lssensor コマンド
目的
Resource Monitoring and Control (RMC) サブシステムに定義されているセンサーおよびマイクロセンサーについての情報を表示します。
構文
lssensor [-m] [ -a | -n host1[,host2…] | -N { node_file "-" } ] [ -l | -t | -d | -D delimiter ] [-x] [-h] [ -v | -V ] [ -A | sensor_name1 [ sensor_name2…] ]
説明
lssensor コマンドは、1 つ以上のセンサーの属性を表示します。 何も name パラメーターを指定しない場合は、lssensor コマンドはすべてのセンサー名をリストします。 すべてのセンサーと、その属性と値をすべてリストするには、-A フラグ を使用します。 マイクロセンサーについての情報を表示するには、-m フラグを使用します。
lssensor コマンドは、センサー・コマンドまたはマイクロセンサー・モジュールを使用して設定できる属性の値を表示します (属性がモニターされている場合)。属性がモニターされていない場合、lssensor は属性の値を表示しません。 センサー・コマンドとは、センサーの属性値を設定および更新するためにセンサー・リソース・マネージャーが実行するコマンドまたはスクリプトです。マイクロセンサー・モジュールとは、マイクロセンサーの属性値を設定および更新するためにマイクロセンサー・リソース・マネージャーが実行するロード可能モジュールです。
出力を長形式、テーブル形式、または区切り文字形式で表示するには、-l、-t、-d、または -D の各フラグを使用します。-x フラグは、上記のフラグのいずれかが使用されている場合に、見出しを省略します。
lssensor コマンドは任意のノード上で実行できます。 ドメイン内のすべてのノードで lssensor が実行されるようにするには、 -a フラグを使用します。 ドメイン内の一部のノードで lssensor が実行されるようにするには、 -n フラグを使用します。 -n フラグを使用して複数のノード名を指定する代わりに、-N node_file フラグを使用して、ノード名がファイルに入っていることを示すことができます。標準入力からノード名を読み取るには、-N "-" を使用します。
システムにクラスター・システム・マネージメント (CSM) がインストールされている場合は、CSM 定義のノード・グループをノード名の値として使用して、複数のノードを参照できます。 CSM ノード・グループの処理と CSM nodegrp コマンドの使用については、 「CSM: Administration Guide」および「CSM: Command and Technical Reference」を参照してください。
フィールド | 説明 |
---|---|
Name | センサーの名前。 |
Command | センサー属性を更新するために実行するコマンド。 |
ConfigChanged | アクセスまたは永続属性に加えられる変更に関する情報。 |
ControlFlags | 特殊な処理がこのセンサーに必要であるかどうかを示します。 |
Description | このフィールドは使用されません。 |
ErrorExitValue | 終了値がセンサー・リソース・マネージャーによってどのように解釈されるかを示します。 |
ErrorMessage | このフィールドは使用されません。 |
ExitValue | 実行中のコマンドからの終了コード。 |
Float32 | このセンサー・リソースに関連した float32 タイプの属性。 |
Float64 | このセンサー・リソースに関連した float64 タイプの属性。 |
Int32 | このセンサー・リソースに関連した int32 タイプの属性。 |
Int64 | このセンサー・リソースに関連した int64 タイプの属性。 |
MonitorStatus | 特定のセンサー属性がモニターされている場合、この属性は 1 に設定されます。 |
NodeNameList | センサー・リソースが定義されているノードの名前。 |
RefreshInterval | センサー・コマンドが実行されているときに、センサー属性値が更新される間隔 (秒単位)。 |
SavedData | センサー・コマンドからの出力ストリング。 |
SD | エレメントとしてのすべての動的リソース属性を含む (ConfigChanged、Quantum、およ び ExitValue を除く)。 |
String | このセンサー・リソースに関連した string タイプの属性。 |
TimeCommandRun | センサー・コマンドが実行された日付および時刻を示します。 |
Uint32 | このセンサー・リソースに関連した uint32 タイプの属性。 |
Uint64 | このセンサー・リソースに関連した uint64 タイプの属性。 |
UserName | センサー・コマンドの実行時に使用されるユーザー ID。 |
フィールド | 説明 |
---|---|
Name | マイクロセンサーの名前。 |
ActivePeerDomain | 情報が表示されている対象のピア・ドメイン。 |
Arguments | このマイクロセンサー・リソースについての引数。 |
ConfigChanged | 永続属性またはアクセス権限に加えられる変更についての情報。 |
CustomDynamicAttributes | このマイクロセンサー・リソースのカスタム動的属性。 |
