traceson コマンド

目的

サブシステム、サブシステムのグループ、またはサブサーバーのトレースをオンにします。

構文

サブシステム

traceson [ -h Host] [ -l] { -g Group | -p SubsystemPID| -s Subsystem}

サブサーバー

traceson [ -h Host] [ -l] -t Type [ -o Object] [ -p SubsystemPID] [ -P SubserverPID]

説明

traceson コマンドは、トレースをオンにするためにサブシステムに転送されるサブシステム要求パケットを、システム・リソース・コントローラーに送信します。サブシステムへの通信方式がシグナルのときは、トレースは実行できません。

注: トレースの方法はサブシステムによって異なります。

トレースは、簡略形式または詳細形式のいずれの形式でも可能です。 -l フラグが指定されないと、 トレース要求は、簡略形式のトレースと見なされます。

フラグ

項目 説明
-gGroup サブシステムのグループを指定してトレースをオンにします。 Group 名がサブシステム・オブジェクト・クラスに含まれていないと、このコマンドは正しく実行されません。
-hHost トレース・アクションを必要とする外部ホストを指定します。ローカル・ユーザーは "root" として実行中でなければなりません。リモート・システムは、リモート・システム・リソース・コントローラー要求を受け入れるように構成する必要があります。すなわち、srcmstr デーモン (/etc/inittab を参照) が -r フラグで始動され、/etc/hosts.equiv または .rhosts ファイルがリモート要求が行えるように構成される必要があります。
-l 詳細形式のトレースが要求されることを指定します。
-o Object サブサーバーのオブジェクトが文字の文字列としてサブシステムに渡されることを指定します。
-p SubsystemPID 特定のサブシステムを指定してトレースをオンにします。トレースオン・サブサーバー要求を渡す特定のサブシステムを指定します。
-P SubserverPID サブサーバー PID を文字列としてサブシステムに渡すことを指定します。
-s Subsystem サブシステムを指定してトレースをオンにします。Subsystem 名には、実際のサブシステム名またはサブシステムの同義語名が使えます。Subsystem 名がサブシステム・オブジェクト・クラスに含まれていないと、このコマンドは正しく実行されません。
-t Type サブサーバーを指定してトレースをオンにします。Type がサブサーバー・オブジェクト・クラスに含まれていないと、このコマンドは正しく実行されません。

セキュリティー

RBAC ユーザーおよび Trusted AIX ユーザーへの注意: このコマンドは特権命令を実行できます。 特権命令を実行できるのは特権ユーザーのみです。 権限および特権についての詳細情報は、「セキュリティー 」の『特権コマンド・データベース』を参照してください。 このコマンドに関連した特権および権限のリストについては、lssecattr コマンドまたは getcmdattr サブコマンドの項を参照してください。

  1. 外部ホスト上の tcpip グループのトレースをオンにするには、以下のコマンドを入力します。
    traceson -h odin  -g tcpip

    これにより、odin 外部ホスト上の tcpip グループのトレースがオンに設定されます。

  2. 外部ホスト上の sendmail サブシステムのトレースをオンにするには、以下のコマンドを入力します。
    traceson -h odin  -s sendmail

    これにより、odin 外部ホスト上の sendmail サブシステムのトレースがオンに設定されます。

ファイル

項目 説明
/usr/bin/traceson traceson コマンドが入っています。
/etc/objrepos/SRCsubsys SRC サブシステム構成オブジェクト・クラスを指定します。
/etc/objrepos/SRCsubsvr SRC サブサーバー構成オブジェクト・クラスを指定します。
/etc/services インターネット・サービスに使われるソケットとプロトコルを定義します。
/dev/SRC AF_UNIX ソケット・ファイルを指定します。
/dev/.SRC-unix 一時ソケット・ファイルの位置を指定します。