lscondresp コマンド

目的

ある条件と、その条件/応答のすべての関連付けについての情報をリストします。

構文

条件と 1 つ以上の応答との間のリンクをリストする場合:

lscondresp [-a | -n] [ -l | -t | -d | -D delimiter ] [-q] [-U] [-x] [-z] [-h] [-TV] [condition[:node_name] [response1 [response2...]]]

1 つ以上の応答へのすべてのリンクをリストする場合:

lscondresp [ -a | -n ] [ -l | -t | -d | -D delimiter] [-q] [-x] [-z] -r [-U] [-h] [-TV] response1[:node_name] [response2...]

説明

lscondresp コマンドは、条件とそのリンクされた応答についての情報を表示します。 条件と応答の間のリンクを、条件/応答関連付け と呼びます。 情報には、どの条件にリンクされた応答であるか、および条件とリンクされた応答に対してモニターがアクティブになっているかどうかが含まれます。 次の情報がリストされます。
フィールド 説明
Condition 応答にリンクした条件の名前。
Response 条件にリンクした応答の名前。
State 条件に対する応答の状況。状況は指定された応答がアクティブであるかどうかを示します。
Node 条件と応答の場所。
Locked リソースがロックされるかアンロックされるかを示します。

特定の条件と応答をリストするには、Condition と Response の両方を指定します。 1 つの条件に対するすべての応答をリストするには、Condition のみを指定します。 応答にリンクしているすべての条件をリストするには、Response と -r フラグを指定します。すべての条件とそれらにリンクした 応答をリストするには、Condition パラメーターも Response パラメーターも指定しないでください。

ノード名を指定すると、そのノードに定義されている条件/応答関連付けだけが表示されます。 あるノードに関する条件/応答関連付けをすべてリストするには、コロン (:) の後にノード名を指定します。 このノード名は、CT_MANAGEMENT_SCOPE 環境変数によって決められている管理有効範 囲内のノードです。この管理有効範囲は、条件/応答関連付けをリストする元となるノード・リ ストを決定します。 Local 有効範囲の場合には、ローカル・ノードにおける条件/応答関連付けのみを リストします。 管理ドメイン有効範囲とピア・ドメイン有効範囲の場合、そのドメイン内のすべて のノードにおける条件/応答関連付けがリストされます。

-a フラグも -n フラグも指定されていない場合は、応答に関して選択されたすべての条件がリストされます。 表形式がデフォルトです。

フラグ

-a
条件に対してアクティブな応答のみをリストします。
-n
条件に対してアクティブでない応答のみをリストします。
-l
条件情報と応答情報を別々の行に表示します (長形式)。
-t
条件情報と応答情報を別々の列に表示します (テーブル形式)。
-d
区切り文字フォーマットの出力を指定します。デフォルトの区切り文字はコロン (:) です。デフォルトの区切り文字を変更したい場合は、-D フラグを使用します。
-D delimiter
delimiter を使用する区切り文字フォーマットの出力を指定します。 このフラグを使用して、 デフォルトのコロン (:) 以外の区切り文字を指定します。例えば、表示対象のデータに コロンが含まれる場合、このフラグを使用してコロン以外の 1 文字以上の区切り文字を指定します。
-q
condition または response が存在しない場合には、エラーを返しません。
-U
リソースがロックされるかどうかを指定します。
-x
ヘッダー印刷を抑制します。
-z
このコマンドをクラスター内のすべてのノードに適用することを指定します。クラスター有効範囲は、 CT_MANAGEMENT_SCOPE 環境変数によって決定されます。 この環境変数が設定されていない場合、 コマンドにとって有効な有効範囲になるまで、 最初に管理ドメイン有効範囲 (存在する場合) を選択し、 次にピア・ドメイン有効範囲 (存在する場合) を選択し、 さらにローカル有効範囲を選択します。 コマンドは、最初に見つかった有効な有効範囲に対して 1 回実行されます。 例えば、管理ドメインとピア・ドメインが両方とも存在しており、CT_MANAGEMENT_SCOPE が 設定されていない場合に lscondresp -z を実行すると、管理ドメインがリストされます。 この場合、ピア・ドメインをリストするには、CT_MANAGEMENT_SCOPE を 2 に設定します。
-r
指定された応答に関するすべての条件/応答関連の情報をリストします。 指定されたすべてのコマンド・パラメーターが条件ではなく、応答であることを示すには、このフラグを使用します。
-h
コマンドの使用方法の文を標準出力に書き込みます。
-T
コマンドのトレース・メッセージを標準エラーに書き込みます。これは、ソフトウェア保守部門専用の機能です。
-V
コマンドの詳細メッセージを標準出力に書き込みます。