Description | マイクロセンサーおよびそれがモニターする内容についての情報。 |
Float32 | このマイクロセンサー・リソースの float32 型の属性。 |
Float32Array | このマイクロセンサー・リソースの float32 型のアレイ属性。 |
Float64 | このマイクロセンサー・リソースの float64 型の属性。 |
Float64Array | このマイクロセンサー・リソースの float64 型のアレイ属性。 |
Int32 | このマイクロセンサー・リソースの int32 型の属性。 |
Int32Array | このマイクロセンサー・リソースの int32 型のアレイ属性。 |
Int64 | このマイクロセンサー・リソースの int64 型の属性。 |
Int64Array | このマイクロセンサー・リソースの int64 型のアレイ属性。 |
LastQueryRC | マイクロセンサーが前回マイクロセンサー・リソースの属性を要求されてからマイクロセンサー・モジュールから返された戻りコード。 |
LastQueryTime | LastQueryRC の時刻。 |
ModuleName | ロード可能なマイクロセンサー・モジュールへのパス名。 |
MonitorStatus | 他のマイクロセンサー属性がモニターされている場合、この属性は 1 に設定されます。 |
NodeNameList | このマイクロセンサーが定義されているノードの名前。 |
RefreshInterval | マイクロセンサー・コールバックが呼び出されるときに、マイクロセンサーの属性値が更新される間隔 (秒単位)。 |
String | このマイクロセンサー・リソースの string 型の属性。 |
StringArray | このマイクロセンサー・リソースの string 型のアレイ属性。 |
UInt32 | このマイクロセンサー・リソースの uint32 型の属性。 |
UInt32Array | このマイクロセンサー・リソースの uint32 型のアレイ属性。 |
UInt64 | このマイクロセンサー・リソースの uint64 型の属性。 |
UInt64Array | このマイクロセンサー・リソースの uint64 型のアレイ属性。 |
フラグ
- -a
- ドメイン内のすべてのノードにおける、指定された名前に一致するセンサーをリストします。 CT_MANAGEMENT_SCOPE 環境変数がクラスター有効範囲を決定します。 CT_MANAGEMENT_SCOPE が設定されていない場合は、まず管理ドメインの有効範囲が選択され (存在する場合)、次にピア・ドメインの有効範囲が選択され (存在する場合)、次にローカル有効範囲が選択され、というように、このコマンドに対して有効範囲が有効となるまで選択が行われます。コマンドは、最初に見つかった有効な有効範囲に対して 1 回実行されます。 例えば、管理ドメインとピア・ドメインが両方とも存在する場合、CT_MANAGEMENT_SCOPE が設定されていなければ、lssensor -a は管理ドメインで実行されます。 この場合、ピア・ドメインで実行するには、CT_MANAGEMENT_SCOPE を 2 に設定します。
- -A
- すべてのセンサー、およびその属性と値を表示します。
- -d
- 区切り文字フォーマットの出力を指定します。デフォルトの区切り文字はコロン (:) です。デフォルトの区切り文字を変更したい場合は、-D フラグを使用します。
- -D delimiter
- 指定された区切り文字を使用する、区切り文字フォーマットの出力を指定します。 このフラグを使用して、 デフォルトのコロン (:) 以外の区切り文字を指定します。例えば、表示するデータにコロンが含まれる場合に使用します。 このフラグを使用して、1 文字以上の区切り文字を指定します。
- -l
- 情報が「長」形式で表示されるように指定します。各属性は、それぞれ別の行に表示されます。
- -m
- マイクロセンサーについての情報が表示されるように指定します。
- -n host1[,host2…]
- どのノードからセンサーをリストするかを指定します。 デフォルトでは、センサーはローカル・ノードからリストされます。 このフラグは、管理ドメインまたはピア・ドメインでのみ使用します。
- -N {node_file | "-"}
- ファイルまたは標準入力からノード名を読み取ることを指定します。
ノード名がファイルにあることを示すには、-N node_file を使用します。
- node_file ファイルでは、1 行につき 1 つのノード名を指定します。
- 1 桁目に番号記号 (#) を付けると、その行がコメントであることを示すことができます。
- ノード名の左のブランク文字はすべて無視されます。
- ノード名の右のブランク文字はすべて無視されます。
- -t
- テーブル形式を指定します。 各属性は、別個の列に、1 行につき 1 つのセンサー・リソースが表示されます。
- -x
- -l、-t、-d、または -D が指定されると、ヘッダー印刷は抑止されます。
- -h
- コマンドの使用方法の文を標準出力に書き込みます。
- -v │ -V
- コマンドの詳細メッセージを標準出力に書き込みます。
パラメーター
- sensor_name1 [sensor_name2…]
- 表示する対象のセンサーの名前を 1 つ以上指定します。
セキュリティー
このコマンドを使用してセンサー情報を表示するには、IBM®.Sensor リソース・クラスの読み取り許可が必要です。このコマンドを使用してマイクロセンサー情報を表示するには、IBM.MicroSensor リソース・クラスの読み取り許可が必要です。権限は、接続先システム上のアクセス制御リスト (ACL) ファイルで指定されています。 ACL ファイルおよびその変更方法について詳しくは、「Administering RSCT」ガイドを参照してください。
