lsrsrc コマンド
目的
リソースまたはリソース・クラスの属性および値を表示します。
構文
リソース
の属性と値を表示するには、以下のようにします。lsrsrc [-s "selection_string"] [ -a │ -N { node_file │ "-" } ] [ -A p │ d │ b ] [-p property] [ -l │ -i │ -t │ -d │ -D delimiter ] [-x] [-h] [-TV] [resource_class] [attr…]
lsrsrc -r [-s "selection_string"] [ -a │ -N { node_file │ "-" } ] [ -l │ -i │ -t │ -d │ -D delimiter ] [-x] [-h] [-TV] [resource_class]
リソース・クラス
の属性と値を表示するには、以下のようにします。lsrsrc -c [ -A p │ d │ b ] [-p property] [ -l │ -i │ -t │ -d │ -D delimiter ] [-x] [-a] [-h] [-TV] resource_class [attr…]
lsrsrc -C domain_name… [ -A p │ d │ b ] [-p property] [ -l │ -i │ -t │ -d │ -D delimiter ] [-x] [-h] [-TV] resource_class [attr…]
すべてのリソース・クラスのリストを表示するには、以下のようにします。
lsrsrc
説明
lsrsrc コマンドは、リソース・クラスまたはリソースに関する永続および動的属性と、それらの値を表示します。
selection_string に複数のノード名を指定する代わりに、-N node_file フラグを使用して、ノード名がファイル内にあることを指示することができます。標準入力からノード名を読み取るには、-N "-" を使用します。
- -A p | d | b フラグは、永続属性と動的属性のどちらを表示するか 、またはその両方を表示するかを制御します (それらの値も表示されます)。
- public と定義された属性だけが表示されます。 このデフォルトをオーバーライドするには、-p フラグを使用します。
最良のパフォーマンスを得るために、パラメーターとして -A p フラグ、または永続属性のみのいずれかを指定してください。
指定されたリソース・クラスのリソースに関連したリンクしたリソース・ハンドルのみを表示するには、 -r フラグを指定します。
リソース・クラスの属性と値のリストを表示するには、-c フラグを指定します。
デフォルトでは、リソース属性と値は 長形式で表示されます。 リソースを表形式、または区切り文字形式の出力で表示するには、-t、-d、または -D フラグを使用します。
システムにクラスター・システム・マネージメント (CSM) がインストールされている場合は、CSM 定義のノード・グループをノード名の値として使用して、複数のノードを参照できます。 CSM ノード・グループの処理と CSM nodegrp コマンドの使用については、 「CSM: Administration Guide」および「CSM: Command and Technical Reference」を参照してください。
lsrsrc コマンドは、ct_none として定義されたデータ・タイプ (例えば、Quantum) を含む属性はリストしません。RMC は、Quantum として定義された属性の属性値を返しません。 属性定義をリストするには、 lsrsrcdef コマンドを使用します。
フラグ
- -a
- このコマンドをクラスター内のすべてのノードに適用することを指定します。クラスター有効範囲は、 CT_MANAGEMENT_SCOPE 環境変数によって決定されます。 この環境変数が設定されていない場合、 コマンドにとって有効な有効範囲になるまで、 最初に管理ドメイン有効範囲 (存在する場合) を選択し、 次にピア・ドメイン有効範囲 (存在する場合) を選択し、 さらにローカル有効範囲を選択します。 コマンドは、最初に見つかった有効な有効範囲に対して 1 回実行されます。 例えば、管理ドメインとピア・ドメインが両方とも存在しており、CT_MANAGEMENT_SCOPE が 設定されていない場合に lsrsrc -a を実行すると、管理ドメインがリストされます。 この場合、ピア・ドメインをリストするには、CT_MANAGEMENT_SCOPE を 2 に設定します。
- -A p | d | b
- 属性タイプを指定します。 デフォルトでは、永続属性のみが表示されます。 このフラグは、コマンド・ラインで属性名を
指定しない場合にのみ使用できます。
- p
- 永続属性のみを表示します。
- d
- 動的属性のみを表示します。
- b
- 永続属性と動的属性の両方を表示します。
- -c
- リソース・クラスの属性を表示します。 このフラグを設定すると、-r フラグが無効になります。
