ldapsearch

LDAP 検索コマンド行ユーティリティー

概要

ldapsearch [-a deref] [-A] [-b searchbase] [-B] [-c pattern] [-C charset] 
[-d debuglevel][-D binddn] [-e] [-f file] [-F sep] [-G realm] [-h ldaphost] 
[-i file][-j limit] [-J limit] [-k] [-K keyfile]
[-l timelimit] [-L] [-m mechanism] [-M] [-n] [-N certificatename]
[-o attr_type] [-O maxhops] [-p ldapport] [-P keyfilepw] [-q pagesize]
[-R] [-s scope ] [-t] [-T seconds] [-U username] [-v] [-V version]
[-w passwd | ?] [-x] [-y proxydn] [-Y] [-z sizelimit] [-Z]
filter [-9 p] [-9 s] [attrs…]

説明

ldapsearch は、 ldap_search アプリケーション・プログラミング・インターフェース (API) への コマンド行インターフェースです。

ldapsearch は LDAP サーバーへの接続を開き、 バインドし、フィルターを使用して検索を行います。フィルターは、LDAP フィルターのストリング表記 に準拠している必要があります (詳しくは、Directory Server APIs の ldap_search を参照してください)。

ldapsearch により 1 つまたは複数の項目が見つかると、 attrs で指定された属性がリトリーブされ、項目および値は標準出力に書き込まれます。 attrs がリストされていない場合、すべての属性が戻されます。