終了状況
- 0
- コマンドは正常に実行されました
- 1
- フラグとパラメーターの間違った組み合わせが入力されました。
- 6
- センサー・リソースが見つかりません。
- n
- RMC サブシステムによって戻される他のエラーに基づいています。
環境変数
- CT_CONTACT
- CT_CONTACT 環境変数がホスト名または IP アドレスに設定されていると、 このコマンドは指定されたホスト上の Resource Monitoring and Control (RMC) デーモンと連絡を取ります。 この環境変数が設定されていないと、このコマンドは、 コマンドが実行されているローカル・システム上の RMC デーモンと連絡を取ります。 コマンドによって表示または変更されるリソース・クラスやリソースは、 接続の確立先であるシステム上にあります。
- CT_IP_AUTHENT
- CT_IP_AUTHENT 環境変数が存在する場合は、RMC デーモンは、IP ベース・ネットワーク認証を使用して、CT_CONTACT 環境変数が設定されている IP アドレスで指定されるシステム上の RMC デーモンと連絡を取ります。 CT_IP_AUTHENT が意味をもつのは、CT_CONTACT が IP アドレスに設定されている場合のみです。つまり、この環境変数はドメイン・ネーム・システム (DNS) サービスには依存しません。
- CT_MANAGEMENT_SCOPE
- リソースおよびリソース・クラスをモニターおよび制御するために RMC デーモンとのセッション
に使用される管理有効範囲を決定します。
管理有効範囲は、リソースおよびリソース・クラスをモニターおよび制御可能な候補となり得るターゲット・ノードのセットを決定します。
有効な値は、次のとおりです。
- 0
- Local 有効範囲を指定します。
- 1
- Local 有効範囲を指定します。
- 2
- ピア・ドメイン 有効範囲を指定します。
- 3
- 管理ドメイン 有効範囲を指定します。
実装上の固有な条件
このコマンドは、AIX® 用の 高信頼性スケーラブル・クラスター・テクノロジー (RSCT) (Reliable Scalable Cluster Technology (RSCT)) ファイルセットに含まれます。
例
- すべてのセンサーの名前をリストするには、次のように入力します。
出力は次のようになります。lssensor
sensor1 sensor2 sensor3
- すべてのセンサーの名前と属性をリストするには、次のように入力します。
出力は次のようになります。lssensor -A
Name = sensor1 ActivePeerDomain = Command = /usr/local/bin/sensorcmd1 ConfigChanged = 0 ControlFlags = 1 Description = ErrorExitValue = 1 ExitValue = 0 Float32 = 1.06381e+06 Float64 = 1.06381e+06 Int32 = 1063814 Int64 = 1063814 NodeNameList = {somenode.pok.ibm.com} RefreshInterval = 60 SavedData = Last SavedData SD = [string from sensor1,1063814,1063814,1063814,1063814,1.06381e+06,1.06381e+06] String = string from sensor1 Uint32 = 1063814 Uint64 = 1063814 UserName = root ------------------- Name = CFMRootModTime ActivePeerDomain = Command = /opt/csm/csmbin/mtime/cfmroot ConfigChanged = 0 ControlFlags = 0 Description = ErrorExitValue = 1 ExitValue = 0 Float32 = 0 Float64 = 0 Int32 = 0 Int64 = 0 NodeNameList = {somenode.pok.ibm.com} RefreshInterval = 60 SavedData = SD = [,0,0,0,0,0,0] String = Uint32 = 0 Uint64 = 0 UserName = root ------------------- Name = ErrorLogSensor ActivePeerDomain = Command = /opt/csm/csmbin/monerrorlog ConfigChanged = 0 ControlFlags = 0 Description = ErrorExitValue = 1 ExitValue = 0 Float32 = 0 Float64 = 0 Int32 = 0 Int64 = 0 NodeNameList = {somenode.pok.ibm.com} RefreshInterval = 60 SavedData = SD = [,0,0,0,0,0,0] String = Uint32 = 0 Uint64 = 0 UserName = root ------------------- . . .
