ファイル記述表示 (DSPFD)

実行可能場所: すべての環境 (*ALL)
スレッド・セーフ: いいえ
パラメーター

エラー・メッセージ

ファイル記述表示(DSPFD)コマンドは,1つまたは複数のデータベースまたは装置ファイル(あるいはその両方)のファイル記述から検索した1つまたは複数の種類の情報を表示します。 指定された名前を持っているファイルで,指定のライブラリー修飾子で指定されたライブラリー中にあるユーザーがアクセス権を持っている各ファイルの情報が提供されます。この情報は表示,印刷,またはデータベース出力ファイル(OUTFILE)に出力することができます。 DSPFDコマンドによって使用されるファイルの詳細については,IBM i Information Center(http://www.ibm.com/systems/i/infocenter/)の「データベース」カテゴリーを参照してください。

制約事項:

  1. ユーザーが指定したファイルに対するオブジェクト操作権を持っていないと,これらのファイルを表示することはできません。
  2. ライブラリー修飾子によって識別されたライブラリーについては,ユーザーが読み取り権限を持っているライブラリー中の指定のファイルだけが検索されます。
  3. TYPE(*ALL), TYPE(*MBR),またはTYPE(*MBRLIST)を指定し,このファイルが物理ファイルである場合には,ユーザーは,そのメンバーについての情報を受け取るために,ファイルに対するデータ権限(読み取り,書き出し,更新,または削除)を少なくとも1つ持っていなければなりません。

パラメーター

キーワード 記述 選択項目 ノーツ
FILE ファイル 修飾オブジェクト名 必須, 定位置 1
修飾子 1: ファイル 総称名, 名前, *ALL
修飾子 2: ライブラリー 名前, *LIBL, *CURLIB, *USRLIBL, *ALLUSR, *ALL
TYPE 情報のタイプ 単一値: *ALL, *BASATR
その他の値 (最大 10 回の繰り返し): *ATR, *ACCPTH, *MBRLIST, *SELECT, *SEQ, *RCDFMT, *MBR, *SPOOL, *JOIN, *TRG, *CST, *NODGRP
オプショナル, 定位置 2
OUTPUT 出力 *, *PRINT, *OUTFILE オプショナル, 定位置 3
FILEATR ファイル属性 単一値: *ALL
その他の値 (最大 12 回の繰り返し): *DSPF, *PRTF, *DKTF, *TAPF, *CMNF, *BSCF, *MXDF, *PF, *LF, *SAVF, *DDMF, *ICFF
オプショナル
OUTFILE 出力を受け取るファイル 修飾オブジェクト名 オプショナル
修飾子 1: 出力を受け取るファイル 名前
修飾子 2: ライブラリー 名前, *LIBL, *CURLIB
OUTMBR 出力メンバー・オプション 要素リスト オプショナル
要素 1: 出力を受け取るメンバー 名前, *FIRST
要素 2: レコードの置き換えまたは追加 *REPLACE, *ADD
SYSTEM システム *LCL, *RMT, *ALL オプショナル

ファイル (FILE)

ファイルの名前およびライブラリーを指定します。

これは必須パラメーターです。

ファイル名として指定できる値は次の通りです。

ファイル名
ファイルのフルネームを指定してください。 このファイルの情報だけが表示されます。
総称*ファイル名
総称名を指定してください。指定された文字で始まる名前のすべてのファイルの情報が提供されます。
*ALL
1つまたは複数のライブラリー中のすべてのファイルについて情報が提示されます。

修飾子2: ライブラリー

*LIBL
最初に一致するものが見つかるまで,現行スレッドのライブラリー・リスト内のすべてのライブラリーが検索されます。
*USRLIBL
現行ライブラリー項目が現行スレッドのライブラリー・リストに存在する場合には,現行ライブラリーおよびライブラリー・リストのユーザー部分にあるライブラリーが検索されます。現行ライブラリー項目がない場合には,ライブラリー・リストのユーザー部分にあるライブラリーが検索されます。
*CURLIB
スレッドの現行ライブラリーが検索されます。スレッドの現行ライブラリーとして指定されているライブラリーがない場合,QGPLライブラリーが検索されます。
*ALL
システムにあるすべてのライブラリー(QSYSを含む)が検索されます。
*ALLUSR
すべてのユーザー・ライブラリーが検索されます。次のものを除き,英字Qで始まらない名前のすべてのライブラリーが検索されます。

