lsresponse コマンド

目的

1 つ以上の応答に関する情報をリストします。

構文

lsresponse [-a] [ -C-l-t-d-D delimiter ] [-A] [-q] [-U] [-x ] [ -b ] [-h] [-TV] [response1[,response2,...] :node_name]

説明

lsresponse コマンドは、定義済み応答について次の情報をリストします。
フィールド 説明
ResponseName 応答の名前。
Node 応答のロケーション。
Action アクションの名前。
DaysOfWeek

アクションを実行できる曜日。 DaysOfWeek および TimeOfDay の両方を使用して、アクションを実行できる間隔を定義します。

曜日の値は正符号 (+) で区切るか、またはハイフン (-) で区切って曜日の範囲と して表示することができます。複数の DaysOfWeek 値を使用する場合は、コンマ (,) で区切ります。DaysOfWeek 値の数は、TimeOfDay 値の数と一致している必要があります。各曜日の値は次のとおりです。

1
日曜日
2
月曜日
3
火曜日
4
水曜日
5
木曜日
6
金曜日
7
土曜日
TimeOfDay

Action を実行できる時間範囲。範囲は開始時刻とそれに続く終了時刻から成り、ハイフンで区切ります。 DaysOfWeek および TimeOfDay の両方を使用して、アクションを実行できる間隔を定義します。

時刻は 24 時間形式 (HHMM) で、最初の 2 桁は時を、最後の 2 桁は分を表します。複数の TimeOfDay 値を使用する場合は、コンマ (,) で区切ります。DaysOfWeek 値の数は、TimeOfDay 値の数と一致している必要があります。

ActionScript アクションで実行されるスクリプトまたはコマンド。
ReturnCode ActionScript の予期される戻りコード。
CheckReturnCode ActionScript の実際の戻りコードが予期される戻りコードと比較されるかどうかを示します。値は、y (yes) および n (no) です。
EventType 実行するように定義されたアクションを起動するイベントの種類。イベント、リアーム・イベント、または両方です。
StandardOut 標準出力を監査ログに送信するかどうかを示します。値は、y (yes) および n (no) です。
EnvironmentVars アクションが実行される前に設定される環境変数を示します。
UndefRes モニター対象リソースが未定義になった場合に、アクションを実行するかどうかを示します。 値は、y (yes) および n (no) です。
Locked リソースがロックされるかアンロックされるかを示します。
EventBatching 応答アクションがイベント・バッチ処理をサポートしているかどうかを示します。

すべての応答名のリストを表示するには、応答名を指定せずに lsresponse コマンドのみを 実行します。すべての応答名のリストが返されます。 この場合のデフォルトの形式は表形式です。

応答名の後にノード名を指定すると、そのノードに定義されている応答だけが表示されます。 あるノードの応答をすべてリストするには、コロン (:) の後にノード名を指定します。 このノード名は、CT_MANAGEMENT_SCOPE 環境変数によって決められている管理有効範囲内のノードです。管理有効範囲は、応答をリストするノードのリストを決定します。 Local 有効範囲の場合には、ローカル・ノードの応答のみがリストされます。 それ以外の場合には、ドメイン内のすべてのノードの応答がリストされます。

すべての応答名についての全情報を表示するには、lsresponse コマンド と共に -A フラグを指定します。応答名が指定されていない場合は、-A フラグを 指定すると、応答に関する全情報がリストされます。すべての応答に関するすべての情報が表示される場合には、長形式がデフォルト・フォーマットです。

複数の応答を指定した場合、応答情報はその応答が入力された順序でリストされます。

システムにクラスター・システム・マネージメント (CSM) がインストールされている場合は、CSM 定義のノード・グループをノード名の値として使用して、複数のノードを参照できます。 CSM ノード・グループの処理と CSM nodegrp コマンドの使用については、 「CSM: Administration Guide」および「CSM: Command and Technical Reference」を参照してください。