- -C domain_name…
- 管理サーバーで定義されている 1 つ以上の RSCT ピア・ドメインのグローバル・リソース・クラスのクラス属性を表示します。 グローバル・クラスは、ドメインに関する情報が入っているリソース・クラスのピア・ドメインおよび管理ドメインで使用されます。 管理サーバーで定義されているすべてのピア・ドメインのグローバル・リソース・クラスのクラス属性を表示するには、 -C ではなく -a フラグを指定した -c フラグを使用します。 このコマンドは、属性 ActivePeerDomain の形式でピア・ドメインの名前を戻します。これは実際の属性ではなく、どのピア・ドメインが表示されるかを示すためのものとして表示されます。
- -d
- 区切り文字フォーマットの出力を指定します。デフォルトの区切り文字はコロン (:) です。デフォルトの区切り文字を変更したい場合は、-D フラグを使用します。
- -D delimiter
- 指定された区切り文字を使用する、区切り文字フォーマットの出力を指定します。 このフラグを使用して、 デフォルトのコロン (:) 以外の区切り文字を指定します。例えば、表示するデータにコロンが含まれる場合に使用します。 このフラグを使用して、1 文字以上の区切り文字を指定します。
- -i
- 必要な編集を行った後、mkrsrc コマンドの入力として使用できる resource_data_input_file のテンプレートを生成します。 出力は長い (スタンザ) フォーマットで表示されます。リソースの定義に使用できるすべての必須およびオプションの属性が表示されます。 属性のデータ・タイプは、attr=value ペアとなった値として表示されます。 このフラグ使用時は、lsrsrc コマンド出力をファイルに割り当てる ようにしてください。このフラグを設定すると、-s および -A d フラグが無効になります。
- -l
- 長形式の出力を指定します。各属性は、それぞれ別の行に表示されます。 これは、デフォルトの表示フォーマットです。 -l フラグを指定し、リソース・クラス名を無指定で lsrsrc コマンドを発行すると、コマンドが定義されたリソース・クラス名のリストを戻す 際に -l フラグは無視されます。
- -N { node_file | "-" }
- ファイルまたは標準入力からノード名を読み取ることを指定します。
ノード名がファイルにあることを示すには、-N node_file を使用します。
- node_file ファイルでは、1 行につき 1 つのノード名を指定します。
- 1 桁目に番号記号 (#) を付けると、その行がコメントであることを示すことができます。
- ノード名の左のブランク文字はすべて無視されます。
- ノード名の右のブランク文字はすべて無視されます。
CT_MANAGEMENT_SCOPE 環境変数は、クラスターの有効範囲を決定します。CT_MANAGEMENT_SCOPE が設定されていない場合は、まず管理ドメイン有効範囲が選択され (管理ドメインが存在する場合)、 次にピア・ドメイン有効範囲が選択され (ピア・ドメインが存在する場合)、その後でローカル有効範囲が選択されます。 このような選択は、コマンドに対して有効範囲が有効になるまで行われます。 最初に見つかった有効な有効範囲に対して、このコマンドが 1 回実行されます。 例えば、管理ドメインとピア・ドメインの両方が存在し、かつ CT_MANAGEMENT_SCOPE が設定されていない場合、 このコマンドは管理ドメインに適用されます。 このコマンドをピア・ドメインに適用したい場合は、CT_MANAGEMENT_SCOPE を 2 に設定してください。
- -p property
- 指定された property を持つ属性を表示します。 デフォルトでは、共用属性のみが表示されます。
その属性に関係なく全属性を表示するには、-p
0 フラグを使用します。コマンド・ラインで属性が無指定の場合、このフラグを
-A フラグと共に使用します。
永続属性:
- 0x0001
- read_only
- 0x0002
- reqd_for_define (必須)
- 0x0004
- inval_for_define (無効)
- 0x0008
- option_for_define (オプション)
- 0x0010
- selectable
- 0x0020
- public
動的属性:- 0x0020
- public
属性に 10 進値または 16 進値を指定することができます。 1 つ以上の属性を持つすべての属性に対して、各属性とその値を表示 するには、対象となる属性と一緒に「OR」演算してから、「OR」演算された 値を -p フラグと共に指定します。 例えば、reqd_for_define または option_for_define のいずれか であるすべての永続属性の属性および属性値を表示するには、次のように入力します。lsrsrc -p 0x0a
- -r
- 指定された選択文字列に一致するリソース、または選択文字列が指定されない場合にはすべてのリソースのリソース・ハンドルを表示します。
