mktcpip コマンド

目的

ホスト上で TCP/IP を始動するために必要な値を設定します。

構文

mktcpip { -S Interface | -h HostName -a Address -i Interface [-s ] [ -m SubnetMask ] [ -r RingSpeed ] [ -t CableType ] [ -g DefaultGateway ] [ -n NameServerAddress [ -d Domain ] ] [ [ -c Subchannel ] -D Destination ] }

説明

mktcpip コマンドは、ホスト・マシン上で TCP/IP を使うための必要最小値を設定します。 この値は、構成データベースに書かれます。
注: mktcpip コマンドは、現在 IPv4 のみサポートしています。
mktcpip コマンドの基本的な機能は次のとおりです。
  • 構成データベースと実行中のマシンの両方に、ホスト名を設定する。
  • 構成データベースに、インターフェースの IP アドレスを設定する。
  • /etc/hosts ファイル内にホスト名と IP アドレス用のエントリーを作る。
  • 適切ならば、ネーム・サーバーのドメイン名と IP アドレスを設定する。
  • 適切ならば、サブネットワーク・マスクを設定する。
  • 適切ならば、構成データベースと実行中のマシンの両方に静的経路を追加する。
  • 指定された TCP/IP デーモンを始動する。

このコマンドは、System Management Interface Tool (SMIT) smit mktcpip 高速パスを使用して実行することができます。

フラグ

項目 説明
-a Address ホストの IP アドレスを設定します。 ドット 10 進表記でアドレスを指定します。 ホスト上の各ネットワーク・インターフェースは、それぞれ固有の IP アドレスが必要です。 IP アドレスを設定する標準形式は、次のとおりです。
127.10.31.2
-c Subchannel System/370 チャネル・アダプター用のサブチャネル・アドレスを指定します。
-DDestination 静的経路用の宛先アドレスを設定します。 ドット 10 進表記でアドレスを指定します。 静的経路用の宛先アドレスを設定する標準形式は、次のとおりです。
192.9.52.1
-d Domain ホスト・マシンで使用されるサブドメイン・ネームを指定します。 サブドメイン・ネームは次の形式で指定する必要があります。
subdomain.subdomain.rootdomain
-g DefaultGateway デフォルトのゲートウェイ・アドレスを経路指定テーブルに追加します。 ドット 10 進表記でアドレスを指定します。下記は、デフォルトのゲートウェイ・アドレスを設定する標準形式です。
192.9.52.0
-h HostName ホストの名前を設定します。 ドメインの命名システムを使用する場合は、ドメインとすべてのサブドメインが指定されなければなりません。 ホスト名を設定する標準形式は、次のとおりです。
hostname

ドメイン命名システムでホスト名を設定する標準形式は、次のとおりです。

hostname.subdomain.subdomain.rootdomain
-i Interface 例えば次のような特定のネットワーク・インターフェースを指定します。
tr0
-m SubnetMask 経路指定で適切なサブネットワークを決める際にゲートウェイが使用するマスクを指定します。 サブネット・マスクは、IP アドレス内の場合と同じ 4 バイトのセットです。 サブネット・マスクは、ネットワークおよびサブネットワーク・アドレスのビット位置に対応する高ビット (1s) と、ホスト・アドレスのビット位置に対応する低ビット (0s) で構成されています。
-n NameServerAddress 適切ならば、ホストがネーム・レゾリューションに使用するネーム・サーバーの IP アドレスを指定します。 アドレスは、次のようにドット 10 進表記で入力します。
127.1.0.1
-r RingSpeed トークンリング・アダプターのリング速度を指定します。 RingSpeed 変数の有効な値は、4 Mbps か 16 Mbps です。
-S Interface System Management Interface Tool (SMIT) ディスプレイの情報を検索します。
-s TCP/IP デーモンを始動します。
-t CableType 標準イーサネットまたは IEEE 802.3 イーサネット・ネットワークのケーブル・サイズを指定します。 CableType 変数の有効な値は、THICK ケーブルには dix、THIN ケーブルには bnc、該当なしの場合には N/A です。 -tCableType フラグは、標準イーサネット (en) と IEEE 802.3 イーサネット (et) の各インターフェースにのみ使用してください。

TCP/IP を始動するために必要な値を設定するには、次のように入力します。

mktcpip -h fred.austin.century.com -a 192.9.200.4 -i en0 ¥
-n 192.9.200.1 -d austin.century.com -s
注: mktcpip コマンドのみを使用して、最小の TCP/IP の構成をはじめて行います。 以降の構成変更については、smitty configtcp 高速パスを使用します。

ファイル

項目 説明
/usr/bin/mktcpip mktcpip コマンドが入っています。
/etc/resolv.conf デフォルトのシステム構成データベースが入っています。
/etc/hosts ホスト名と IP アドレスのエントリーが入っています。