フラグ

-a
このコマンドをクラスター内のすべてのノードに適用することを指定します。クラスター有効範囲は、 CT_MANAGEMENT_SCOPE 環境変数によって決定されます。 この環境変数が設定されていない場合、 コマンドにとって有効な有効範囲になるまで、 最初に管理ドメイン有効範囲 (存在する場合) を選択し、 次にピア・ドメイン有効範囲 (存在する場合) を選択し、 さらにローカル有効範囲を選択します。 コマンドは、最初に見つかった有効な有効範囲に対して 1 回実行されます。 例えば、管理ドメインとピア・ドメインが両方とも存在しており、CT_MANAGEMENT_SCOPE が 設定されていない場合に lsresponse -a を実行すると、管理ドメインがリストされます。この場合、ピア・ドメインをリストするには、CT_MANAGEMENT_SCOPE を 2 に設定します。
-A
応答のすべての属性を表示します。
-b
イベント・バッチ処理をサポートする応答のみを表示します。
-C
応答とそのアクションの 1 つを作成するために使用できる mkresponse コマンドを表示します。 複数の応答を指定した場合、それぞれの mkresponse コマンドが別々の行に表示されます。 このフラグは、応答が指定されていない場合には無視されます。このフラグを設定すると、-l フラグが無効になります。
-d
区切り文字フォーマットの出力を指定します。デフォルトの区切り文字はコロン (:) です。デフォルトの区切り文字を変更したい場合には、-D フラグを使用します。
-D delimiter
指定された区切り文字を使用する、区切り文字フォーマットの出力を指定します。 このフラグを使用して、 デフォルトのコロン (:) 以外の区切り文字を指定します。例えば、表示対象のデータに コロンが含まれる場合、このフラグを使用してコロン以外の 1 文字以上の区切り文字を指定します。
-l
応答情報を別々の行に表示します (長形式)。
-q
response が存在しない場合にはエラーを返しません。
-t
応答情報を別々の列に表示します (テーブル形式)。
-U
リソースがロックされるかどうかを指定します。
-x
ヘッダー印刷を抑制します。
-h
コマンドの使用方法の文を標準出力に書き込みます。
-T
コマンドのトレース・メッセージを標準エラーに書き込みます。これは、ソフトウェア保守部門専用の機能です。
-V
コマンドの詳細メッセージを標準出力に書き込みます。

パラメーター

response1[,response2,...]
このパラメーターには、応答名または応答名を示すサブストリングを指定できます。 複数の応答名を指定できます。サブストリングである場合には、そのサブストリングが含まれている 定義済みの応答名がリストされます。
node_name
応答が定義されているノードを指定します。node_name が指定されない場合は、ローカル・ノードが使用されます。node_name は、CT_MANAGEMENT_SCOPE 環境変数によって決定される有効範囲内のノードです。

セキュリティー

lsresponse を実行するには、IBM.EventResponse リソース・クラスの読み取り権限が必要です。 権限は、接続先システム上のアクセス制御リスト (ACL) ファイルで指定されています。 ACL ファイルおよびその変更方法について詳しくは、「Administering RSCT」ガイドを参照してください。

終了状況

0
コマンドは正常に実行されました。
1
RMC でエラーが発生しました。
2
コマンド・ライン・インターフェース・スクリプトでエラーが発生しました。
3
コマンド・ラインに間違ったフラグが入力されました。
4
コマンド・ラインに間違ったパラメーターが入力されました。
5
コマンド・ライン入力の間違いが原因のエラーが発生しました。

環境変数

CT_CONTACT
Resource Monitoring and Control (RMC) デーモンとのセッションが発生するシステムを決定します。 CT_CONTACT にホスト名または IP アドレスが設定されていると、このコマンドは指定されたホスト上の RMC デーモンと連絡を取ります。CT_CONTACT が設定されていない場合、このコマンドは、コマンドが実行されているローカル・システムの RMC デーモンと連絡を取ります。RMC デーモン・セッションのターゲットおよび管理有効範囲によって、 処理されるリソース・クラスまたはリソースが決定されます。
CT_IP_AUTHENT
CT_IP_AUTHENT 環境変数が存在する場合は、RMC デーモンは、IP ベース・ネットワーク認証を使用して、CT_CONTACT 環境変数が設定されている IP アドレスで指定されるシステム上の RMC デーモンと連絡を取ります。 CT_IP_AUTHENT が意味をもつのは、CT_CONTACT が IP アドレスに設定されている場合のみです。つまり、この環境変数はドメイン・ネーム・システム (DNS) サービスには依存しません。
CT_MANAGEMENT_SCOPE
イベント応答リソース・マネージャー (ERRM) のリソースの処理において、RMC デーモンとのセッションに使用される管理有効範囲を決定します。管理有効範囲は、そのリソースを処理可能な候補となり得るターゲット・ノードのセットを決定します。有効な値は、次のとおりです。
0
Local 有効範囲を指定します。
1
Local 有効範囲を指定します。
2
ピア・ドメイン 有効範囲を指定します。
3
管理ドメイン 有効範囲を指定します。

