ほとんどのシステムの計画では、ハードウェアの障害が起こった場合に
対応できるように一定水準の冗長性を持たせています。しかし、そのような計画の中で、
コンソールについては考慮していない人がほとんどです。コンソールが突然失われた際に即時に回復するには、バックアップ・コンソールを計画する必要があります。
バックアップ・コンソールに対する考慮事項
- 独立システム用のアダプターの位置は、固定であるか、少なくとも
制限されています。ご使用のシステムのハードウェア要件に基づき、コンソール・タイプの
選択肢が限られる場合があります。可能であれば、追加として使用できるコンソール・タイプを
少なくとも 1 つは確認しておいてください。
- バックアップ・コンソール計画の一部として、引き継ぎおよび回復オプションを使用することを考慮してください。
ただし、新規のコンソール・タイプ用に使用されるハードウェアが存在し、回復時に使用可能でなければなりません。
- 区画に分割された環境で使用する場合は、以下について考慮してください。
- 論理区画環境では、「代替コンソール」という用語は、代
替コンソールとしてタグ付けされている別の入出力プロセッサー (IOP) または別の入出力アダプター (IOA) に配置されている平衡型コンソ
ール・タイプを指します。主コンソール (平衡型のみ) の障害が検出されると、
システムが自動的に代替コンソールの IOP または IOA を試行します。この機能により、
別のレベルの保護が与えられます。単一 IOP を主コンソールと代替コンソールの両方として
タグ付けすると、コンソールを選択する際にエラーが生じる可能性があります。
代替コンソールの IOP を
別のバスに配置することで、さらなる独立性を持たせることができます。こ
れを行うことで、主コンソールのバスで障害が発生しても、コンソールは使用可能
なままとなります。
- IOP にレポートを行う 2 つの類似したコンソール・アダプターを持つ IOP にタグ付けします。
例えば、同じ IOP に対する 2 つの 2849 アダプターでは、コンソール用のアダプターを事前に判断することが困難になる場合があります。
IOP にタグ付けする際には、必ずその IOP に 1 接続当たり 1 つのコンソール対応アダプターしか装備しないようにしてください (例: 2849 1 つのみ)。各アダプターは、異なるコンソール・タイプをサポートできますが、1 つのアダプター・タイプのみが存在します。
バス上で最下位にアドレス指定されたアダプターが、最初の候補になります。しかし、そのアダプターのシステムへの報告が遅い場合に、同じ接続を持つ 2 つのアダプターが存在する場合は、別のアダプターが代わりに選択されることがあります。もう 1 つの例として、IOP に、その IOP にレポートする 2838 と 2849 の両方のイーサネット・アダプターが装備されている場合があります。それらは異なるアダプターですが、コンソールに対して同じ接続を持ちます。
- IOP をサポートするコンソールを一時的に区画に割り振
ったり、その区画から割り振り解除したりすることが可能な、共用資源環境
について検討します。コンソール装置を常時必要としている作業環境はほとんどありません。
共用リソースの概念をインプリメントすることで、専用ハードウェアを用意するための
初期コストを削減することができます。
- ソース・ストレージ・デバイスのロードに失敗し、システム回復において
お客様のバックアップの代わりに
IBM®
提供のライセンス内部コード・メディアを使用し、
かつシステムがオペレーション・コンソール (LAN) を使用している場合は、
システム回復の最初の部分で別のコンソール・タイプを
使用しなければならないことがあります。
バックアップ・コンソールの構成タイプ
バックアップ・コン
ソール (単数または複数) の構成を計画する場合、コンソールの障害からの回復は、さまざまな要素によって異なることに注意してください。
これらの要素には、モデルおよびシリーズ、使用可能なハードウェア・リソース、以前のコンソール・タイプ、および対象とするコンソール・タイプな
どがあります。
回復は、現在障害のあるコンソールの修復や、別の
コンソール・タイプへの一時的な置き換えなどの作業となります。
コンソール・タイプの変更は、ほとんどの場合 IPL を行わなくても実行できま
すが、事情によっては IPL が必要となる場合もあります。
コンソール・サービス機能 (65+21) を使用する場合は、コンソールがサポートするハードウェアをインストールし使用可能にした後で、機能を実行する必要があります。
すべてのリソースの区画タグ付けも、前もって完了させる必要があります。
重要: LAN 上の 5250 コンソールを別のコンソール・タイプのバックアップとして使用する計画の場合は、ネットワーク・アダプターを、コンソールの指定スロットか、適切にタグ付けされた IOP または IOA に配置する必要があります。
バックアップ・コンソールの構成の考慮事項
- ご使用のシステムにリモートからアクセスする場合は、オフサイト・コンソール機能または別のタイプのコンソール接続を検討してください。
ネットワーク上のローカル・コンソールは、
ネットワーク PC 上の追加のローカル・コンソールでバックアップを
取ることができます。
- 論理区画または複数システム環境では、単一 PC 上のネットワーク (LAN) 構成にある複数の
ローカル・コンソールを、主コンソールとして使用することが多いはずです。これと同じタイプの構成を
使用する追加 PC を検討してください。可能であれば、同じ PC でサポートするコンソールの
数を多くしすぎないでください。複数コンソールおよびリモート・コンソール・パネルを
サポートしている場合は、PC のリソースはすぐに不足してしまいます。
- 大規模な環境ではネットワーク構成上に複数のローカル・コンソールを用意することを
検討してください。各 PC に主要なコンソール機能を持たせ、バックアップ構成を
相互にオーバーラップしてカバーするようにしてください。例えば、ネットワーク構成上で
10 台のローカル・コンソールをサポートする PC があり、かつ、別の 10 区
画用の同数の主コンソールを持つ別の PC がある場合、それぞれの PC にもう一方の PC の構成を持たせて
バックアップする代わりに、3 台目の PC を追加して 20 台のコンソールの
機能を分散し、2 台の PC が各 PC の主コンソール構成の一部分をバックアップする
ようにします。別の方法としては、1 台の PC を特定数のコンソールのバックアップ
専用とし、必要になるまでその PC は接続しないという方法が考えられます。
要約すると、コンソールの構成にはできる限り冗長性を持たせることを検討してください。
コンソールを提供する別の方法を用意するか、さまざまなレベルの障害に対処するために必要なさまざまなハードウェア要件を譲歩し調整することにより、破壊的なコンソール障害が起こりうる危険性を少なくすることができます。