lsresource コマンド
目的
システムで使用できるデバイスのバス・リソースを表示し、 バス・リソースの解決のための属性値を推奨します。
構文
説明
lsresource コマンドは、割り当てられているバス・リソースのリストを標準出力に書き出したり、 デバイスのバス・リソースが解決するかどうかを判別します。
lsresource コマンドを使用すると、 デバイス論理名 (-l Name) によって指定されたデバイスのバス・リソース属性に現在割り当てられている値を表示できます。 指定されたデバイスと同じ親バスに属するすべてのデバイスのすべてのバス・リソース属性に現在割り当てられている値を表示するには、 -a フラグを使用してください。
指定されたデバイスのバス・リソースが解決可能であるかどうかを判別するには、 -r フラグを使用してください。 この場合、lsresource コマンドは、定義されていても使用できないデバイスを含め、指定されたデバイスと同じ親バスに属するにすべてのデバイスを検査して、それぞれのリソース属性が解決可能かどうかを判別します。 すべての属性が解決する場合は、lsresource コマンドは出力を作成しません。lsresource コマンドは、いずれかのデバイスのバス・リソースが解決できない場合に検出された対立の種類に応じて情報を提供します。場合によっては、lsresource コマンドは、対立を解決に導く情報を提供する場合もあります。
lsresource コマンドは、あるユーザーしか変更できない属性から対立が生じた場合に、 デバイス名、属性名、および属性についての推奨値を識別します。 その属性を推奨値に設定すると、対立は解決されるはずです。 これは、あるユーザーだけが変更できる属性を持つデバイスの構成に役立つ可能性があります。 そのようなデバイスには、値を選択するカード上のジャンパーまたはスイッチを使用するアダプター・カードが組み込まれています。
通常は、システムがブート時に調整できるものなのに、デバイスが使用可能状態になっているために実行時に調整できない属性があり、それが原因で対立が生じる場合があります。 このような状況では、lsresource コマンドはシステムをリブートして解決するよう指示します。
解決できない対立が発生したときには、複数のユーザー変更可能属性が識別されることがあります。これらは、指定されたデバイス論理名 (-l Name) で指定されたデバイスまたはシステム内の別デバイスについてのものです。この対立を解決するには、識別された属性のすべてを変更する必要があります。 これは、ユーザー変更可能属性が識別され、リブートが指示された場合であってもあり得ます。この場合には、識別された属性のすべてを変更し、システムをリブートして競合を解決します。
最後に、lsresource により、デバイス構成データベースで現在定義されているデバイスの集合は、 属性を変更したり、システムをリブートしても解決できないと判別される場合があります。 この場合には、解決できなかったデバイスのリストが標準出力に書き出されます。 定義したばかりの新しいデバイスで問題が発生した場合は、そのデバイスを除去するか、lsresource によりリストされたデバイスを除去してください。デバイスを除去しても問題が解決されない場合には、次にリブートしたときにさらに問題が発生する場合があります。これは、ブート時にデバイスが解決される順序が、 lsresource により解決される順序と異なっており、その結果として、ブート時に別のデバイスの集合が解決不可になるためです。 ブート時に解決できないデバイスの集合に、ブートに必要なデバイスが含まれていると、 コンソールが構成されなかったり、システムがブートできないといった問題が発生する場合があります。
以下の記述は、現在割り当てられているバス・リソース値をリストするのに lsresource を使用した場合に適用されます (-r フラグは指定されていません)。
出力リストの TYPE フィールドには、以下の記号が指定されます。
項目 | 説明 |
---|---|
B | バス・メモリー・アドレス値 |
M | バス・メモリー・アドレス値 |
O | 入出力アドレス値 |
I | バス割り込みレベル |
N | 共用バス以外の割り込みレベル |
A | DMA 調停レベル |
S 列は、共用属性を示します。 これらは、同一の値に設定する必要のある属性です。 これらは、列で指定された番号によってグループ化されます。 1 が付けられた属性はすべて同一の値に設定する必要があり、 2 が付けられた属性はすべて同一の値に設定する必要があり、以下同様です。 場合によっては、2 つ以上の割り込み属性が同じ値に設定されていても、 S 列には、それらの属性が共用属性であることを示す数値が入っていない場合があります。 これは、それらの値が同じであることが必要な訳ではなく、 それぞれに固有値を割り当てることができなかったために偶然同じ値に設定されただけです。
G 列は、あるグループ内の属性を示します。 これらは、値が相互に依存する属性の集合です。 ある属性が次の可能な値に変更される場合は、 グループ内の残りの属性も次の可能な値に変更されなければなりません。 それらのグループ化は、列で指定された番号によって示されます。 1 が付けられた属性はすべて同じグループであり、 2 が付けられた属性はすべて同じグループであり、以下同様です。
一部のモデルでは、表示される割り込み値の後ろに、括弧で囲まれた値が付いている場合があります。これは、割り込み値の一部ではなく、その割り込みが関連付けられている割り込みコントローラーを識別するサーバーです。ID は、A0 のように、 英字と、それに続く数字から構成されます。 英字は割り込みコントローラーのタイプを示し、 数字はそのタイプのコントローラーの複数インスタンスを区別します。 割り込みコントローラーには、次の 2 つのタイプがあります。
項目 | 説明 |
---|---|
A | AT 割り込みコントローラーを示します。 |
B | AT 以外の割り込みコントローラーを示します。 |