ldapsearch の構文ヘルプを表示するには、 ldapsearch -? を入力します。

オプション

-a deref
別名の逆参照をどのように行うかを指定します。 deref は、 never、 always、 search、find のいずれかです。 これは、それぞれ、どのようなときも別名を逆参照しない、常に逆参照する、 検索時に逆参照する、検索対象の基本オブジェクトを見つけるときのみ逆参照する、を意味します。 デフォルトでは、別名は逆参照されません。
-A
属性だけ (値ではなく) を検索します。 これは、項目内に属性があるかどうかを知りたいだけで、特定の値には関心がない場合に便利です。
-b searchbase
デフォルトの代わりに、searchbase を検索の開始点として使用します。 -b を指定しない場合、ユーティリティーは、 LDAP_BASEDN 環境変数で searchbase の定義を調べます。 どちらも設定されていない場合、 デフォルト・ベースは "" に設定されます。
-B
非 ASCII 値の表示を抑止しません。 これは、ISO-8859.1 などの代替文字セットで表される値を扱うときに便利です。 このオプションは、-L オプションを指定すると暗黙的に指定されます。
-c pattern
永続検索を実行します。 パターン形式が ps:changeType[:changesOnly[:entryChangeControls]] になるようにしてください。ここで、changeType は add、delete、modify、moddn、および any とすることができます。 changesOnly パラメーターと entryChangeControls パラメーターはブール・パラメーターであり、TRUE または FALSE に設定することができます。
注: 別名逆参照オプションが「find」のときは、検索ベース・オブジェクトが別名であれば、検索ベース・オブジェクトだけを逆参照することができます。 つまり、検索ベース・オブジェクトが 1 レベル検索またはサブツリー検索の場合でも、このベース配下にある従属別名項目は逆逆参照されないはずです。 ただし、検索ベース・オブジェクトが変更済み項目を報告する永続検索であり、かつ変更済み項目がたまたま別名である場合は、その別名が検索ベースに従属する場合でも逆参照されます。
-C charset
ldapsearch ユーティリティーへの入力として提供されるストリングが、 ローカル文字セット (charset によって指定) で表されるように指定します。ストリングの入力には、フィルター、バインド DN、およびベース DN が含まれています。同様に、ldapsearch は、データを表示する際、 LDAP サーバーから受け取ったデータを指定の文字セットに変換します。 入力ストリングのコード・ページがジョブのコード・ページ値と異なる場合には、-C charset オプションを使用します。 サポートされている charset 値について調べるには、ldap_set_iconv_local_charset() API を参照してください。また、-C オプションと -L オプションを両方とも指定する場合、 入力は指定した文字セットによるものと見なされますが、 ldapsearch からの出力は常に UTF-8 表示で保持されるか、 印刷不能文字が検出される場合には、そのデータの base-64 エンコード表示で示されます。これは、標準の LDIF ファイルにはストリング・データの UTF-8 (または、 base-64 エンコードの UTF-8) 表示のみが含まれているためです。 charset のサポートされる値は、バージョン 1 LDIF ファイルで オプションとして定義されている charset タグのためにサポートされている値と同じであることに注意してください。
-d debuglevel
LDAP デバッグ・レベルを debuglevel にセットします。
-D binddn
binddn を使用して LDAP ディレクトリーにバインドします。 binddn はストリング表記の DN です (LDAP 識別名を参照)。 -m DIGEST-MD5 で使用する場合は、権限 ID を指定するために使用します。これは DN とする こともできるし、あるいは「u:」または「dn:」で始まる authzId ストリングとすることもできます。
-e
LDAP ライブラリーのバージョン情報を表示し、終了します。
-f
「file」内のフィルターを使用して一連の検索を実行します。フィルターを「%s」で置き換える必要があります。
-F sep
属性名と属性値の間のフィールド区切り記号として、sep を使用します。 -L フラグを指定しなかった場合、デフォルトの区切り記号は '=' です。 この場合、このオプションは無視されます。
-G realm
レルムを指定します。このパラメーターはオプションです。-m DIGEST-MD5 と一緒に使用する と、その値はバインド中にサーバーに渡されます。
-g before:after:index:count| before:after:value
「before」と「after」は、「index」を囲む項目の数であり、「count」はコンテンツの数、「value」は 1 次ソート・キーのアサーション値です。
-h ldaphost
LDAP サーバーを実行する代替ホストを指定します。
-i file
ファイル内の各行に対する LDAP 検索を実行しながら、ファイルから一連の行を読み取ります。 この場合、コマンド行で与えられるフィルターがパターンとして扱われ、 そこで最初に現れる % がファイルからの行で置き換えられます。 ファイルが単一の "-" 文字である場合、行は標準入力から読み取られます。
例えば、コマンド ldapsearch -V3 -v -b "o=sample" -D "cn=admin" -w ldap -i filter.input %s dn では、filter.input ファイルが以下のフィルター情報を含むことがあります。
(cn=*Z)
(cn=*Z*)
(cn=Z*)
(cn=*Z*)
(cn~=A)
(cn>=A)
(cn<=B)
注: 各フィルターは別々の行に指定する必要があります。
コマンドは、cn=*Z で始まる各フィルターに対してサブツリー o=sample の検索を実行します。 この検索が完了すると、次のフィルター cn=*Z* で検索が始まり、最後のフィルター cn<=B の検索が完了するまで続きます。
注: -i < file> オプションが -f<file> オプションに取って代わります。 -f オプションは推奨されませんが、まだサポートされています。
-j limit
項目内の属性として戻すことができる値の最大数。 デフォルト値は 0 で、無制限を意味します。
-J limit
項目として戻すことができる合計属性値の最大数。 デフォルト値は 0 で、無制限を意味します。
-k
バインド時にサーバー管理制御を使用します。
-K keyfile
SSL キー・データベース・ファイルの名前を指定します。キー・データベース・ファイルが現行ディレクトリーにない場合は、 完全修飾キー・データベース・ファイル名を指定してください。

ユーティリティーがキー・データベースを探し出すことができない場合には、 デフォルトのトラステッド認証局ルートのハードコーディングされたセットが使われます。キー・データベース・ファイルには、一般に、 クライアントが信頼している認証局 (CA) の 1 つまたは複数の証明書が含まれています。 これらのタイプの X.509 証明書は、トラステッド・ルートとも呼ばれています。