パラメーター

condition
condition には、条件名または条件名を示すサブストリングを指定できます。 サブストリングである場合には、そのサブストリングが含まれており、応答にリンクされている 定義済みの条件名がリストされます。
response1 [response2...]
このパラメーターには、応答名または応答名を示すサブストリングを指定できます。 複数の応答名を指定できます。サブストリングである場合には、そのサブストリングが含まれており、 条件にリンクされている定義済みの応答名がリストされます。
node_name
条件または応答が定義されているノードを指定します。 node_name が指定されない場合は、ローカル・ノードが使用されます。node_name は、CT_MANAGEMENT_SCOPE 環境変数によって決定される有効範囲内のノードです。

セキュリティー

lscondresp を実行するには、IBM.Association リソース・クラスの読み取り権限が必要です。 権限は、接続先システム上のアクセス制御リスト (ACL) ファイルで指定されています。 ACL ファイルおよびその変更方法について詳しくは、「 RSCT: Administration Guide」を参照してください。

終了状況

0
コマンドは正常に実行されました。
1
RMC でエラーが発生しました。
2
コマンド・ライン・インターフェース・スクリプトでエラーが発生しました。
3
コマンド・ラインに間違ったフラグが入力されました。
4
コマンド・ラインに間違ったパラメーターが入力されました。
5
コマンド・ライン入力の間違いが原因のエラーが発生しました。

環境変数

CT_CONTACT
Resource Monitoring and Control (RMC) デーモンとのセッションが発生するシステムを決定します。 CT_CONTACT にホスト名または IP アドレスが設定されていると、このコマンドは指定されたホスト上の RMC デーモンと連絡を取ります。CT_CONTACT が設定されていない場合、このコマンドは、コマンドが実行されているローカル・システムの RMC デーモンと連絡を取ります。RMC デーモン・セッションのターゲットおよび管理有効範囲によって、 処理されるリソース・クラスまたはリソースが決定されます。
CT_IP_AUTHENT
CT_IP_AUTHENT 環境変数が存在する場合は、RMC デーモンは、IP ベース・ネットワーク認証を使用して、CT_CONTACT 環境変数が設定されている IP アドレスで指定されるシステム上の RMC デーモンと連絡を取ります。 CT_IP_AUTHENT が意味をもつのは、CT_CONTACT が IP アドレスに設定されている場合のみです。つまり、この環境変数はドメイン・ネーム・システム (DNS) サービスには依存しません。
CT_MANAGEMENT_SCOPE
イベント応答リソース・マネージャー (ERRM) のリソースの処理において、RMC デーモンとのセッションに使用される管理有効範囲を決定します。管理有効範囲は、そのリソースを処理可能な候補となり得るターゲット・ノードのセットを決定します。有効な値は、次のとおりです。
0
Local 有効範囲を指定します。
1
Local 有効範囲を指定します。
2
ピア・ドメイン 有効範囲を指定します。
3
管理ドメイン 有効範囲を指定します。