- -s "selection_string"
- 選択文字列を指定します。すべての選択文字列は二重引用符または単一引用符のいずれかで囲む必要があります。 選択文字列に二重引用符が含まれている場合、選択文字列全体を単一引用符で囲みます。
例:
-s 'Name == "testing"'
-s 'Name ?= "test"'
選択文字列中には、永続属性のみがリストされます。選択文字列を指定する方法については、「RSCT: Administration Guide」を参照してください。
- -t
- テーブル形式を指定します。 各属性は、それぞれの列に、1 行に 1 リソースごとに表示されます。
- -x
- ヘッダー印刷を抑制します。
- -h
- コマンドの使用方法の文を標準出力に書き込みます。
- -T
- コマンドのトレース・メッセージを標準エラーに書き込みます。これは、ソフトウェア保守部門専用の機能です。
- -V
- コマンドの詳細メッセージを標準出力に書き込みます。
パラメーター
- resource_class
- 表示したいリソースがあるリソース・クラスの名前を指定します。
- attr…
- 1 つ以上の属性名を指定します。 永続および動的 属性の両方の名前を指定して 表示される属性とその順序を制御できます。0 個以上 の属性を指定できます。 属性はスペースで区切る必要があります。
セキュリティー
lsrsrc を実行するには、lsrsrc で指定されている resource_class の読み取り権限が必要です。 権限は、接続先システム上のアクセス制御リスト (ACL) ファイルで指定されています。 ACL ファイルとその変更方法については、「RSCT: Administration Guide」を参照してください。
終了状況
- 0
- コマンドは正常に実行されました
- 1
- RMC でエラーが発生しました。
- 2
- コマンド・ライン・インターフェース (CLI) スクリプトでエラーが発生しました。
- 3
- コマンド・ラインに間違ったフラグが指定されました。
- 4
- コマンド・ラインに間違ったパラメーターが指定されました。
- 5
- コマンド・ラインの入力に誤りがあるため、RMC でエラーが発生しました。
環境変数
- CT_CONTACT
- CT_CONTACT 環境変数がホスト名または IP アドレスに設定されていると、 このコマンドは指定されたホスト上の Resource Monitoring and Control (RMC) デーモンと連絡を取ります。 環境変数が設定されていない場合、このコマンドは、コマンドが実行されているローカル・システムの RMC デーモンと連絡を取ります。 コマンドによって表示または変更されるリソース・クラスやリソースは、 接続の確立先であるシステム上にあります。
- CT_IP_AUTHENT
- CT_IP_AUTHENT 環境変数が存在する場合は、RMC デーモンは、IP ベース・ネットワーク認証を使用して、CT_CONTACT 環境変数が設定されている IP アドレスで指定されるシステム上の RMC デーモンと連絡を取ります。 CT_IP_AUTHENT が意味をもつのは、CT_CONTACT が IP アドレスに設定されている場合のみです。つまり、この環境変数はドメイン・ネーム・システム (DNS) サービスには依存しません。
- CT_MANAGEMENT_SCOPE
- リソースおよびリソース・クラスをモニターおよび制御するために RMC デーモンとのセッション
に使用される管理有効範囲を決定します。
管理有効範囲は、リソースおよびリソース・クラスをモニターおよび制御可能な候補となり得るターゲット・ノードのセットを決定します。
有効な値は、次のとおりです。
- 0
- Local 有効範囲を指定します。
- 1
- Local 有効範囲を指定します。
- 2
- ピア・ドメイン 有効範囲を指定します。
- 3
- 管理ドメイン 有効範囲を指定します。
この環境変数が設定されていない 場合は、Local 有効範囲が使用されます。
実装上の固有な条件
このコマンドは、AIX® 用の 高信頼性スケーラブル・クラスター・テクノロジー (RSCT) (Reliable Scalable Cluster Technology (RSCT)) ファイルセットに含まれます。
標準出力
-h フラグが指定されている場合は、このコマンドの使用方法の説明文が標準出力に書き込まれます。 詳細メッセージはすべて、標準出力に書き込まれます。
標準エラー
トレース・メッセージはすべて、標準エラーに書き込まれます。
例
- すべてのリソース・クラスの名前をリストするには、次のように入力します。
出力は次のようになります。lsrsrc
class_name "IBM.Association" "IBM.Condition" 'IBM.EventResponse" "IBM.Host" "IBM.Ethernet" "IBM.TokenRing" ...
