lvupdateRegScript コマンド

目的

lvupdateRegScript コマンドは、AIX® Live Update 操作時に通知ポイントで実行されるスクリプトを登録するために使用されます。

構文

スクリプトを登録するには、次の構文を使用します。
lvupdateRegScript  -a -n label -s script -d { orig | surr } -P phase -p priority
スクリプトを登録抹消するには、次の構文を使用します。
lvupdateRegScript  -r -n label -d { orig | surr } -P phase [ -p priority ]
すべての登録済みスクリプトをリストするには、次の構文を使用します。
lvupdateRegScript  -l

説明

スクリプトを登録できる有効なフェーズは次のとおりです。

LVUP_CHECK
Live Update 操作の開始時に実行されます。このフェーズにより、いずれかのサービスが関連付けられている、実行されるスクリプトは Live Update 操作の準備ができます。
LVUP_PRE
元のロジカル区画 (LPAR) でアプリケーションがフリーズされる前に実行されます。このフェーズでは、アプリケーションがフリーズされる前に、実行されるスクリプトが必要に応じてデータを保存できます。
LVUP_PRE_KERNEL
元の LPAR でアプリケーションがフリーズされた後で、サロゲート LPAR でアプリケーションが再開される前に実行されます。このフェーズは、元の LPAR で実行された後に、サロゲート LPAR で実行されます。
LVUP_POST
アプリケーションが再始動された後、サロゲート LPAR で実行されます。これらのスクリプトは chroot 環境で実行されます。
LVUP_ERROR
Live Update 操作の LVUP_CHECK フェーズまたは以降のフェーズでエラーが起こった場合に実行されます。
LVUP_COMPLETE
Live Update 操作の完了後、サロゲート LPAR で実行されます。 このフェーズには、元の LPAR の削除と、サロゲート LPAR の UUID のリセットが含まれます。 このフェーズに登録されたスクリプトは、chroot 環境で実行されます。

Live Update 操作中、DR_CHECK スクリプトが呼び出される前に、LVUP_CHECK フェーズで登録されたスクリプトが実行されます。フェーズ LVUP_CHECKLVUP_PRELVUP_PRE_KERNELLVUP_POST、および LVUP_COMPLETE では、スクリプトは、元の論理区画とサロゲート論理区画で異なる特定の優先度の順序で実行されます。元の LPAR では、順序は優先度 1 から優先度 10 です。サロゲート LPAR では、この逆の順序で、優先度 10 を最初に実行して、優先度 1 に向かって順に実行します。LVUP_ERROR イベントの場合、スクリプトは逆の優先度の順序で実行されます。

残りのフェーズに同じ方法が適用されます。

スクリプト所有者は、スクリプトを元の LPAR またはサロゲート LPAR で実行する必要があるかどうかを指定する必要があります。スクリプトが元の LPAR とサロゲート LPAR の両方で実行される場合は、元の LPAR に対して 1 回、サロゲート LPAR に対してもう 1 回、合計 2 回登録される必要があります。

登録されたスクリプトが実行されると、成功を示す場合は 0、失敗した場合はゼロ以外の値が返されます。LVUP_CHECK イベントまたは LVUP_PRE イベントの間にスクリプトが失敗した場合、Live Update 操作は失敗します。

注: lvupdateRegScript コマンドで登録されたスクリプトは、ファイルシステム //var/usr/opt/tmp のいずれかに存在している必要があります。

パラメーター

項目 説明
label 最大 80 文字のストリングで、特定のスクリプトを識別するラベルを指定します。
script 最大 1024 文字のストリングで、実行されるスクリプトを指定します。ストリングには、スクリプトへの絶対パスのほか、必要な引数を含める必要があります。
phase フェーズのセット LVUP_CHECKLVUP_PRELVUP_PRE_KERNELLVUP_POSTLVUP_ERROR、および LVUP_COMPLETE のいずれかを指定するストリング。
priority スクリプトを実行するための優先度を識別する 1 から 10 の整数。

フラグ

項目 説明
-a Live Update 操作時に実行されるスクリプトを登録します。
-d orig | surr 元の LPAR (orig) またはサロゲート LPAR (surr) のどちらの LPAR でスクリプトが実行されるかを指定します。
-l 登録されているスクリプトと関連ラベルをリストします。
-n label 登録済みスクリプトに関連付けるラベルを指定します。
-P phase スクリプトが呼び出されるフェーズを選択します。
-p priority 1 から 10 の優先度を指定します。特定のフェーズに登録されたスクリプトは、最高 (1) から最低 (10) の優先度の順序で実行されます。
-r スクリプトを登録抹消します。
-s script 実行するスクリプトを指定します。

  1. Live Update 操作時に呼び出されるように登録されたすべての通知スクリプトをリストするには、次のコマンドを入力します。
    # lvupdateRegScript -l
  2. Live Update 操作時の LVUP_PRE イベントの間に元の LPAR で実行するスクリプトを登録するには、次のコマンドを入力します。
  3. Live Update 操作時の LVUP_POST イベントの間にサロゲート LPAR で実行するスクリプトを登録するには、次のコマンドを入力します。
    # lvupdateRegScript -a -n putFiles -s "/opt/myapp/bin/rest_files /var/myapp/data"
                                  -P LVUP_POST -p 10 -d surr
  4. Live Update 操作時に呼び出されるように以前に登録されたスクリプトを削除するには、次のコマンドを入力します。
    # lvupdateRegScript -r -n getFiles -d orig -P LVUP_PRE