mkramdisk コマンド

目的

通常の読み取りおよび書き込みによってアクセスされる RAM の部分を使用して RAM ディスクを作成します。

構文

mkramdisk [ -u ] size[ M | G ]

説明

mkramdisk コマンドは bos.rte.filesystems の一部として出荷され、これを使用して RAM ディスクを作成できます。 mkramdisk コマンドが正常に実行されると、新規 RAM ディスクが作成され、 /dev に新規エントリーが追加され、新規 RAM ディスクの名前が標準出力に 書き出されて、コマンドは値 0 で終了します。RAM ディスクの作成が失敗した場合、コマンドは 内部化されたエラー・メッセージを出力し、ゼロ以外の値で終了します。

サイズは MB または GB で指定できます。デフォルトは、512 バイト・ブロックです。サイズをメガバイトで指定する場合は末尾に M を付け、ギガバイトで指定する場合は末尾に G を付けます。

RAM ディスクの名前の形式は /dev/rramdiskx と なります。ここで x は論理 RAM ディスク番号 (0 から 63) です。

mkramdisk コマンドは、ブロック・スペシャル・デバイスのエントリー (例えば、/dev/ramdisk5) も作成します。ただし、オーバーヘッドが加わるためブロック・デバイス・インターフェースの使用はお勧めしません。 /dev 中のデバイス・スペシャル・ファイルはモードが 600 の root によって所有されます。ただし、通常のシステム・コマンドを使用してモード、オーナー、およびグループ ID を変更できます。

最大で 64 の RAM ディスクを作成できます。
注: RAM ディスクのサイズを作成後に変更することはできません。

mkramdisk コマンドは、メジャー番号の生成、RAM ディスク・カーネル・エクステンションのロード、カーネル・エクステンションの構成、RAM ディスクの作成、および /dev へのデバイス・スペシャル・ファイルの作成を行います。デバイス・スペシャル・ファイルは、 一度作成されると、他のデバイス・スペシャル・ファイルのように、 通常の openreadwrite、 および close システム・コールで使用できます。

RAM ディスクは rmramdisk コマンドを使用して削除できます。 RAM ディスクはマシンのリブート時にも削除されます。

デフォルトでは、RAM ディスク・ページがピンされます。ピンされていない RAM ディスク・ページを作成する場合は、-u フラグを使用してください。

フラグ

項目 説明
-u 作成される RAM ディスクがピンされないことを指定します。 デフォルトでは、RAM ディスクがピンされます。

パラメーター

項目 説明
size
新規 RAM ディスクに使用する RAM の量を 512 バイトごとに指定します。 例えば、次のように入力します。
mkramdisk 1
RAM を 512 バイト使用する RAM ディスクが作成されます。 およそ 20 MB の RAM を使用する RAM ディスクを作成するには、次のように入力します。
mkramdisk 40000

終了状況

次のような終了値が戻されます。

項目 説明
0 正常終了。
>0 エラーが発生しました。

セキュリティー

RBAC ユーザーおよび Trusted AIX ユーザーへの注意: このコマンドは特権命令を実行できます。 特権命令を実行できるのは特権ユーザーのみです。 権限および特権についての詳細情報は、「セキュリティー」の『特権コマンド・データベース』を参照してください。 このコマンドに関連した特権および権限のリストについては、lssecattr コマンドまたは getcmdattr サブコマンドの項を参照してください。

  1. デフォルト指定の 512 バイト・ブロック・サイズを使用して、サイズが 500 MB (1048576 * 512) の 新規 RAM ディスクを作成するには、次のように入力します。
    mkramdisk 1048576 
    /dev/rramdisk0
    

    RAM ディスク /dev/rramdisk0 が作成されます。

  2. サイズが 500 メガバイトの新規 RAM ディスクを作成するには、次のように入力します。
    mkramdisk 500M 
    /dev/rramdisk0
    

    RAM ディスク /dev/rramdisk0 が作成されます。 この RAM ディスクは、先の例 1 の RAM ディスクと同じサイズである点に注意してください。

  3. サイズが 2 ギガバイトの新規 RAM ディスクを作成するには、次のように入力します。
    mkramdisk 2G 
    /dev/rramdisk0
    
  4. 約 20 MB のサイズの RAM ディスクをセットアップし、その RAM ディスク上に JFS ファイルシステムを作成するには、次のコマンドを入力します。
    mkramdisk 40000
    ls -l /dev | grep ram
    mkfs -V jfs /dev/ramdiskx
    mkdir /ramdisk0
    mount -V jfs -o nointegrity /dev/ramdiskx /ramdiskx
    
    x は、論理 RAM ディスク番号です。
    約 20 MB のサイズの RAM ディスクをセットアップし、その RAM ディスク上に JFS2 ファイルシステムを作成するには、次のコマンドを入力します。
    mkramdisk 40000
    ls -l /dev | grep ram
    /sbin/helpers/jfs2/mkfs -V jfs2 /dev/ramdiskx
    mkdir /ramdiskx
    mount -V jfs2 -o log=NULL /dev/ramdiskx /ramdiskx
    x は、論理 RAM ディスク番号です。
    注: JFS および JFS2 の両方とも、RAM ディスク上のファイルシステムを使用するには、RAM ディスクが pinned されていなければなりません。

ファイル

項目 説明
/usr/sbin/mkramdisk mkramdisk コマンドが入っています。