lvmstat コマンド
目的
論理区画、論理ボリューム、およびボリューム・グループについての入出力統計情報を報告します。 また、pbuf およびブロック入出力についての統計情報を報告し、 ボリューム・グループに対する pbuf の割り振りの変更を許可します。
構文
lvmstat { -l | -v } Name [ -e | -d ] [ -F ] [ -C ] [ -c Count ] [ -s ] [ Interval [ Iterations ] ]
説明
lvmstat コマンドは、物理ディスク間の入出力負荷のバランスを改善するために、 論理ボリューム構成を変更するのに使用できるレポートを作成します。
デフォルトによって、統計情報収集はシステムで使用可能になりません。 該当する論理ボリュームまたはボリューム・グループについてこの機能を使用可能にするには、 -e フラグを使用しなければなりません。 あるボリューム・グループについて統計情報収集を使用可能にすると、 そのボリューム・グループ内のすべての論理グループについて統計情報収集が使用可能になります。
lvmstat によって生成される最初のレポートでは、 システムがブートされてからの時間についての統計情報が提供されます。 後続のレポートでは、それぞれ直前のレポートからの時間が扱われます。 lvmstat が実行されるたびに、すべての統計情報が報告されます。 レポートは、ヘッダー行と、 それぞれの論理区画または論理ボリューム (指定されたフラグによって異なる) に関する統計情報の行から構成されます。
-l フラグを指定した場合、 Name は論理ボリューム名で、 統計情報はこの論理ボリュームの物理区画に関するものになります。 論理区画のミラー・コピーは、統計情報の報告に関して、個別であると見なされます。 それらは、区画への入出力の数 (iocnt) の降順でリストされます。
Interval パラメーターは、それぞれの報告の間の時間 (秒単位) を指定します。 最初のレポートには、ボリューム・グループの起動 (varyonvg) 以降の時間についての統計情報が入ります。 後続のレポートには、それぞれ直前のレポート以降のインターバルに集計された統計情報が入ります。 Count パラメーターを指定すると、 レポートの一番上の Count 行のみが生成されます。 論理ボリュームで、Count が 10 の場合、 使用頻度が最も高い 10 個の区画のみが識別されます。 Interval パラメーターと一緒に Iterations パラメーターを指定すると、 その回数だけ反復が実行されます。 Iterations パラメーターを指定しないと、 lvmstat は連続的にレポートを生成します。 lvmstat を 2 回以上実行するために Interval を使用する場合、 最後の実行以降、統計情報に変化がなければ、レポートは表示されません。 代わりに、1 つのピリオド . (period) が表示されます。
lvmstat コマンドは、 論理ボリュームにおいて使用頻度が最も高い物理区画を識別するため、 ある物理ボリュームがパフォーマンスの障害になっていないかどうかを判別する上で役立ちます。
注: lvmstat コマンドでは、 ローカル・ノードの入出力統計情報のみが報告されます。
入出力レポート
欄 | 説明 |
---|---|
Log_part | 論理区画番号 |
mirror#Log_part | 論理区画のミラー・コピー番号 |
iocntLog_part | 読み取りおよび書き込み要求の数 |
Kb_readLog_part | 読み取られた合計 K バイト数 |
Kb_wrtnLog_part | 書き込まれた合計 K バイト数 |
KbpsLog_part | 1 秒当たりに転送されたデータの量 (K バイト単位) |
スペース再利用統計情報レポート
ボリューム・グループ | 説明 |
---|---|
PV_name | 物理ボリューム名 |
Reclaim | スペース再利用状態。可能な状態値は、以下のとおりです。
|
Mb_freeed | rmlv、rmlvcopy、および chfs のようなコマンドによって論理ボリュームから解放された物理区画スペースの量 (メガバイト単位)。 |
Mb_pending | スペース再利用が保留中の物理ボリューム・スペース (メガバイト単位)。 |
Mb_success | ディスク・ドライバーが正常に完了したスペース再利用要求 (メガバイト単位)。 |
