lscondition コマンド

目的

1 つ以上の条件に関する情報をリストします。

構文

lscondition [-a] [ -m-n-e ] [ -C-l-t-d-D delimiter ] [-A] [-q] [-U] [-x] [-h] [-TV] [condition1 [,condition2,...]:node_name]

説明

lscondition コマンドは、定義済み条件に関する次の情報をリストします。
フィールド 説明
Name 条件の名前。
Node 条件のロケーション (管理ドメイン有効範囲またはピア・ドメイン有効範囲の場合)。
MonitorStatus 条件の状況。
ResourceClass この条件によってモニターされるリソース・クラス。
EventExpression この条件のモニターに使用される式。
EventDescription EventExpression フィールドについての記述。
RearmExpression イベントの発生後、この条件に対するモニターを再始動するかどうかを決定する式。
RearmDescription RearmExpression フィールドについての記述。
SelectionString ResourceClass 属性に適用されて、この条件のモニターに含めるリソースを決定する選択文字列。
Severity 条件の重大度。値は Critical (重大)、Warning (警告)、または Informational (通知) のいずれかになります。
NodeNames 条件が登録されているノードのホスト名。
MgtScope 条件をモニターする RMC 有効範囲。
Toggle 条件をイベントとリアーム・イベントとの間で切り替えるかどうかを指定します。
Locked リソースがロックされるかアンロックされるかを指定します。
EventBatchingInterval 累積されたイベントが一緒にバッチされ、応答に送信される時点を判別するために使用される秒単位の時刻を指定します。0 の値は、バッチ処理が使用されないことを示します。
EventBatchingMaxEvents イベントの単一バッチに入れることができるイベントの最大数を指定します。0 の値は、EventBatchingInterval の値が 0 でない場合、最大値がないことを示します。
BatchedEventRetentionPeriod すべての関連付けられた応答スクリプトが実行された後に、バッチされたイベント・ファイルが保持される時間を時間単位で指定します。
BatchedEventMaxTotalSize 保存されるバッチ・イベント・ファイル・サイズの合計が、条件ごとにメガバイト (MB) 単位の特定のサイズを超えることができないことを指定します。RecordAuditLog 監査ログに対する ERRM ログ項目の詳細のレベル (ALL、Error Only、または None) を指定します。

すべての条件をリストするには、条件名を指定せずに lscondition コマンドを入力します。すべての条件名のリストが、各条件のモニター状況付きで返されます。 この場合のデフォルトの形式は表形式です。 条件名の後にノード名を指定すると、そのノードに定義されている条件だけが表示されます。 あるノードの条件をすべてリストするには、コロン (:) の後にノード名を指定します。 ノード名は、CT_MANAGEMENT_SCOPE 環境変数によって決められている管理有効範囲内のノードです。管理有効範囲は、 条件をリストするノードのリストを決定します。 Local 有効範囲の場合には、ローカル・ノードの条件のみがリストされます。 それ以外の場合には、ドメイン内のすべてのノードの条件がリストされます。

すべての条件名についてのすべての情報を表示するには、lscondition コマンド と共に -A フラグを指定します。条件名が指定されていない場合は、-A フラグを指定すると、条件に関するすべての情報が表示されます。すべての条件に関するすべての情報が表示される場合には、長形式がデフォルト・フォーマットです。 monitoring-status フラグ (-e-m、または -n ) が指定されている場合には、状況付きの条件がリストされます。

複数の条件を指定した場合、 条件情報はその条件名が入力された順序でリストされます。

デフォルトでは、lscondition コマンドで条件名が指定されると、その条件のすべての属性が表示されます。

システムにクラスター・システム・マネージメント (CSM) がインストールされている場合は、CSM 定義のノード・グループをノード名の値として使用して、複数のノードを参照できます。