この環境変数が設定されていない 場合は、Local 有効範囲が使用されます。

実装上の固有な条件

このコマンドは、AIX® 用 Reliable Scalable Cluster Technology (RSCT) ファイルセットの一部です。

標準出力

-h フラグが指定されている場合は、このコマンドの使用方法の説明文が標準出力に書き込まれます。 詳細メッセージはすべて、標準出力に書き込まれます。

標準エラー

トレース・メッセージはすべて、標準エラーに書き込まれます。

どのリソースがロックされるかを表示するには、次のコマンドを実行します。
lscondresp -U
出力は次のようになります。
Condition             Response                 Node     State         Locked 
"/tmp space used"     "E-mail root off-shift"  "nodeA"  "Not active"  "Yes"  
"Page space in rate"  "E-mail root anytime"    "nodeA"  "Not active"  "No"
次に示す例は、スタンドアロン・システムに適用されます。
  1. すべての条件とそれらにリンクした応答をリストするには、次のコマンドを実行します。
    lscondresp 
    出力は次のようになります。
    Condition                 Response                      Node       State         
    "FileSystem space used"   "Broadcast event on-shift"    "nodeA"    "Active"      
    "FileSystem space used    "E-mail root anytime"         "nodeA"    "Not Active"  
    "Page in Rate"            "Log event anytime"           "nodeA"    "Active"      
    
    
  2. 条件「FileSystem space used」についての情報をリストするには、次のコマンド を実行します。
    lscondresp "FileSystem space used"
    出力は次のようになります。
    Condition                 Response                      Node       State  
    "FileSystem space used"   "Broadcast event on-shift"    "nodeA"    "Active"     
    "FileSystem space used    "E-mail root anytime"         "nodeA"    "Not Active"  
    
    
  3. アクティブな応答に対する条件「FileSystem space used」についての情報をリストするには、 次のコマンドを実行します。
    lscondresp -a  "FileSystem space used"
    出力は次のようになります。
    Condition                 Response                      Node       State  
    "FileSystem space used"   "Broadcast event on-shift"    "nodeA"    "Active"
    
    
  4. 条件「FileSystem space used」およびリンクした応答「Broadcast event on-shift」についての情報を リストするには、次のコマンドを実行します。
    lscondresp  "FileSystem space used" "Broadcast event on-shift"                           												
    出力は次のようになります。
    Condition                 Response                      Node       State  
    "FileSystem space used"   "Broadcast event on-shift"    "nodeA"    "Active"       
    
    
  5. 文字列 space が名前に含まれているすべての条件とリンクされた応答をリストするには、 次のコマンドを実行します。
    lscondresp space
    出力は次のようになります。
    Condition                 Response                      Node       State  
    "FileSystem space used"   "Broadcast event on-shift"    "nodeA"    "Active"       
    "FileSystem space used    "E-mail root anytime"         "nodeA"    "Not Active"   
    
    
次に示す例は、管理ドメインに適用されます。
  1. 次の例では、条件「FileSystem space used」が管理サーバーに定義されています。 条件「FileSystem space used」についての情報をリストするには、管理サーバーで次のコマンド を実行します。
    lscondresp "FileSystem space used" 
    出力は次のようになります。
    Condition                  Response                     Node       State  
    "FileSystem space used"    "Broadcast event on-shift"   "nodeB"    "Active"      
    "FileSystem space used"    "E-mail root anytime"        "nodeB"    "Not Active"   
    
    
  2. 次の例では、条件「FileSystem space used」が管理ノード nodeC に定義されています。 条件「FileSystem space used」についての情報をリストするには、管理サーバーで次のコマンド を実行します。
    lscondresp "FileSystem space used":nodeC 
    出力は次のようになります。
    Condition                  Response                     Node     State  
    "FileSystem space used"    "Broadcast event on-shift"   "nodeC"    "Active"       
    "FileSystem space used"    "E-mail root anytime"        "nodeC"    "Not Active"    
    
    
次の例は、ピア・ドメインに適用されます。
  1. 次の例では、条件「FileSystem space used」がドメインに定義されています。 条件「FileSystem space used」についての情報をリストするには、ドメイン内のいずれかのノードで 次のコマンドを実行します。
    lscondresp "FileSystem space used" 
    出力は次のようになります。
    Condition                 Response                      Node       State  
    "FileSystem space used"   "Broadcast event on-shift"    "nodeD"    "Active"       
    "FileSystem space used"   "E-mail root anytime"         "nodeD"    "Not Active"   
    "FileSystem space used"   "Broadcast event on-shift"    "nodeE"    "Active"       
    "FileSystem space used"   "E-mail root anytime"         "nodeE"    "Not Active"    

Location

/opt/rsct/bin/lscondresp