qcan コマンド

目的

印刷ジョブを取り消します。

構文

qcan [ -X ] [ -x JobNumber ] [ -P Printer ]

説明

qcan コマンドは特定のジョブ番号または印刷キュー内のすべてのジョブを取り消します。

System Management Interface Tool (SMIT) の smit qcan 高速パスを使用してこのコマンドを実行することもできます。

qstatus は、重複した 3 桁のジョブ番号を示して、ローカル・キューの管理を向上させるように拡張されています。 状況コマンドの enqqchklpstat、および lpq-W フラグを指定すれば、より多くのジョブ番号桁を表示できます。

キューに重複している 3 桁のジョブ番号が表示されている場合は、 qchk -W を使用すればより精度の高いジョブ番号がリストされます。その後で特定ジョブを取り消すことができます。

例えば、qchk を使用すると、 ジョブ番号 123 が 2 回表示される場合がありますが、これに対し、qchk -W を使用した場合は、ジョブ番号の 11232123 が表示されます。ジョブ番号 2123 を取り消そうとして、 qcan -x 123 を指定すると、qdaemon によって、その内部リスト内で検出した、最初に一致したジョブ番号が取り消されますが、そのジョブ番号は、1123 である可能性があります。-W フラグが提供する追加情報を得ることで、特定のジョブ番号を取り消すことができます。

フラグ

項目 説明
-PPrinter すべてのジョブまたは選択したジョブ番号を取り消す Printer を指定します。
-x JobNumber JobNumber 変数で指定されたジョブ番号のみを取り消すことを指定します。
-X すべてのジョブまたは指定されたプリンターに関するすべてのジョブを取り消します。 root ユーザー権限がある場合は、そのキュー上のすべてのジョブが削除されます。 root ユーザー権限がない場合は、ユーザーが実行要求したジョブのみが取り消されます。 このフラグは、ローカル印刷ジョブに対してのみ有効です。

セキュリティー

RBAC ユーザーおよび Trusted AIX® ユーザーへの注意: このコマンドは特権操作を実行できます。特権命令を実行できるのは特権ユーザーのみです。 権限および特権について詳しくは、「セキュリティー」の『特権コマンド・データベース』を参照してください。このコマンドに関連した特権および権限のリストについては、lssecattr コマンドまたは getcmdattr サブコマンドの項を参照してください。

  1. プリンター lp0 上でキューに入れられたすべてのジョブを取り消すには、次のように入力します。
    qcan  -X  -P lp0
  2. ジョブが送られるプリンターに関係なくジョブ番号 123 を取り消すには、次のように入力します。
    qcan  -x 123

ファイル

項目 説明
/usr/sbin/qdaemon qdaemon デーモンが入っています。
/var/spool/lpd/qdir/* ジョブ記述ファイルが入っています。
/var/spool/lpd/stat/* デバイスの状況に関する情報が入っています。
/var/spool/qdaemon/* キューに入れられたファイルの一時コピーが入っています。
/etc/qconfig 構成ファイルが入っています。
/etc/qconfig.bin /etc/qconfig ファイルの要約されたバイナリー・バージョンが入っています。