lppchk コマンド
目的
インストール可能なソフトウェア・プロダクトのファイルを検査します。
構文
lppchk [ -R { Path | ALL } ] { -c[ u ] | -f | -l [ u ] | -v } [ -m [ 1 | 2 | 3 ] ] [ -O { [ r ] [ s ] [ u ] } ] [ ProductName [ FileList ... ] ]
説明
lppchk コマンドは、 インストール可能なソフトウェア・プロダクト (ファイルセット) のファイルが、 ファイル・サイズ、チェックサム値、シンボリック・リンクに関して、 ソフトウェア重要プロダクト・データ (SWVPD) データベース情報と一致するかどうかを確認します。 ファイルセットは、 個別にインストール可能なソフトウェア・パッケージのオプションです。
フラグ
項目 | 説明 |
---|---|
-c | FileList 項目についてチェックサム操作を行い、 チェックサムとファイル・サイズが SWVPD データベースと整合していることを確認します。 |
-f | FileList 項目が存在し、 ファイル・サイズが SWVPD データベースと一致しているかどうかを検査します。 |
-l | SWVPD データベースで指定されたファイルのシンボリック・リンクを検査します。 |
-m [1|2|3] | 情報を 3 つのレベルで表示します。
レベルは次のとおりです。
|
-O {[r][s][u]} | プログラムの指定された部分を検査します。
スタンドアロン・システムの場合はこのフラグは不要です。その理由は、
このオプションを指定しないと、デフォルトですべての部分が確認されるからです。
各フラグによって、次の部分が指定されます。
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-R { Path|ALL } | ユーザー指定のインストール・ロケーションを示します。 |
-u | システムの情報が SWVPD と一致しない場合、 システムからの新しいチェックサムまたはサイズの情報で SWVPD を更新します。 このフラグは、欠落が判明したシンボリック・リンクを設定します。 このフラグは、-c フラグまたは -l フラグと共に設定する場合にのみ有効です。 |
-v | システムの / (ルート)、/usr、
/usr/share 部が相互に有効であることを検査します。
また、このフラグは、/ (ルート) ファイルシステム上にインストールされたすべてのソフトウェア・プロダクトは、
/usr ファイルシステム上にもインストールされていること、
また反対に、/usr ファイルシステム上にインストールされたすべてのソフトウェア・プロダクトは、
/ (ルート) ファイルシステム上にもインストールされていることを検査します。
このフラグと共に
FileList 項目を指定することはできません。
このフラグはまた、必要条件を満たしているかどうかも検査します。
注: lppchk コマンドの 1 回の実行につき、
-c、-f、-l、
-v フラグのうちいずれか 1 つだけ指定できます。
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パラメーター
項目 | 説明 |
---|---|
FileList | 検査する 1 つ以上のファイルを指定します。
このパラメーターは、スペースで区切られたファイル名のリストです。
ファイル名は、単一の名前か、またはコロンで区切られた一対の名前で指定できます。
前者の形式は単一のファイルを指定する場合に、
後者の形式はアーカイブ・ファイルのメンバーを指定する場合に使用します。
後者の形式では、最初の名前はメンバーを指定し、
2 番目の名前はそのメンバーを含むアーカイブ・ファイルを指定します。
ファイルは絶対パス名で指定してください。
複数のファイルを指定する場合、
パターン・マッチング文字である * (アスタリスク) と ? (疑問符) を使用できます。
ただし、Korn シェルがそれらを展開しないように、
一対の ' (単一引用符) で囲む必要があります。
Korn シェルのワイルドカード拡張を防ぐため、
単一引用符の使用をお勧めします。
このパラメーターを省略すると、 ソフトウェア・プロダクトのすべてのファイルが検査されます。 このパラメーターを指定する場合、 前にソフトウェア・プロダクト名を付ける必要があります。 |
ProductName | ファイルを検査するソフトウェア・プロダクトの名前を指定します。 このパラメーターを省略すると、SWVPD のすべてのソフトウェア・プロダクトが検査されます。 複数のソフトウェア・プロダクトを指定する場合、 パターン・マッチング文字である * (アスタリスク) と ? (疑問符) を使用できますが、 シェルがそれらを展開しないように、一対の ' (単一引用符) で囲む必要があります。 |
終了状況
項目 | 説明 |
---|---|
0 (ゼロ) | コマンドは正常に完了しました。 |
nonzero | エラーが検出されました。 |
lppchk コマンドは、エラーが検出されないと、ゼロを戻します。 ゼロ以外の戻り値はすべて、エラーが検出されたことを示します。
注: lppchk -f (size) または lppchk -c (checksum) がファイルのそれぞれのサイズまたはチェックサムで不一致を検出した場合、ファイルが /usr/emgrdata/DBS/files.db 内の暫定修正によって変更されていた場合、エラーを報告しません。
例
- X11.fnt パッケージを構成するすべてのファイルを検索するには、次のように入力します。
lppchk -c X11.fnt
- 名前が X11 で始まるすべてのソフトウェア・プロダクトのシンボリック・リンクを検査するには、次のように入力します。
lppchk -l 'X11*'
- すべてのファイルセットに必要な要素がすべて揃っていることと、
完全にインストールされていることを確認するには、次のように入力します。
lppchk -v
ファイル
項目 | 説明 |
---|---|
/etc/objrepos/lpp | ルート上のすべてのソフトウェア・プロダクトのインストール情報を指定します。 |
/usr/lib/objrepos/lpp | /usr ファイルシステム上のすべてのソフトウェア・プロダクトのインストール情報を指定します。 |
/usr/share/lib/objrepos/lpp | /usr/share ファイルシステム上のすべてのソフトウェア・プロダクトのインストール情報を指定します。 |
/etc/objrepos/product | ルート上のすべてのソフトウェア・プロダクトのインストールと更新の情報を指定します。 |
/usr/lib/objrepos/product | /usr ファイルシステム上のすべてのソフトウェア・プロダクトのインストールと更新の情報を指定します。 |
/usr/share/lib/objrepos/product | /usr/share ファイルシステム上のすべてのソフトウェア・プロダクトのインストールと更新の情報を指定します。 |
/etc/objrepos/inventory | ルート上のソフトウェア・プロダクト内のファイルの名前と位置を指定します。 |
/usr/lib/objrepos/inventory | /usr ファイルシステム上のソフトウェア・プロダクト内のファイルの名前と位置を指定します。 |
/usr/share/lib/objrepos/inventory | /usr/share ファイルシステム上のソフトウェア・プロダクト内のファイルの名前と位置を指定します。 |