この環境変数が設定されていない 場合は、Local 有効範囲が使用されます。

実装上の固有な条件

このコマンドは、AIX® 用の 高信頼性スケーラブル・クラスター・テクノロジー (RSCT) (Reliable Scalable Cluster Technology (RSCT)) ファイルセットに含まれます。

標準出力

-h フラグが指定されている場合は、このコマンドの使用方法の説明文が標準出力に書き込まれます。 詳細メッセージはすべて、標準出力に書き込まれます。

標準エラー

トレース・メッセージはすべて、標準エラーに書き込まれます。

  1. すべての応答をリストするには、次のコマンドを実行します。
    lsresponse 
    出力は次のようになります。
    ResponseName
    "E-mail root anytime"
    "E-mail root first shift"
    "Critical notifications"  
    "Generate SNMP trap" 
    
  2. どのリソースがロックされるかを表示するには、次のコマンドを実行します。
    lsresponse -U
    出力は次のようになります。
    ResponseName                   Node      Locked 
    "Broadcast event on-shift"     "nodeA"   "No"   
    "E-mail root off-shift"        "nodeA"   "No"  
    "E-mail root anytime"          "nodeA"   "No"  
    "Log event anytime"            "nodeA"   "No"
    "Informational notifications"  "nodeA"   "No"
    "Warning notifications"        "nodeA"   "No"  
    "Critical notifications"       "nodeA"   "No"
    "Generate SNMP trap"           "nodeA"   "No"
  3. 応答「Critical notifications」に関する一般情報をリストするには、次のコマンドを実行します。
    lsresponse "Critical notifications"
    出力は次のようになります。
    ResponseName     = "Critical notifications"
    Node             = "nodeA"
    Action           = "Log Critical Event"
    DaysOfWeek       = 1+2+7
    TimeOfDay        = 0000-2400
    ActionScript     = "/opt/rsct/bin/logevent /tmp/criticalEvents"                                       
    ReturnCode       = 0
    CheckReturnCode  = "y"
    EventType        = "b"
    StandardOut      = "y"
    EnvironmentVars  = '"Env1=5","Env=10"'
    UndefRes         = "n"
    
    ResponseName     = "Critical notifications"
    Node             = "nodeA"
    Action           = "E-mail root"
    DaysOfWeek       = 6+2,6+2,6+5
    TimeOfDay        = 1700-2400,0000-0800,0000-2400
    ActionScript     = "/opt/rsct/bin/notifyevent root"
    ReturnCode       = 0
    CheckReturnCode  = "y"
    EventType        = "b"
    StandardOut      = "y"
    EnvironmentVars  = ""
    UndefRes         = "n"
    
    
  4. 応答「Critical notifications」を作成するコマンドを、そのアクションの 1 つと共に表示するには、次のコマンドを実行します。
    lsresponse -C "Critical notifications"
    出力は次のようになります。
    mkresponse -n "Log Critical Event" -d 1+2+7 -t 0000-2400 ¥
    -s "usr/sbin/rsct/bin/logevent /tmp/criticalEvents"  ¥
    -e b -r 0 "Critical notifications"
  5. 文字列 E-mail が名前に含まれているすべての応答をリストするには、次のコマンドを実行します。
    lsresponse "E-mail"
    出力は次のようになります。
    ResponseName = "E-mail root anytime"
    Action       = "E-mail root"
    ⋮
    ResponseName = "E-mail root first shift"
    Action       = "E-mail root"

Location

/opt/rsct/bin/lsresponse