luit コマンド

目的

Unicode 端末のためのロケールおよび ISO 2022 をサポートします。

構文

luit [ options ] [ -- ] [ program [ args ] ]

説明

luit コマンドは、任意のアプリケーションと UTF-8 端末エミュレーターの間で実行するフィルターです。luit コマンドはアプリケーションの出力をロケールのエンコードから UTF-8 に変換し、端末の入力を UTF-8 からロケールのエンコードに変換します。

注: マルチリンガル・アプリケーションは、UTF-8 コードのみを生成するように設定する必要があります。UTF-8 以外の別の出力を使用する場合は、このコマンドを使用しないでください。

luit コマンドは、端末エミュレーターによって透過的に呼び出されます。 コマンド・ラインからの luit コマンドの実行方法については、『例』を参照してください。

オプション

項目 説明
-h ヘルプの要約を表示します。
-list サポートされている文字セットエンコードをリストします。
-v 詳細。
-c 標準入力を標準出力に変換します。
-x 子関数が停止するとすぐに終了します。luit コマンドでこのオプションを使用すると、子関数の出力の最後にあるデータが失われる可能性があります。
-argv0 name argv[0] コマンドと一緒に渡される子の名前を設定します。
-encoding encoding 現在のロケールのエンコード以外のエンコードを luit コマンドが使用することを指定します。
+oss アプリケーションの出力に含まれるシングル・シフトの解釈が行われないようにします。
+ols アプリケーションの出力に含まれるロッキング・シフトの解釈が行われないようにします。
+osl アプリケーションの出力に含まれる文字セット選択シーケンスの解釈が行われないようにします。
+ot すべてのシーケンスの解釈が行われないようにして、アプリケーションの出力のすべてのシーケンスを変更せずにそのまま端末に渡します。
-k7 キーボード入力のために 7 ビット文字を生成します。
+kss キーボード入力のためにシングル・シフトの生成が行われないようにします。
+kssgr キーボード入力のためにシングル・シフトの後に GL コードを使用します。 デフォルトでは、8 ビット・キーボード入力を生成する場合、シングル・シフトの後に GR コードが生成されます。
-kls キーボード入力のためにロッキング・シフト (SO/SI) を生成します。
-gl gn GL の初期割り当てを設定します。引数は、g0g1g2、または g3 のいずれかである必要があります。デフォルト値はロケールによって異なりますが、通常は g0 です。
-gr gk GR の初期割り当てを設定します。デフォルト値はロケールによって異なりますが、通常は EUC ロケール以外では g2 であり、EUC ロケールでは g1 です。
-g0 charset 初期に G0 で選択されている文字セットの値を設定します。デフォルト値はロケールによって異なりますが、通常は ASCII です。
-g1 charset 初期に G1 で選択されている文字セットの値を設定します。デフォルト値はロケールによって異なります。
-g2 charset 初期に G2 で選択されている文字セットの値を設定します。デフォルト値はロケールによって異なります。
-g3 charset 初期に G3 で選択されている文字セットの値を設定します。デフォルト値はロケールによって異なります。
-ilog filename 子から受け取ったすべてのバイトを filename に記録します。
-olog filename 端末エミュレーターに送信されたすべてのバイトを filename に記録します。

  1. XTerm のインスタンスがロケールのエンコードに合わせて動作できるよう、現行バージョンの XTerm は、必要が生じたときに自動的に luit コマンドを呼び出します。 旧リリースの XTerm または別の端末エミュレーターを使用している場合は、以下のようにして luit コマンドを手動で呼び出すことができます。
    $ xterm -u8 -e luit
  2. UTF-8 ロケールで実行している場合でも、UTF-8 をサポートしないリモート・マシンにアクセスする必要が生じたときは、以下のように、luitコマンドによってリモート出力をご使用の端末に合わせて変換することができます。
    $ LC_ALL=fr_FR luit ssh legacy-machine

ファイル

項目 説明
/usr/lib/X11/fonts/encodings/encodings.dir システム全体のエンコード・ディレクトリーが入っています。
/usr/lib/X11/locale/locale.alias ロケールとロケールのエンコードのマッピングを行うファイルが入っています。