rpvstat コマンド

目的

これは、RPV クライアント・デバイス統計情報を表示します。

構文

rpvstat -h

rpvstat [-d] [-t] [-i Interval [-c Count] [-d]] [rpvclient_name...]

rpvstat -N [-t] [-i Interval [-c Count] [-d]]

rpvstat -m [-d] [-t] [rpvclient_name...]

rpvstat -R [-r][rpvclient_name...]

rpvstat -r [-R] [rpvclient_name...]

rpvstat -A [-t] [-i Interval [-d] [-c Count] ] [rpvclient_name...] |

rpvstat -C [-t] [-i Interval [-d] [-c Count] ] [rpvclient_name...]

変更の始めrpvstat -G [-t] [-i Interval [-d] [-c Count] ] [rpvclient_name...]

rpvstat -g [-t] [-i Interval [-d] [-c Count] ] [rpvclient_name...]変更の終わり

説明

rpvstat コマンドは、RPV クライアント・デバイスから入手できる統計情報 (以下の詳細を含む) を表示します。

  • RPV クライアント名
  • 接続状況
  • 完了した読み取りの合計数
  • 読み取りの合計 KB 数
  • 読み取りエラーの合計数
  • 保留中の読み取りの合計数
  • 保留中の読み取りの合計 KB 数
  • 完了した書き込みの合計数
  • 書き込まれた合計 KB 数
  • 書き込みエラーの合計数
  • 保留中の書き込みの合計数
  • 保留中の書き込みの合計 KB 数
  • 非同期入出力の統計情報
  • 非同期入出力キャッシュの統計情報

読み取りエラーと書き込みエラーはまとめて表示されます。 カウンターに示される数は、アプリケーションに返された入出力エラーの数です。

rpvstat コマンドは、オプションで入出力関連の統計情報をネットワークごとに表示できます。 このコマンドでネットワーク要約オプションを使用すれば、以下の追加情報を表示できます。

  • ネットワーク・スループット (キロバイト/秒)。 このスループットは、モニター・モード中に、ユーザーが指定した間隔回数ごとに計算されます。
  • 保留中の統計情報の最高記録値。このような最高水準点の履歴の数値には、次の数値があります。
    • ネットワークごとの最大保留中読み取り数
    • ネットワークごとの最大保留中読み取りキロバイト数
    • ネットワークごとの最大保留中書き込み数
    • ネットワークごとの最大保留中書き込みキロバイト数
  • 入出力操作 (読み取り操作と書き込み操作の両方) の再試行回数。 このカウントでは、このネットワークまたはデバイスで行われた入出力再試行回数が記録されます。 このカウントは、限界に近いネットワークや、障害のあるネットワークに対する指標として使用できます。 このような統計情報は別の表示で報告されます。

また、非同期ミラーリングの統計情報も表示できます。 rpvstat コマンドで -A オプションを使用した場合は、全体的な非同期統計情報が出力されます。 デバイスごとに統計情報を表示するには、デバイスのリストを指定する必要があります。 -C オプションを使用すれば、非同期入出力キャッシュ情報を表示できます。

