/etc/isakmpd.conf ファイル

/etc/isakmpd.conf ファイルに、isakmpd デーモンのオプションを構成することができます。

以下のオプションは、/etc/isakmpd.conf ファイルで使用可能です。

ログ構成

構文: none | error | isakmp_events | information

このオプションは、ログに記録する必要がある情報の量を決定します。 続いてレベルを設定します。 IKE デーモンは、このオプションを使用してロギングのレベルを指定します。 このレベルには以下の意味があります。
none
ロギングなし。 これがデフォルトです。
error
プロトコル・エラーまたはアプリケーション・プログラミング・インターフェース (API) エラーをログに記録します。
isakmp_events
IKE プロトコル・イベントまたはエラーをログに記録します。 問題のデバッグにはこのレベルを使用します。
information
プロトコル情報および実装情報をログに記録します。
認識されない IP アドレス・ネゴシエーション
構文: MAIN_MODE_REQUIRES_IP= YES | NO
このオプションは YES または NO に設定できます。 このオプションを YES に設定する場合は、 ローカル IKE データベースにフェーズ 1 トンネルの両方のエンドポイントの IP アドレスが含まれていなければなりません。 ホストが着信メインモード・トンネルを受け入れるためには、このオプションを YES に設定する必要があります。 IP アドレスは、1 次 ID であってもよく、また、他の ID タイプに関連付けられているオプションの IP アドレスであってもかまいません。

着信メインモード接続を受け入れるためには、このオプションを NO に設定します。 このオプションを NO に設定すると、IKE データベースがフェーズ 1 エンドポイントの IP アドレスを指定していない場合にもホストが接続を受け入れることになります。 しかし、ホストが接続を受け入れるためには、証明書ベースの認証を使用する必要があります。 このようにすれば、IP アドレスを動的に割り当てられるホストが、相手側マシンへのメインモード・トンネルを開始できます。

このパラメーターを指定しない場合、デフォルトは NO です。

SOCKS4 サーバーの構成
構文: mnemonic = value

SOCKS4_PORTNUM オプションはオプションです。 指定しない場合は、デフォルトの SOCKS サーバー・ポート値 1080 が使用されます。 このポート値は、SOCKS サーバーが HTTP サーバーと通信するときに使用されます。

mneumonic パラメーターおよび value パラメーターには以下の値を指定できます。
  • SOCKS4_SERVER= サーバー名を指定
  • SOCKS4_PORTNUM= SOCKS サーバー・ポート番号を指定
  • SOCKS4_USERID= ユーザー ID
LDAP サーバーの構成
構文: mnemonic = value
ここで、mnemonic および value は次の値にすることができます。
  • LDAP_SERVER= LDAP サーバー名を指定
  • LDAP_VERSION= LDAP サーバーのバージョン (2 または 3 が可能)
  • LDAP_SERVERPORT= LDAP サーバーのポート番号
  • LDAP_SEARCHTIME= クライアント検索のタイムアウト値
CRL フェッチ順序
構文: CRL_FETCH_ORDER= protocol#, protocol#

ここで、protocol#HTTP または LDAP です。

このオプションは、HTTP サーバーまたは LDAP サーバーの両方が構成されている場合に、どちらを先に照会するかを定義します。 CRL_FETCH_ORDER オプションはオプションです。 デフォルトのフェッチ順序は HTTP が先、次に LDAP です。ただし、HTTP サーバーと LDAP サーバーの両方が構成されているかどうかによります。
IKEv1 および IKEv2 ポート仕様
構文: v1=port-natport,v2=port-natport
この文字列で isakmpd デーモン (IKEv1) および ikev2d デーモン (IKEv2) により使用されるポートを指定します。 iked デーモン (IKE メッセージ・ブローカー・デーモン) はこのエントリーを調べ、 それぞれのポート上で isakmpd デーモンおよび ikev2d デーモンを起動します。
変更の始まり活性 (すなわち Dead Peer Detection (DPD)) の構成変更の終わり
変更の始まり構文: LIVENESS_CHK_INTERVAL=number_of_seconds