このパラメーターを使用すると、-Z スイッチを使用できるようになります。 IBM® i 上のディレクトリー・サーバー では、-Z を使用して -K または -N を使用しない場合、ディレクトリー・サービス・クライアント・アプリケーション ID に 関連した証明が使用されます。

-l timelimit
最大 timelimit 秒が経過するまで、検索が完了するのを待ちます。
-L
検索結果を LDIF 形式で表示します。 このオプションを指定すると -B オプションもオンになり、 -F オプションは無視されます。
-m mechanism
mechanism を使用して、 サーバーへのバインドに使用する SASL メカニズムを指定します。 ldap_sasl_bind_s() API が使用されます。-V 2 をセットすると、 -m パラメーターは無視されます。-m を指定しない場合、 単純認証が使用されます。 以下が有効はメカニズムです。
  • CRAM-MD5 - サーバーに送信されるパスワードを保護する。
  • EXTERNAL - SSL 認証を使用する。-Z が必要。
  • GSSAPI - ユーザーの Kerberos 信任状を使用する。
  • DIGEST-MD5 - クライアントは username 値をサーバーに送信する必要が あります。-U が必要。権限 ID を指定するには、-D パラメーター (通常、バインド DN) が 使用されます。これは DN とすることもできるし、あるいは「u:」または「dn:」で 始まる authzId ストリングとすることもできます。
  • OS400_PRFTKN - システム・プロジェクト・バックエンド中のユーザーの DN を 使用して、ローカル LDAP サーバーに対して現行 IBM i ユーザーとして認証 します。-D (バインド DN) および -w (パスワード) パラメーターは指定しないでください。
-M
参照オブジェクトを普通の項目として管理します。
-n
実行される処理が表示されますが、実際の項目変更は行いません。-v と併用してデバッグに使用すると便利です。
-N certificatename
キー・データベース・ファイル内のクライアント証明書に関連したラベルを指定します。
注: LDAP サーバーがサーバー認証だけを実行するように構成されている場合は、 クライアント証明書は不要です。 LDAP サーバーがクライアントおよびサーバーの認証を実行するように構成されている場合は、 クライアント証明書が必要です。 デフォルトの証明書/秘密鍵のペアがデフォルトとして指定されている場合は、certificatename は不要です。 同様に、 指定したキー・データベース・ファイル内に証明書/秘密鍵のペアが 1 つある場合も、 certificatename は不要です。-Z-K をどちらも指定していない場合は、 このパラメーターは無視されます。

IBM i 上のディレクトリー・サーバー では、-Z を使用して -K または -N を使用しない場合、ディレクトリー・サービス・クライアント・アプリケーション ID に 関連した証明が使用されます。

-o attr_type
検索結果のソート基準として使用する属性を指定するには、 -o (order) パラメーターを使用します。複数の -o パラメーターを 使用してさらにソート順序を定義できます。以下の例では、 検索結果はまず姓 (sn) で、それから名前でソートされ、 名前 (givenname) は接頭部の負符号 (-) で指定されているように 逆 (降順) の順序でソートされます。
-o sn -o -givenname

したがって、ソート・パラメーターの 構文は以下のようになります。

 	[-]<attribute name>[:<matching rule OID>]

ここで

  • attribute name はそれでソートする属性の名前です。
  • matching rule OID はソートに使用するマッチング規則の オプショナル OID です。マッチング規則の OID 属性は、ディレクトリー・サーバーでは サポートされていませんが、他の LDAP サーバーはこの属性をサポートする場合があります。
  • 負符号 (-) は、結果が逆順にソートされることを示します。
  • 重大性は、常に重大です。

