lvupdateSafeKE コマンド

目的

lvupdateSafeKE コマンドは、AIX® Live Update 操作用の安全なカーネル・エクステンションのリストを操作するユーティリティーです。

構文

lvupdateSafeKE  [ -a kext_path [-p] | -r kext_path | -l ]

説明

Live Update 操作中に、新しい論理区画 (LPAR) が動的に作成され、更新された AIX カーネルでブートされます。新しい LPAR がブートされると、デバイスの構成中にデバイス・ドライバーが再ロードされます。lvupdateRegKE コマンドを使用して、Live Update 操作時に他のカーネル・エクステンションをロードするために実行されるコマンドを指定することができます。新しい LPAR が準備された後、元の LPAR からアクティブ・ワークロードのチェックポイントがとられ、新しい LPAR で同じポイントから再開されます。

デフォルトでは、カーネル・エクステンションからのどのデータのチェックポイントもとられません。カーネル・エクステンションに状態データがない場合、アプリケーションのチェックポイントがとられて再開される間、新しい LPAR にカーネル・エクステンションを再ロードしても問題は起こりません。この条件により、カーネル・エクステンションの Live Update安全 になります。 Live Update 操作時に、必要な状態情報を収集して新しい LPAR でリストアするスクリプト、またはカーネル・エクステンションに状態データがないことを確認するために必要なサブシステムを静止するスクリプトを登録することにより、カーネル・エクステンションを安全にすることができます。

安全なカーネル・エクステンションのリスト内のカーネル・エクステンションは、ロードされた場合に Live Update 操作を確実に妨げません。安全リスト内にないカーネル・エクステンションがロードされたために Live Update 操作が失敗した場合、カーネル・エクステンション名を示すエラーが /var/adm/ras/liveupdate/logs ディレクトリーの下のログに記録されます。sysconfig() システム・コールを使用してカーネル・エクステンションをロードするときに SYS_LUSAFE フラグを指定することにより、カーネル・エクステンションに安全のマークを付けることもできます。lvupdateSafeKE コマンドは、この方法を使用して安全のマークが付けられたカーネル・エクステンションをリストしません。

安全なカーネル・エクステンションの検査を迂回するには、エントリー kext_check = no が入っている lvupdate.data ファイルを使用して Live Update 操作を開始する必要があります。

注: Live Update 操作時にロードされるすべてのカーネル・エクステンションは、//var/usr/opt/tmp の 5 つのファイルシステムのいずれかに配置されている必要があります。

パラメーター

項目 説明
kext_path 最大 1024 文字のストリングで、カーネル・エクステンションの絶対パスを指定します。

フラグ

項目 説明
-a kext_path Live Update 操作に対して安全であることを示すリストにカーネル・エクステンションを追加します。
-l Live Update 操作に対して安全であることが指定されたカーネル・エクステンションのセットをリストします。
-p プレビューの検査中にカーネル・エクステンションを無視できることを示すには、-p フラグを -a フラグと一緒に指定します。 ただし、ライブ・アップデートの操作中には、このフラグを使用しないでください。
-r kext_path リストからカーネル・エクステンションを削除します。

  1. Live Update 操作に対する安全リストにカーネル・エクステンションを追加するには、次のコマンドを入力します。
    # lvupdateSafeKE -a /usr/lib/drivers/mydev_driver
  2. 安全なものとして登録されたカーネル・エクステンションをリストするには、次のコマンドを入力します。
    # lvupdateSafeKE -l
  3. 安全リストからカーネル・エクステンションを削除するには、次のコマンドを入力します。
    # lvupdateSafeKE -r /usr/lib/drivers/mydev_driver