Mb_failed | ディスク・ドライバーが失敗したスペース再利用要求 (メガバイト単位)。 |
Mb_reused | スペース再利用を要求することなく論理ボリューム用に再利用された空き物理区画スペース (メガバイト単位)。 |
Mb_inprog | ディスク・ドライバーで未処理のスペース再利用要求の量 (メガバイト単位)。 |
io_count | ディスク・ドライバーに対して実行依頼されたスペース再利用入出力要求の数。 |
io_failed | ディスク・ドライバーが失敗したスペース再利用入出力要求の数。 |
io_misalign | ディスク・ドライバーが位置のずれを報告したスペース再利用要求の数。 |
Mb_misalign | 位置のずれのためにディスク・ドライバーが失敗したスペース再利用の量 (メガバイト単位)。 |
Mb_resubmit | 再利用ブロックの位置が物理区画ブロックでの位置と合っていなかったために再実行依頼されたスペース再利用の量。 |
num_pp_free | rmlv、rmlvcopy、chfs などの LVM コマンドによって解放された物理区画の数。 |
Kb_blksize | ディスク・ドライバーが位置合わせの目的で報告したスペース再利用ブロック・サイズ。 |
フラグ
項目 | 説明 |
---|---|
-c Count | 指定した行数だけ統計情報を表示します。 |
-C | 指定した論理ボリューム/ボリューム・グループについて、 iocnt、Kb_read、および Kb_wrtn を記録するカウンターがクリアされるようにします。 このフラグを使用して、スペース再利用統計情報をリセットすることもできます。 |
-d | 該当する論理ボリューム/ボリューム・グループについて統計情報収集が使用不可にされることを指定します。 |
-e | 該当する論理ボリューム/ボリューム・グループについて統計情報収集が使用可能にされることを指定します。 |
-F | 統計情報がコロンで区切られて表示されるようにします。 |
-l | リストするスタンザの名前を指定します。 |
-L | スペース再利用統計情報を詳細リスト作成モードで表示します。 |
-r | ボリューム・グループ内のすべての物理ボリュームに関するスペース再利用統計情報を出力します。 |
-s | Interval を使用するときに、後続のレポートでヘッダーを抑制します。 |
-v | 指定する Name がボリューム・グループの名前であることを示します。 |
セキュリティー
lvmstat を使用するには、root ユーザー権限がなければなりません。
例
- ボリューム・グループ datavg (datavg 内のすべての LV が使用可能になっています) について統計情報収集を使用可能にするには、次のコマンドを入力します。
lvmstat -v datavg -e
- 論理ボリューム hd2 のすべての区画のヒストリーを表示するには、次のコマンドを入力します。
lvmstat -l hd2
- ボリューム・グループ uservg の上位 5 つの論理ボリュームのヒストリーを表示するには、次のコマンドを入力します。
lvmstat -v uservg -c 5
- 論理ボリューム ramlv について、2 秒のインターバルで連続的にレポートを表示するには、次のコマンドを入力します。
lvmstat -l ramlv 2
- ボリューム・グループ rootvg について、2 秒のインターバルで 6 回、レポートを表示するには、次のコマンドを入力します。
lvmstat -v rootvg 2 6
- ボリューム・グループ uservg 内のすべての論理グループに関する統計情報のカウンターをリセットするには、次のコマンドを入力します。
lvmstat -v uservg -C
- datalv に関する統計情報の収集を使用不可にするには、次のコマンドを入力します。
lvmstat -l datalv -d
- スペース再利用に関する統計情報を表示するには、次のコマンドを入力します。
lvmstat -v uservg -r
- スペース再利用に関する統計情報を詳細リスト作成モードで表示するには、次のコマンドを入力します。
lvmstat -v uservg -r -L
- スペース再利用に関する統計情報を消去するには、次のコマンドを入力します。
lvmstat -v uservg -r -C
ファイル
項目 | 説明 |
---|---|
/usr/sbin/lvmstat | lvmstat コマンドが入っています。 |