ldapsearch 操作はデフォルトでは、戻された結果をソートしません。

-O maxhops
参照を追跡する際にクライアント・ライブラリーが取るホップの最大数を設定 するよう maxhops を指定します。デフォルトのホップ・カウントは 10 です。
-p ldapport
LDAP サーバーが listen する代替 TCP ポートを指定します。 デフォルトの LDAP ポートは 389 です。 この値の指定がなく、-Z が指定されている場合は、 デフォルトの LDAP SSL ポート 636 が使用されます。
-P keyfilepw
キー・データベースのパスワードを指定します。このパスワードは、キー・データベース・ファイル内の暗号化された情報 (1 つ以上の秘密鍵を含む場合がある) に アクセスするために必要です。パスワードの stash ファイルがキー・データベース・ファイルに関連付けられている場合、 パスワードはそのパスワード stash ファイルから取得されるので、-P パラメーターは必要ありません。-Z-K をどちらも指定していない場合は、 このパラメーターは無視されます。
-q pagesize
検索結果のページングを指定するには、2 つのパラメーター: -q (照会ページ・サイズ)、および -T (検索の間の時間 (秒)) を使用できます。以下の 例では、検索結果はその検索に対するすべての結果が戻されるまで、 15 秒ごとに一度に 1 ページ (25 項目) を戻します。ldapsearch クライアントは それぞれの結果のページングの要求ごとに、検索操作の期間を通してすべての接続の継続を 扱います。

これらのパラメーターはクライアントに限定リソースがあるとき、 またクライアントが低帯域幅の接続で CAN されているときに便利です。一般に、 これにより、検索要求からデータが戻される速度をコントロールすることができます。すべての結果を一度に受信する代わりに、(ページごとに) 幾つかの項目で 受信することができます。さらに、それぞれのページ要求間の遅延の継続時間を制御して クライアントに結果をプロセスする時間を与えることができます。

  -q 25  -T 15

-v (冗長) パラメーターを指定した場合、たとえば、30 total entries have been returned. (合計 30 の項目が戻されました。) のように、 ldapsearch は、サーバーから戻されるそれぞれの項目のページごとに、 それまで幾つの項目が戻されたかをリストします。

複数の -q パラメーターが 使用可能になるので、単一の検索操作中を通して、異なるページ・サイズを 指定することができます。 以下の例では、最初のページは 15 項目、2 番目のページは 20 項目、そして 3 番目の パラメーターがページングされた結果/検索操作を終了します。

-q 15 -q 20 -q 0

以下の例では、最初のページは 15 項目、残りのすべてのページは 20 項目 で、最後の指定 -q 値で検索操作が完了するまで続きます。

-q 15 -q 20

ldapsearch 操作は、デフォルトでは、単一の要求ですべての項目を戻します。デフォルトの ldapsearch 操作では、ページングは行われません。

-R
参照を自動的に行わないことを指定します。
-s scope
検索の範囲を指定します。 scope は、base、one、または sub のいずれかです。 これは、それぞれ、基本オブジェクト検索、1 レベル検索、サブツリー検索を意味します。 デフォルトは sub です。
-t
検索した値を一組の一時ファイルに書き込みます。 これは、jpegPhoto や audio などの非 ASCII 値を扱うときに便利です。
-T seconds
検索の間隔 (秒)。-T オプションは -q オプションが指定されている場合にのみサポートされます。
–U username
ユーザー名を指定します。-m DIGEST-MD5 には必要ですが、その他のメカニズムでは無視されます。
-v
冗長モードを使用して、多くの診断結果を標準出力に書き込みます。
-V
LDAP サーバーにバインドするときに、ldapmodify によって 使用されるよう、LDAP バージョンを指定します。デフォルトの設定では、LDAP V3 接続が確立されます。 明示的に LDAP V3 を選択する場合は「-V 3」と指定し、 LDAP V2 アプリケーションとして実行する場合は「-V 2」と指定します。 ldapmodify などのアプリケーションでは、ldap_open の代わりに ldap_init が使用され、LDAP V3 が優先プロトコルとして選択されます。
-w passwd | ?
passwd を認証用のパスワードとして使用します。 ? を使用してパスワード・プロンプトを生成します。
-x
FIPS モード処理を使用します (SSL/TLS のみ)。
-y proxydn
プロキシー権限操作のプロキシー ID を設定します。
–Y
セキュア LDAP 接続 (TLS) を使用します。
-z sizelimit
検索結果の項目数を最大 sizelimit に制限します。 これにより、検索操作で戻される項目数の上限を設定できます。
-Z
セキュア SSL 接続を使用して LDAP サーバーと通信します。 IBM i 上のディレクトリー・サーバー では、-Z を使用して -K または -N を使用しない場合、ディレクトリー・サービス・クライアント・アプリケーション ID に 関連した証明が使用されます。
-9 p
ページングの重大性を false に設定します。 検索はページングなしで処理されます。
-9 s
ソートの重大性を false に設定します。 検索はソートなしで処理されます。
フィルター
検索に適用するフィルターのストリング表記を指定します。簡易フィルターは、 attributetype=attributevalue として指定できます。より複雑なフィルターは、 以下のバッカス正規形式 (BNF) に従って接頭表記法を使用して 指定できます。
<filter> ::='('<filtercomp>')'
<filtercomp> ::= <and>|<or>|<not>|<simple>
<and> ::= '&' <filterlist>
<or> ::= '|' <filterlist>
<not> ::= '!' <filter>
<filterlist> ::= <filter>|<filter><filterlist>
<simple> ::= <attributetype><filtertype>
<attributevalue>
<filtertype> ::= '='|'~='|'<='|'>='

