mkresponse コマンド

目的

新規応答定義を作成します。

構文

アクションを指定せずに応答を作成する場合:

mkresponse [ -b ] [-p node_name] [-h] [-TV] response

1 つのアクションを指定して応答を作成する場合:

mkresponse -n action [ -d days_of_week[,days_of_week… ] ] [ -t time_of_day[,time_of_day… ] ] -s action_script [ -r return_code ] [ -b | [ -e a | A | b | e | r ] ] [ -o ] [ -E env_var=value[,env_var=value... ] ] [-u] [ -p node_name ] [-h] [-TV] response

応答をコピーする場合:

mkresponse -c existing_response[:node_name] [-p node_name] [-h] [-TV] response

説明

mkresponse コマンドは、response パラメーターによって指定された名前の 新規応答定義を作成します。応答を定義する際に、アクションを 1 つ指定することもできます。アクションは、応答を条件付きで使用し、条件が発生するとコマンドが実行するように定義します。アクションは、アクションを使用できる曜日、それらの曜日における時刻、実行されるスクリプトまたはコマンド、コマンドを起動するイベントの種類、スクリプトまたはコマンドの予期される戻りコード、および標準出力を維持するかどうかを定義します。 日付と時刻は 1 組で指定でき、別の日には別の時刻を指定できます。 アクションが指定されていない応答は、イベントのログのみを行います。

-b フラグは、応答、およびこの応答で定義されるすべてのアクションがイベント・バッチ処理をサポートすることを指定するために使用します。イベント・バッチ処理では、複数のイベントをまとめてバッチ処理またはグループ化して、応答に渡すことができます。応答のアクションは、バッチ処理されたイベントの詳細が入っているファイルにダイレクトされます。イベント・バッチ処理をサポートする応答は、バッチ処理されるイベントを指定する条件にのみ使用することができます。 -b フラグは、-e フラグとともに指定することはできません。

クラスター環境では、-p フラグを使用して、応答定義が含まれるドメイン内のノードを指定します。 管理サーバーで mkresponse を使用していて、その管理サーバーで応答を定義する場合は、-p フラグは指定しないでください -p フラグが指定されていない場合、応答はローカル・ノードで定義されます。

chresponse コマンドは、応答にアクションを追加するか、応答からアクションを除去するために使用します。モニターを開始するには、startcondresp コマンドを使用します。応答と条件がまだリンクしていない場合、startcondresp コマンドでリンクします。

応答をロックして変更あるいは除去できないようにするには、-L フラグを指定して chresponse コマンドを使用します。

フラグ

-b
応答、およびこの応答で定義されるすべてのアクションがイベント・バッチ処理をサポートすることを指定します。イベント・バッチ処理では、複数のイベントをまとめてバッチ処理またはグループ化して、応答に渡すことができます。応答のアクションは、バッチ処理されたイベントの詳細が入っているファイルにダイレクトされます。イベント・バッチ処理をサポートする応答は、バッチ処理されるイベントを指定する条件にのみ使用することができます。

イベント応答は、アクション・スクリプトがなくても、バッチ処理されるイベント条件用に作成できます。

-b フラグは、-e フラグとともに指定することはできません。

-c existing_response[:node_name]
既存の応答をコピーします。条件とのリンクはコピーされません。 既存の応答は、クラスター内で node_name として認識されているノードに定義されています。node_name を指定しない場合は、ローカル・ノードが使用されます。 node_name は、CT_MANAGEMENT_SCOPE 環境変数によって決定される有効範囲内のノードです。他のフラグが指定された場合、 そのフラグで指定されたように新規応答が更新されます。
-d days_of_week

定義されたアクションを実行できる曜日を 指定します。days_of_week および time_of_day の両方を使用して、アクションを実行できる間隔を定義します。

