rmuser コマンド

目的

ユーザー・アカウントを除去します。

構文

rmuser [ -R load_module ] [ -c ] [ -p ] Name

説明

rmuser コマンドは、Name パラメーターで指定されたユーザー・アカウントを除去します。 このコマンドはユーザー・アカウントの属性を除去しますが、ユーザーのホーム・ディレクトリーとファイルは除去しません。 ユーザー名は、存在していなければなりません。 -c フラグが指定されると、rmuser コマンドは、ユーザー・アカウントを除去する前に、ユーザーがログインしているか、またはプロセスを実行しているかを検査します。 ユーザーがログインしているか、またはプロセスを実行している場合、rmuser コマンドは失敗します。 -p フラグを指定すると、rmuser コマンドは、/etc/security/passwd ファイルからパスワードおよびその他のユーザーの認証情報も除去します。

代替 Identification and Authentication (I&A) メカニズムを使用して作成されたユーザー・アカウントの場合は、 該当するロード・モジュールを持つ -R フラグを使用してそのユーザーを除去します。 ロード・モジュールは、/usr/lib/security/methods.cfg ファイルに定義されます。

root ユーザー、または、UserAdmin 権限が与えられているユーザーだけが管理ユーザーを除去することができます。管理ユーザーは、/etc/security/user ファイルに admin=true と設定されているユーザーのことです。

このコマンドは、System Management Interface Tool (SMIT) smit rmuser 高速パスを使用して実行することもできます。

フラグ

項目 説明
-c ユーザー・アカウントを除去する前に、ユーザーがログインしておらず、プロセスを実行していないことを確認します。
-p /etc/security/passwd ファイルからユーザー・パスワード情報を除去し、さらにユーザー鍵ストアを除去します。
-R load_module ユーザー・アカウントの除去に使用するロード可能 I&A モジュールを指定します。

パラメーター

項目 説明
名前 ユーザー・アカウントを指定します。

終了状況

このコマンドは、以下の終了値を戻します。
項目 説明
0 コマンドが正常に実行され、要求された変更がすべて行われました。
>0 エラーが発生しました。 障害のタイプの詳細については、出力されたエラー・メッセージを参照してください。

セキュリティー

アクセス制御: このコマンドは、実行 (x) アクセス権を root ユーザーとセキュリティー・グループのメンバーだけに与えます。 このコマンドは、トラステッド・コンピューティング・ベース (TCB) 内のプログラムとしてインストールします。このコマンドは、setuid (SUID) ビットが設定されている root ユーザーが所有しなければなりません。

アクセスされるファイルは次のとおりです。

モード ファイル
rw /etc/passwd
rw /etc/security/passwd
rw /etc/security/user
rw /etc/security/user.roles
rw /etc/security/limits
rw /etc/security/environ
rw /etc/security/audit/config
rw /etc/group
rw /etc/security/group

監査イベントは次のとおりです。

イベント 情報
USER_Remove ユーザー

RBAC ユーザーおよび Trusted AIX ユーザーへの注意: このコマンドは特権操作を実行できます。特権命令を実行できるのは特権ユーザーのみです。 権限および特権について詳しくは、「セキュリティー」の『特権コマンド・データベース』を参照してください。このコマンドに関連した特権および権限のリストについては、lssecattr コマンドまたは getcmdattr サブコマンドの項を参照してください。

  1. ユーザー・アカウント davis とその属性をローカル・システムから除去するには、次のように入力します。
    rmuser davis
  2. ユーザー・アカウント davis とそのすべての属性だけでなく、 /etc/security/passwd ファイル内のパスワードや他のユーザー認証情報も除去するには、次のように入力します。
    rmuser -p davis
  3. LDAP ロード・モジュールによって作成されたユーザー・アカウント davis を除去するには、 次のように入力します。
    rmuser -R LDAP davis

ファイル

項目 説明
/usr/sbin/rmuser rmuser コマンドが入っています。
/etc/security/passwd パスワード情報が入っています。
/etc/security/user ユーザー・アカウントの拡張属性が入っています。
/etc/security/environ ユーザー・アカウントの環境属性が入っています。
/etc/group グループの基本属性が入っています。