lpq コマンド

この lpq コマンドのセクションには、 AIX® 印刷サブシステムの lpq と System V 印刷サブシステムの lpq に関する情報が含まれています。

AIX 印刷サブシステムの lpq コマンド

目的

スプール・キューを検査します。

構文

lpq [ + [ Number ] ] [ -l | -W ] [ -P Printer ] [ JobNumber ] [ UserName ]

説明

lpq コマンドは指定されたジョブまたは指定された UserName 変数および JobNumber 変数と関連するすべてのジョブの状況を報告します。 JobNumber 変数は表示させたいスプール・キューに入っているジョブの番号を指定します。 UserName 変数はそのキューにジョブの実行を依頼したユーザーの名前に対するジョブを表示するよう指定します。

lpq コマンドはオプションなしで呼び出されると、 現在デフォルトのキューに入っているジョブについて報告します。 パラメーターとして認識されないパラメーターが指定されると、 ユーザー名またはジョブ番号として解釈し、 対象のジョブのみをフィルターで除去します。

実行依頼された各ジョブ (lpr コマンドによって呼び出された各ジョブ) について、 lpq コマンドはユーザー名、キュー内の現在のランク、ジョブ内の名前、 ジョブ ID (特定のジョブを除去するために lprm コマンドに指定できる番号)、 および総ブロック数を報告します。 通常は、一行分の情報だけを表示します。 ジョブの順番はスプーリング・ディレクトリーをスキャンするアルゴリズムによって変わりますが、 FIFO (先入れ先出し) であると見なされます。 ジョブを構成するファイル名は使用できない場合もあります (lpr コマンドがパイプライン内のシンクとして使われる場合)。 この場合、ファイルは - (標準入力) として示されます。

lpq コマンドによって生成された表示には、 リモート・キューの 2 つのエントリーが含まれます。 第 1 のエントリーには、クライアントのローカル・キューとローカル・デバイス名、 およびその状況情報が含まれます。 第 2 のエントリーは第 1 のエントリーのすぐ後にあり、クライアントのローカル・キュー名 (再度) の後にリモート・キュー名が表示されます。 リモート・キューに対して実行依頼されたジョブはまずローカル側に表示され、 ジョブがリモート・マシン上で処理されるときにリモート・デバイスに移動します。

状況コマンドはリモート・マシンと通信するので、リモート・マシンからの応答を待機する間に状況表示が停止しているように見えることが時々あります。 2 つのマシンで接続が確立できなかった場合、 コマンドは最終的にタイムアウトになります。

フラグ

項目 説明
-l 長形式の出力を生成します。
+ [ Number ] 空になるまでスプール・キューを表示します。 Number 変数は表示が再生成されるまでの時間を秒単位で表したものです。
-P Printer Printer 変数により指定されたプリンターのスプール・キューを表示します。

注: コマンド・ラインの宛先オプションはいずれも、LPDESTPRINTER の両方の環境変数をオーバーライドします。

-W 状況情報の幅の広いバージョンを表示し、 これには長いキュー名、デバイス名、 およびジョブ番号が含まれます。 このフラグは、-l フラグと共に使用することはできません。 -l フラグと -W フラグを同時に使用すると、最初に指定したものが優先します。

セキュリティー

RBAC ユーザーおよび Trusted AIX ユーザーへの注意: このコマンドは特権命令を実行できます。 特権命令を実行できるのは特権ユーザーのみです。 権限および特権についての詳細情報は、「セキュリティー」の『特権コマンド・データベース』を参照してください。 このコマンドに関連した特権および権限のリストについては、lssecattr コマンドまたは getcmdattr サブコマンドの項を参照してください。

  1. 印刷キュー lp0 内のジョブ番号を表示するには、次のように入力します。
    lpq  -P lp0

    このコマンドは次のようなリストを表示します。

    Queue    Dev      Status    Job    Files    User      PP    %      Blks    CP    Rnk
    lp0       dlp0    running   39      motd     guest    10    83      12      1     1
  2. デフォルト・キューの状況を幅の広いフォーマットで表示するには、次のように入力します。
    lpq  -W

ファイル

項目 説明
/usr/bin/lpq lpq コマンドが入っています。
/usr/sbin/qdaemon キューイング・デーモンが入っています。
/etc/qconfig キュー構成ファイルが入っています。
/etc/qconfig.bin /etc/qconfig ファイルの要約されたバイナリー・バージョンが入っています。
/var/spool/lpd/qdir/* キュー要求が入っています。
/var/spool/lpd/stat/* デバイスの状況に関する情報が入っています。
/var/spool/qdaemon/* キューに入れられたファイルの一時コピーが入っています。

System V 印刷サブシステムの lpq コマンド

目的 (System V)

(BSD) プリンター・ジョブのキューを表示します。

構文 (System V)