IKEv2 IPsec 構成の LIVENESS_CHK_INTERVAL オプションには、値を秒単位で指定できます。 活性間隔 (Dead Peer Detection (DPD) とも呼ばれる) は、キープアライブ・メッセージを定期的に送信することでエンドポイントまたはピア・ノードのヘルスをモニターするために使用されます。 活性間隔とは、キープアライブ・メッセージ間の期間のことです。 このオプションはデフォルトで無効になっています。

LIVENESS_CHK_INTERVAL オプションに値が設定されると、ikev2d デーモンは、ピア・ノードの使用可能であることを確認するためにキープアライブ・メッセージをピア・ノード相手に送信または交換しなければならないタイミングを、このオプションで決定します。 ノード用に活性を構成するときに、その活性が有効になるのは、そのノードが新規 IKE セキュリティー・アソシエーション (SA) のイニシエーターとして機能する場合に限られます。 ピア・ノードに送信されたキープアライブ・メッセージに対する応答が開始ノードで受信されない場合は、8 秒、16 秒、32 秒、64 秒、128 秒、および 256 秒の時間間隔でキープアライブ・メッセージが開始ノードから再送信されます。 複数回の試行の後でも開始ノードで応答が受信されない場合は、ピア・ノードは非活動であると宣言されます。

変更の終わり
変更の始まり構文: LIVENESS_CHK_RETRIES=1|2|3|4|5|6

オプションで、IKEv2 IPsec 構成の LIVENESS_CHK_RETRIES オプションにおいて再試行の回数を指定することもできます。 キープアライブ・メッセージが開始ノードから指定の回数だけ送信された後でピア・ノードからの応答が開始ノードで受信されます。 キープアライブ・メッセージの再送信の期間は 8 秒から始まり 256 秒まで指数関数的に延びます。 LIVENESS_CHK_RETRIES オプションは、1 から 6 までの範囲で指定できます。 このオプションが /etc/isakmpd.conf ファイルに指定されていない場合は、デフォルト値 6 が設定されます。

変更の終わり
変更の始まりセキュリティー・アソシエーション (SA) アイドル・タイムアウト構成変更の終わり
変更の始まり構文: SA_IDLE_TIMEOUT=number_of_seconds

AIX IPsec 構成では、2 つのピア・ノード間でセキュリティー・アソシエーション (SA) が作成されると、SA の状態が維持したり SA ヘルスをモニターしたりするためにシステム・リソースが使用されます。 SA に関連付けられているピア・ノードが長時間アイドル状態になっている場合 (つまり、インバウンド/アウトバウンド・データ・トラフィックが IPsec トンネルを通過しない場合) は、システム・リソースも長時間アイドル状態になります。

SA_IDLE_TIMEOUT オプションは、アイドル状態の SA を識別します。 指定の期間にわたってアイドル状態になっている SA は、システム・リソースを再利用するために削除されます。 SA_IDLE_TIMEOUT オプションは IKEv2 構成に関してのみ適用できます。 SA_IDLE_TIMEOUT オプションを使用して SA アイドル・タイムアウト間隔 (秒) を設定すると、特定の SA に関して、SA アクティビティーをモニターしたり、この SA を使用して送受信されるデータ・トラフィックをモニターしたりするために、タイマーが作成されます。 指定のタイムアウト間隔で SA を使用してデータ・トラフィックが送受信されない場合、その SA は削除され、関連付けられているピア・ノードに情報メッセージ (削除ペイロード) が送信されて、ピア・ノードから SA を削除するように要求がなされます。 このオプションはデフォルトで無効になっています。

変更の終わり
変更の始まり再送信試行構成変更の終わり
変更の始まり構文: RETRANSMISSION_ATTEMPT=1|2|3|4|5|6|7

オプションで、開始ノードまたは応答ノードで要求またはメッセージが廃棄される前に、キャッシュされた要求メッセージまたは応答メッセージをそのノードから送信する場合の再試行回数を RETRANSMISSION_ATTEMPT オプションで指定できます。 このオプションを指定した場合は、指定した再試行回数に基づいて、メッセージまたは要求が 2 秒、4 秒、8 秒、16 秒、32 秒、および 64 秒の間隔で再送信されます。 このオプションを指定しない場合、または無効な値を指定した場合は、デフォルト値 8 が設定され、デフォルト再送信間隔として 16 秒、32 秒、64 秒、128 秒、および 512 秒が使用されます。

変更の終わり