正符号 (+) で区切って曜日の数値、またはハイフン (-) で区切って曜日の範囲を入力します。複数の days_of_week パラメーターを指定できますが、それらはコンマで区切る必要があります。 指定された days_of_week パラメーターの数は、指定された time_of_day パラメーターの数と一致していなければなりません。 デフォルトは全曜日です。値が指定されないが、コンマが入力された場合、デフォルト値が使用されます。 各曜日の値は次のとおりです。
1
日曜日
2
月曜日
3
火曜日
4
水曜日
5
木曜日
6
金曜日
7
土曜日
-e a | A | b | e | r
実行するように定義されたアクションを起動するイベントの種類を指定します。
a
イベントを指定します。 これはデフォルトです。
A
任意のタイプのイベント (イベント、エラー・イベント、またはリアーム・イベント) を指定します。
b
イベントとリアーム・イベントを指定します。
e
エラー・イベントを指定します。
r
リアームを指定します。
複数のイベント・タイプを指定できます。例えば、-e ae-e フラグは -b フラグとともに指定することはできません。
-E env_var=value[,env_var=value...]
アクションを実行する前に設定する環境変数を指定します。 複数の env_var=value 変数が指定される場合、コンマで区切る必要があります。
-n action
定義するアクションの名前を指定します。応答の作成時に定義できるアクションは 1 つだけです。 chresponse コマンドを使用して、応答に複数のアクションを追加できます。
-o
すべての標準出力を action_script から監査ログにダイレクトします。デフォルトでは標準出力が維持されません。標準エラーは常に、監査ログにダイレクトされます。
-p node_name
応答が定義されているノードの名前を指定します。これは、クラスター環境で使用され、 ノード名は、そのノードがドメイン内で認識されている名前です。 デフォルトの node_name は、コマンドが実行されるローカル・ノードです。 node_name は、CT_MANAGEMENT_SCOPE 環境変数によって決定される有効範囲内のノードです。

管理サーバーで mkresponse を使用していて、その管理サーバーで応答を定義する場合は、-p フラグは指定しないでください

-rreturn_code
action_script の予期される戻りコードを指定します。予期される戻りコードが指定された場合、action_script の実際の戻りコードが予期される戻りコードと比較されます。 それらが一致しているかどうかを示すメッセージが監査ログに書き込まれます。-r フラグが指定されていない場合は、実際の戻りコードが監査ログに書き込まれ、比較は行われません。
-s action_script
定義されるアクションに対して実行されるスクリプトまたはコマンドの絶対パスを指定します。 アプリケーションで用意されている事前定義応答スクリプトの説明については、logeventnotifyevent、および wallevent の各コマンドを参照してください。
-t time_of_day
action を実行できる時間を指定します。範囲は開始時刻とそれに続く終了時刻から成り、ハイフンで区切られます。 days_of_week および time_of_day の両方を使用して、アクションを実行できる間隔を定義します。

時刻は 24 時間形式 (HHMM) で、最初の 2 桁は時を、最後の 2 桁は分を表します。時刻は曜日によって指定されるため、開始時刻は終了時刻より小さくなければなりません。 複数の time_of_day パラメーターを指定できますが、それらはコンマで区切る必要があります。 指定された days_of_week パラメーターの数は、指定された time_of_day パラメーターの数と一致していなければなりません。 デフォルト値は 0000-2400 です。値を指定しないでコンマを入力すると、 デフォルト値が使用されます。

-u
モニター対象リソースが未定義になった場合に、アクションを実行することを指定します。
-h
コマンドの使用方法の文を標準出力に書き込みます。
-T
コマンドのトレース・メッセージを標準エラーに書き込みます。これは、ソフトウェア保守部門専用の機能です。
-V
コマンドの詳細メッセージを標準出力に書き込みます。

パラメーター

response
response 名は、応答を識別する文字列です。 名前にスペースが含まれる場合は、引用符で囲む必要があります。 名前は、すべてスペースで構成したり、NULL であったり、組み込まれた二重引用符を含んだりすることはできません。

セキュリティー

mkresponse を実行するには、IBM.EventResponse リソース・クラスの書き込み許可が必要です。 許可は、接続先システム上のアクセス制御リスト (ACL) ファイルで指定されます。 ACL ファイルおよびその変更方法について詳しくは、「Administering RSCT」ガイドを参照してください。