- sensor2 の属性をリストするには、次のように入力します。
出力は次のようになります。lssensor sensor2
Name = sensor2 Command = /usr/local/bin/sensorcmd2 ConfigChanged = 0 ControlFlags = 0 Description = ErrorExitValue = 1 ExitValue = 127 Float32 = 0 Float64 = 0 Int32 = 0 Int64 = 0 NodeNameList = {somenode.pok.ibm.com} RefreshInterval = 60 SavedData = SD = [,0,0,0,0,0,0] String = Uint32 = 0 Uint64 = 0 UserName = root
- 区切り文字で区切られた出力を使用してセンサーの情報をすべてリストするには、次のように入力します。
出力は次のようになります。lssensor -dA
センサー情報を表示中: Name:ActivePeerDomain:Command:ConfigChanged:ControlFlags:Description:ErrorExitValue:ErrorMessage:ExitValue: Float32:Float64:Int32:Int64:MonitorStatus:NodeNameList:RefreshInterval:SD:SavedData: String:TimeCommandRun:Uint32:Uint64:UserName: JoeExample:JoeDomain:cat /etc/motd:0:0::1::0: ::::0:{node1.myhost.com}:60:[,0,0,0,0,0,0]:: :Fri Feb 6 19:00:00 2009:::root: JoeSample:JoeDomain:/opt/rsct/install/bin/ctversion:0:0::1::0: ::::0:{node1.myhost.com}:60:[,0,0,0,0,0,0]:: :Fri Feb 6 19:00:00 2009:::root: JoeSens:JoeDomain:/tmp/sensor/numusers:0:1::1::0: ::::0:{node1.myhost.com}:0:[,2,0,0,0,0,0]:: :Tue Mar 3 10:27:19 2009:::root:
- /u/joe/common_nodes ファイルにリストされているノード上のすべてのセンサーの名前をリストするには、次のように入力します。
ここで、/u/joe/common_nodes には、以下が含まれます。lssensor -N /u/joe/common_nodes
出力は次のようになります。# common node file # node1.myhost.com main node node2.myhost.com backup node
sensor1 sensor2 sensor3
- すべてのマイクロセンサーの名前をリストするには、次のように入力します。
出力は次のようになります。lssensor -m
IBM.MSensor1 IBM.MSensor2 IBM.MSensor3
- マイクロセンサー IBM.MSensor2 の属性をリストするには、次のように入力します。
出力は次のようになります。lssensor -m IBM.MSensor2
Name = IBM.MSensor2 ActivePeerDomain = Arguments = all ConfigChanged = 0 CustomDynamicAttributes = {[CDA1,19,1,3,0,1],[CDA2,20,2,2,0,1],[CDA3,21,3,2,0,1] Description = Float32 = Float32Array = Float64 = Float64Array = Int32 = 52 Int32Array = {36, 45, 2, 73} Int64 = Int64Array = LastQueryRC = 0 LastQueryTime = Tue Mar 31 18:00:00 2009 ModuleName = /usr/slib/msensors/sensor2 MonitorStatus = 0 NodeNameList = {node2.gumby.com} RefreshInterval = 600 String = StringArray = UInt32 = UInt32Array = UInt64 = UInt64Array =
Location
- /opt/rsct/bin/lssensor