フラグ

表 1. フラグ
フラグ 説明
-A これは、1 つ以上の非同期入出力操作に関する以下の統計情報を出力します。
  • 非同期デバイス名
  • 非同期状況: この状況は 1 文字で出力されます。
    • A - デバイスは非同期入出力用に完全に構成されていて、非同期入出力要求を受け入れることができます。
    • I - 非同期構成が不完全です。
    • U - デバイスは非同期構成で構成されていません。 したがって、同期デバイスとして動作しています。 すべての統計情報が 0 として出力されます。
    • X - デバイス状況を取得できません。 残りのすべての統計情報が 0 として出力されます。
  • 完了した非同期リモート書き込みの合計数。 書き込みはミラーリングされて完了しています。
  • 完了した非同期リモート書き込みの合計キロバイト数。 書き込みはミラーリングされて完了しています。
  • ミラーリングする保留中の非同期書き込みの合計数。 書き込みはキャッシュに格納されています。 この書き込みは、LVM に関しては完了していますが、まだミラーリングされていません。
  • ミラーリングする保留中の非同期書き込みの合計キロバイト数。 書き込みはキャッシュに格納されています。 この書き込みは、LVM に関しては完了していますが、まだミラーリングされていません。
  • 応答が保留中の書き込みの合計数。 この書き込みは保留キューに入っていて、まだキャッシュに書き込まれていません。
  • 応答が保留中の非同期書き込みの合計キロバイト数。 この書き込みは保留キューに入っていて、まだキャッシュに書き込まれていません。
-C これは、非同期入出力キャッシュに関する以下の統計情報を表示します。 VG 名が ODM から抽出されます。
  • ボリューム・グループ名
  • 非同期状況: この状況は 1 文字で出力されます。
    • A - デバイスは非同期入出力用に完全に構成されていて、非同期入出力要求を受け入れることができます。
    • I - 非同期構成が不完全です。
    • U - デバイスは非同期構成で構成されていません。 したがって、同期デバイスとして動作しています。 すべての統計情報が 0 として出力されます。
    • X - デバイス状況を取得できません。 残りのすべての統計情報が 0 として出力されます。
  • 非同期書き込み操作の合計
  • 最大キャッシュ使用率 (%)
  • キャッシュが最高水準点に達した後にキャッシュ・フラッシュを待機していた保留非同期書き込み要求の数。
  • キャッシュが最高水準点の限界に達した後にキャッシュ・フラッシュを待機していた書き込みの割合。
  • キャッシュが最高水準点に達した後の最大待機時間 (秒)。
  • キャッシュ内の現行使用可能フリー・スペース (キロバイト)。
-c Count これは、指示された間隔で Count 回、情報を表示します。 Count パラメーターの値は、1 以上 999999 以下の整数でなければなりません。 Interval パラメーターが指定されて、Count パラメーターが指定されない場合、いつまでも再表示が行われます。
-d モニターされた利用可能な統計情報を前回の値からの差分量として表示します。
変更の始め-G変更の終わり 変更の始めこれは、非同期入出力グループに関する以下の統計情報を表示します。
  • ボリューム・グループ名 (オブジェクト・データ・マネージャー (ODM) から取得される)
  • コミット済みボリューム・グループの数
  • 平均ボリューム・グループ・コミット時間
  • コミット済み非同期入出力データの合計量 (KB)
  • 1 秒ごとのコミット済み非同期入出力データ (KB)
  • 完了済みボリューム・グループの数
  • 平均ボリューム・グループ完了時間
  • 完了済み非同期入出力データの合計量 (KB)
  • 1 秒ごとの完了済み非同期入出力データ (KB)
  • キャッシュ・ディスクから読み取られたボリューム・グループの数
  • キャッシュ・ディスクから読み取られた非同期入出力データの合計量 (KB)
  • 平均ボリューム・グループ読み取り時間
  • 1 秒ごとの読み取り非同期入出力データ (KB)
  • キャッシュ・ディスクがフルとして検出された回数
  • キャッシュ・メモリーが使用可能になるまでの合計待機時間
  • 転送中の非同期入出力書き込みデータの合計 (KB)
変更の終わり
変更の始め-g変更の終わり 変更の始めこれは、非同期入出力グループに関して以下のデータを含む統計情報の要約を表示します。
  • ボリューム・グループ名 (ODM から取得される)
  • 平均ボリューム・グループ形成時間
  • 平均ボリューム・グループ・コミット時間
  • 平均ボリューム・グループ完了時間
  • 平均ボリューム・グループ読み取り時間
  • キャッシュ・ディスクがフルとして検出された回数
変更の終わり
-h コマンドの構文と使用法を表示します。
-i Interval これは、Interval 秒ごとに状況を自動的に表示します。 Interval パラメーターの値は、0 より大きく 3600 以下の整数でなければなりません。 Interval パラメーターが指定されていない場合、状況情報は一度のみ表示されます。
-m 履歴最大保留値 (最高水準点の値) および累積再試行カウントを表示します。
-N ミラーリング・ネットワークごとの要約統計情報 (ネットワークごとのスループット速度など) を表示します。
-n 個々のミラーリング・ネットワークの統計情報を表示します。
-R RPV クライアントのカウンターをリセットします (root 特権が必要です)。
-r これは、非同期入出力キャッシュ情報のカウンターをリセットします。 -R オプションや -r オプションを一緒に指定すれば、すべてのカウンターをリセットできます。 これには root アクセス権限が必要です。
-t 表示に日時を含めます。
表 2. オペランド
フィールド
rpvclient_name 情報を表示する 1 つ以上の RPV クライアントの名前。 RPV クライアントの名前が指定されない場合、すべての RPV クライアントの情報が表示されます。
注:
  • モニター・モード (-i) では、-d オプションも指定されている場合、統計情報の一部 (完了した読み取り、完了した書き込み、完了した読み取りの量 (キロバイト)、完了した書き込みの量 (キロバイト)、およびエラー) が、前回の表示された値からの差分量として示されます。 このような統計情報の前には、2 回目以降の表示で正符号 (+) が付けられます。 差分値は、前回の反復でエラーが検出されたときや、反復の間に構成が変更されたときなど、特定の状況では表示されません。
  • RPV クライアント・デバイスのリストがコマンド行に明示的にリストされない場合、使用可能なすべての RPV クライアントのリストがコマンド開始時に作成されます。 モニター・モードでは、この RPV クライアントのリストは、各表示ループで最新表示されません。 つまり、追加または削除された他の RPV クライアントは、コマンドが再度開始されるまで認識されません。
  • -i で指定される間隔は、モニター・モードで RPV 統計情報を収集し始めてから表示するまでの 1 回ごとの時間 (秒) です。 この間隔は、一連の更新表示と更新表示の間の経過時間を正確に計測した値ではありません。 rpvstat コマンドは、システム・サービスを呼び出すことで、表示する情報の一部を取得しますが、そのサービスが処理を完了するまでの時間は制御できません。 RPV の数が増えるほど、rpvstat コマンドが情報を収集するのに時間がかかり、モニター・モードでの一連の表示間隔が長くなり、-i の表示間隔よりも大幅に長くなることがあります。
  • 読み取りおよび書き込みのカウントはバッファーごとに集計されます。 つまり、アプリケーションの入出力においてバッファーのベクトルが単一の読み取り/書き込み呼び出しで渡される場合、その読み取り/書き込みは単一の入出力としてカウントされるのではなく、ベクトル内のバッファーの数としてカウントされます。
  • 完了した入出力キロバイト数または保留中の入出力キロバイト数は切り捨てられます。 KB の少数部分は出力表示では除去されます。
  • 出力の cx フィールドには以下のいずれかの接続状況が表示されます。
    表 3. cx 出力
    フィールド 説明
    数値 この数字は、RPV クライアントとその RPV サーバーの間にあるアクティブなネットワーク接続の数です。
    Y IP アドレスで表された接続が使用可能であり、機能していることを示します。
    N IP アドレスで表された接続が使用不可であることを示します。
    X 必要な情報をデバイス・ドライバーから取得できなかったことを示します。 この状況の理由として、デバイス・ドライバーがロードされていないこと、デバイスが使用可能状態にないこと、デバイスが削除されたことなどが考えられます。

