変更の始め

rpvutil コマンド

目的

これは、Geographic Logical Volume Manager (GLVM) のリモート物理ボリューム (RPV) においてミラー・プールを構成します。

構文

rpvutil -h [tunable_name]
rpvutil [-v vg_name] {-a | -o tunable_name[=value]}
rpvutil -d tunable_name

説明

AIX® バージョン 7.2.5 以降では、rpvutil コマンドを使用して以下の操作を実行できます。
  • アプリケーションがボリューム・グループ内のミラー・プールの入出力肯定応答を受信するまでの予期される最大遅延を設定する。
  • RPV クライアントから RPV サーバーに送信される前の入出力データ・パケット、または RPV ネットワークをモニターするための入出力データ・パケットを圧縮する。
  • RPV データ・ネットワークをモニターする。

フラグ

-a
これは、GLVM RPV クライアントの全チューナブル・パラメーターの現行値を表示します。
-d tunable_name
これは、指定のチューナブル・パラメーターをデフォルト値にリセットします。
-h [tunable_name]
これは、rpvutil コマンドに関するヘルプ情報を表示します。 オプションで、このフラグとともにチューナブル・パラメーターを指定すると、このコマンドは指定のチューナブル・パラメーターに関するヘルプ情報を表示します。
-o tunable_name[=value]
チューナブル・パラメーターの値を指定しない場合に -o tunable_name フラグで表示されるのは、指定のチューナブル・パラメーターの現行値です。 rpvutil -o コマンドに対して指定できるチューナブル・パラメーターは以下のとおりです。
rpv_net_monitor=1|0
rpv_net_monitor チューナブル・パラメーターを 1 に設定した場合、rpvutil コマンドは RPV データ・ネットワークをモニターします。 RPV クライアントはネットワーク障害を検出すると復旧後に当該ネットワークを再開しようとします。 デフォルトでは、このチューナブル・パラメーターは 0 (無効) に設定されます。
compression=1|0
compression チューナブル・パラメーターを使用するには、以下の前提条件を考慮してください。
  • RPV クライアントと RPV サーバーで AIX バージョン 7.2.5 以降が稼働していて、最新 RPV デバイス・ドライバーがすべて適用されていることを確認します。
  • RPV サーバーと RPV クライアントの両方が、NX842 加速装置を持つ IBM® Power® Systems サーバーであることを確認します。
  • RPV クライアントと RPV サーバーの間でワークロードがフェイルオーバーされたときに入出力データ・パケットが圧縮されるように、RPV サーバーと RPV クライアントの両方で compression チューナブル・パラメーターが有効になっていることを確認します。

compression チューナブル・パラメーターを 1 に設定した場合、rpvutil コマンドは、RPV クライアントから RPV サーバーに送信される入出力データ・パケットを、IBM Power Systems サーバーで使用できる暗号化および圧縮のための特別な加速装置 (NX842) を使用して圧縮します。 入出力データ・パケットが正常に圧縮されると、データ・パケットが圧縮されていることを示すフラグが、送信されるデータ・パケット内に設定されます。 RPV サーバーで受信された入出力データ・パケットの圧縮フラグが有効になっている場合、RPV サーバーは入出力データ・パケットを圧縮解除します。 NX842 加速装置が RPV サーバーで使用できない場合、RPV サーバーはハードウェア圧縮解除操作の代わりにソフトウェア圧縮解除操作を試みます。 デフォルトでは、このオプションは 0 (無効) に設定されます。

io_grp_latency=timeout_value
これは、非同期モードで構成されているミラー・プールの入出力肯定応答を受信するまでの予期される最大遅延 (ミリ秒) を示します。 -v フラグを使用して、ミラープールに関連付けられているボリュームグループを指定する必要があります。 デフォルト遅延値は 10 ms です。 小さい値を指定すれば入出力パフォーマンスを向上させることができますが、CPU 使用率が高くなる可能性があります。
-v vg_name
これは、チューナブル・パラメーターの追加、変更、または表示が必要となるボリューム・グループ名を指定します。

  • gmvg1 ボリューム・グループに対してタイムアウト値 5 ms を設定するには、次のコマンドを入力します:
    rpvutil -v gmvg1 -o io_grp_latency=5
    次の例のような出力が表示されます。
    RPVC timeout: 10. ODM Value: 10
    Updated timeout[5] to ODM VG: gmvg1
    Updated timeout[5] to rpvc. VG: gmvg1
  • compression オプションの値を調べるには、次のコマンドを入力します:
    rpvutil -o compression
    次の例のような出力が表示されます。
    compression[odm,driver]=ENABLED,ENABLED
  • RPV クライアントから RPV サーバーに入出力データ・パケットを送信する前に入出力データ・パケットを圧縮するには、次のコマンドを入力します:
    rpvutil -o compression=1
    このコマンドは、正常終了すると 0 を返します。

ファイル

rpvutil コマンドはディレクトリー /usr/lib/methods に含まれています。

変更の終わり