティング・システムでは、マルチキャスト・アドレッシングの基本サポートが提供されています。