'~=' 構成は、近似マッチングの指定のために使用されています。 <attributetype> および <attributevalue> の表記については、RFC 2252, LDAP V3 Attribute Syntax Definitions に説明されています。 さらに、filtertype が '=' の場合、<attributevalue> は、属性存在テストを行うときは単一の * でかまいませんが、サブストリング・マッチングを行うときには、テキストとアスタリスク (*) がその中に散在していてもかまいません。

たとえば、フィルター "mail=*" はメール属性のある項目を検出します。フィルター "mail=*@student.of.life.edu" では、指定されたストリングで終わるメール属性のある項目を検出します。フィルターに 括弧を書き込むには、エスケープ文字として、円記号 (¥) 文字を入れてください。

注: Bob とアスタリスク ( * ) の間に スペースがある "cn=Bob *" などのフィルターでは、 IBM Directory 中の "Bob Carter" はマッチングしますが、"Bobby Carter" はマッチングしません。 "Bob" とワイルドカード文字 ( * ) の間のスペースは、フィルターを使用した検索の結果 に影響します。

許容されるフィルターに関する完全な説明は、"RFC 2254, A String Representation of LDAP Search Filters" を参照してください。

出力フォーマット

1 つ以上の項目が検出された場合、各項目は次の形式で標準出力に書き込 まれます。

      識別名 (DN)

      attributename=value

      attributename=value

      attributename=value

     …

複数の項目は、それぞれ 1 つのブランク行で区切られます。 分離文字の指定に -F オプションが使用されている場合、 ブランク行が '=' 文字の代わりに使用されます。-t オプションを指定した場合は、 実際の値の代わりに一時ファイルの名前が使用されます。 -A オプションが与えられている場合には、 "attributename" の部分のみが書き込まれます。

次のコマンドを使用します。
  ldapsearch "cn=john doe" cn telephoneNumber
は、"john doe" という commonName を持つ項目を見つけるために、 サブツリー検索を実行します (デフォルトの検索ベースを使用)。 commonName および telephoneNumber の値が検索され、 標準出力にプリントされます。2 つの項目が検出された場合、 出力は次のようになります。
    cn=John E Doe, ou="College of Literature, Science, and the Arts",
  ou=Students, ou=People, o=University of Higher Learning, c=US

    cn=John Doe

    cn=John Edward Doe

    cn=John E Doe 1

    cn=John E Doe

    telephoneNumber=+1 313 555-5432



    cn=John B Doe, ou=Information Technology Division,
  ou=Faculty and Staff, ou=People, o=University of Higher Learning, c=US

    cn=John Doe

    cn=John B Doe 1

    cn=John B Doe

    telephoneNumber=+1 313 555-1111

次のコマンド:

