複数の iSCSI ソフトウェア・イニシエーター・デバイスの構成
インターネット Small Computer Systems Interface (iSCSI) ソフトウェアは、iSCSI ソフトウェア・イニシエーターを表すデバイスを作成します。
デフォルトで、デバイスの名前は iscsi0
になります。
このデバイスは、それ自体に関連付けられている iSCSI 名が入った initiator_name 属性を持ちます。
複数の iSCSI ソフトウェア・イニシエーター・デバイスを、1 つの AIX® オペレーティング・システム・インスタンスに作成することができます。 複数の iSCSI ソフトウェア・イニシエーター・デバイスが存在することによって、以下の利点があります。
- マルチパス入出力 (MPIO) をサポートする iSCSI ディスク用の MPIO を簡単に作成できます。 それぞれの MPIO パスは、それ自体の TCP/IP ソケット接続を作成します。そのため、iSCSI データ・トラフィックは複数の接続に広がり、並行処理がいくつも行われることによってパフォーマンスが向上します。
- 複数の iSCSI 入出力要求を論理的に分離することができます。
iscsi0
デバイス上のディスクが、あるアプリケーションによって使用され、同時にiscsi1
デバイス上のディスクが別のアプリケーションによって使用される、ということが可能です。 このようなケースでは、入出力要求を分離することによって、アプリケーション間の入出力要求の競合の可能性は低くなります。
mkdev -c driver -s node -t iscsi -d
このコマンドは、iSCSI ソフトウェア・イニシエーター・デバイスを作成し、そのデバイスの名前を出力します。
mkdev コマンドを使用して、複数のイニシエーター・デバイスを作成することができます。
8 個を超える iSCSI イニシエーター・デバイスを作成も使用もしないようお勧めします。
デバイスが作成された後、そのデバイスに固有の名前を割り当てる必要があります。
chdev コマンドを使用すると、新しいデバイスの initiator_name 属性を設定できます。
また、iscsi0
デバイスの構成と同じように、特定の iSCSI ターゲット・デバイスにアクセスするよう、新しいデバイスを構成する必要があります。
複数の iSCSI ソフトウェア・イニシエーター・デバイスを作成する場合、それらのデバイスを、同じ iSCSI ターゲット・デバイスにアクセスするよう構成することも、異なる iSCSI ターゲット・デバイスにアクセスするよう構成することもできます。
2 つのイニシエーター・デバイスが同じターゲット・デバイスにアクセスし、ファイル・ディスカバリー・ポリシーを使用している (つまり、
disc_policy 属性が file
に設定されている) 場合、これらのイニシエーター・デバイスは同じファイル名を指す必要があります。
2 つのイニシエーター・デバイスが異なるターゲット・デバイスにアクセスしている場合、これらのイニシエーター・デバイスは異なるファイル名を指す必要があります。
2 つのイニシエーター・デバイスが同じターゲット・デバイスにアクセスし、Object Data Manager (ODM) ディスカバリー・ポリシーを使用している (つまり、
disc_policy 属性が odm
に設定されている) 場合、最初のイニシエーター・デバイスの ODM 項目を、2 番目のイニシエーター・デバイス用にリストされるよう複製する必要があります。
cpiscsi コマンドを使用すると、iSCSI ターゲット・デバイス構成を複製することができます。