migwpar コマンド

目的

オペレーティング・システムでグローバル・システムをバージョン 7 にマイグレーションした後、migwpar コマンドを使用して、バージョン 6 のグローバル・システムで作成されたワークロード・パーティション (WPAR) をバージョン 7 にマイグレーションします。

また、migwpar コマンドを使用して、5.2 または 5.3 のバージョン管理された WPAR をネイティブ・バージョン 7 WPAR にマイグレーションすることもできます。

migwpar コマンドはまた、グローバル・システムを新規オペレーティング・システム・レベルにマイグレーション後、5.2 または 5.3 のバージョン管理された WPAR を機能させるために使用できます。 バージョン管理された WPAR は前のレベルのままになります。

構文

migwpar [ -d<software_source> ] [-V]{ -A | -f <wparNamesFile> | [ -C ] wpar_name }

説明

オペレーティング・システムでグローバル・システムをバージョン 7 にマイグレーションした後、migwpar コマンドを使用して、バージョン 6 のグローバル・システムで作成されたワークロード・パーティション (WPAR) をバージョン 7 にマイグレーションします。グローバル・システム上でもはや存在しないソフトウェア (別のソフトウェア・パッケージによって置き換えられている場合があります) は除去されます。

WPAR のマイグレーションを開始する前に、グローバル・システム上のすべてのソフトウェアがマイグレーション済みであることを確認します。グローバル・システムの移行前に pre_migration スクリプトを使用し、移行後に post_migration を使用すると、移行の検証に使用できるデータが得られます。例えば、移行中に削除されるソフトウェアや、移行されなかったソフトウェアのリストです。

-C フラグを使用して、5.2 または 5.3 のバージョン管理された WPAR をネイティブ・バージョン 7 WPAR にマイグレーションします。-C フラグは、リスト・フラグ (-A または -f) とは両立しません。バージョン管理された WPAR をマイグレーションするには、-d software_source 情報が必須です。

-V フラグを使用して、グローバル・システムのマイグレーション後にバージョン管理された WPAR を有効にすることができます。 このオプションによって WPAR が現行レベルに維持され、新たにマイグレーションされたグローバル・システム上で WPAR を機能させることができます。 この機能は、IBM® AIX® 7.2 テクノロジー・レベル 2 以降で使用できます。rootvg のバージョン管理 WPAR のみが -V オプションを使用した有効化を必要とします。

注: マイグレーションを開始する前に WPAR をバックアップしておくことを強くお勧めします。

migwpar コマンドのすべてのアクションのログは、/var/adm/ras/migwpar.log ファイルに保存されます。各 WPAR の実際のソフトウェア移行の出力は、WPAR 内の /var/adm/ras/devinst.log に保存されます。

フラグ

項目 説明
-A 移行可能なすべての WPAR を移行します。
-f wparNamesFile wparNamesFile ファイルに入っている WPAR のリストを、1 行に 1 ファイルずつ移行します。
-C wparName 指定した 5.2 または 5.3 のバージョン管理された WPAR をマイグレーションします。
-d software_source 切り離された WPAR マイグレーションに使用されるインストール場所を指定します。
注: 指定された場所にあるインストール (または更新) イメージは、グローバル・システムのインストール (または更新) に使用されるイメージと同じである必要があります。
-V グローバル・システムのマイグレーション後に WPAR を有効にすることができます。 -V オプションは、-C フラグとも -d フラグとも両立しません。

セキュリティー

アクセス制御: root ユーザーのみがこのコマンドを実行できます。

  1. GLOBAL の基本オペレーティング・システムがバージョン 7 に移行された後、単一の WPAR、wpar1 をバージョン 7 に移行するには、次のコマンドを入力します。
    # migwpar wpar1
  2. /images からのインストール・イメージを使用して、切り離された WPAR、wpar2 を移行するには、次のコマンドを入力します。
     # migwpar -d /images wpar2
  3. すべての共有 WPAR をマイグレーションするには、次のコマンドを入力します。
     migwpar -A
  4. /images 内のインストール・イメージを使用して、切り離された WPAR をすべて移行するには、次のコマンドを入力します。
     migwpar -A -d /images
  5. /images にあるインストール・イメージを使用して、5.2 のバージョン管理された WPAR wpar_52 をマイグレーションするには、次のコマンドを入力します。
    migwpar -d /images -C wpar_52
  6. グローバル・システムのマイグレーション後にシステム上のすべてのバージョン管理 WPAR を有効にするには、次のコマンドを入力します。
    migwpar -VA