ldapsearch -t "uid=jed" jpegPhoto audio

は、"jed" というユーザー ID を持つ項目を見つけるために、 デフォルトの検索ベースを使用してサブツリー検索を実行します。 jpegPhoto と audio の値が取り出されて、一時ファイルに書き込まれます。 要求された各属性について 1 つずつ値を持つ項目が 1 つ見つかった場合、 出力は次のようになります。

 cn=John E Doe, ou=Information Technology Division,

    ou=Faculty and Staff,

    ou=People, o=University of Higher Learning, c=US

    audio=/tmp/ldapsearch-audio-a19924

    jpegPhoto=/tmp/ldapsearch-jpegPhoto-a19924

次のコマンド:

ldapsearch -L -s one -b "c=US" "o=university*" o description

は、university で始まる organizationName を持つすべての組織を検出する 1 レベル検索を行います。 検索結果は LDIF 形式 (『LDAP データ交換形式』を参照してください。) で表示されます。organizationName と記述属性値が検索され、標準出力にプリントされ、 以下のような出力になります。

 dn: o=University of Alaska Fairbanks, c=US

    o: University of Alaska Fairbanks

    description: Preparing Alaska for a brave new tomorrow

    description: leaf node only



    dn: o=University of Colorado at Boulder, c=US

    o: University of Colorado at Boulder

    description: No personnel information

    description: Institution of education and research



    dn: o=University of Colorado at Denver, c=US

    o: University of Colorado at Denver

    o: UCD

    o: CU/Denver

    o: CU-Denver

    description: Institute for Higher Learning and Research



    dn: o=University of Florida, c=US

    o: University of Florida

    o: UFl

    description: Shaper of young minds



 …

次のコマンド:

ldapsearch -b "c=US" -o ibm-slapdDN "objectclass=person" ibm-slapdDN

は、c=US レベルですべての人々を検出するサブツリー・レベルの検索を行います。この特別な 属性 (ibm-slapdDN) は、ソートする検索のために使用すると、 検索結果を識別名 (DN) のストリング表記でソートします。出力は次のようになります。

cn=Al Edwards,ou=Widget Division,ou=Austin,o=IBM,c=US

cn=Al Garcia,ou=Home Entertainment,ou=Austin,o=IBM,c=US

cn=Amy Nguyen,ou=In Flight Systems,ou=Austin,o=IBM,c=US

cn=Arthur Edwards,ou=Widget Division,ou=Austin,o=IBM,c=US

cn=Becky Garcia,ou=In Flight Systems,ou=Austin,o=IBM,c=US

cn=Ben Catu,ou=In Flight Systems,ou=Austin,o=IBM,c=US

cn=Ben Garcia Jr,ou=Home Entertainment,ou=Austin,o=IBM,c=US

cn=Bill Keller Jr.,ou=In Flight Systems,ou=Austin,o=IBM,c=US

cn=Bob Campbell,ou=In Flight Systems,ou=Austin,o=IBM,c=US

次のコマンド:

ldapsearch –h hostname –o sn –b "o=ibm,c=us" "title=engineer"

は、IBM 従業員ディレクトリーにある役職が "engineer" であるすべての項目を、結果を姓でソートして戻します。

次のコマンド:

ldapsearch –h hostname –o -sn –o cn –b "o=ibm,c=us" "title=engineer"

は、IBM 従業員ディレクトリーにある 役職が "engineer" であるすべての項目を、結果を姓で (降順) し、それから通称で (昇順) ソートして戻します。

次のコマンド:

ldapsearch –h hostname –q 5 –T 3 –b o=ibm,c=us "title=engineer"

は、IBM 従業員ディレクトリーにある 役職が "engineer" であるすべての項目を、ページングごとに 5 項目、ページ間 3 秒の遅延で戻します。

次の例は、参照オブジェクトが含まれている場合の検索を示しています。 Directory Server LDAP ディレクトリーは、次のものだけを格納している限り、参照オブジェクトを格納することができます。