- 4 つのプロセッサーを持つリソース IBM®.Host の永続属性をリストするには、次のように入力します。
出力は次のようになります。lsrsrc -s "NumProcessors == 4" -A p -p 0 IBM.Host
Resource Persistent Attributes for: IBM.Host resource 1: Name = "c175n05.ppd.pok.ibm.com" ResourceHandle = "0x4008 0x0001 0x00000000 0x0069684c 0x0d7f55d5 0x0c32fde3" Variety = 1 NodeList = {1} NumProcessors = 4 RealMemSize = 1073696768
- ノード 1 上のリソース IBM.Host の共用 (public) 動的属性をリストするには、次のように入力します。
出力は次のようになります。lsrsrc -s 'Name == "c175n05.ppd.pok.ibm.com"' -A d IBM.Host
Resource Dynamic Attributes for: IBM.Host resource 1: ProcRunQueue = 1.03347987093142 ProcSwapQueue = 1.00548852941929 TotalPgSpSize = 65536 TotalPgSpFree = 65131 PctTotalPgSpUsed = 0.61798095703125 PctTotalPgSpFree = 99.3820190429688 PctTotalTimeIdle = 0 PctTotalTimeWait = 51.5244382399734 PctTotalTimeUser = 12.8246006482343 PctTotalTimeKernel = 35.6509611117922 PctRealMemFree = 66 PctRealMemPinned = 4 RealMemFramesFree = 173361 VMPgInRate = 0 VMPgOutRate = 0 VMPgFaultRate = 0 ...
- すべてのオンライン・ノード上の IBM.Processor リソースの Name、Variety、および ProcessorType 属性をリストするには、次のように入力します。
出力は次のようになります。lsrsrc IBM.Processor Name Variety ProcessorType
Resource Persistent Attributes for: IBM.Processor resource 1: Name = "proc3" Variety = 1 ProcessorType = "PowerPC_604" resource 2: Name = "proc2" Variety = 1 ProcessorType = "PowerPC_604" resource 3: Name = "proc1" Variety = 1 ProcessorType = "PowerPC_604" resource 4: Name = "proc0" Variety = 1 ProcessorType = "PowerPC_604"
- リソース・クラス IBM.Condition の永続属性と動的属性の両方をリストするには、次のように入力します。
出力は次のようになります。lsrsrc -c -A b -p 0 IBM.Condition
Resource Class Persistent and Dynamic Attributes for: IBM.Condition resource 1: ResourceType = 0 Variety = 0
- /tmp/common/node_file ファイルを使用して 4 つ以上のプロセッサーをもつクラスター内のノードをリストする場合:
さらに次のように入力します。# common node file # node1.ibm.com main node node2.ibm.com main node node4.ibm.com backup node node6.ibm.com backup node #
出力は次のようになります。lsrsrc -s "NumProcessors >= 4" -N /tmp/common/node_file -t IBM.Host ¥ Name NumProcessors
Resource Persistent Attributes for IBM.Host Name NumProcessors "node1.ibm.com" 4 "node2.ibm.com" 4
Location
- /opt/rsct/bin/lsrsrc