終了状況

このコマンドは、以下の終了値を戻します。

表 4. 終了状況
フィールド 説明
0 エラーはありません。
>0 エラーが発生しました。

  1. すべての RPV クライアントに関する統計情報を表示するには、次のコマンドを入力します:
    rpvstat
  2. RPV クライアント hdisk14 に関する統計情報を表示するには、次のコマンドを入力します:
    rpvstat hdisk14
  3. RPV クライアント hdisk23 の統計カウンターをリセットするには、次のコマンドを入力します:
    rpvstat -R hdisk23
  4. RPV クライアント hdisk14 に関する統計情報を表示し、その表示を 30 秒ごとに 12 回繰り返すには、次のコマンドを入力します:
    rpvstat hdisk14 -i 30 -c 12
  5. すべての RPV クライアントに関する統計情報を表示し、ミラーリング・ネットワークごとの詳細情報を含めるには、次のコマンドを入力します:
    rpvstat -n
  6. すべてのミラーリング・ネットワークに関する統計情報を表示するには、次のコマンドを入力します:
    rpvstat -N
  7. すべての RPV クライアントの最大保留値に関する統計情報を表示するには、次のコマンドを入力します:
    rpvstat -m
  8. 変更の始め非同期入出力グループに関する統計情報を表示するには、次のコマンドを入力します:
    rpvstat -G
    変更の終わり
  9. 変更の始め非同期入出力グループに関する統計情報の要約を表示するには、次のコマンドを入力します:
    rpvstat -g
    変更の終わり

ファイル

rpvstat コマンドはパス /usr/sbin/rpvstat に含まれています。