フラグ

-a
このコマンドをクラスター内のすべてのノードに適用することを指定します。クラスター有効範囲は、CT_MANAGEMENT_SCOPE 環境変数によって決定されます。 この環境変数が設定されていない場合、 コマンドにとって有効な有効範囲になるまで、 最初に管理ドメイン有効範囲 (存在する場合) を選択し、 次にピア・ドメイン有効範囲 (存在する場合) を選択し、 さらにローカル有効範囲を選択します。 コマンドは、最初に見つかった有効な有効範囲に対して 1 回実行されます。 例えば、管理ドメインとピア・ドメインが両方とも存在しており、CT_MANAGEMENT_SCOPE が 設定されていない場合に lscondition -a を実行すると、管理ドメインがリストされます。 この場合、ピア・ドメインをリストするには、CT_MANAGEMENT_SCOPE を 2 に設定します。
-A
条件のすべての属性を表示します。
-C
条件に基づいて mkcondition コマンド・テンプレートを表示します。 このテンプレートと変更すると、新しい条件を作成できます。複数の条件を指定すると、mkcondition コマンドのテンプレートが別々の行に表示されます。条件が無指定 の場合は、このフラグは無視されます。このフラグを設定すると、-l フラグが無効になります。
-d
区切り文字フォーマットの出力を生成します。 デフォルトの区切り文字はコロン (:) です。デフォルトの区切り文字を変更するには、-D フラグを使用します。
-D delimiter
指定された区切り文字を使用する、区切り文字フォーマットの出力を生成します。 このフラグを使用して、 デフォルトのコロン (:) 以外の区切り文字を指定します。例えば、表示するデータにコロンが含まれる場合に使用します。 このフラグを使用して、1 文字以上の区切り文字を指定します。
-e
エラーがモニターされた条件のみをリストします。
-l
長形式の出力を生成します。条件情報を別々の行に表示します。
-m
エラーなしでモニターされている条件のみをリストします。
-n
モニターされていない条件のみをリストします。
-q
条件が存在しない場合に、エラーを返しません。
-t
条件情報を別々の列に表示します (テーブル形式)。
-U
リソースがロックされるかどうかを指定します。
-x
ヘッダー印刷を抑制します。
-h
コマンドの使用方法の文を標準出力に書き込みます。
-T
コマンドのトレース・メッセージを標準エラーに書き込みます。これは、ソフトウェア保守部門専用の機能です。
-V
コマンドの詳細メッセージを標準出力に書き込みます。

パラメーター

condition1 [,condition2,...]
ホスト名 node_name に定義されている既存の条件の名前を指定します。複数の 条件名を指定できます。このパラメーターには、条件名または条件名を示すサブストリングを指定できます。 サブストリングである場合には、そのサブストリングが含まれている定義済みの条件名がリストされます。
node_name
条件が定義されているノードを指定します。node_name が指定されない場合は、ローカル・ノードが使用されます。node_name は、CT_MANAGEMENT_SCOPE 環境変数によって決定される有効範囲内のノードです。

セキュリティー

lscondition を実行するには、IBM.Condition リソース・クラスの読み取り権限が必要です。 権限は、接続先システム上のアクセス制御リスト (ACL) ファイルで指定されています。 ACL ファイルおよびその変更方法について詳しくは、「RSCT: Administration Guide」を参照してください。

終了状況

0
コマンドは正常に実行されました。
1
RMC でエラーが発生しました。
2
コマンド・ライン・インターフェース・スクリプトでエラーが発生しました。
3
コマンド・ラインに間違ったフラグが入力されました。
4
コマンド・ラインに間違ったパラメーターが入力されました。
5
コマンド・ライン入力の間違いが原因のエラーが発生しました。