/usr/bin/lpq [-Pprinter] [-l] [+ [interval] ] [job# ... ] [username ... ]

説明 (System V)

lpq コマンドは、 プリンター・キューの内容を表示します。 これは job# で指定したジョブの状況、 または username によって指定されたユーザーが所有するすべてのジョブの状況を報告します。 lpq は引数を付けずに呼び出されると、 デフォルトのプリンター・キューにあるすべてのジョブを報告します。

キュー内の各印刷ジョブに関して、 lpq はユーザー名、 現在位置、ジョブを構成する入力ファイル名、 ジョブ番号 (lprm を使用する際に、この番号が参照される)、 合計バイト数を報告します。 通常は、一行分の情報だけを表示します。 ジョブは通常、 先入れ先出し法を基本としてキューに入れられます。 ジョブを構成するファイル名が選択できないことがあります。 例えば lpr がパイプラインの最後で使用されている場合などです。 そのような場合は、 ファイル名フィールドは標準入力を指定します。

(何らかの誤動作が原因で) デーモンが存在しないことを lpq が警告する場合、 lpc コマンドを使用してプリンター・デーモンを再始動できます。

出力フォーマットは端末装置の行の長さに依存するので、 幅の広い列になることもあります。

フラグ (System V)

-P printer
指定した printer のキューに関する情報を表示します。 -P フラグがないと、 環境の PRINTER 変数によって指定されたプリンターのキューが使用されます。 PRINTER 変数が設定されていない場合、 デフォルト・プリンターのキューが使用されます。
-l
長形式のキュー情報を表示します。 これにはジョブの発生元のホスト名が含まれます。
+[interval ]
空になるまでスプール・キューを定期的に表示します。 このオプションは、 キューを報告するまでに端末画面をクリアします。 interval が指定される場合、 lpq は報告が行われる間の数秒間スリープ状態になります。

セキュリティー (System V)

RBAC ユーザーおよび Trusted AIX ユーザーへの注意: このコマンドは特権命令を実行できます。 特権命令を実行できるのは特権ユーザーのみです。 権限および特権についての詳細情報は、「セキュリティー」の『特権コマンド・データベース』を参照してください。 このコマンドに関連した特権および権限のリストについては、lssecattr コマンドまたは getcmdattr サブコマンドの項を参照してください。

ファイル (System V)

/var/spool/lp
スプーリング・ディレクトリー。
/var/spool/lp/tmp/system_name/*-0
ジョブを指定する要求ファイル。

エラー・コード (System V)

lpq: printer is printing
lpq プログラムは、 プリンターの状況に関してスプーラー LPSCHED を照会します。 プリンターが使用不可の場合、 システム管理者は lpc を使用してスプーラーを再始動できます。
lpq: printer waiting for auto-retry (offline ?)
デーモンはプリンターをオープンできませんでした。 プリンターがオフラインの状態になっている可能性があります。 用紙切れの場合や、 紙詰まりの場合にもこのメッセージが出されることがあります。 別の原因として、 出力フィルターなどのプロセスがデバイスの排他使用になっている可能性があります。 このような場合は問題のプロセスを kill し、 lpc を使用してプリンターを再始動するしかありません。
lpq: waiting for host to come up
デーモンは host という名前のリモート・マシンに接続して、 ローカル・キューのファイルを送信しようとしています。 リモート・マシンが稼働中の場合、 リモート・マシンの lpd はおそらく非活動状態にあるか、 ハングしています。 lpc を使用して再始動する必要があります。
lpq: sending to host
ファイルがリモート host に転送中か、 またはファイルの転送中にローカル・デーモンがハングしたかのいずれかです。
lpq: printer disabled reason:
プリンターは lpc で利用不可とマークされました。
lpq: The LP print service isn't running or can't be reached.
スプール・キューを監視する lpsched プロセスが存在しません。 lpc を使用してプリンター・デーモンを再始動できます。
lpq: printer: unknown printer
printer が System V LP データベース内に見つかりませんでした。 多くの場合タイプミスですが、 プリンターがシステムに存在しない可能性もあります。 lpstat -p を使用して理由を調べてください。
lpq: error on opening queue to spooler
ローカル・マシン上の lpsched への接続に失敗しました。 これは通常、ブート時に開始したプリンター・サーバーが非活動状態にあるか、 またはハングしていることを意味しています。 プリンター・スプーラー・デーモン /usr/lib/lp/lpsched が実行中であるか確認してください。
lpq: Can't send message to LP print service
lpq: Can't establish contact with LP print service
これら 2 つのメッセージは、 LP プリント・サービスが停止したことを示しています。 システム管理者の援助を得てください。
lpq: Received unexpected message from LP print service
ソフトウェアにエラーがある可能性があります。 システム管理者の援助を得てください。