ファイルおよびディレクトリー・リンク
リンク とは、ファイル名とファイルの内部表示である索引ノード参照番号 (i ノード番号) の間の接続のことです。 ディレクトリー項目には、ファイル名と i ノード番号の対が含まれているため、ディレクトリー項目はすべてがそれぞれ 1 つのリンクです。
実際には、i ノード番号は、ファイル名ではなく、ファイルを識別するものです。 リンクを使用することによって、i ノード番号もファイルも、多数の別の名前で認識できます。 例えば、i ノード番号 798 には、オマハ (Omaha) 営業所の 6 月の売上の memo が入っているとします。 現在、この memo のディレクトリー・エントリーは、次のとおりです。
i ノード番号 | ファイル名 |
---|---|
798 | memo |
この情報は、sales、omaha の 2 つのディレクトリーに保管されている情報と関連があるので、必要な情報を共用するためにリンクを使用します。 ln コマンドを使用すると、これらのディレクトリーにリンクが作成されます。 これで、このファイルのファイル名は、次の 3 つになりました。
i ノード番号 | ファイル名 |
---|---|
798 | memo |
798 | sales/june |
798 | omaha/junesales |
pg コマンドまたは cat コマンドを使用して、この 3 つのファイル名のいずれかの内容を表示すると、どれも同じ情報が表示されます。 3 つのファイル名のいずれからの i ノード番号の内容を編集した場合でも、変更が行われれば、どのファイル名によって表示されるデータの内容にもその変更が必ず反映されます。