環境変数

CT_CONTACT
Resource Monitoring and Control (RMC) デーモンとのセッションが発生するシステムを決定します。 CT_CONTACT にホスト名または IP アドレスが設定されていると、このコマンドは指定されたホスト上の RMC デーモンと連絡を取ります。CT_CONTACT が設定されていない場合、このコマンドは、コマンドが実行されているローカル・システムの RMC デーモンと連絡を取ります。RMC デーモン・セッションのターゲットおよび管理有効範囲によって、 処理されるリソース・クラスまたはリソースが決定されます。
CT_IP_AUTHENT
CT_IP_AUTHENT 環境変数が存在する場合は、RMC デーモンは、IP ベース・ネットワーク認証を使用して、CT_CONTACT 環境変数が設定されている IP アドレスで指定されるシステム上の RMC デーモンと連絡を取ります。 CT_IP_AUTHENT が意味をもつのは、CT_CONTACT が IP アドレスに設定されている場合のみです。つまり、この環境変数はドメイン・ネーム・システム (DNS) サービスには依存しません。
CT_MANAGEMENT_SCOPE
イベント応答リソース・マネージャー (ERRM) のリソースの処理において、RMC デーモンとのセッションに使用される管理有効範囲を決定します。管理有効範囲は、そのリソースを処理可能な候補となり得るターゲット・ノードのセットを決定します。有効な値は、次のとおりです。
0
Local 有効範囲を指定します。
1
Local 有効範囲を指定します。
2
ピア・ドメイン 有効範囲を指定します。
3
管理ドメイン 有効範囲を指定します。

この環境変数が設定されていない 場合は、Local 有効範囲が使用されます。

実装上の固有な条件

このコマンドは、AIX® 用の 高信頼性スケーラブル・クラスター・テクノロジー (RSCT) (Reliable Scalable Cluster Technology (RSCT)) ファイルセットに含まれます。

標準出力

-h フラグが指定されている場合は、このコマンドの使用方法の説明文が標準出力に書き込まれます。 詳細メッセージはすべて、標準出力に書き込まれます。

標準エラー

トレース・メッセージはすべて、標準エラーに書き込まれます。

次に示す例は、スタンドアロン・システムに適用されます。
  1. すべての条件とそれらのモニター状況をリストするには、次のコマンドを実行します。
    lscondition 
    出力は次のようになります。
     Name                      Node          MonitorStatus
    "FileSystem space used"   "nodeA"       "Monitored"
    "tmp space used"          "nodeA"       "Not monitored"
    "var space used"          "nodeA"       "Error"       
    
  2. 条件「FileSystem space used」についての一般情報を長形式でリストするには、次のコマンド を実行します。
    lscondition "FileSystem space used"
    出力は次のようになります。
    Name             = "FileSystem space used"
    Node             = "nodeA"
    MonitorStatus    = "Monitored"
    ResourceClass    = "IBM.FileSystem"
    EventExpression  = "PercentTotUsed > 99"
    EventDescription = "Generate event when space used is
                        greater than 99 percent full"
    RearmExpression  = "PercentTotUsed < 85"
    RearmDescription = "Start monitoring again after it is
                        less than 85 percent"
    SelectionString  = ""
    Severity         = "w"
    NodeNames        = "{}"
    MgtScope         = "l"
    Toggle           = "Yes"
    Locked           = "No" 
  3. 条件「FileSystem space used」を作成するコマンドをリストするには、次のコマンド を実行します。
    lscondition -C "FileSystem space used"
    出力は次のようになります。
    mkcondition -r IBM.FileSystem -a PercentTotUsed ¥
    -e "PercentTotUsed > 99" -E "PercentTotUsed < 85" ¥
    -d "Generate event when space used is greater than 99 percent full" ¥
    -D "Start monitoring after it is less than 85 percent" ¥
    -S w "FileSystem space used"
  4. 文字列 space が名前に含まれているすべての条件をリストするには、次のコマンドを実行します。
    lscondition space	
    出力は次のようになります。
    Name             = "FileSystem space used"
    MonitorStatus    = "Monitored"
    
    Name             = "tmp space used"
    MonitorStatus    = "Not Monitored"
    
    Name             = "var space used" 
    MonitorStatus    = "Monitored"
    
    
    
  5. エラーになっている条件をリストするには、次のコマンドを実行します。
    lscondition -e	
    出力は次のようになります。
    Name               MonitorStatus      
    "var space used"   "Error"           
     	
次の例は、クラスター・システムに適用されます。
  1. すべての条件とそれらのモニター状況をリストするには、次のコマンドを実行します。
    lscondition -a 
    出力は次のようになります。
    Name                      Node        MonitorStatus
    "FileSystem space used"   "nodeA"     "Monitored"
    "tmp space used"          "nodeB"     "Not monitored"
    "var space used"          "nodeC"     "Error"       
    

Location

/opt/rsct/bin/lscondition