rmrpdomain コマンド
目的
定義済みのピア・ドメインを除去します。
構文
rmrpdomain [-f] [-q] [-h] [-TV] peer_domain
説明
rmrpdomain コマンドは、peer_domain パラメーターで指定されたピア・ドメイン定義を除去します。 除去するピア・ドメインは、既に定義済みでなければなりません。 このコマンドは、ピア・ドメインに定義されているノードで実行する必要があります。 rmrpdomain をピア・ドメインに対してオンラインになっているノード上で実行すると、ピア・ドメインに対して定義されているノードのうち、このノードから到達できるすべてのノード上のピア・ドメイン定義が除去されます。 ピア・ドメインに定義されているが、到達できないノードについては、そのノードのローカル・ピア・ドメイン定義は除去されません。 ピア・ドメインがオンラインではない、またはノードがピア・ドメインに対してオンラ インになっていない場合に、ローカル・ピア・ドメイン定義を除去するには、そのノード上で rmrpdomain コマンドを実行し、-f フラグを指定します。
ピア・ドメイン定義を除去する最も効率的な方法は、ピア・ドメインを確実にオンラインにすることです。 その後で、ピア・ドメインにオンラインになっているノードから rmrpdomain コマンドを実行します。 rmrpdomain コマンドを実行するノードからアクセスできないノードがあ る場合、それらの各ノード上で -f フラグを指定して rmrpdomain コマンドを実行します。 ノード自体が操作可能でない場合は、これは後で実行することができます。
ピア・ドメインの除去をサブシステムが拒否することをオーバーライドするため、-f フラグも使用する必要があります。 サブシステムは、例えばピア・ドメイン・リソースが使用中の場合、要求を拒否する可能性があります。 このような場合に -f フラグを指定すると、ピア・ドメイン定義を除去しなければならないことをサブシステムに指示します。
rmrpdomain コマンドに構成クォーラムは不要です。 したがって、このコマンドは、小サブクラスターに対して発行した場合も正常に実行されます。後で、大サブクラスターがアクティブになるかもしれません。その場合でも、ドメインは除去されます。
クラスター対応 AIX® (CAA) クラスターが構成済みでピア・ドメインがこれを表している場合、rmrpdomain コマンドを使用すると、基本となる CAA クラスターも除去されます。
フラグ
- -f
- ピア・ドメインを強制的に除去します。以下の場合、ピア・ドメイン定義を除去するためにはこの強制フラグが必要です。
- ノードがピア・ドメインにオンラインになっていない場合にローカル・ノードから除去する。
- サブシステムが、例えばリソースが割り当てられている時に、要求を拒否する場合。
- -q
- 抑止モードを指定します。ピア・ドメインが存在しない場合、コマンドはエラーを戻しません。
- -h
- コマンドの使用ステートメント (使用法) を標準出力に書き込みます。
- -T
- コマンドのトレース・メッセージを標準エラーに書き込みます。これはソフトウェア・サービス担当者のみが使用します。
- -V
- コマンドの詳細メッセージを標準出力に書き込みます。
パラメーター
- peer_domain
- 除去する、定義されたピア・ドメインの名前を指定します。
セキュリティー
rmrpdomain コマンドのユーザーは、 ピア・ドメインに定義された各ノードの IBM.PeerDomain リソース・クラスに書き込み権限が必要です。 デフォルトでは、ピア・ドメイン内のどのノード上の root も、構成リソース・マネージャーを使用することで、このリソース・クラスに対する読み取り権限および書き込み権限を持ちます。
終了状況
- 0
- コマンドが正常に実行されました。
- 1
- RMC でエラーが起こりました。
- 2
- コマンド・ライン・インターフェース・スクリプトでエラーが起こりました。
- 3
- コマンド・ラインに入力したフラグが誤りです。
- 4
- コマンド・ラインに入力したパラメーターが誤りです。
- 5
- 誤ったコマンド・ライン入力により、エラーが起こりました。
- 6
- ピア・ドメイン定義が存在しません。
環境変数
- CT_CONTACT
- Resource Monitoring and Control (RMC) デーモンを使用したセッションを行うシステムを指定します。 CT_CONTACT をホスト名または IP アドレスに設定すると、 コマンドは指定されたホストの RMC デーモンにアクセスします。 CT_CONTACT を設定しないと、コマンドは、 そのコマンドが実行されているローカル・システムの RMC デーモンにアクセスします。 RMC デーモン・セッションのターゲットと管理有効範囲により、 処理されるリソース・クラスまたはリソースが決められます。
- CT_IP_AUTHENT
- CT_IP_AUTHENT 環境変数が存在する場合、RMC デーモンは、IP ベース・ネットワーク認証を使用して、CT_CONTACT 環境変数が設定されている IP アドレスで指定されたシステム上の RMC デーモンにアクセスします。 CT_IP_AUTHENT は、CT_CONTACT が IP アドレスに設定されている場合にのみ意味を持ちます。ドメイン・ネーム・システム (DNS) サービスには依存しません。
制約事項
このコマンドを実行するノードは、ピア・ドメインに定義されている必要があり、 またピア・ドメインに定義されたすべてのノードに到達できるべきです。 ノードに到達できない場合、ノードのローカル・ピア・ドメイン定義は除去されません。
実装上の固有な条件
このコマンドは、AIX® 用 rsct.basic.rte ファイルセットの一部です。
標準入力
-f "-" または -F "-" フラグが指定されているときは、このコマンドで 1 つ以上のノード名が 標準入力から読み取られます。
標準出力
-h フラグが指定されている場合は、このコマンドの使用状況の説明文が標準出力に書き込まれます。 詳細メッセージはすべて、標準出力に書き込まれます。
標準エラー
トレース・メッセージはすべて、標準エラーに書き込まれます。
例
- ピア・ドメイン定義 ApplDomain (ここには nodeA、
nodeB、および nodeC が定義されており、
これらのノードは ApplDomain にオンラインになっており、
すべてがお互いに到達できる) を除去するには、
次のコマンドを nodeA、nodeB、または nodeC で実行します。
rmrpdomain ApplDomain
- nodeD がピア・ドメイン ApplDomain にオンラインに
なっていない (例えばピア・ドメインがオフラインになっている、
またはピア・ドメインが存在しない) 場合に、
nodeD 上のこのローカル・ピア・ドメイン定義を除去するには、
次のコマンドを nodeD で実行します。
rmrpdomain -f ApplDomain
- ピア・ドメイン定義 ApplDomain (ここには nodeA、
nodeB、および nodeC が定義されており、
これらのノードは ApplDomain にオンラインになっており、
すべてがお互いに到達できる) を除去し、サブシステムが要求を拒否するのを防ぐには、
次のコマンドを nodeA、nodeB、または nodeC で実行します。
rmrpdomain -f ApplDomain
位置
- /opt/rsct/bin/rmrpdomain
ファイル
/etc/services ファイルが変更されます。