#CGULIB     #DSULIB     #SEULIB
#COBLIB     #RPGLIB
#DFULIB     #SDALIB

次のQXXXライブラリーは弊社提供のものですが,一般的に,これらにはよく変更されるユーザー・データが入ります。したがって,これらのライブラリーは「ユーザー・ライブラリー」と見なされ,検索されます。

QDSNX       QRCLXXXXX   QUSRDIRDB   QUSRVI
QGPL        QSRVAGT     QUSRIJS     QUSRVXRXMX
QGPL38      QSYS2       QUSRINFSKR
QMGTC       QSYS2XXXXX  QUSRNOTES
QMGTC2      QS36F       QUSROND
QMPGDATA    QUSER38     QUSRPOSGS
QMQMDATA    QUSRADSM    QUSRPOSSA
QMQMPROC    QUSRBRM     QUSRPYMSVR
QPFRDATA    QUSRDIRCF   QUSRRDARS
QRCL        QUSRDIRCL   QUSRSYS

  1. 'XXXXX'は1次補助記憶域プール(ASP)の番号です。
  2. 前のリリースのCLプログラム内でコンパイルされるユーザー・コマンドを入れるために,弊社がサポートする前の各リリース用にQUSRVXRXMXの形式の別のライブラリー名を作成することができます。QUSRVXRXMXユーザー・ライブラリーのVXRXMXは弊社が引き続きサポートしている前のリリースのバージョン,リリース,およびモディフィケーション・レベルです。
名前
検索するライブラリーの名前を指定してください。

情報のタイプ (TYPE)

提供されるファイル情報のタイプを指定します。 *ALLは,情報が表示または印刷される場合にだけ有効です。 *BASATRは,情報がデータベース出力ファイルに記憶される場合にだけ有効です。 他のパラメーターについては,情報が表示または印刷される場合に1つまたは複数の値を指定することができます。 情報がデータベース出力ファイルに記憶される場合には,1つしか値を指定することができません。

考えられる値は次の通りです。

*ALL
指定されたファイルに適用できるすべてのタイプの情報が表示または印刷されます。

注: OUTFILEパラメーターにファイル名が指定された場合には,*ALLを指定することはできません。

*BASATR
すべてのファイルに共通のファイル・レベルの属性情報が表示されます。
*ATR
指定されたファイルについての意味のある属性情報が提示されます。
*ACCPTH
物理ファイルおよび論理ファイルのアクセス・パスが提示されます。 キー付アクセス・パスの場合には,複合キー記述も示されます。
*MBRLIST
指定されたファイルのすべてのファイル・メンバーのアルファベット順リストおよび簡単な説明が提供されます。
*SELECT
論理ファイルの選択/除外属性が提示されます。
*SEQ
物理ファイルおよび論理ファイルの照合順序が提示されます。
*RCDFMT
指定されたファイルのレコード様式名およびレコード様式レベル情報が提供されます。
*MBR
物理ファイルおよび論理ファイルの中のファイル・メンバーに関する情報が提供されます。
*SPOOL
指定されたディスケットまたは印刷装置ファイルのスプーリング属性が提示されます。
*JOIN
結合論理ファイルについて,結合元ファイル,結合先ファイル,および結合に含まれているフィールドが提示されます。
*TRG
トリガー・プログラムの数,各トリガー・プログラム名とライブラリー,およびトリガーをもつ各ファイルのトリガー事象,トリガー時刻,およびトリガー更新条件が提供されます。正しい出力ファイル様式はシステム・ファイルQAFDTRGからのQWHFDTRGです。
*CST
物理ファイルの場合にだけ,ファイルと関連した制約関係についての情報が提供されます。正しい出力ファイル様式はシステム・ファイルQAFDCSTからのQWHFDCSTです。
*NODGRP
分散物理ファイルの場合にだけ,ファイルの作成時にノード・グループ(*NODGRP)からコピーされたデータ区分およびリレーショナル・データベース情報が提供されます。 正しい出力ファイル様式はシステム・ファイルQAF DNGPからのQWHFDNGPです。

出力 (OUTPUT)

コマンドからの出力がどこに送られるかを指定します。

*
出力は表示されるか(対話式ジョブによって要求された場合),あるいはジョブのスプール出力で印刷されます(バッチ・ジョブによって要求された場合)。
*PRINT
出力はジョブのスプール出力で印刷されます。
*OUTFILE
出力は,出力を受け取るファイル (OUTFILE)パラメーターで指定されたデータベース・ファイルに送られます。

