pvcauth コマンド

目的

pvcauth コマンドは、IBM® Power® Virtualization Center (PowerVC) で認証を行ってトークンを取得するために使用されます。 このトークンは AIX® Live Update操作に PowerVC サービスを使用するために必要となります。 このトークンは設定された期間でのみ有効です。 また、このコマンドはトークンの無効化にも使用できます。

構文

PowerVC で認証を行ってトークンを取得するには、次の構文を使用します。
pvcauth [ -u user_name ] [ -p password ] -a pvc [ -o project ][ -P port ]
以前に生成したトークンの無効化および削除を行うには、次の構文を使用します。
pvcauth -r -a pvc
既知の PowerVC 認証トークンをすべてリストするには、次の構文を使用します。
pvcauth -l

説明

pvcauth コマンドを使用できるのは、すべてのタイプのオブジェクトにアクセスできる場合、および適切な PowerVC 管理権限がある場合です。 pvcauth コマンドは、AIX 区画管理者が Live Update操作の実行に使用できるトークンを生成します。 このコマンドが正常に終了すると、トークンがカーネルに保管されます。 この時点で、geninstall コマンドを使用して Live Update操作を実行できるようになります。

このコマンドを使用するには、以下のタスクを実行する権限が必要です。
  • 管理対象区画の電源をオンにする。
  • 管理対象区画をシャットダウンする。
  • 管理対象区画を作成する。
  • 管理対象区画を削除する。
  • ストレージ・ボリュームを管理する。
  • ネットワーク・アダプターを管理する。

パラメーター

password
パスワードを指定する最大 64 文字のストリング。
port
PowerVC に接続するポート番号を指定する最大 16 文字のストリング。 このパラメーターのデフォルト値は 5000 です。
project
PowerVC プロジェクト名を指定する最大 64 文字のストリング。
pvc
認証に PowerVC のホスト名または IP アドレスを指定する最大 64 文字のストリング。
user_name
PowerVC ユーザー名を指定する最大 64 文字のストリング。

フラグ

-a pvc
認証用に PowerVC のホスト名または IP アドレスを指定します。
-o project
PowerVC で認証を行うために使用される PowerVC プロジェクト名を指定します。 -o フラグを指定しない場合、プロジェクト名はデフォルト名 ibm-default に設定されます。
-l
既知の PowerVC 認証トークンをすべてリストします。 リストされる情報には、トークンの現行存続時間 (TTL) 値が含まれます。
-p password
認証用の PowerVC パスワードを指定します。 -p フラグを指定しない場合は、pvcauth コマンドの実行時にパスワードが要求されます。
-P port
PowerVC に接続するために使用できるポート番号を指定します。
-r
PowerVC で生成されたトークンを削除します。
-u user_name
認証に使用できる PowerVC ユーザー名を指定します。 すべてのタイプのオブジェクトに対するアクセス権限と、適切な PowerVC 管理権限が必要となります。

  1. apollo という HMC で認証を行うとします。 この HMC にはファイアウォールがあります。 また、この HMC では、PowerVC ポート 5000 はアクセス不可です。 この場合、再バインド・プロキシー・ノードをセットアップすれば、開いている別のポートを使用できます。 論理区画 mylpar で認証を行って、プロキシー・ノード proxy1 上のポート 14111 で SSH クライアントを使用するには、以下のコマンドを入力します。
    root @ proxy1: /
    # ssh -R localhost:14111:apollo:5000 root@mylpar
    
    root @ mylpar: /
    # pvcauth -a localhost -u hscroot -P 14111
    Enter HMC password:
    lvupdate.data ファイルの pvc スタンザで management_console 属性を localhost として指定すれば、ライブ・アップデート操作を開始できます。
  2. IP アドレス 5.5.55.121 の PowerVC でパスワード・プロンプトにより認証を行うには、次のコマンドを入力します。
    # pvcauth -a 5.5.55.121 -u root
         Enter password for root:
  3. IP アドレス 5.5.55.121 の PowerVC で行われた以前の認証を無効化するには、次のコマンドを入力します。
    # pvcauth -r -a 5.5.55.121