'System_A' には以下の参照項目が置かれていると想定します。

dn: cn=Barb Jensen, ou=Rochester, o=Big Company, c=US
ref: ldap://System_B:389/cn=Barb Jensen,
   ou=Rochester, o=Big Company, c=US
  objectclass: referral

この項目に関連したすべての属性は、'System_B' にあります。

System_B には項目が 1 つ含まれています。

dn: cn=Barb Jensen, ou=Rochester, o=Big Company, c=US
cn: Barb Jensen
objectclass: organizationalPerson
sn: Jensen
telephonenumber: (800) 555 1212

クライアントが 'System_A' への要求を発行した場合、 System_A 上の LDAP サーバーは、次の URL でクライアントに応答します。

ldap://System_B:389/cn=Barb Jensen,
  ou=Rochester, o=Big Company, c=US 

クライアントはこの情報を使用して、System_B に対する要求を発行します。 System_A の項目に、dnobjectclass、 および ref 以外の属性も含まれている場合は、 サーバーはそれらの属性を無視します (-R フラグを指定して 追跡参照をしないという指示をしない場合)。

クライアントは、サーバーから参照応答を受け取ると、 今度は戻された URL の参照先であるサーバーに対して、再度要求を発行します。 新規の要求には、元の要求と同じ有効範囲があります。この検索の結果は、検索の有効範囲 (-b) に指定する値によって異なります。

-s base を次のように指定したとします。

ldapsearch -h System_A -b 'ou=Rochester, o=Big Company, c=US'
          -s base 'sn=Jensen'                                         

検索の結果、System_A と System_B の両方の 'ou=Rochester, o=Big Company, c=US' の中にあって、 'sn=Jensen' であるすべての項目のすべての属性が戻されます。

-s sub を次のように指定したとします。

ldapsearch -s sub "cn=John"                            

サーバーはすべての接尾部を検索して、「cn=John」があるすべての項目を 戻します。これは、ヌル・ベースのサブツリー検索と呼ばれます。検索 ベースとして、異なる接尾部ごとに複数の検索を実行するのではなく、ディレクトリー 全体が 1 つの検索操作で検索されます。このタイプの検索操作では、ディレクトリー 全体 (すべての接尾部) が検索されるために、時間が長くなり、システム・リソース の消費も多くなります。

注: ヌル・ベースのサブツリー検索では、スキーマ情報、変更ログ情報は戻されず、またシステム・プロジェクト・バックエンドからも何も戻されません。

-s sub を次のように指定したとします。

ldapsearch -h System_A -b 'ou=Rochester, o=Big Company, c=US'
      -s sub 'sn=Jensen'                                         

検索の結果、System_A と System_B の両方の 'ou=Rochester, o=Big Company, c=US' の中またはその下位にあって、 'sn=Jensen' であるすべての項目のすべての属性が戻されます。

-s one を次のように指定したとします。

ldapsearch -h System_A -b 'ou=Rochester, o=Big Company, c=US'
      -s one 'sn=Jensen'                    

検索の結果、どちらのシステムについても項目は戻されません。 代わりに、サーバーは参照 URL をクライアントに戻します。

ldap://System_B:389/cn=Barb Jensen,
    ou=Rochester, o=Big Company, c=US 

クライアントは次の要求を実行依頼します。

  ldapsearch -h System_B -b 'ou=Rochester, o=Big Company, c=US'
      -s one 'sn=Jensen'                    

これも結果を出しませんが、それは項目

dn: cn=Barb Jensen, ou=Rochester, o=Big Company, c=US

resides at

  ou=Rochester, o=Big Company, c=US

-s one による検索では、以下のすぐ下のレベルでの項目が検出されます。

  ou=Rochester, o=Big Company, c=US

診断

エラーがない場合は、戻り状況は 0 です。 エラーがあった場合は、ゼロ以外の戻り状況が発生し、標準エラーに診断メッセージが書き込まれます。