終了状況

0
コマンドは正常に実行されました。
1
RMC でエラーが発生しました。
2
コマンド・ライン・インターフェース・スクリプトでエラーが発生しました。
3
コマンド・ラインに間違ったフラグが入力されました。
4
コマンド・ラインに間違ったパラメーターが入力されました。
5
コマンド・ライン入力の間違いが原因のエラーが発生しました。

環境変数

CT_CONTACT
Resource Monitoring and Control (RMC) デーモンとのセッションが発生するシステムを決定します。 CT_CONTACT にホスト名または IP アドレスが設定されていると、このコマンドは指定されたホスト上の RMC デーモンと連絡を取ります。CT_CONTACT が設定されていない場合、このコマンドは、コマンドが実行されているローカル・システムの RMC デーモンと連絡を取ります。RMC デーモン・セッションのターゲットおよび管理有効範囲によって、 処理されるリソース・クラスまたはリソースが決定されます。
CT_IP_AUTHENT
CT_IP_AUTHENT 環境変数が存在する場合は、RMC デーモンは、IP ベース・ネットワーク認証を使用して、CT_CONTACT 環境変数が設定されている IP アドレスで指定されるシステム上の RMC デーモンと連絡を取ります。CT_IP_AUTHENT が意味をもつのは、CT_CONTACT が IP アドレスに設定されている場合のみです。つまり、この環境変数はドメイン・ネーム・システム (DNS) サービスには依存しません。
CT_MANAGEMENT_SCOPE
イベント応答リソース・マネージャー (ERRM) のリソースの処理において、RMC デーモンとのセッションに使用される管理有効範囲を決定します。管理有効範囲は、そのリソースを処理可能な候補となり得るターゲット・ノードのセットを決定します。有効な値は以下のとおりです。
0
Local 有効範囲を指定します。
1
Local 有効範囲を指定します。
2
ピア・ドメイン 有効範囲を指定します。
3
管理ドメイン 有効範囲を指定します。

この環境変数が設定されていない 場合は、 Local 有効範囲が使用されます。

実装上の固有な条件

このコマンドは、AIX® 用の 高信頼性スケーラブル・クラスター・テクノロジー (RSCT) (Reliable Scalable Cluster Technology (RSCT)) ファイルセットに含まれます。

