snapshot コマンド
目的
拡張ジャーナル・ファイルシステム (JFS2) スナップショットの属性を変更、作成、または表示します。
構文
外部スナップショットを作成する場合
snapshot -o snapfrom= snappedFS snapshotLV
snapshot -o snapfrom=snappedFS -o size=Size
内部スナップショットを作成する場合
snapshot -o snapfrom=snappedFS -n snapshotName
外部スナップショットを削除する場合
snapshot -d snapshotLV
内部スナップショットを削除する場合
snapshot -d -n snapshotName snappedFS
JFS2 ファイルシステムを照会する場合
snapshot -q [ -c fieldSeparator ] snappedFS
外部スナップショットを照会する場合
snapshot -q [ -c fieldSeparator ] snapshotLV
内部スナップショットを照会する場合
snapshot -q -n snapshotName [ -cfieldSeparator ] snappedFS
外部スナップショットを変更する場合
snapshot -o size=Size snapshotLV
注: snapshot コマンドは、内部スナップショットの変更をサポートしません。
内部スナップショットのサイズは、ファイルシステム自体の使用可能なフリー・スペースの量によって制限されます。
説明
このコマンドは、JFS2 スナップショットへのインターフェースを提供します。
ファイルシステムごとの内部スナップショットの最大数は 64 であるのに対し、ファイルシステムごとの外部スナップショットの最大数は 15 です。
同時にファイルシステムの内部スナップショットと外部スナップショットを取得することはできません。
フラグ
項目 | 説明 |
---|---|
-c fieldSeparator | スナップショット照会の出力がコロンで区切られたフォーマットで表示されるように指定 します。fieldSeparator は、表示するフィールドを 区切るのに使用する文字です。 |
-d | このスナップショットおよび前のすべてのスナップショットを削除します。スナップショットが外部スナップショットの場合は、-s フラグを指定していない限り、そのスナップショットを含む論理ボリュームも削除されます。 外部スナップショットの場合、snapshotLV パラメーターは、削除するスナップショットを指定します。 内部スナップショットの場合、snappedFS パラメーターは、削除するスナップショットを含むファイルシステムを指定します。 -n フラグは、削除するスナップショットの名前を指定します。 |
-n snapshotName | snappedFS/.snapshot/snapshotName のもとの内部スナップショットのアクセス・ポイントを指定します。 スナップショットの作成時に -n フラグを指定する場合は、snappedFS パラメーターによって指定されたファイルシステムが、内部スナップショット用に使用可能でなければなりません。 そうでない場合は、エラー・メッセージが表示され、スナップショットは作成されません。 ファイルシステムを使用可能にして、内部スナップショットを使用するには、mkfs コマンド (-o isnapshot={yes}) または crfs コマンド (-a isnapshot = {yes}) によってファイルシステムを作成するときに、isnapshot オプションを指定します。 |
-o snapfrom= snappedFS | snappedFS パラメーターによって指定されたファイルシステムのスナップショットを作成します。-n フラグが指定されていれば、内部スナップショットが作成されます。 snapshotLV パラメーターが指定されていれば、論理ボリュームが既に存在していて、snappedFS パラメーターによって指定されたファイルシステムと同じボリューム・グループ内に存在しているはずです。 指定した論理ボリュームが /etc/filesystems ファ イルにとって既知のスナップショットまたはファイルシステムとして既に使用されている場合 は、コマンドがエラー・メッセージを発行して、コマンドはエラーとなります。-n フラグと snapshotLV パラメーターが指定されていない場合は、外部スナップショット用に新規論理ボリュームが作成されます。 |
-o size=Size | このフラグを -o snapfrom=snappedFS フラグとともに指定するときに、外部スナップショットの新規論理ボリュームのサイズを指定します。そうしないと、このフラグにより、snapshotLV フィールドによって指定された外部スナップショットのサイズが Size の値まで増加されます。その他にフラグの指定がない場合、このフラグは無視されます。 Size フィールドの後 に M があると、その値はメガバイトとして処理されます。Size フィールドの後 に G があると、その値はギガバイトとして処理されます。M および G の どちらもない場合は、値は 512 バイト・ブロックとして処理されます。 |
-q | 指定されたスナップショットに関する情報を表示します。
必要に応じて照会を特定する場合は、以下のフラグおよびオプションを指定します。
|
-s | 外部スナップショットが削除される際、指定されたスナップショットの指定された論理ボリュームを保存します。 |
パラメーター
項目 | 説明 |
---|---|
fieldSeparator | 表示するフィールドを 区切るのに使用する文字です。 |
snappedFS | スナップショットの作成、削除、または照会に作用する JFS2 ファイルシステム。 |
snapshotLV | 外部スナップショットの論理ボリューム。 |
セキュリティー
RBAC ユーザーおよび Trusted AIX ユーザーへの注意:
このコマンドは特権命令を実行できます。
特権命令を実行できるのは特権ユーザーのみです。
権限および特権についての詳細情報は、「セキュリティー
」の『特権コマンド・データベース』を参照してください。 このコマンドに関連した特権および権限のリストについては、lssecattr コマンドまたは getcmdattr サブコマンドの項を参照してください。
例
- /dev/snapsb 論理ボリューム上
の /home/janet/sb ファイルシステムに対してスナップショット
を作成するには、次のように入力します。
このコマンドにより、既存の /dev/snapsb 論理ボリューム上 の /home/janet/sb ファイルシステムに対してスナップショット が作成されます。snapshot -o snapfrom=/home/janet/sb /dev/snapsb
- /home/janet/sb ファイルシステムに対してスナップショット
を作成するには、次のように入力します。
このコマンドにより、16MB の論理ボリュームが作成され、新たに作成された 論理ボリューム上の /home/janet/sb ファイルシステム に対してスナップショットが作成されます。snapshot -o snapfrom=/home/janet/sb -o size=16M
- /home/janet/sb ファイルシステムについて、すべてのスナップショット
に関する情報を表示するには、次のように入力します。
このコマンドにより、/home/janet/sb ファイルシステムの 各スナップショットが表示され、さらにスナップショットを取り込んだ時刻、 スナップショット・ストレージ・オブジェクトのサイズ、 および残りのフリー・スペースが表示されます。snapshot -q /home/janet/sb
- /dev/snapsb デバイス上のスナップショットのサイズを拡大
するには、次のように入力します。
このコマンドにより、デバイス上にスナップショットを取り込んだ まま、/dev/snapsb デバイスが 64MB に拡大されます。snapshot -o size=64M /dev/snapsb
- /dev/snapsb デバイス上のスナップショットを削除するには、
次のように入力します。
このコマンドにより、/dev/snapsb デバイス上のスナップショ ットと /dev/snapsb 論理ボリュームが削除されます。snapshot -d /dev/snapsb