AIX 互換モード

互換モードに移行するときには no および nfso コマンドのみが適用されます。これは、vmtune および schedtune コマンドがなくなったためです。 互換モードを使用して新しいチューニング・フレームワークに移行することができますが、AIX® リリースでの使用はお勧めできません。

互換モードでは、ブート処理中に呼び出されるスクリプトに、チューニング・コマンドへの呼び出しを組み込むことによって、チューナブル・パラメーターへの変更を永続的にすることができます。 相違点は、/etc/tunables/lastboot ファイルと /etc/tunables/lastboot.log ファイルがリブート中に作成されるということのみです。 lastboot.log ファイルには、AIX が現在互換モードで実行中であり、nextboot ファイルが適用されていないという警告が含まれます。

タイプ Bosboot のパラメーターを除き (vmtune および schedtune コマンドの置き換えを参照)、 チューニング・コマンドの新規のリブート・ オプションと永続オプション (それぞれ -r および -p フラグ) は、 ファイルの内容がリブート時には適用されないため、意味がありません。 チューニング・コマンドは、非互換モードの場合とは異なり、パラメーターのリブート値を制御しません。 タイプ Bosboot のパラメーターは、移行中でも保持され、/etc/tunables/nextboot ファイルの中に保存されます。また、互換モードで実行されているかどうかにかかわりなく -r オプションを使用して変更できます。 /etc/tunables/nextboot ファイルを削除しないでください。

互換モードは、pre520tune という新規の sys0 属性によって制御されます。この属性は、移行インストール中に自動的に enable に設定されます。 この使用不可 (disable) モードでは、リブート中に呼び出されるスクリプトに組み込まれたチューニング・コマンドへの呼び出しが、nextboot ファイルの内容によって上書きされます。 pre520tune 属性の現在の設定は、次のコマンドを実行して表示できます。
# lsattr -E -l sys0
また、変更は、次のコマンドを使用するか、
# chdev -l sys0 -a pre520tune=disable

互換モードが使用不可の場合、no コマンド・パラメーターで、以下に示すリブート中にしか変更できないすべての Reboot タイプは、-r フラグを使用しないと変更できません。

  • arptab_bsiz
  • arptab_nb
  • extendednetstats
  • ifsize
  • inet_stack_size
  • ipqmaxlen
  • nstrpush
  • pseintrstack
現在のリブート設定を保持しながら非互換モードに切り替えるには、最初に pre520tune 属性を変更してから、次のコマンドを実行します。
# tunrestore -r -f lastboot

このコマンドは、lastboot ファイルの内容を nextboot ファイルにコピーします。 チューニング・モードの詳細については、 Performance Tools Guide and Referenceの『Kernel tuning』のセクションを参照してください。