標準出力

-h フラグが指定されている場合は、このコマンドの使用方法の説明文が標準出力に書き込まれます。すべての詳細メッセージは、標準出力に書き込まれます。

標準エラー

すべてのトレース・メッセージは、標準エラーに書き込まれます。

以下の例は、スタンドアロン・システムに適用されます。
  1. 「Log event in audit log」という名前の応答を定義するには、次のコマンドを実行します。
    mkresponse "Log event in audit log"
  2. 土曜日と日曜日の任意の時間に使用されるアクション「E-mail root」があり、イベントおよびリアーム・イベントの両方にコマンド /opt/rsct/bin/notifyevent root を使用する「E-mail root anytime」という名前の応答を定義するには、以下のコマンドを実行してください。
     mkresponse -n "E-mail root" -d 1+7  ¥                          
    -s "/opt/rsct/bin/notifyevent root" -e b   ¥          
    "E-mail root anytime"
  3. 土曜日と日曜日は任意の時間に使用し、月曜日から金曜日は午前 8 時から午後 5 時の間に使用するアクション「E-mail root」があり、イベントにコマンド /opt/rsct/bin/notifyevent root を使用する「E-mail root anytime」という名前の応答を定義するには、以下のコマンドを実行してください。
    mkresponse -n "E-mail root"     ¥
    -d 1+7,2-6  -t 0000-2400,0800-1700  ¥
    -s "/opt/rsct/bin/notifyevent root" -e a  ¥           
    "E-mail root anytime"
  4. 土曜日と日曜日の任意の時間に使用されるアクション「E-mail root」があり、イベントおよびリアーム・イベントの両方にコマンド /opt/rsct/bin/notifyevent root を使用し、環境変数 LANG を en_US に設定する、「E-mail root anytime」という名前の応答を定義するには、以下のコマンドを実行してください。
    mkresponse -n "E-mail root" -d 1+7  ¥           
    -s "/opt/rsct/bin/notifyevent root" -e b ¥        
    -E LANG="en_US"  "E-mail root anytime"
  5. 月曜日から金曜日の午前 8 時から午後 6 時に使用されるアクション「E-mail root」を持ち、リアーム・イベントにコマンド /opt/rsct/bin/notifyevent root を使用し、戻りコード 5 が予期される標準出力を監査ログに保管する、「E-mail root first shift」という名前の応答を定義するには、以下のコマンドを実行してください。
    mkresponse -n "E-mail root" -d 2-6  -t 0800-1800  ¥
    -s "/opt/rsct/bin/notifyevent root" -e r  -o   ¥        
    -r 5  "E-mail root first shift"
  6. 「Warning notifications」のコピーとして「Critical notifications」という名前の応答を定義するには、次のように入力します。
    mkresponse -c "Warning notifications" "Critical notifications"
  7. "Batched Event Response" と呼ばれるバッチ処理対応応答を、アクション・スクリプトを使わずに定義するには、次のように入力します。
    mkresponse -b "Batched Event Response"
次に示す例は、管理ドメインに適用されます。
  1. 土曜日と日曜日の任意の時間に使用されるアクション「E-mail root」があり、イベントとリアーム・イベントの両方にコマンド /opt/rsct/bin/notifyevent root を使用する「E-mail root anytime」という名前の応答を管理サーバー上に定義するには、管理サーバー上で以下のコマンドを実行してください。
     mkresponse -n "E-mail root" -d 1+7  ¥                          
    -s "/opt/rsct/bin/notifyevent root" -e b   ¥          
    "E-mail root anytime"
  2. 土曜日と日曜日の任意の時間に使用されるアクション「E-mail root」があり、イベントとリアーム・イベントの両方にコマンド /opt/rsct/bin/notifyevent root を使用する「E-mail root anytime」という名前の応答を管理対象ノード nodeB 上に定義するには、管理サーバー上で以下のコマンドを実行してください。
     mkresponse -n "E-mail root" -d 1+7  ¥                          
    -s "/opt/rsct/bin/notifyevent root" -e b   ¥          
    -p nodeB "E-mail root anytime"
  3. 管理対象ノード nodeA にある「nodeA Warning notifications」のコピーとして 「nodeB Warning notifications」という名前の応答を管理対象ノード nodeB に定義するには、 管理サーバーで次のコマンドを実行します。
    mkresponse -c "nodeA Warning notifications":nodeA ¥
    -p nodeB "nodeB Warning notifications"  
以降の例は、ピア・ドメインに適用されます。
  1. 土曜日と日曜日の任意の時間に使用されるアクション「E-mail root」があり、イベントとリアーム・イベントの両方にコマンド /opt/rsct/bin/notifyevent root を使用する「E-mail root anytime」という名前の応答を現行ノード上に定義するには、ドメイン中の任意のノードから以下のコマンドを実行してください。
     
    mkresponse -n "E-mail root" -d 1+7  ¥                          
    -s "/opt/rsct/bin/notifyevent root" -e b   ¥          
    "E-mail root anytime"
  2. 土曜日と日曜日の任意の時間に使用されるアクション「E-mail root」があり、イベントとリアーム・イベントの両方にコマンド /opt/rsct/bin/notifyevent root を使用し、2 つの環境変数 (PAGE ALL および TIMER SET) を設定する、「E-mail root anytime」という名前の応答をドメイン中のノード nodeB に定義するには、ドメイン中の任意のノードから以下のコマンドを実行してください。
     mkresponse -n "E-mail root" -d 1+7  ¥                          
    -s "/opt/rsct/bin/notifyevent root" -e b   ¥          
    -p nodeB -E 'ENV1="PAGE ALL", ENV2="TIMER SET"' ¥  
    "E-mail root anytime"
  3. ドメイン内のノード nodeA にある「nodeA Warning notifications」のコピーとして 「nodeB Warning notifications」という名前の応答をドメイン内のノード nodeB に定義する には、ドメイン内の任意のノードから次のコマンドを実行します。
    mkresponse -c "nodeA Warning notifications":nodeA ¥
    -p nodeB "nodeB Warning notifications"  

場所

/opt/rsct/bin/mkresponse