フラグ
項目 | 説明 |
---|---|
-a | -l フラグと共に指定されたデバイスと同じ上位親バスに接続されているすべてのデバイスの割り当て済みバス・リソース属性をすべて表示するようにします。 このフラグは、-r フラグと一緒には使用できません。 |
-d | 属性テキスト記述を出力に記載することを指定します。 |
-l Name | (小文字の L) 表示するデバイスの属性の論理名を指定します。 |
-r | -l フラグで指定されたデバイスと同じ上位親バスに接続されているすべてのデバイスのバス・リソースの解決をすべて試みるよう指定します。これには、定義済み状態のデバイスすべてが含まれます。 lsresource コマンドは、対立があればその対立を表示し、ユーザーに変更可能な値を提示します。 ODM データベースへの変更は行われません。このフラグは、-a フラグと一緒には使用できません。 |
セキュリティー
アクセス制御: 任意のユーザー
イベントの監査 : 該当しません。
例
- トークンリング・デバイスのバス属性をリストするには、次のように入力します。
システムは次のようなメッセージを表示します。lsresource -l tok0
TYPE DEVICE ATTRIBUTE S G CURRENT VALUE ----- -------------- --------------- - - ---------------------- M tok0 dma_bus_mem 0x003b2000 - 0x003f1fff O tok0 bus_io_addr 0x000086a0 - 0x000086af N tok0 bus_intr_lvl 3 A tok0 dma_lvl 7
- すべてのデバイスのバス属性をリストするには、次のように入力します。
システムは次のようなメッセージを表示します。lsresource -a -l tok0
TYPE DEVICE ATTRIBUTE S G CURRENT VALUE ----- -------------- --------------- - - ----------------------- M bus0 bus_iocc_mem 0x00fffff0 - 0x00ffffff M gda0 vram_start 1 0x00400000 - 0x007fffff M gda0 bus_mem_start 0x000c0000 - 0x000c1fff M gda0 dma1_start 0x00800000 - 0x009fffff M gda0 dma2_start 0x00a00000 - 0x00bfffff M gda0 dma3_start 0x00c00000 - 0x00dfffff M gda0 dma4_start 0x01000000 - 0x011fffff M scsi0 bus_mem_addr 0x000e0000 - 0x000e0fff M scsi0 dma_bus_mem 0x00100000 - 0x00301fff M tok0 dma_bus_mem 0x003b2000 - 0x003f1fff O da0 bus_io_addr 0x00000060 - 0x0000006f O siokta0 bus_io_addr 0x00000050 - 0x00000051 O sioma0 bus_io_addr 0x00000048 - 0x00000049 O ppa0 bus_io_addr 0x00000078 - 0x0000007a O gda0 bus_addr_start 1 0x00002110 - 0x0000211f O tok0 bus_io_addr 0x000086a0 - 0x000086af I siokta0 bus_intr_lvl 1 (A0) I sioma0 bus_intr_lvl 1 (A0) I ppa0 bus_intr_lvl 13 (A0) I gda0 int_level 9 (A0) I scsi0 bus_intr_lvl 14 (A0) N fda0 bus_intr_lvl 6 (A0) N tok0 bus_intr_lvl 3 (A0) A fda0 dma_lvl 0 A gda0 dma_channel 3 A scsi0 dma_lvl 4 A tok0 dma_lvl 7
- デバイス属性の解決の結果を報告するには、次のように入力します。
解決の結果に応じて、表示されるメッセージは異なります。以下に示す出力は、変更が行われた場合、つまり属性を提示されている値に変更すると、対立が解決されるということを示しています。lsresource -r - d -l tok0
lsresource: The attribute(s) for some device(s) in the system could not be resolved. To resolve conflicts, attribute(s) need to be modified. A suggested value for each attribute is provided. DEVICE ATTRIBUTE CURRENT SUGGESTED DESCRIPTION -------------- --------------- ------- --------- ----------- ent1 bus_intr_lvl 11 5 Bus interrupt level ent1 bus_mem_addr 0xc0000 0xc4000 Bus memory address ent1 bus_io_addr 0x300 0x320 Bus I/O address ent2 bus_intr_lvl 11 7 Bus interrupt level ent2 bus_mem_addr 0xc0000 0xc8000 Bus memory address
ファイル
項目 | 説明 |
---|---|
/usr/sbin/lsresource | lsresource コマンドが入っています。 |