lscomg コマンド

目的

ピア・ドメインの通信グループに関する情報を表示します。

構文

lscomg [-l-t-d-D delimiter] [-x] [-i] [-h] [-TV] [communication_group]

説明

lscomg コマンドは、それコマンドが実行されているオンライン・ピア・ドメインに対して定義された通信グループに関する情報を表示します。通信グループの名前を指定すると、lscomg コマンドはその通信グループのみについての情報を表示します。

表示された通信グループ情報の一部を以下に示します。
フィールド 説明
Name 通信グループの名前。
Sensitivity 障害の要因となる到達しそこなったハートビート数。
Period ハートビートの間の秒数。
Priority 通信グループの相対的な優先順位。
Broadcast 基礎となるメディアでブロードキャストがサポートされる場合、ブロードキャストを使用するかどうかを示します。
SourceRouting 基礎となるメディアで送信元経路指定がサポートされる場合、送信元経路指定を使用するかどうかを示します。
NIMPath 通信グループのアダプター・タイプをサポートするネットワーク・インターフェース・モジュール (NIM) へのパス。
NIMParameters NIM 始動パラメーター

インターフェース・リソース

-i フラグを使用して、communication_group に関するインターフェース・リソースの情報を表示します。

IP 通信グループ (MediaType = 1) について、lscomg -i は、以下の情報を表示します。
フィールド 説明
Name communication_group を参照するインターフェース・リソース名。
NodeName communication_group を参照するインターフェース・リソースのホスト名。
IPAddress communication_group を参照するインターフェース・リソースの IP アドレス。
SubnetMask communication_group を参照するインターフェースのサブネット・マスク。
Subnet communication_group を参照するインターフェース・リソースのサブネット
ディスク・ハートビート (MediaType = 2) および他の非 IP タイプの通信グループ (MediaType = 0) について、lscomg -i は、次の情報を表示します。
フィールド 説明
Name communication_group を参照するインターフェース・リソース名。
NodeName communication_group を参照するインターフェース・リソースのホスト名。
DeviceInfo デバイスについての情報
MediaType この通信グループを構成するインターフェースのタイプ。

フラグ

-l
情報を別々の行に表示します (長形式)。
-t
情報を別々の列に表示します (テーブル形式)。これは、デフォルトのフォーマットです。
-d
区切り文字を使用して情報を表示します。デフォルトの区切り文字はコロン (:) です。デフォルトの区切り文字を変更したい場合は、-D フラグを使用します。
-D delimiter
指定した区切り文字を使用して情報を表示します。このフラグを使用して、 デフォルトのコロン (:) 以外の区切り文字を指定します — 例えば、表示する情報にコロンが含まれている場合などです。このフラグを使用すると、1 文字以上の区切り文字を指定できま す。
-x
ヘッダーを除外します (ヘッダーの印刷を抑止します)。
-i
communication_group を参照するインターフェース・リソースについての情報を表示します。
-h
コマンドの使用方法の文を標準出力に書き込みます。
-T
コマンドのトレース・メッセージを標準エラーに書き込みます。これは、ソフトウェア保守部門専用の機能です。
-V
コマンドの詳細メッセージを標準出力に書き込みます。

パラメーター

communication_group
情報を表示する対象の通信グループの名前を指定します。 通信グループ名または通信グループ名のサブストリングをこのパラメーターに指定できます。サブストリングを指定した場合、コマンドは、そのサブストリングを含む名前を持つすべての定義済み通信グループの情報を表示します。

セキュリティー

lscomg コマンドのユーザーには、 IBM.CommunicationGroup リソース・クラスの読み取り許可が必要です。IBM.NetworkInterface リソース・クラスの読み取り許可は、ネットワーク・インターフェース情報を表示する場合に必須です。デフォルトでは、ピア・ドメイン内のすべてのノードの root が、構成リソース・マネージャーを介してこれらのリソース・クラスに対する読み取りおよび書き込み許可を持っています。

終了状況

0
コマンドは正常に実行されました。
1
RMC でエラーが発生しました。
2
コマンド・ライン・インターフェース・スクリプトでエラーが発生しました。
3
コマンド・ラインに間違ったフラグが入力されました。
4
コマンド・ラインに間違ったパラメーターが入力されました。
5
コマンド・ライン入力の間違いが原因のエラーが発生しました。
6
通信グループ定義が存在しません。

環境変数

CT_CONTACT
Resource Monitoring and Control (RMC) デーモンとのセッションが発生するシステムを決定します。 CT_CONTACT にホスト名または IP アドレスが設定されていると、このコマンドは指定されたホスト上の RMC デーモンと連絡を取ります。CT_CONTACT が設定されていない場合、このコマンドは、コマンドが実行されているローカル・システムの RMC デーモンと連絡を取ります。RMC デーモン・セッションのターゲットおよび管理有効範囲によって、 処理されるリソース・クラスまたはリソースが決定されます。
CT_IP_AUTHENT
CT_IP_AUTHENT 環境変数が存在する場合は、RMC デーモンは、IP ベース・ネットワーク認証を使用して、CT_CONTACT 環境変数が設定されている IP アドレスで指定されるシステム上の RMC デーモンと連絡を取ります。 CT_IP_AUTHENT が意味をもつのは、CT_CONTACT が IP アドレスに設定されている場合のみです。つまり、この環境変数はドメイン・ネーム・システム (DNS) サービスには依存しません。

制限

このコマンドは、通信グループが存在するピア・ドメインに対して定義済みでオンラインのノードで実行しなければなりません。

実装上の固有な条件

このコマンドは、AIX® 用の 高信頼性スケーラブル・クラスター・テクノロジー (RSCT) (Reliable Scalable Cluster Technology (RSCT)) ファイルセットに含まれます。

標準入力

-f "-" または -F "-" フラグを指定すると、このコマンドは標準入力から 1 つ以上のノード名を読み取ります。

標準出力

-h フラグが指定されている場合は、このコマンドの使用方法の説明文が標準出力に書き込まれます。 詳細メッセージはすべて、標準出力に書き込まれます。

標準エラー

トレース・メッセージはすべて、標準エラーに書き込まれます。

次の例では、nodeA がピア・ドメイン ApplDomain に対して定義済みでオンラインです。
  1. ApplDomain の通信グループついての一般情報を表示するには、次のコマンドを nodeA で実行します。
    lscomg
    次の出力が表示されます。
    
    Name  Sensitivity  Period  Priority  Broadcast  SourceRouting  NIMPath                      NIMParameters  
    ComG1      2          2        1        no          yes        /opt/rsct/bin/hats_nim      -l 5 
     
  2. ピア・ドメイン ApplDomain の通信グループ ComGrp1 に関するインターフェース・リソースの情報を表示するには、次のコマンドを nodeA で実行します。
    lscomg -i ComGrp1 
    次の出力が表示されます。
    Name    NodeName    IPAddr         SubnetMask       Subnet 
    eth0    n24         9.234.32.45    255.255.255.2    9.235.345.34 
    eth0    n25         9.234.32.46    255.255.255.2    9.235.345.34

Location

/opt/rsct/bin/lscomg