ファイル属性 (FILEATR)

属性が表示されるファイルのタイプを指定します。 リモート・ファイルの場合には,指定できるパラメーターは*PF, *LF,または*ALLだけです。

考えられる値は次の通りです。

*ALL
すべてのファイルの属性が提示されます。 ただし,出力プロンプト(OUTPUTパラメーター)に*OUTFILEを指定し,情報のタイププロンプト(TYPEパラメーター)に*ATRを指定した場合には,このパラメーターを指定することはできません。
*DSPF
表示装置ファイルの属性が提示されます。
*PRTF
印刷装置ファイルの属性が提示されます。
*DKTF
ディスケット・ファイルの属性が提示されます。
*TAPF
テープ・ファイルの属性が提示されます。
*CMNF
通信ファイルの属性が提示されます。
*BSCF
BSCファイルの属性が提示されます。
*MXDF
混合ファイルの属性が提示されます。
*PF
物理ファイルの属性が提示されます。
*LF
論理ファイルの属性が提示されます。
*ICFF
ICFファイルの属性が提示されます。
*SAVF
保管ファイルの属性が提示されます。
*DDMF
分散データ管理機能(DDM)ファイルの属性が提供されます。

出力を受け取るファイル (OUTFILE)

コマンドの出力が送られるデータベース・ファイルを指定します。ファイルが存在しない場合には,このコマンドによって,指定されたライブラリーにデータベース・ファイルが作成されます。ファイルが作成される場合には,ファイルの共通権限は,ファイルが作成されるライブラリーに指定された作成権限と同じものになります。ライブラリーの作成権限を表示するには,ライブラリー記述表示(DSPLIBD)コマンドを使用してください。

修飾子1: 出力を受け取るファイル

名前
コマンド出力が送られる先のデータベース・ファイルの名前を指定してください。

修飾子2: ライブラリー

*LIBL
ファイルを見つけるために,ライブラリー・リストが使用されます。ファイルが見つからない場合には,現行ライブラリーにファイルが作成されます。現行ライブラリーが存在していない場合には,ファイルはQGPLライブラリーに作成されます。
*CURLIB
ファイルを見つけるためにスレッドの現行ライブラリーが使用されます。スレッドの現行ライブラリーとして指定されているライブラリーがない場合,QGPLライブラリーが使用されます。
名前
検索するライブラリーの名前を指定してください。

注: 新しいファイルが作成される場合には,システムは,情報のタイププロンプト(TYPEパラメーター)およびファイル属性プロンプト(FILATRパラメーター)で指定された値に基づいて,次の様式名の1つを持つQSYS中の次の出力ファイルの1つをモデルとして使用します。OUTFILE形式の詳細については,IBM i Information Center(http://www.ibm.com/systems/i/infocenter/)の「データベース」カテゴリーを参照してください


コマンド・パラメーター        作成される出力ファイル
タイプ      ファイル属性      出力ファイル   様式
*BASATR     注1               QAFDBASI        QWHFDBAS
*ATR        *BSCF             QAFDBSC         QWHFDBSC
*ATR        *CMNF             QAFDCMN         QWHFDCMN
*ATR        *DSPF             QAFDDSP         QWHFDDSP
*ATR        *PRTF             QAFDPRT         QWHFDPRT
*ATR        *DKTF             QAFDDKT         QWHFDDKT
*ATR        *TAPF             QAFDTAP         QWHFDTAP
*ATR        *PF               QAFDPHY         QWHFDPHY
*ATR        *LF               QAFDLGL         QWHFDLGL
*ATR        *ICFF             QAFDICF         QWHFDICF
*ATR        *SAVF             QAFDSAV         QWHFDSAV
*ATR        *DDMF             QAFDDDM         QWHFDDDM
*ACCPTH     注2               QAFDACCP        QWHFDACP
*SELECT     注3               QAFDSELO        QWHFDSO
*SEQ        注2               QAFDCSEQ        QWHFDSEQ
*MBR        注2               QAFDMBR         QWHFDMBR
*SPOOL      注4               QAFDSPOL        QWHFDSPL
*RCDFMT     注1               QAFDRFMT        QWHFDFMT
*MBRLIST    注2               QAFDMBRL        QWHFDML
*JOIN       注5               QAFDJOIN        QWHFDJN

