mkauth コマンド

目的

新しいユーザー定義の権限を作成します。

構文

mkauth [-R load_module] [Attribute = Value ...] Name

説明

mkauth コマンドは、権限データベース内に新しいユーザー定義の権限を作成します。ParentAuth. SubParentAuth.SubSubParentAuth... 形式の権限を作成するために、Name パラメーターにドット (.) を使用して権限階層を作成することができます。 Name パラメーターのすべての親エレメントは、新規権限の作成前に権限データベース内に既に存在している必要があります。権限の作成に使用できる親エレメントの最大数は 8 です。

システムが権限データベースの複数のドメインを使用するように構成される場合は、新しい権限は、/etc/nscontrol.conf ファイルの権限スタンザの secorder 属性によって指定された最初のドメイン内に作成されます。 特定のドメイン内に権限を作成する場合は、-R フラグを使用します。

権限属性は、Attribute = Value パラメーターを使用して作成時に設定することができます。 作成するすべての権限には、id 権限属性の値が割り当てられている必要があります。mkauth コマンドを使用して値を指定しない場合は、このコマンドは自動的に、権限に関する固有 ID を生成します。ID を指定する場合は、この値は固有値で、かつ 10000 より大きい値でなければなりません。
制約事項: 10000 未満の権限 ID は、システム定義の権限用に予約されています。
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システムが拡張 Role Based Access Control (RBAC) モードで作動している場合は、権限データベースに加えられた変更は、データベースが、setkst コマンドを使用してカーネル・セキュリティー・テーブルに送信されるまで、セキュリティーに関する考慮事項には使用されません。権限データベース内で作成される権限は直ちにロールに割り当てることができますが、カーネル・セキュリティー・テーブルが更新されるまでは、効力をもちません。

フラグ

項目 説明
-R load_module 権限の作成に使用するロード可能なモジュールを指定します。

パラメーター

項目 説明
Attribute =Value 権限属性を初期化します。 有効な属性と値については chauth コマンドのセクションを参照してください。
Name 固有の権限名文字列を指定します。

権限名の作成に関する制約事項

ユーザーが指定する Name パラメーターは、固有のものである必要があり、最大 63 個の 1 バイト印刷可能文字を指定できます。mkauth コマンドはマルチバイトの権限名をサポートしますが、文字に合う権限名は、POSIX ポータブル・ファイル名文字セット内で制限されます。ユーザーが指定する権限名は、aix. で始めることはできません。これは、この値がシステム定義の権限用に指定される最上位の親であり、mkauth コマンドのみがユーザー定義の権限を作成するためです。

権限名は、ダッシュ (-)、正符号 (+)、アットマーク (@)、またはティルド (~) から始めてはなりません。また、スペース、タブ、または改行文字を含んでいてはなりません。 権限名として ALLdefault ALLOW_OWNERALLOW_GROUPALLOW_ALL の各キーワード、またはアスタリスク (*) を使用することはできません。 さらに、権限文字列には次の文字を使用しないでください。
  • : (コロン)
  • " (引用符)
  • # (番号記号)
  • , (コンマ)
  • = (等号)
  • ¥ (円記号)
  • / (スラッシュ)
  • ? (疑問符)
  • ' (単一引用符)
  • ` (抑音符号)

セキュリティー

mkauth コマンドは特権コマンドです。 コマンドを正常に実行するには、以下の権限をもつロールを引き受ける必要があります。
項目 説明
aix.security.auth.create コマンドを実行する場合に必要です。

アクセスされるファイル

項目 説明
ファイル モード
/etc/security/authorizations rw

  1. 最上位の権限 custom を作成し、mkauth コマンドに適切な ID 値を割り当てさせるには、次のコマンドを使用します。
    mkauth custom
  2. custom.test 子権限を作成し、ID とデフォルト記述を割り当てるには、次のコマンドを使用します。
    mkauth id=12000 dfltmsg="Test Authorization" custom.test
  3. LDAP 内の custom 権限を作成するには、次のコマンドを使用します。
    mkauth -R LDAP custom