注: FILEATRパラメーターを指定しなければならないのは,TYPE(*ATR)を使用する時だけです。 該当要求と一致するファイル・タイプを要求する限り,省略時の値FILEATR(*ALL)は他のTYPE値のどれででも有効です。

出力メンバー・オプション (OUTMBR)

コマンドの出力を受け取るデータベース・ファイル・メンバーの名前を指定します。

要素1: 出力を受け取るメンバー

*FIRST
ファイル中の最初のメンバーが出力を受け取ります。OUTMBR(*FIRST)が指定されていて,メンバーが存在していない場合には,システムが出力を受け取るファイル (OUTFILE)パラメーターに指定されたファイルの名前を使用してメンバーを作成します。メンバーが既に存在している場合,その既存メンバーの終わりに新規レコードを追加するのか,あるいはそのメンバーをクリアして新規レコードを追加するのかを選択できます。
名前
出力を受け取るファイル・メンバーの名前を指定してください。存在していない場合には,システムが作成します。

要素2: レコードの置き換えまたは追加

*REPLACE
システムは,既存のメンバーを消去し,新しいレコードを追加します。
*ADD
システムは,既存のレコードの終わりに新しいレコードを追加します。

システム (SYSTEM)

戻される情報がローカル・システムのファイルについてのものであるか,あるいはリモート・システムのファイルについてのものであるかを指定します。

考えられる値は次の通りです。

*LCL
ローカル・ファイルについての情報だけが戻されます。
*RMT
リモート・ファイルについての情報だけが戻されます。
*ALL
ローカルおよびリモート・ファイルの両方についての情報が戻されます。

1:ファイルの定義の表示

DSPFD   FILE(*ALL/FILE1)

このコマンドは,ローカル・システムのユーザーに許可されたすべてのライブラリー内で定義された通りにFILE1の定義を表示します。情報は,このコマンドを実行中のワークステーションで表示されます。

2:ローカルDDMファイルの属性の表示

DSPFD   FILE(LIBRARY1/FILE1)

このコマンドは,LIBRARY1に定義された通りにFILE1の定義を表示します。 FILE1が分散データ管理機能(DDM)ファイルである場合には,ローカルDDMファイルの属性のみがこのコマンドを実行中のワークステーションで表示されます。

3:すべてのファイルの定義の表示

DSPFD   FILE(*ALL/*ALL)  TYPE(*ALL)  SYSTEM(*ALL)

このコマンドは,ローカル・システムとすべてのリモート・システムの両方でユーザーに許可されたすべてのライブラリー内のすべてのファイルの定義を表示します。 DDMファイルの場合に,画面には最初にローカルDDM ファイルに関する情報と,使用可能であれば,そのCRTDDMFコマンドのRMTFILEパラメーターに名前が指定されたリモート・ファイルに関する情報が表示されます。情報は,このコマンドを実行中のワークステーションで表示されます。


エラー・メッセージ

*ESCAPE メッセージ

CPF3011
ライブラリー&2のファイル&1のTYPEが見つからない。
CPF3012
ライブラリー&2のファイル&1が見つからない。
CPF3014
&2の&1として指定されたファイルを表示することができない。
CPF3020
&2の&1のファイルにFILEATRが指定されていない。
CPF3021
SYSTEM(*RMT)でファイル&1を使用することはできない。
CPF3022
&2のファイル&1にSYSTEM(*RMT)を使用することはできない。
CPF3030
&2のファイル&1のメンバー&4に&3個のレコードが追加された。
CPF3061
出力ファイル&1のレコード様式&3が見つからない。
CPF3064
ライブラリー&1が見つかりません。
CPF3067
&2のファイル&1のオープン中にエラー。
CPF3068
&2のファイル&1への書き出し中にエラー。
CPF3069
&2のファイル&1のクローズ中にエラー。
CPF3070
ファイル&1のメンバー&3の作成中にエラー。
CPF3072
&2のファイル&1はシステム・ファイルである。
CPF3074
ライブラリー&1の使用は認可されていない。
CPF3075
ライブラリー&1が使用できない。
CPF3076
画面上でエラーが起こった。
CPF3077
表示を取り消そうとした時にエラーが起こった。
CPF3084
ファイル&1のメンバー&3の消去中にエラー。
CPF326B
ライブラリー&2のファイル&1に損傷がある。
CPF9851
&2のファイル&1のオーバーフロー値が小さすぎる。
CPF9852
ページ・サイズが&2のファイル&1には小さすぎる。
CPF9899
コマンドの処理中にエラーが起こった。